「首の付け根がゴリゴリする」「後頭部から肩にかけて重だるい」「急にズキッとして、このまま悪化したらどうしよう…」
そんな首の不調が出ると、仕事や家事に集中できず不安になりますよね。しかも首の付け根のコリは、姿勢のクセや疲労だけでなく、ストレスや眼精疲労、頚椎の負担など、原因がいくつも重なって起こりやすいため、「何が原因なのか分からないまま放置しがち」なのも厄介なポイントです。
本記事では、首の付け根がこると体の中で何が起きているのかをわかりやすく整理し、突然こる主な原因をチェックできる形で解説します。
さらに、放置してはいけない受診の目安と、今すぐ自宅でできるストレッチ・肩甲骨体操・温め/押圧ケアまで具体的に紹介します。最後まで読むことで、あなたの症状がどのタイプに近いかが分かり、「まず何をすれば楽になるか」「病院に行くべきか」を迷わず判断できるようになります。
ぜひ最後までお付き合いください。
突然こる原因とは?考えられる5つの要因

「朝起きたら首の付け根が突然こっていた」「仕事中にズシンと重くなった」
そんな急な不快感に心当たりはありませんか?慢性的なコリとは異なり、突然のコリは明確なきっかけが見えづらく、戸惑う方も多いものです。
この章では、急性の首こりを引き起こす代表的な原因を5つに分類し、それぞれの特徴や対処のヒントを丁寧に解説します。
参考記事:首の付け根のゴリゴリの正体は?首こり・肩こりの原因となるゴリゴリの解消法を解説!
参考記事:首の付け根から後頭部にかけて痛いのはなぜ?関連する症状や痛む原因・対処法を解説
① 長時間の不良姿勢による筋緊張
テレワークやスマホ操作など、長時間にわたる前かがみ姿勢は、首の後ろ側に大きな負担をかけます。特に、モニターを見下ろすような姿勢が続くと、頭の重み(約4〜6kg)が首の付け根にダイレクトにのしかかり、僧帽筋や肩甲挙筋などの筋肉が常に緊張した状態になります。
こうした「静的負荷」が長く続くと、筋肉内の血流が悪化し、酸素や栄養が届きづらくなることで、コリや痛みが生じやすくなります。デスクワーク中心の生活では、30分~1時間に一度は肩を回す、首をゆっくり動かすなど、こまめなリセットが必要です。

② ストレスや自律神経の乱れ
ストレスを感じたとき、私たちの身体は無意識のうちに首や肩に力が入り、緊張状態が続きます。さらに、ストレスが蓄積すると自律神経が乱れ、血管の収縮や末梢血流の低下を招きます。
この状態が続くと、筋肉の代謝が落ち、酸素不足・老廃物の蓄積といった“疲労物質”がコリとして現れます。特にストレスが強いときは、首の付け根に限らず後頭部やこめかみの痛み、吐き気、めまいなど、自律神経失調症に似た症状が併発することもあるため注意が必要です。
③ 頚椎のズレやストレートネック
本来、首の骨(頚椎)は緩やかなカーブを描いて頭を支えていますが、長期間の猫背や前傾姿勢が続くと、このカーブが失われ「ストレートネック」と呼ばれる状態になります。
ストレートネックになると、頭の重みが本来支えるはずの骨ではなく、筋肉に直接かかるようになり、首の付け根に慢性的な負担がかかります。加えて、頚椎同士のズレが生じれば、神経を圧迫し、鋭い痛みやしびれにつながることもあります。セルフチェックで首の傾きや姿勢の癖を見直すことが予防の第一歩です。

④ 肩甲骨まわりの動きの悪さ
肩甲骨と首の筋肉は深くつながっており、特に肩甲挙筋・菱形筋・僧帽筋といった筋肉群は、肩甲骨の動きに密接に関係しています。つまり、肩甲骨の可動性が低下すると、その影響が首の付け根に及び、筋緊張や血行不良を引き起こしやすくなるのです。
「腕を上げにくい」「背中で手が組めない」といった肩甲骨の可動制限がある方は、肩甲骨ストレッチや肩回し体操を日常に取り入れることで、首のコリの軽減にもつながります。

