「急に肩がピキッとつった」「一瞬動けないほど痛かった」「最近、何度も繰り返す」そんな経験はありませんか?
肩がつる症状は、ただの疲れや肩こりだと思われがちですが、体からのSOSサインであることも少なくありません。特に、突然の激痛や頻繁に起こる場合は、放置すると症状が悪化したり、別のトラブルにつながることもあります。
肩のつりは、筋肉の疲労や血行不良といった身近な原因から、神経や内科的な病気が関係しているケースまで幅広く考えられます。原因を知らずに自己流で対処すると、「その場しのぎ」で終わってしまい、再発を繰り返すことにもなりかねません。
本記事では、肩がつる原因と仕組みをわかりやすく整理しながら、今すぐできる正しい対処法、予防ストレッチ、注意すべき危険サインまで詳しく解説します。最後まで読むことで、その肩のつりが心配いらないものか、受診を考えるべきものかを見極め、再発を防ぐための具体策がわかります。
突然肩がつるのはなぜ?まず知っておきたい基本

日常生活で肩が急に「つった」ような感覚になることは珍しくありません。これは筋肉が急激に収縮してしまい、正常な動きができなくなる状態です。ただし、なぜそうなるかにはいくつかの原因があり、程度によっては注意が必要です。
肩が「つる」とはどういう状態?
「肩がつる」とは、肩周りの筋繊維が自分の意思とは無関係に急激に収縮してしまい、痛みや強い張りを感じる状態のことです。足の「こむら返り」と同じような現象で、筋肉や神経が一時的に過剰に反応しています。
多くの場合は一過性で軽度ですが、繰り返したり強い痛みがある場合は、原因を把握して適切な対応が必要です。
肩がつるときに起こる代表的な症状
肩がつった場合、次のような反応が起こります
- ピキッとした痛みが走る
- 肩周辺の筋肉が固くこわばる感じがする
- 筋肉がピクピクと痙攣する
- 動かすと痛みが強くなる
痛みが数秒〜数分で収まることもありますが、繰り返す場合は原因を見直す必要があります。
肩がつる主な原因とは?
肩がつる原因は大きく分けて次のようなものがあります。
1.筋肉疲労・緊張
長時間の同じ姿勢や重い荷物による過負荷で筋肉が疲れ、ピクピクと収縮が起きます。
2.血行不良
冷えやストレスで血流が悪いと、筋肉に十分な酸素や栄養が届かず痙攣が起きやすくなります。
3.電解質不足
脱水やミネラル不足により筋肉が正常に働かず、つりやすくなります。
肩がつったときの応急処置と今すぐできる対処法

肩がつったときは、突然の痛みに焦ることもありますが、正しい応急処置で症状は和らげられます。冷やす場合と温める場合の判断や、痛みをやわらげるストレッチなど、今すぐできる具体的な対処法をわかりやすく解説します。
まずは「冷やす or 温める」の判断から
肩がつった直後は冷やすことが基本です。冷やすことで炎症や腫れを抑え、筋肉の緊張を和らげます。ただし、数時間〜1日経って痛みが落ち着いてきたら、温めて血行を促すことで回復を早めることができます。
ポイント
- 痛みが鋭い場合:冷やす
- 痛みが慢性化している場合:温める
痛みが強いときはどうする?
もし痛みが強く、腕や肩を動かすのがつらい場合は、以下を試してみましょう
- 無理に動かさず安静を保つ
- 痛みが強い間は湿布や鎮痛薬の使用も検討
- 数時間〜1日様子を見ても痛みが引かない場合は受診を検討する
筋肉が極度に収縮している場合は、無理に伸ばそうとせず、まずは筋肉をリラックスさせることが優先です。
肩がつるのを繰り返すと危険?病気のサインか見分けるポイント
肩がつる症状が頻繁に起こる場合や長引く場合、単なる筋疲労ではなく病気のサインである可能性もあります。ここでは注意が必要なポイントを解説します。
見逃してはいけない症状とは
次のような症状がある場合は、注意が必要です。
- 痛みが強く継続する
- 肩を動かすたびに激痛が走る
- しびれ・脱力感がある
- 痛みが左右どちらかだけ長引く
これらは単なる筋肉の「つり」ではなく、疾患が関連している可能性があります。
肩のつりを伴う可能性のある疾患一覧
肩の症状が筋肉の問題以外で起こることもあります。
- 狭心症・心筋梗塞
肩や腕に痛みが放散することがあります(特に左肩)。胸痛・息切れを伴う場合は緊急を要します。 - 頚椎症
首の変性によって神経が圧迫され、肩痛やしびれを引き起こすことがあります。 - 腱板断裂(ローテーターカフ損傷)
肩を挙げる動作で痛みが強く出ることがあり、放置すると可動域が制限されることがあります。


