【右・左どっち?】こめかみが痛い原因5選|ズキズキ・ピリピリの正体と今すぐできる対処法

突然、こめかみにズキズキと脈打つ痛みが走ったり、ピリッと電気が走るような違和感が出たりすると、誰しも不安になるものです。しかも右だけ、左だけ、押すと痛いなど症状が違うと、なおさら心配になるものです。

実は、こめかみの痛みは場所と痛み方によって原因が大きく変わります。血管の拡張による頭痛、筋肉の緊張、神経のトラブル、さらには血管の炎症など、対処法がまったく異なるケースもあります。

本記事では、右・左それぞれに起こりやすいパターンを整理しながら、ズキズキ・締めつけ・ピリピリの正体をわかりやすく解説します。さらに、今すぐできるセルフケア方法と、見逃してはいけない危険なサインまで詳しく紹介します。

読み終えるころには、「この痛みは様子を見ていいのか」「すぐ受診すべきか」が判断できるようになるはずです。

参考記事:こめかみを押すと痛いのはなぜ?考えられる原因とセルフケア法

こめかみの痛みは「場所」と「痛み方」で原因が変わる

こめかみが痛そうな女性の画像

こめかみの痛みは一括りにはできません。右か左か、両側か、ズキズキか締めつけか、押して痛いのか何もしなくても痛いのかによって、疑われる状態は変わります。まずは自分の痛みがどのタイプに近いのかを確認してみましょう。

右側のこめかみが痛いときに多いパターン

右側だけがズキズキと脈打つように痛む場合、血管の拡張が関係するタイプの頭痛が考えられます。とくに光や音に敏感になり、動くと痛みが強くなる場合はその可能性が高まります。

一方で、右の首や肩が強くこっている、長時間のデスクワークのあとに出るという場合は、筋肉の緊張がこめかみ周囲に波及していることもあります。首の後ろから側頭部にかけての筋肉は連動しているため、片側の負担が痛みとして現れるのです。

左側のこめかみが痛いときに多いパターン

左側だけに繰り返し起こる拍動性の痛みも、血管の拡張が関与する頭痛でよくみられます。とくに「毎回同じ側に出る」「寝不足やストレスのあとに起こる」といった特徴がある場合は、その傾向が強いでしょう。

また、歯のかみしめや頬の筋肉の緊張が強い方では、あご周囲の負担が側頭部に伝わり、片側のこめかみに違和感や鈍い痛みを感じることもあります。食事や会話のあとに悪化するかどうかも判断材料になります。

両側・押すと痛いときに多いパターン

両側が重だるく締めつけられるように痛む場合は、筋肉の持続的な緊張が背景にあるケースが多いと考えられます。頭全体をはちまきで締められるような感覚、と表現されることもあります。

また、指でこめかみを押すと痛みが強くなる場合は、皮膚のすぐ下にある筋肉や筋膜が過敏になっている可能性があります。長時間のパソコン作業やスマートフォン操作により、目の疲れと首肩のこりが重なることで起こりやすくなります。

原因1. 片頭痛|ズキズキ脈打つような痛み

こめかみがドクドクと脈打つように痛む場合、まず考えられるのが血管の拡張に伴うタイプの頭痛です。特に40代以降では、仕事や家庭のストレス、睡眠不足、更年期によるホルモン変化などが引き金になることも少なくありません。

片頭痛の特徴

片頭痛の特徴は、心臓の拍動に合わせてズキンズキンと響くような痛みです。多くは片側に起こりますが、左右が入れ替わることもあります。体を動かしたり、階段を上ったりすると痛みが増すのも大きなポイントです。

また、光がまぶしく感じる、音がうるさく感じる、においに敏感になるといった症状を伴うことがあります。ひどい場合には吐き気や嘔吐を伴い、日常生活が困難になることもあります。

片頭痛は、頭の中の血管が一時的に拡張し、その周囲の神経が刺激されることで起こると考えられています。ストレスから解放された週末や、寝すぎた朝に起こることがあるのも特徴です。

片頭痛の対処法

痛みが出始めたら、まずは無理をせず静かな暗い場所で安静にすることが大切です。光や音の刺激を減らすことで、神経への負担を軽減できます。

ズキズキと拍動する痛みには、温めるよりも冷やすほうが適しています。保冷剤や冷たいタオルをこめかみに軽く当てることで、拡張した血管が収縮し、痛みがやわらぐことがあります。これは血管の過度な広がりを抑えるためです。

一方で、首や肩の強いこりが同時にある場合は、その部分を軽くほぐすことも有効です。ただし、強く揉みすぎるとかえって悪化することがあるため注意が必要です。

市販薬で改善するケースも多いですが、月に何度も繰り返す、生活に支障が出るほど強いという場合は、専門医への相談を検討しましょう。適切な治療により、発作の回数や強さを抑えられる可能性があります。

原因2. 緊張型頭痛|締めつけられるような痛み

こめかみがギューッと締めつけられるように痛む場合、背景にあることが多いのが筋肉の緊張です。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、精神的ストレスが続くと、首や肩の筋肉が持続的にこわばり、その影響が側頭部まで広がります。