⑤ 眼精疲労や噛みしめ癖の影響
一見関係なさそうに思える目や顎の使いすぎも、実は首の付け根のコリに直結しています。長時間のパソコン作業やスマホ使用による眼精疲労は、目の周りの筋肉だけでなく、後頭部や側頭部の筋肉まで緊張させます。
また、無意識の噛みしめや歯ぎしりの癖がある方は、顎関節から首にかけての筋肉が連動して過緊張を起こすため、「朝起きたら首の付け根がこっている」というケースも少なくありません。目の疲れや噛みしめ癖が気になる方は、夜間のアイマスクやマウスピースの使用など、負担を減らす工夫が有効です。
病院に行くべき?放置リスクと見極め方
首の付け根のコリに加えて、頭痛や吐き気、手足のしびれ、めまいなどがある場合は、神経や血流に問題がある可能性があります。
特に、1週間以上改善しない、日常生活に支障が出るようなコリは、整形外科や神経内科の受診を検討しましょう。ストレスや自律神経の乱れが関与するケースもあり、心療内科や内科が適切な場合もあります。単なる疲労と軽視せず、体の異変サインとして早めの判断が大切です。
自宅でできるセルフエクササイズと対処法
首の付け根に違和感を覚えたとき、すぐに医療機関へ行く前に自分でできる対処法があると安心です。
特に、筋肉の緊張や血流の悪化が原因のコリには、ストレッチやマッサージといったセルフケアが効果的です。本章では、今すぐ自宅で実践できる簡単なストレッチや温熱ケア、押圧法など、症状に合わせた具体的なエクササイズを紹介します。
① 胸鎖乳突筋ストレッチ
首の付け根のコリは、側方にある胸鎖乳突筋の緊張からくることも多いため、まずは「首の横側」を意識したストレッチが有効です。

胸鎖乳突筋
STEP1:片手で肩を抑えましょう。
STEP2:首を斜め後方へ反らせましょう。首の前面が伸びた状態を保持しましょう。
STEP3:元の姿勢に戻りましょう。
② 胸張り運動
首の動きは肩甲骨の柔軟性と密接に関係しています。肩甲骨が硬くなると、周辺筋肉が代償的に緊張し、首の付け根に負荷が集中します。そこで、肩甲骨の可動域を広げる体操もあわせて取り入れましょう。
胸張り運動
STEP1:背中を丸め手を前方に出しましょう。
STEP2:胸を張り肩甲骨を寄せるように、手を後ろに引きましょう。
STEP3:背中を丸め手を前方に出しましょう。
STEP4:胸を張り肩甲骨を寄せるように、手を後ろに引きましょう。
③ 指圧・温めとの併用で効果UP
セルフケアの効果をさらに高めるためには、ストレッチだけでなく、首の付け根を直接刺激する「指圧」や「温熱」もおすすめです。
後頭部の生え際あたりに両手の指をあて、軽く円を描くようにマッサージします。特に、後頭部の中心から外側にかけて走る大後頭神経周辺をほぐすことで、筋肉の緊張が緩和されやすくなります。
また、ホットタオルや市販の温熱シートを首の付け根に当てることで、血流が促進され、筋肉がゆるみやすくなります。入浴後や就寝前に行うと、より深いリラックス効果が得られます。
ただし、痛みが強い・腫れがあるなどの急性症状がある場合は、冷却が適切なケースもあるため、症状に応じて使い分けることが大切です。
再発予防のコツと生活習慣の見直し
首のコリを繰り返さないためには、姿勢改善とストレッチ習慣が重要です。デスクワーク中は猫背にならないよう意識し、画面の高さや椅子の位置を調整しましょう。
1時間ごとに肩甲骨を動かす体操を取り入れると、筋緊張を防げます。また、スマホを見る姿勢も前傾を避け、首に負担をかけない工夫を。日常生活での小さな積み重ねが、慢性的なコリの予防につながります。

まとめ
首の付け根のコリは、筋肉の緊張や姿勢の乱れ、ストレスなどが重なって起こります。放置すれば悪化や慢性化のリスクもあるため、早めのセルフケアが大切です。
今回紹介したストレッチや体操は、自宅で簡単に始められるものばかり。日々の習慣を少しずつ見直すことで、つらいコリを未然に防ぐことができます。今日から意識してケアを始めてみましょう。
【参考文献】
1)Iyer S, Kim HJ. Cervical radiculopathy. Curr Rev Musculoskelet Med. 2016 Sep;9(3):272-80. doi: 10.1007/s12178-016-9349-4. PMID: 27250042; PMCID: PMC4958381.
2)公益社団法人 日本整形外科学会
3)Diab AA, Moustafa IM. The efficacy of forward head correction on nerve root function and pain in cervical spondylotic radiculopathy: a randomized trial. Clin Rehabil. 2012 Apr;26(4):351-61. doi: 10.1177/0269215511419536. Epub 2011 Sep 21. PMID: 21937526.
