鏡を見た際に「私って巻き肩かも」と気になることはありませんか?
巻き肩を放置すると、背中が丸まって見えるだけでなく、肩や首の痛みにつながってしまいかねません。とはいえ「巻き肩って治るのかな?」と疑問を感じる方もいらっしゃるでしょう。
そこで当記事では、巻き肩になる原因や自身で行える矯正法を解説します。
最後まで目を通すことで、巻き肩になる原因や治し方がわかるようになり、適切にセルフケアができるようになるでしょう。
巻き肩とはどんな状態のこと?
巻き肩とは、肩が丸まって前方に出てしまっている状態を指します。
巻き肩に医学的な正式名称はありません。したがって病気や疾病ということではないですが、放置することで別の症状に発展する可能性があります。
なお、巻き肩に男女・年齢などの因果関係はほぼなく、誰でもなり得るといえるでしょう。
そして、巻き肩と似た状態が「猫背(ねこぜ)」です。
巻き肩も猫背も姿勢の崩れですが、猫背の場合は背中全体が丸まるのに対して、巻き肩は肩の部分だけが前方に丸め込まれているという点で違いがあります。
したがって自分自身では背中が伸びた良い姿勢だと認識していても、実際は巻き肩になっているケースもあるので注意が必要です。
参考記事:猫背を治す方法とは?姿勢改善にオススメのストレッチ・筋トレを詳しく紹介!
巻き肩になる原因
巻き肩になる背景には、生活習慣や癖が関係しています。
まず考えられるのは、姿勢の悪さです。特にパソコンやスマホの画面を見ようと、頭が前に出過ぎることで姿勢が崩れ、巻き肩に繋がりやすくなります。
また胸や背中の筋力低下も巻き肩になる原因の一つです。適度に運動しなければ、姿勢を維持する筋力が衰えてしまうので十分注意しましょう。
そして普段の寝相も大きく関係します。横向きで寝ることで肩が前にずれやすくなり、巻き肩につながってしまうのです。
巻き肩を改善しようと、肩の位置だけを注意してもうまくいきません。生活習慣から見直す必要があります。
参考記事:首が前に出る姿勢(ストレートネック)の原因は?ストレッチや筋トレでの治し方を解説
巻き肩セルフチェック
多くの場合、自分自身が巻き肩がどうかあまり意識しません。ただ様々なきっかけで「自分が巻き肩なのかチェックしたい」と思う方もいるでしょう。
巻き肩のセルフチェック方法は以下の通りです。
- 自然にバンザイ(指先を天井に向ける)の姿勢を作り、腕が耳より前にあれば巻き肩である可能性が考えられる
- 床に仰向けに寝て、床から肩が浮く場合は巻き肩の可能性が高い
- 立った状態で自然に腕を垂らした時に、肘の先が外側を向いている、もしくは手の甲が正面を向いている場合は巻き肩であることが考えられる
上記の方法をそれぞれ試してみましょう。2つ以上当てはまる場合は巻き肩である可能性がかなり高いといえます。
巻き肩をそのまま放置するとどうなる?
もし巻き肩だと分かったとしても、実際はそのまま放置するケースが多いもの。しかし、別の症状や痛みにつながる可能性もあるので注意が必要です。
もし巻き肩を治さずにいると、背中の方まで曲がり猫背に発展しかねません。
また肩に対して前方向に負担がかかることで肩こりを発症したり、ストレートネックに発展したりする場合もあります。巻き肩を長期間放置すれば、それだけ肩の負担が増えることは間違いありません。
したがって巻き肩を放置せず、できるだけ早く改善することをおすすめします。
参考記事:ストレートネック(スマホ首)の治し方〜寝ながら簡単ストレッチとともに解説〜
参考記事:肩こりの重症度レベルをチェックしたい!ひどい肩こりに効くセルフケア方法も紹介
巻き肩を治す!おすすめの矯正法
ではここから、巻き肩の矯正方法を解説します。
実践したからといってすぐに効き目が出るわけではありません。しかしある程度の期間続けることで、徐々に巻き肩が改善していくことが期待できます。
まずは2か月を目安に、継続してみてください。
寝方を見直す
先ほど少し触れたように、巻き肩には寝方が関係します。就寝時に無意識で肩の位置が固定されるからです。
もし肩が前に出た状態で眠りにつけば、巻き肩の姿勢で数時間固定されることになってしまいます。
睡眠中に自身で肩の位置を調整することは難しいですが、寝相や寝具を見直すことで巻き肩を改善することができます。
以下より、寝方のポイントを見ていきましょう。
仰向けで寝る
横向きに寝ると、どうしても肩が前側に出やすくなります。そこで、仰向けで寝ることを心がけてみてください。
