猫背を治す方法とは?姿勢改善にオススメのストレッチ・筋トレを詳しく紹介!

「猫背を治したい」と考える方は多いです。

猫背は「円背(えんぱい)」とも呼ばれ、背中が丸まってしまう姿勢を指します。若い頃から猫背が癖になっていて「気がついたら背中が丸まっている」という方も少なくありません。

猫背の原因は「運動不足」や「デスクワーク時の悪い姿勢」などです。とくに昨今はスマホを操作する時間が圧倒的に増え、画面を覗き込もうと姿勢が崩れて猫背になる方が増えています。

また、猫背が肩こりや首こりといった身体の不調につながる可能性も高いです。

そこで当記事では、猫背の治し方について詳しく解説します。

最後まで目を通すことで、自力で猫背を改善するために実践すべきことがわかるでしょう。ぜひお役立てください。

【簡単】まずは自分の姿勢をチェックしよう

最初に、ご自身の姿勢をチェックする方法についてご紹介します。

壁に向かって後ろ向きで立ち、お尻と踵(かかと)を壁につけましょう。このとき、あくまで自然体で立つことを心がけてみてください。

この状態で「頭や背中が壁につかない」「顎(あご)が上がる」「頭をつけないほうが楽」などに当てはまる方は猫背である可能性が高いです。

猫背(ねこぜ)について解説した図

【姿勢改善】猫背を治す5つの方法を紹介!

ご自身の姿勢をチェックしたあとは、さっそく猫背改善に向けて行動しましょう。

以下より、猫背を治すおすすめの方法を5つご紹介します。すぐ実践できる方法もあるので参考にしてみてください。

普段の姿勢を見直す

まず、普段の姿勢をあらためて見直しましょう。

とくに椅子に座ってパソコン作業をしているときや、スマホ操作時に猫背になりがちです。意識的に胸を張り、背中が丸まってしまわないように注意してみてください。

また、首(頭)が前に出ると猫背になりやすいです。したがって、顎を引きながら頭の位置を後ろ(後頭部側)に持っていくように心がけましょう。

猫背を改善するには正しい姿勢を意識することが大事

参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには

参考記事:首が前に出る姿勢(ストレートネック)の原因は?ストレッチや筋トレでの治し方を解説

自分の身体に合う寝具を使う

ご自身が使っている寝具(マットレス・枕)も見直してみてください。ほぼ毎日使うものだからこそ、寝具選びは大切です。

「寝返りが打ちにくいマットレス」「首が圧迫される枕」こういった寝具を使っていると、猫背になりやすいです。

したがって、「自然に寝返りが打てるマットレス」「顔が自然と真上を向く枕」を選んでみてください。

なお、寝る際は「仰向け」もしくは「横向き」がおすすめです。「うつ伏せ」で寝ると首に負荷がかかりやすいので要注意です。

参考記事:首が痛い時の楽な寝方とは?姿勢別に負担の掛からない方法をポイント解説

運動を習慣にする

冒頭でも少し触れましたが、運動不足筋力の低下が猫背の原因になります。

普段ほとんど運動しないという方は、少しずつ運動を習慣化していきましょう。

とはいえ「1人だと運動が続かない」という方もいるはず。そこで、習い事を通じて運動を行うのもひとつの方法です。

猫背改善が目的であれば、「ヨガ」「ピラティス」がおすすめです。自然と姿勢が良くなるのはもちろん、姿勢に対する意識が変わります。

習い事を通じて友人ができれば、楽しみがいっそう増えますよね。

整骨院や整体で施術を受ける

近所の接骨院(整骨院)や整体院に足を運ぶのも効果的です。

「姿勢改善メニュー」を取り入れている接骨院・整体院が増えています。定期的に通えば、猫背が改善する可能性があるでしょう。

ただし、姿勢改善を目的とした施術には保険が使えません。また効果があるかどうかは、施術者の腕に大きく左右されます

接骨院や整体院を利用する前に、あらかじめ把握しておいてください。

くわえて、施術のみではどうしても持続性に欠けます。根本から改善するために、ご自身で行う運動が大切です。

参考記事:【接骨院・整骨院】自費と保険適用の料金相場をわかりやすく解説
参考記事:整体は効果ある?効果なし?整体院へ行くべき人の特徴や料金の目安を解説

ストレッチや筋トレを行う

猫背を改善するために、有効かつ取り組みやすいのはストレッチや筋トレです。

ストレッチや筋トレを行うことで肩や背中の筋肉が刺激され、血流が良くなります。また関節が動かしやすくなり可動範囲も広がるので、結果的に猫背の改善につながります。

ストレッチや筋トレを行うにあたって、特別な準備は必要ありません。自宅にいる時間でストレッチや筋トレに取り組みましょう。

予防にもオススメ!猫背を治すストレッチ・筋トレ3選

ここから、おすすめのストレッチ・筋トレを動画付きで紹介します。

猫背の矯正はもちろん、予防にも効果的なのでぜひ実践してみてください。

胸椎伸展運動

1つ目にご紹介するのは「胸椎伸展運動(きょうついしんてんうんどう)です。

こちらの運動を行うことで、「胸椎(胸の高さの背骨)」が動く範囲を広げられるので、猫背の改善に効果的です。

胸椎伸展運動
STEP1:丸めたタオルを準備します
STEP2:仰向けになります
STEP3:タオルが肩甲骨(けんこうこつ)に当たるように置きます
STEP4:可能な限り大きくバンザイをしてから腕を降ろします
STEP5:繰り返し実施します