緊張型頭痛の特徴

このタイプの痛みは、ズキズキというよりも、重く圧迫されるような感覚が特徴です。両側に出ることが多く、「頭に鉢巻きを巻かれたよう」と表現されることもあります。

こめかみを指で押すと痛みが強くなる、首や肩を触ると硬くなっている、といった所見もよくみられます。目の奥の重だるさや、夕方にかけて悪化する傾向がある場合は、眼精疲労が関与している可能性もあります。

この痛みは、筋肉が緊張することで血流が悪くなり、老廃物がたまりやすくなることが一因と考えられています。筋肉が酸素不足の状態になると、痛みを感じやすくなるのです。

緊張型頭痛の対処法

このタイプでは、冷やすよりも温めるほうが効果的です。蒸しタオルや入浴で首や肩を温めると血流が改善し、筋肉のこわばりがゆるみやすくなります。血流が良くなることで、痛み物質が流れやすくなるためです。

さらに有効なのが、首まわりの軽いストレッチです。椅子に座ったまま、ゆっくりと首を横に倒し、側面を伸ばします。20秒ほど呼吸を止めずにキープすることで、側頭部につながる筋肉の緊張が和らぎます。

ただし、強く勢いよく回す動きは避けましょう。めまいを引き起こすことがあります。痛みが強いときは無理に動かさず、まずは安静と温熱で様子をみることが大切です。

原因3. 三叉神経痛|ピリピリ・電気が走る痛み

こめかみに「ピリッ」「ビリッ」と一瞬電気が走るような痛みを感じる場合、筋肉や血管ではなく、神経そのものが刺激されている可能性があります。特に顔の感覚をつかさどる神経が過敏になっていると、軽い刺激でも強い痛みとして感じます。

三叉神経痛の特徴

この痛みは、ズキズキと続くというよりも、数秒から数十秒の鋭い痛みが繰り返し起こるのが特徴です。洗顔や歯みがき、風が当たるなど、ちょっとした刺激で誘発されることもあります。

代表的な特徴は次のとおりです。

・一瞬で走るような激痛
・顔の片側に集中することが多い
・会話や食事など日常動作で誘発される
・痛みのない時間はまったく症状がない

こめかみだけでなく、頬やあご、歯の周囲に広がることもあります。40代以降で突然始まるケースもあり、「歯が原因かと思った」という方も少なくありません。

三叉神経痛の対処法

このタイプは、セルフケアだけでの改善が難しいことが多いのが特徴です。まずは痛みを誘発する動作を避け、患部を強く押したり温めたりしないようにします。神経が過敏になっているため、刺激は最小限に抑えることが重要です。

電気が走るような痛みが何度も続く、日常生活に支障が出る場合は、早めに医療機関を受診しましょう。神経の興奮を抑える薬でコントロールできるケースもあります。放置すると回数が増えることがあるため、我慢しすぎないことが大切です。

原因4.  側頭動脈炎|脈打つような強い痛み

こめかみが強く脈打ち、触れると痛みが増す場合には注意が必要です。特に50歳以上で、新しく出現した強い頭痛は慎重に考える必要があります。

側頭動脈炎の特徴

この状態では、こめかみの血管に炎症が起こり、拍動に合わせて強い痛みが出ます。触ると血管が浮き出ているように感じることもあります。

特徴としては、以下のような症状がみられます。

  • 今までにない強い頭痛
  • こめかみを触ると強い圧痛がある
  • 発熱や全身のだるさを伴う
  • 食事中にあごがだるくなる

単なる頭痛と異なり、放置すると視力に影響を及ぼす可能性があるため、疑わしい場合は速やかに受診が必要です。

受診が必要な理由

血管の炎症が進むと、目へ向かう血流が低下し、視力障害を引き起こす危険があります。早期に治療を開始すれば予防できるケースが多いため、「いつもと違う強さ」「年齢的に初めての強い頭痛」という場合は自己判断しないことが重要です。

次は、鼻やあごなど、こめかみ以外の部位が原因となるケースについて解説します。

原因5.  副鼻腔炎・顎関節症など関連部位の痛み

こめかみが痛いからといって、必ずしも原因が「頭」にあるとは限りません鼻やあご、歯など、周囲の組織のトラブルがこめかみに放散しているケースもあります。痛みの出方や、同時に起きている症状を丁寧に確認することが重要です。

副鼻腔炎が原因の場合

鼻づまりや黄色い鼻水が続いている、顔を前に倒すと頬や目の奥が重く痛むといった症状がある場合は、鼻の奥にある空洞の炎症が関係していることがあります。

副鼻腔に炎症が起こると内部の圧が高まり、その周囲にある神経を刺激します。頬骨のあたりの痛みが、こめかみへ広がることも珍しくありません。風邪のあとに痛みが長引く場合は、この可能性を考えます。