天井を向いた姿勢で寝ることで、自然と肩が正常の位置に戻りやすくなります。
「横向きが落ち着く」という場合、最初は思うように寝付けないかもしれません。ですが慣れてくれば、仰向けでも問題なく眠れるようになるでしょう。
もしどうしても眠れない場合は、仰向けに寝ながら伸びをしたり、軽いストレッチを行ってみたりしてください。
枕・マットレスをチェックする
仰向けの姿勢で眠れるように、使用している寝具も改めてチェックしましょう。
マットレスはやや硬めのものがおすすめです。柔らかすぎるマットレスは肩に負担がかかり、寝返りが打ちにくいので要注意です。
枕は「頭を置くとちょうど真上を向く」ほどの高さのものを選びましょう。首に圧迫感がないか入念に確認してみてください。
もし現在使っている寝具が合っていないなら、買い替えを検討しましょう。
ストレッチを行う
肩周辺のストレッチを行うことで、巻き肩の改善に効果があります。1日数分でも良いので、ストレッチを行う時間を設けてみてください。
手軽にできるおすすめのストレッチを2つ紹介します。
1つ目は胸の筋肉に効くストレッチです。
STEP2:体重を前方の足へ乗せましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:胸の前面が伸びた状態を保持しましょう
※腰を反らさないように注意しましょう
上記のストレッチを行うことで、「大胸筋(だいきょうきん)」が伸びるので、巻き肩の改善に効果があります。また肩の正しい位置が把握しやすいのでおすすめです。
2つ目は、首の筋肉に効くストレッチになります。
STEP2:もう一方の手で鎖骨をおさえましょう
STEP3:首を斜め後方へ反らします
STEP4:元の姿勢に戻ります
STEP5:繰り返し実施しましょう
STEP6:首の側面が伸びているのを感じながら実施してみて下さい
巻き肩の状態が続くことで、首の近くにある「斜角筋(しゃかくきん)」が緊張します。このストレッチを行うことで斜角筋が緩むので、ぜひ取り入れてみてください。
ストレッチを行う際は、呼吸を止めず、じっくり筋肉を伸ばしましょう。
巻き肩矯正グッズを使う
巻き肩矯正グッズを使用してみるのもおすすめです。
肩に装着するタイプの矯正ベルトがいくつか販売されているので、ぜひチェックしてみてください。肩が正しい位置で固定されることで、巻き肩改善に効果が期待できるでしょう。
ただしサイズが合っていないと、肩を動かしにくくなったり、肩が十分に固定されなかったりとデメリットが生じます。購入前にサイズを確認することを忘れないでください。
筋トレを行う
肩周辺の筋力低下も巻き肩の原因になります。
特に肩甲骨の間に位置する僧帽筋や菱形筋が筋力低下を引き起こすと、肩甲骨が外側に移動し巻き肩を引き起こしやすくなってしまいます。そのため適度な筋力トレーニングを取り入れて肩の筋肉を刺激しましょう。
ご自宅でできる筋トレを1つご紹介します。
「プローンオーバーヘッドプレス」という種目です。
STEP2:棒を持ち上げましょう
STEP3:肩甲骨を寄せた状態で肘を曲げます
STEP4:棒を元の位置に戻します
STEP5:繰り返し実施してみてください
STEP6:棒は一定の高さを保ったまま動かしましょう
こちらの筋トレを行うことで、「僧帽筋下部線維(そうぼうきんかぶせんい)」をはじめとした、肩周辺の筋肉を効率よく鍛えられます。自宅でも取り組みやすいので、ぜひ実践してみてください。
まとめ
巻き肩は、肩が前に出過ぎている状態です。姿勢の悪さや筋力の低下、そして就寝時の姿勢が原因で起こります。
もし巻き肩をそのまま放置すると猫背に繋がったり、肩コリや首コリが発症する可能性もあります。まずは巻き肩のセルフチェックを行い、自身が巻き肩なのかどうか確認しましょう。
そのうえで巻き肩だと分かったら、セルフケア方法を実践してみてください。
それでは当記事を参考に、巻き肩改善に取り組んでいただければ幸いです。
【参考文献】
1)ソフトバンク:スマホの長時間利用が猫背・巻き肩の原因に!? ツラい肩こりから解放される簡単ストレッチ – ITをもっと身近に。ソフトバンクニュース
2)株式会社Morght:【医師監修】巻き肩とは?寝る時に気を付けたいポイントや改善方法も解説
3)株式会社ブレインスリープ:理想の寝姿勢とは?仰向け、横向き、うつ伏せ寝のポイントを徹底解説
4)Emma Sleep Japan 合同会社:正しい枕の高さは?自分に合った理想の枕の選び方