※腰を反らさないように注意しましょう

CAT&DOGエクササイズ

2つ目は「CAT&DOGエクササイズ」です。

こちらの運動によって、肩から腰にかけての関節が連動して動くので、猫背改善につながります。また、背中の筋肉を緩める効果も期待できるでしょう。

CAT&DOGエクササイズ
STEP1:四つ這い姿勢になります
STEP2:肩甲骨を内側に寄せながら背中を反らしましょう
STEP3:肩甲骨を離しながら背中を丸めます
STEP4:2つの動きを繰り返し実施しましょう
※背中をなるべく大きく動かすことを意識してみてください
※肘が曲がらないように注意してみてください

胸郭回旋運動

最後は「胸郭回旋運動(きょうかくかいせんうんどう)」です。

こちらの運動によって、脊柱(背骨)が動く範囲を広げられます。また、猫背によって縮みやすい胸付近の筋肉を伸ばせます。

胸郭回旋運動
STEP1:正座の姿勢から両手の甲を地面につけます
STEP2:片手を頭の後ろへ回します
STEP3:肘を外側に広げながら上半身を捻ります
STEP4:肘を内側に閉じます
STEP5:繰り返し実施しましょう

※目線は肘の方向へ向けましょう
※腰を反らさないように注意しましょう

猫背はどのくらいで治る?

猫背を改善するにあたって、「どのくらいで効果が出るの?」と気になるでしょう。猫背が治るまでの期間が大まかにでも分かれば、モチベーションが上がるかもしれません。

しかし、猫背の症状や重症度によって改善までの期間が異なります。したがって、「このくらいの期間で効果が出ます」と一概にはいえません。

先ほど紹介したストレッチや筋トレなどは、継続が大事です。

まずは、「猫背改善方法をいかに習慣化するか」に注力してみましょう。コツコツ続けることで徐々に姿勢が矯正されていきます。

猫背を続けると身体に不調につながる可能性も

「猫背だと老けて見える」など、見た目に関して気にする方が多いです。

しかし、猫背のデメリットは見た目だけにとどまりません。

背中が丸まることで背中の筋肉が緊張しやすく、肩こり首こり頭痛を引き起こしやすいです。また、首から肩にかけて筋肉も緊張するので、腕のだるさ・しびれを伴う「胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」が発生する可能性もあります。

くわえて、肺が圧迫され呼吸が浅くなり疲れやすさにつながるケースも。

なお、猫背を続けると、腰の骨が過剰に反る「反り腰」を併発するリスクも高まるので注意しましょう。

参考記事:つらい首こりの原因と解消法!おすすめストレッチを専門家が解説!
参考記事:反り腰を改善!原因から治し方を簡単なストレッチをまじえ解説

猫背対策に姿勢矯正ベルトは意味がない?

通販サイトなどで、姿勢矯正ベルトが多数販売されています。「猫背対策に効果があるのでは」と考える方もいるでしょう。

姿勢矯正ベルトを着用することで、一時的に姿勢が良くなります。ただし、筋力低下を引き起こす可能性もあり、根本的な解決にはなりません。

したがって、筋トレやストレッチを続けながら、補助として姿勢矯正ベルトを使うことをおすすめします。

まとめ

猫背を治したいと思いながら、「今さら治せない」と諦めている方もいるはず。

しかし本文で紹介した通り、猫背を改善する方法はあります。時間はかかるかもしれませんが、猫背を矯正することは十分可能です。

ぜひ、できることから始めてみてはいかがでしょうか。猫背を治せば肩こりや首こりが改善し、きっと周りからの印象も良くなります。

それでは当記事があなたのお役に立てば幸いです。

【参考文献】
1)草苅 佳子, 佐々木 誠:円背姿勢が呼吸循環反応ならびに運動耐容能に 及ぼす影響
2)島田 真衣,松田 真季,藤江 亮太,野村 悟,粟飯島辰樹,藤井菜穂子:携帯情報端末利用時の姿勢変化について

3)池田 幸司, 中道 哲朗, 藤本 将志, 大沼 俊博, 渡邊 裕文, 赤松 圭介:立位保持により大殿筋と大腿直筋に疼痛を認めた円背姿勢を呈する腰椎すべり症術後患者の一症例
4)一般社団法人 日本臨床内科医会:病気のはなし47_3版1刷.indd
5)Mark R. Jones,corresponding author1 Amit Prabhakar,2 Omar Viswanath,3,4,5 Ivan Urits,1 Jeremy B. Green,6 Julia B. Kendrick,6 Andrew J. Brunk,6 Matthew R. Eng,6 Vwaire Orhurhu,1 Elyse M. Cornett,7 and Alan D. Kaye6:Thoracic Outlet Syndrome: A Comprehensive Review of Pathophysiology, Diagnosis, and Treatment