首が痛い時の楽な寝方とは?姿勢別に負担の掛からない方法をポイント解説

首の痛みは悪い姿勢での睡眠や長時間のデスクワークなどが原因で起こることが多く、痛みが続くと日常生活に支障をきたすことがあります。

とくに寝ているときの姿勢が悪いと首に負担がかかり、痛みの悪化を招いてしまうことも。反対に正しい姿勢で寝ることができれば、首の負担が軽減され痛みを軽くすることも可能です。

そこで当記事では、首が痛い時の楽な寝方を姿勢別に解説していきます。

最後まで読んでいただければ、寝ているときの正しい姿勢を身につけ、良質な睡眠を手に入れることができます。ぜひ最後までお付き合いください。

首が痛くなる原因!ストレートネック・寝違えとは?

女性が肩こりを感じている写真

あなたは朝起きた時、首の痛みを感じたことはありますか?

それとも長時間パソコン作業をした後に首の痛みを感じるでしょうか?

首が痛くなる原因はさまざまあり、その中でも最も一般的なものに「ストレートネック」と「寝違え」が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

日頃の不良姿勢が原因【ストレートネック】

ストレートネックは通常あるべき首のカーブがなくなり、首がまっすぐになってしまう状態を指します。

ストレートネックの原因は長時間、同じ姿勢で過ごすことや、スマートフォンやパソコンを使用することで、首の後ろの筋肉が硬くなることです。そのため筋肉に疲労物質がたまり、痛みやこりを引き起こすことがあります。

他にもストレートネックになると、首の骨が重なる場所にある神経が圧迫され、痛みやしびれなどの症状が現れるケースも。

さらに首の血管にも圧がかかり、血液の循環が悪くなることで頭痛やめまいなどの症状が現れる場合もあります。

ストレートネックを解説している図

参考記事:ストレートネックの治し方とは?寝ながら簡単にできるストレッチを紹介

起床時に起こる突発的な痛み【寝違え】

「朝起きたら首が痛くなっている」

寝違えとは睡眠中に首や肩が不自然な位置になり、起きた時に筋肉や神経に違和感や痛みが生じている状態を指します。寝違えは一般的に首や肩の筋肉が緊張し、血流やリンパの流れが悪くなるために起こると考えられます。

さらに寝違えの原因は、睡眠中の姿勢以外にも以下の場合が考えられるため注意が必要です。

  • 枕を高すぎるまたは低すぎる
  • 過度の運動や筋肉の疲労がある
  • 冷房の風が当たって筋肉が冷える

参考記事:【首を寝違えたような痛み】突然起きる痛みの原因と対処法を解説!

首が痛い時の楽な寝方を姿勢別に解説

首の痛みは寝ているときに悪化する場合もあります。とくに寝ている姿勢が悪い場合は首に余分な負荷がかかり、痛みやコリの原因となることがあるのです1)

そのため痛みを軽減するためには寝ている際に正しい姿勢をとることが重要となります。

ここでは首が痛い時に楽な寝方を寝姿勢別に解説します。

仰向けで寝る場合

仰向けで寝る場合は、寝具の高さを調整することで楽になる場合があります。

とくに枕の高さを変えることは、首の負担軽減に大きく影響します。そのため、バスタオルなどを使って以下のポイントを確認しながら高さの調整を行いましょう。

  • 仰向けで首を左右に倒した時に痛みが出ていないか
  • 首が浮いていたり、違和感はないか
  • 呼吸がスムーズにできるか

正しい寝方を解説している図

横向きで寝る場合

横向きで寝る場合も、仰向けと同様にバスタオルなどで高さの調整を行うことが重要です。また枕の高さは、横向きで寝た時に背筋と首が一直線になることが大切です2)

反対に枕が高すぎると、頭や首にかかる負担が大きくなるため注意しましょう。

横向きの正しい寝方を解説している図

首が痛い人は要注意!首に負担のかかる寝方とは?

首の痛みを解消するためには、正しい姿勢で寝ることが重要です。

先ほど首が痛い時の楽な寝方を姿勢別に解説しましたが、ここではその反対に、首に負荷がかかる寝方について解説していきます。

寝る姿勢を改善することで首にかかる負荷を軽減し、痛みを予防することができます。誤った方法を実践しないよう、ポイントを確認し注意しましょう。

うつ伏せ姿勢

うつ伏せの姿勢は、首の痛みを軽減するのにはあまり適していません。なぜならうつ伏せは、首が左右どちらかにねじれる形になるからです。

そのため首の関節や筋肉・軟部組織にかかる負担が大きくなり、場合によっては痛みが悪化する可能性もあります。

首の痛みがある人はうつ伏せで寝ることを避けましょう。

横向きでの腕枕姿勢

横向きで寝る時、自分の腕を枕がわりにして寝てしまう方もいるはず。

しかし首が痛い時、腕を枕にするのは避けるべきです。というのも通常の枕と違い、横向きで寝る時に腕枕をすることで理想の姿勢を崩してしまう可能性があります。

また肩への負担や脇の下にある神経を圧迫してしまい、肩や首の痛みやしびれの原因となる可能性もあるため注意が必要です。

身体に合わない寝具

身体に合わない寝具は首の痛みを悪化させるだけでなく、睡眠の質の低下や腰痛など、さまざまな問題を引き起こします。たとえばマットレスに関してはある程度、硬さのある物を選ぶのが良いとされています3)

一般的に枕やマットレスなどは柔らかい物がよく感じると思いますが、身体に合わせて適度な高さや硬さがある物を選ぶことが大切です。

身体に合うマットレスの選び方

【首が痛い人必見】眠りにつきやすい環境づくりとは?