この場合は、こめかみをマッサージしても根本的な改善にはつながりません。鼻症状が強い、発熱を伴う、1週間以上続くといった場合は耳鼻科での評価が必要です。

顎関節症が原因の場合

あごを動かすとカクカク音がする口を大きく開けると痛む朝起きたときにあごがだるいという場合は、かみ合わせや食いしばりが影響している可能性があります。

こめかみの部分には、あごを動かす筋肉が付着しています。歯ぎしりや無意識の食いしばりが続くと、その筋肉が過緊張を起こし、側頭部に鈍い痛みが出ます。特に仕事中に集中しているときや、ストレスが強い時期に悪化しやすいのが特徴です。

この場合は、あご周囲を強く揉むのではなく、日中の食いしばりに気づいて力を抜くこと、就寝時のマウスピースを検討することが有効です。

自宅でできるセルフケア|こめかみの痛みを和らげる方法

自宅で頭痛のセルフケアをしている女性の画像

こめかみの痛みは、原因によって対処法が異なります。ここでは比較的安全に行えるセルフケアを紹介します。ただし、「突然の激痛」「今までにない強さ」の場合は自己判断せず受診を優先してください。

ツボ押しで血流を整える

こめかみの少しくぼんだ部分は、緊張や血流の乱れが影響しやすい場所です。人さし指や中指で軽く円を描くように5〜10秒押し、ゆっくり離します。

強く押しすぎると逆に刺激となるため、「心地よい」と感じる程度が目安です。筋肉の緊張が原因の場合、周囲の血流が改善することで痛みがやわらぐことがあります。

首・肩のストレッチが有効な理由

こめかみ周囲の筋肉は、首や肩の筋肉と連動しています。そのため、首の側面や後ろをゆっくり伸ばすことで、側頭部の緊張も緩和されます。

斜角筋ストレッチ

STEP1:手を腰に回しましょう。
STEP2:鎖骨を抑えましょう。
STEP3:首を斜め後ろに反らせましょう。首の前方が伸びている状態を保ちます 。
STEP4:元の姿勢に戻ります。繰り返し実施しましょう。

冷やす・温めるの使い分け

ズキズキと脈打つような痛みには冷却が向いています。血管の拡張を抑えるためです。一方、締めつけられるような重い痛みには温めが効果的です。筋肉の血流を促すためです。

痛みの性質を見極め、方法を選ぶことが重要です。間違った方法を続けると改善しにくくなるため、まずは自分の痛みのタイプを整理しましょう。

次は、すぐに医療機関を受診すべき危険なサインについて解説します。

すぐ受診したほうがよい危険なサイン

頭痛で受診している女性の画像

多くのこめかみの痛みは命に関わるものではありません。しかし、中には早急な対応が必要なケースもあります。「いつもの頭痛」と思い込まず、危険なサインを見逃さないことが大切です。

緊急性が高い症状

次のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 突然、バットで殴られたような激しい痛みが出た
  • これまで経験したことのない強さの頭痛
  • 意識がぼんやりする、ろれつが回らない
  • 手足のしびれや力が入りにくい
  • 強い吐き気や繰り返す嘔吐を伴う
  • 高熱や首の強いこわばりがある

とくに「突然の激痛」は、脳の血管トラブルの可能性があります。時間が経つほどリスクが高まるため、迷わず救急受診を検討しましょう。

受診の目安

緊急性が高い症状がなくても、次のような場合は一度医療機関で相談することをおすすめします。

  • 数日たっても改善しない
  • 回数が徐々に増えている
  • 市販薬が効きにくくなっている
  • 50歳以降で初めて強い頭痛が出た

「我慢できるから大丈夫」と放置すると、慢性化することがあります。原因を明確にすることで、適切な治療や予防策を取ることが可能になります。

まとめ

こめかみの痛みは、ズキズキ脈打つもの、締めつけられるもの、電気が走るようなものなど性質によって原因が異なります。

まずは「どこが・どのように・どんなタイミングで痛むか」を整理し、冷却や温熱、ストレッチなど適切に対処しましょう。ただし、突然の激痛やこれまでにない強い痛みは危険なサインの可能性があります。迷ったときは早めに医療機関へ相談することが安心につながります

【参考文献】
1)Headache Classification Committee of the International Headache Society (IHS) The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition. Cephalalgia. 2018 Jan;38(1):1-211. doi: 10.1177/0333102417738202. PMID: 29368949.
2)Page P. Cervicogenic headaches: an evidence-led approach to clinical management. Int J Sports Phys Ther. 2011 Sep;6(3):254-66. PMID: 22034615; PMCID: PMC3201065.
3)厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』:頭痛

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桐内 修平
理学療法士資格保有:http://www.japanpt.or.jp/
【経歴】
  • 医療法人社団紺整会 船橋整形外科病院
  • 株式会社リハサク
理学療法士免許取得後、国内有数の手術件数・外来件数を誇る整形外科病院に7年間勤務。多種多様の症状に悩む患者層に対し、リハビリテーションを行う。その後、株式会社リハサクに入社。現在はマーケティングに従事し、より多くの方へリハサクの魅力を届ける。