こうした疾患が背景にある場合、簡単なストレッチや休息だけでは改善しにくいため、専門的な診断が必要です。
参考記事:頚椎症の治し方を徹底解説|ストレッチ・保存療法の選び方
病院に行くべき目安と診療科
以下のような症状がある場合は、整形外科などの受診をおすすめします。
- 痛みが数日〜1週間以上続く
- 腕や手にしびれ・脱力がある
- 痛みと同時に全身症状(息苦しさ・胸の痛み)がある
整形外科は骨・筋・神経の専門医であり、痛みの原因をはっきりさせて治療方針を立ててくれます。
肩がつるのを防ぐ!日常でできる3つの予防法
肩がつる症状は、日頃の生活習慣を見直すことで予防できます。ここでは今すぐできる3つの対策をご紹介します。
姿勢改善で「肩こりの負の連鎖」を断つ
長時間のスマホ操作やPC作業で猫背姿勢が続くと、肩まわりの筋肉が常に緊張し、つりやすくなります。背筋を伸ばし、肩をリラックスさせる意識は、肩への負担を大きく減らすポイントです。
- 机・モニターは目線の高さに調整
- 深く座りすぎず、適度に背もたれを使う
- 30分ごとに軽い伸びや屈伸をする
こうした習慣が肩への負担を軽減します。

水分&ミネラル補給でけいれん予防
脱水やミネラル不足は、筋肉の働きを乱し、痙攣を起こしやすくします。こまめな水分補給に加え、ミネラル補給(カリウム・マグネシウム)に役立つ食品を取り入れましょう。
ミネラルが豊富な食品
- バナナ(カリウム)
- ナッツ類(マグネシウム)
- 緑黄色野菜
水分・ミネラルのバランスが、筋肉の正常な働きを支えます。
適度な運動・温活で血流アップ
冷えや血行不良は、筋肉の疲労を促し、肩がつるリスクを高めます。適度な運動や温活で血流を良くする習慣をつけましょう。
- 散歩や軽い体操
- 入浴で肩〜肩甲骨周りを温める
- 肩まわりのほぐし運動
血液循環が良くなると、老廃物がスムーズに流れ、筋肉の回復力がアップします。
自宅でできる!肩のつりを防ぐ簡単ストレッチ
肩がつるのを予防するには、日々のケアとしてストレッチを習慣化することが有効です。ここでは自宅でできる簡単で効果的なストレッチを紹介します。
胸張り運動
胸張り運動
STEP1:背中を丸め手を前方に出しましょう。
STEP2:胸を張り肩甲骨を寄せるように、手を後ろに引きましょう。
STEP3:背中を丸め手を前方に出しましょう。
STEP4:胸を張り肩甲骨を寄せるように、手を後ろに引きましょう。
肩甲骨周囲の筋肉を刺激し、血流を促進。肩のこわばりを和らげます。
斜角筋ストレッチ
斜角筋ストレッチ
STEP1:手を腰に回しましょう。
STEP2:鎖骨を抑えましょう。
STEP3:首を斜め後ろに反らせましょう。首の前方が伸びている状態を保ちます 。
STEP4:元の姿勢に戻ります。繰り返し実施しましょう。
首の緊張をほぐすことで、肩こりや肩がつる症状を緩和できます。
広背筋ストレッチ
広背筋ストレッチ
STEP1:両手を頭の上で組みましょう。
STEP2:体を真横に傾け、背中・脇腹を伸ばしましょう。数秒間姿勢を保持しましょう。
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
注意点:傾ける方向と反対側へ重心を移動させましょう。
肩周りの筋肉の緊張をほぐし、慢性的な肩こり対策にもなります。
まとめ
肩がつるのは、多くの場合は筋肉疲労や血行不良が原因ですが、繰り返す・強い痛み・しびれがある場合は病気が関係している可能性もあります。まずは日常生活の姿勢・水分補給・ストレッチなどのケアを取り入れ、痛みが続く場合は早めに専門医に相談しましょう。
【参考文献】
1)Iyer S, Kim HJ. Cervical radiculopathy. Curr Rev Musculoskelet Med. 2016 Sep;9(3):272-80. doi: 10.1007/s12178-016-9349-4. PMID: 27250042; PMCID: PMC4958381.
2)Rubinstein SM, Pool JJ, van Tulder MW, Riphagen II, de Vet HC. A systematic review of the diagnostic accuracy of provocative tests of the neck for diagnosing cervical radiculopathy. Eur Spine J. 2007 Mar;16(3):307-19. doi: 10.1007/s00586-006-0225-6. Epub 2006 Sep 30. PMID: 17013656; PMCID: PMC2200707.
3)van der Windt DA, Koes BW, de Jong BA, Bouter LM. Shoulder disorders in general practice: incidence, patient characteristics, and management. Ann Rheum Dis. 1995 Dec;54(12):959-64. doi: 10.1136/ard.54.12.959. PMID: 8546527; PMCID: PMC1010060.
