【朝起きると腰が痛い】寝違えによる腰の痛みの原因と3つの対処法を解説!

「腰が痛い…。どうしよう、起きられない。」

朝起きてこのように四苦八苦した経験はありませんか?

そんな症状があるときは寝違えによる腰痛を起こしているかもしれません。

一般的に寝違えは首に起こるものと認識されていますが、実は腰にも起こりえます。もし起床時に腰痛になった場合どのように対処したら良いでしょうか。

当記事では起床時のつらい腰痛に対して、対処法と早く治すコツを紹介していきます。

ぜひ最後までお読みください。

【いわゆるぎっくり腰】起床時に痛い腰の寝違えの原因とは?

朝起きて腰が痛くて抑えている女性の写真

寝違えによる腰痛は別名、ぎっくり腰と呼ばれ急激に発生した腰痛の総称です。

そして寝違えによる腰痛の原因は、大きく分けると以下の2つが考えられます。

腰骨の過度な反り(反り腰)の影響
筋肉の影響

まず仰向けの状態で脚を伸ばすと、重力の関係で腰骨と床面は近づきます。

しかし反り腰の方は、股関節周りの筋肉の柔軟性が低下している為、寝転がった際に腰が反り床との間に隙間が生まれる傾向があります。この反り腰状態が長く続くと、「椎間関節(ついかんかんせつ)」という腰の関節に負担をかけ痛みを感じてしまうのです。1)

さらに、前日の慣れない過度な運動・仕事による疲労で筋肉がこわばってしまうと、寝返りの回数が減ります。

その影響で寝ている間も無理な姿勢が続いてしまい、一部の筋肉に血液の供給不足が生じ、寝違えを起こしやすくなってしまいます。

参考記事:【ぽっこりお腹を改善】腰痛のもとになる反り腰の原因・簡単な治し方をわかりやすく解説!
参考記事:【筋肉が原因となる腰痛】筋筋膜性腰痛とは?見分け方と対処法を解説!

腰の寝違えによる症状とは?

腰の寝違えによって椎間関節に負担をかけている場合、朝起きた時に片側の腰やお尻周辺に痛みがあり、腰を後ろに反らす動作で痛みが出現します。そして、日中は少しずつ痛みが落ち着いていくのが特徴的です。2)

さらに腰周りの筋肉が疲労し血液の供給不足を起こしてしまっている場合、腰回りの筋肉を押した際に硬さと痛みが感じられます。3)

これらの症状が見られる場合は、腰の寝違えによる痛みを疑いましょう。

これだけは押さえたい!腰の寝違えの適切な対処法3つ

以上の通り寝違えによる腰痛の原因と症状に関してご理解いただけましたでしょうか。

ここからは寝違えになった時の適切な対処法を解説していきます。

参考記事:【ぎっくり腰】これでひと安心!楽な姿勢(寝方・座り方)と対処法を解説!

ひどい痛みの場合は2〜3日は安静に

ひどい痛みがある場合は炎症が起きている可能性があり、安静が必要です。しかし寝違えによるぎっくり腰の場合、長期間安静にすることは痛みの改善をかえって遅らせると報告されています。

痛みの出現から2~3日経過後は、少しずつ家事やお仕事の復帰に向けて動き始めましょう。

ただし1週間以上も起き上がることができないほどの激痛がある場合は、迷わず病院を受診するようにしましょう。

腰を抑えている女性の写真

炎症がある場合は適度な冷却(アイシング)を

寝違えにより椎間関節に負担をかけている場合、関節に炎症を起こしている可能性があります。痛みが出ている部分を冷やしてあげることで早期に炎症がおさまり、痛みの改善が期待できます。

