ストレートネック(スマホ首)の治し方〜寝ながら簡単ストレッチとともに解説〜

近年のスマホやPCの普及によって、発症する方が増えている「ストレートネック(スマホ首)」。首の痛みの他に、肩こりや頭痛などの症状も引き起こし、重症化すると日常生活に支障をきたす場合もあります1)

ストレートネックは猫背などの姿勢の悪さや、睡眠時の体に合わない枕などが原因になることが多いです。症状を改善するためには、首周囲の筋肉を伸ばすストレッチや、枕の高さなどの睡眠環境の改善が有効と言われています。

ただし、ストレッチを継続できなければ、ストレートネックを再発してしまう可能性も。そこで本記事では、寝ながら簡単にできるストレートネックの改善にオススメのストレッチを紹介します。

さらに、ストレートネックを予防するために、日常生活で気を付けたいポイントも合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。本記事を参考にすることで、ストレートネック改善のお役に立てれば幸いです。

【ストレートネック(スマホ首)の治し方】寝ながら簡単にできるストレッチ3選!

なかなかストレッチを継続できない方にオススメの、就寝前に寝ながらできるストレッチを紹介します。10分程度で簡単に行えるので、ぜひ試してみてください。

胸郭回旋運動

まずは、背骨の胸部分である胸椎の動きが改善するストレッチを紹介します。胸椎は比較的動きが少ないため、柔軟性が低下しやすく、それに伴い首に過剰な負担がかかる傾向にあります。

胸椎の柔軟性が向上することで、猫背姿勢などの改善にもつながるので、ストレートネックだけではなく腰痛予防にもオススメです。

胸郭回旋運動

STEP1:片膝を90度に曲げて床につけましょう
STEP2:両手を伸ばして合わせせましょう
STEP3:上半身を捻り片手を反対側の床につけましょう
STEP4:元の姿勢に戻りましょう
STEP5:繰り返し実施しましょう
STEP6:背中をしっかりと捻りましょう
※膝が床から離れない様に注意しましょう

スキャプラプッシュアップ

次に、肩甲骨周囲の動きを改善し、安定性を向上させる運動です。肩甲骨周囲が安定することで、首につく筋肉への負担が軽減し、肩こりの改善に役立ちます

首の痛みを確認しながら無理のない範囲で、なるべく背中を大きく動かすように意識しながら試してみましょう。

スキャプラプッシュアップ

STEP1:両肘を地面につけましょう
STEP2:肘で床を押し背中を丸めましょう
STEP3:胸を前方に出しながら背中を反らしましょう
STEP4:2つの動作を繰り返し実施しましょう
STEP5:背中を丸める際はお腹を覗きましょう
STEP6:背中を反らせる際は前を向きましょう
STEP7:繰り返し実施しましょう
STEP8:背中を大きく動かすように意識しましょう

チンインエクササイズ

次に紹介するのは、首の前面につく筋肉を鍛える運動です。顎を引く、うなずくなどの動作に関与しており、鍛えることで首の安定性の向上にもつながります。

首の前面の筋力が低下することで、あごが前に出るような姿勢になりやすく、ストレートネックの症状をさらに悪化させてしまいます。姿勢の改善にも役立つので、ぜひ習慣化して行いましょう。

上位頸椎屈曲運動

STEP1:両肘をついたうつ伏せ姿勢になりましょう
STEP2:顎を軽く引きましょう
STEP3:頭を後方へ引くイメージで運動を行いましょう
STEP4:繰り返し実施します
※首が丸まらないように注意しましょう

 

ストレートネック(スマホ首)の症状はどれくらいの期間で治る?

肩こりを気にする女性の写真

ストレートネックの症状が治るまでの期間は、その方の重症度によってさまざまです。しかし、ストレッチや首の安定性が向上するトレーニングを継続的に行うことで、症状を改善できます2)

また、しびれや頭痛などを伴う場合や、日常生活に支障をきたすほどの症状がある場合は、一度整形外科病院を受診してください。病院を受診し、レントゲンやMRIなどの検査を受けることで適切な治療を受けられ、症状の早期改善につながるでしょう。

ストレートネック(スマホ首)の予防・改善に役立つ!日常生活で気を付けたいポイントとは?

次に、ストレートネックの予防に役立つ、注意するべき3つのポイントについて解説します。日常生活で首に負担をかけないことが重要となるので、普段から以下の3つに気を付けて生活しましょう。

長時間同じ姿勢が続かないように注意する

たとえ正しい姿勢であっても長時間同じ姿勢を続けることは、おすすめできません。時間が長くなれば長くなるほど、首だけではなく背中や腰にも負担がかかるでしょう。

デスクワークが多い方でも、30分に一回を目安に座席を立つようにするなど、長時間同じ姿勢が続かないように意識することが重要です。また、可能であればこまめにストレッチを行い、筋肉を伸ばすことで症状の早期改善にもつながります。

PCやスマホを使用するときは「目線と同じ高さ」を意識する

座った状態でPCやスマホなどを使用するときは、どうしても頭を前に突き出すような猫背の悪い姿勢をとりやすいです。その結果、6~8kgの重さのある頭を支えるために、首への負担が増加し、ストレートネックを助長してしまいます。

そのため、PCやスマホを使用するときは「目線と同じ高さ」に画面を合わせるように意識して、首への負担を軽減させましょう。

パソコンの正しい操作姿勢を説明するイラスト

自分の体に合う枕を使用する

枕の高さが自分の体に合わないと、無意識のうちに首に負担がかかり、ストレートネックを引き起こしてしまいます。人間は一日の約1/3の時間を睡眠に当てるので、ぜひ一度自分の体に枕が合うのか確認しましょう。

ストレートネック改善のためには、自然なS字カーブをとりやすい仰向けの状態で寝ると良いと言われています。まずは、今使用している枕が自分の体に合うか、仰向けに寝た状態で次の3つの項目をチェックしてみてください。

  • 呼吸の苦しさは感じないか
  • 極端に首が曲がったり反ったりしていないか
  • 数分間寝ていて首や肩まわりに違和感がないか

参考記事:ストレートネックの原因とは?正しい寝方・枕の高さを理解しよう!

まとめ

今回は、寝ながら簡単にできるストレートネックの改善にオススメのストレッチや、予防方法について解説しました。首の筋肉を伸ばすようなストレッチや、日常的に良い姿勢を心がけることで症状を改善できます

なかなかストレッチを継続して行うことは難しいですが、就寝前や起床後など時間を決めて、まずは一日10分を目標にストレッチを続けてみましょう。最初は自分の無理のない範囲で、行ってみてください。

それでは本記事が、あなたのストレートネックを改善するのにお役立ていただけますと幸いです。

参考文献

1)遠藤 健司:ストレートネック.ドクターサロン:64.2020.31-35

2)葉 清規,対馬 栄輝,村瀬 正昭,他:頸椎変性疾患患者におけるMcKenzie法に基づく運動療法の効果とそれに関連する因子,2016;理学療法学第43巻第2号p107-111