良質な睡眠をとるためには、快適な環境づくりが欠かせません。中でも首が痛い方にとっては、寝具や寝室の環境に注意することは非常に大切です。

ここでは首に痛みのある方が心がけるべき、眠りにつきやすい環境づくりについて解説していきます。

規則正しい睡眠を心がけよう

規則正しい睡眠とは、毎晩同じ時間に適切な睡眠を確保し、同じ時間に起きることを指します。一般的に推奨されている睡眠時間は、成人では7〜9時間です4)

さらに規則正しい睡眠を心がけることで、炎症を抑制するなど健康に関連する多くの利点があります5)そのため首の痛みがある方は、自身の睡眠時間など見直してみましょう。

室内の暗さを調整

あなたは就寝前に室内の明るさを意識していますか?快適な睡眠環境を整えるためには、寝具の変更や睡眠時間の見直しだけでなく、就寝前の光の調整も大切になってきます6)7)

たとえば室内の電気は大きく「寒色」と「暖色」に分けられ、寒色と呼ばれる青色の光は睡眠の質を低下させるといわれているのです。

また就寝前に寝室の照明が明るすぎる場合も、睡眠の質が低下するとされており暗い方が良いとされています。ただし照明を真っ暗にすることで不安を感じる方もいるはず。

そのため必ずしも室内を真っ暗にする必要はなく、あなたが不安を感じない程度の暗さにすることが大切なのです。

寝る前の適度なストレッチの習慣化

就寝前に適度なストレッチを行うことは、睡眠の質を改善する効果があるとされています8)その理由としては、ストレッチを行うことで血流が良くなり、筋肉や周辺組織の血流量が増加します。

これにより酸素や栄養素が筋肉に素早く運ばれ、疲労回復に必要な物質が補充されるのです。

またストレッチにより筋肉の柔軟性が向上することで、筋肉が日々受ける負荷を軽減できます。このようなメカニズムにより、就寝前のストレッチは疲労回復や睡眠の質を向上させることが期待できるのです。

ただしストレッチの効果は個人差がありますので、自分に合ったストレッチを心がけることが大切です。

背筋を伸ばしている女性の写真

まとめ

今回は首が痛い時の楽な寝方を姿勢別に解説しました。

首の痛みは寝るときの正しい姿勢を身につけることで痛みを軽減できます。具体的には仰向けや横向きの姿勢は、枕の高さによって首の負担を減らすことができます。

反対にうつ伏せや腕を枕にする寝方は、首の痛みを悪化させる恐れがあるため控えましょう。

また以下のポイントも気をつけてみてください。

  • 寝具の選び方:硬すぎず、柔らかすぎないマットレスや枕の高さを変更する
  • 環境づくり:就寝前は暗めの照明や暖色に変更しリラックスした状態で寝る

以上のように首の痛みを軽減するためには寝るときの姿勢だけでなく、就寝前の環境づくりも大切なのです。

それでは当記事があなたの痛み軽減に役立てば幸いです。

参考文献
1)Chun-Yiu JP, Man-Ha ST, Chak-Lun AF. The effects of pillow designs on neck pain, waking symptoms, neck disability, sleep quality and spinal alignment in adults: A systematic review and meta-analysis. Clin Biomech (Bristol, Avon). 2021 May;85:105353. doi: 10.1016/j.clinbiomech.2021.105353. Epub 2021 Apr 19. PMID: 33895703.
2)Ren S, Wong DW, Yang H, Zhou Y, Lin J, Zhang M. Effect of pillow height on the biomechanics of the head-neck complex: investigation of the cranio-cervical pressure and cervical spine alignment. PeerJ. 2016 Aug 31;4:e2397. doi: 10.7717/peerj.2397. PMID: 27635354; PMCID: PMC5012320.
3)Radwan A, Fess P, James D, Murphy J, Myers J, Rooney M, Taylor J, Torii A. Effect of different mattress designs on promoting sleep quality, pain reduction, and spinal alignment in adults with or without back pain; systematic review of controlled trials. Sleep Health. 2015 Dec;1(4):257-267. doi: 10.1016/j.sleh.2015.08.001. Epub 2015 Oct 19. PMID: 29073401.
4)Patel SR, Zhu X, Storfer-Isser A, Mehra R, Jenny NS, Tracy R, Redline S. Sleep duration and biomarkers of inflammation. Sleep. 2009 Feb;32(2):200-4. doi: 10.1093/sleep/32.2.200. PMID: 19238807; PMCID: PMC2635584.
5)Hirshkowitz M, Whiton K, Albert SM, Alessi C, Bruni O, DonCarlos L, Hazen N, Herman J, Katz ES, Kheirandish-Gozal L, Neubauer DN, O’Donnell AE, Ohayon M, Peever J, Rawding R, Sachdeva RC, Setters B, Vitiello MV, Ware JC, Adams Hillard PJ. National Sleep Foundation’s sleep time duration recommendations: methodology and results summary. Sleep Health. 2015 Mar;1(1):40-43. doi: 10.1016/j.sleh.2014.12.010. Epub 2015 Jan 8. PMID: 29073412.
6)Chang AM, Aeschbach D, Duffy JF, Czeisler CA. Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. Proc Natl Acad Sci U S A. 2015 Jan 27;112(4):1232-7. doi: 10.1073/pnas.1418490112. Epub 2014 Dec 22. PMID: 25535358; PMCID: PMC4313820.
7)厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014 P1-87
8)D’Aurea CVR, Poyares D, Passos GS, Santana MG, Youngstedt SD, Souza AA, Bicudo J, Tufik S, de Mello MT. Effects of resistance exercise training and stretching on chronic insomnia. Braz J Psychiatry. 2019 Jan-Feb;41(1):51-57. doi: 10.1590/1516-4446-2018-0030. Epub 2018 Oct 11. PMID: 30328967; PMCID: PMC6781703.