20分程度の冷却(アイシング)を1日4~5回行いましょう。

急性期はコルセットの着用を推奨

頻繁に寝違えてしまう方の多くは、腰の筋肉が突っ張ってしまっているのに対して、お腹周りの筋肉が緩くなっていることが特徴です。

その影響で腰にさらに負担をかけてしまうことがあるため、コルセットやサポーターの着用は痛みの軽減が期待できます。

ただしコルセットやサポーターは着用期間が長くなると、筋力を低下させてしまいます。

そのため痛みが落ち着き筋力や柔軟性の改善とともに、コルセットを外していくのがよいでしょう。

参考記事:コルセットは寝る時に外すべき?就寝時・寝起きの腰痛を改善するセルフケアも紹介

腰の寝違えによる痛みを和らげるストレッチ3種類

ここからは自宅でできる簡単なストレッチを紹介します。ストレッチのポイントは痛みを感じない範囲で行うことです。

特に寝違えによる腰痛の場合はストレッチにより痛みが悪化してしまう可能性もあります。

無理のない範囲で筋肉を伸ばしていきましょう。

参考記事:【立ったままできる】腰痛の予防・改善に効果的なストレッチ4選!
参考記事:寝ながらできる腰痛改善ストレッチ!4つの症状別の対処法を解説

まずはお尻周りの筋肉をストレッチ

少しずつ体を動かせるようになってきたら、お尻周りのストレッチから始めていきましょう。

痛みが出てすぐに腰のストレッチを行ってしまうと、かえって痛みを悪化させてしまう可能性があります。

まずは腰の近くの関節であるお尻のストレッチを行い、徐々に動きやすい体に整えていきましょう。

そこでおすすめなのが「大殿筋(だいでんきん)ストレッチ」です。

大殿筋のストレッチ

STEP1:片脚を反対側の太ももに乗せましょう
STEP2:膝を抱え反対側の肩へ引き寄せます
STEP3:お尻・ふとももの外側が伸びた状態で10~20秒保持します
STEP4:元の姿勢に戻り、反対も同様に行ってください
※腰が丸まらないように注意しましょう

ヒップロールで徐々に腰まわりを伸ばそう

寝違えによって腰の筋肉は緊張し、硬くなっていることが予測されます。

痛みのない範囲で徐々に腰の筋肉をストレッチし、緊張を和らげていきましょう。

効果的なエクササイズが「ヒップロール」です。

ヒップロール

STEP1:仰向けで両手を真横に広げましょう
STEP2:膝を曲げた状態で、両あしを閉じてください
STEP3:あしを閉じたまま膝を横に倒し10~20秒保持しましょう
STEP4:元の姿勢に戻り、反対も同様に行います
※あしを横に倒した時に肩が床から離れないようにしましょう

CAT & DOGエクササイズで恐怖心を取り除こう

寝違えにより安静期間を長くとってしまうと、体が動くことに恐怖心を抱いてしまい、さらに硬くなってしまうという悪循環となってしまいます。

先ほど説明した2種類の運動が痛みなくできるようになったら、「CAT & DOGエクササイズ」で腰を大きく動かす練習をしていきましょう。

CAT&DOGエクササイズ

STEP1:四つ這い姿勢をとりましょう
STEP2:肩甲骨を寄せながら背中を反らせます
STEP3:肩甲骨を離しながら背中を丸めます
STEP4:元の姿勢に戻りましょう
※肘が曲がらないように注意しましょう

腰の寝違えは何日で治る?一般的な治療期間を紹介

どのような痛みでも何日で治るかは気になるところですよね。

しかし、「ぎっくり腰」といっても症状は様々で、軽症から重篤なものまであるため一概に何日で治るとは言えません。

目安として報告されているものでは、以下の項目がどちらとも当てはまらない場合は、症状は長くても4~6週間と言われています。4)

①病院で腰に重篤な病変があると指摘されたことがある
②腰から脚にかけて強いしびれ・脱力感がある

①②に当てはまらない場合は、痛みに合わせて活動量を上げていくことをおすすめします。 

参考記事:【ぎっくり腰】即効では治らない!1日でも早く治す適切な対処法を解説!

まとめ

寝違えの原因・症状・対策について解説しました。

現在、寝違えによる腰痛に悩まされている方々は、原因に合わせて正しく対処することが症状改善の鍵になります。

本記事が起床時の不快な腰痛に悩んでいる方々の手助けになれば幸いです。

参考文献
1) 公益社団法人 日本整形外科学会
2) 高橋 和久. 日常診療で出会う 腰痛の診かた
3) 片寄 正樹. 腰痛のリハビリテーションとリコンディショニング-リスクマネジメントに基づいたアプローチ
4)Van Vulder MW,Becker A,Bekkering T,et al.European guidelines for the management of acute nonspecific low back pain in primary care.COST B13 Working Group on Guidelines for the Management of Acute Low Back Pain.European Commission.2004.