うつ伏せで寝るのは体に悪い?メリット・デメリットと正しい寝姿勢を解説

 

朝起きたときに「なんとなく体がだるい」「首や腰が重い」と感じたことはありませんか?

その不調、実は“寝姿勢”が原因かもしれません。中でも「うつ伏せで寝る」習慣は、一見楽に感じられるものの、体に思わぬ負担をかけている可能性があります。

SNSや健康情報サイトでは「うつ伏せ寝は体に悪い」という意見もあれば、「いびきが減った」「胃の調子がいい」といった肯定的な声もあり、実際のところどうなのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、うつ伏せ寝のメリット・デメリットをわかりやすく整理し、医学的視点から体への影響を解説します。

さらに、体への負担を減らすための正しい寝姿勢・自宅で簡単にできるストレッチ方法も紹介します。睡眠の質を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。

うつ伏せ寝のメリットとデメリットとは?

うつ伏せ寝には良い面と悪い面があります。まずは、それぞれのポイントを解説します。

うつ伏せ寝のメリット

うつ伏せ寝には、特にいびき胃酸逆流の改善において一定の効果が見込まれることがあります。

① いびきを抑える効果

仰向け寝とうつ伏せ寝で気道の様子を表した図

うつ伏せ寝は、いびきを軽減する効果があります。

仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込み気道を狭めることでいびきを引き起こしやすくなります。

一方、うつ伏せ寝では舌の位置が自然と前方に移動し、気道が確保されるため、いびきをかきにくくなるのです。

② 胃酸の逆流を防ぐ

逆流性食道炎に悩む方にとって、うつ伏せ寝は胃酸の逆流を抑える姿勢として知られています。特に、上半身が少し高くなるような枕の使い方をすることで、胃の内容物が食道へ逆流するのを防ぎやすくなります。

③ 消化を促進する可能性

うつ伏せになると腹部に軽い圧がかかり、腸の動きを刺激するという見方もあります。消化機能を助ける体勢として用いられるケースもあり、特に食べ過ぎた日などに「なんとなく落ち着く」と感じる人もいます。

うつ伏せ寝のデメリット

一方で、うつ伏せ寝は首や腰に大きな負担をかける寝姿勢であり、慢性的な不調につながる可能性があります。

① 首に強い負担がかかる

うつ伏せ寝で顔を横に受ける女性の画像

うつ伏せで寝る場合、顔を左右どちらかに大きくねじって寝ることになります。この姿勢を長時間続けると、首の筋肉や関節に負荷がかかり、寝違えや慢性的な首の痛み肩こりの原因になります。特にストレートネックの人には要注意です。

② 腰への負担が大きい

自然な背骨のS字カーブが保てず、腰が過度に反った状態になりやすいため、腰の筋肉に緊張が生まれます。

これにより、起床時に腰が重い、痛いといった症状を引き起こすケースが多く見られます。慢性腰痛持ちの人には特に注意が必要です。

参考記事:うつ伏せで寝ると腰痛が出るのはなぜ?辛い腰痛が楽になる寝方とストレッチを専門家が解説!

③ 呼吸が浅くなりやすい

胸が布団やマットレスに押しつけられることで、肺の膨らみが制限されることがあります。その結果、呼吸が浅くなりやすく、睡眠の質の低下を招く可能性があります。浅い呼吸が続くと、自律神経のバランスにも影響が出やすくなります。

このように、うつ伏せ寝には確かにメリットもありますが、それ以上にデメリットや体への負担が多いことも事実です。とくに首・肩・腰などに不調を抱えている方は、一度自分の寝姿勢を見直すことが健康維持への第一歩になります。

正しい寝姿勢とは?体に負担をかけない寝方のポイント

正しい寝姿勢を知ることで、体の負担を減らし、快適な睡眠を得ることができます。理想的な寝姿勢のポイントを確認していきましょう。

理想的な寝姿勢とは?

快眠のためには、背骨の自然なカーブを保てる寝姿勢が理想的とされています。

仰向け寝とうつ伏せ寝で背骨のS字カーブの違いを表した図仰向け寝は背骨を自然に保ちやすい

 

仰向け寝は、背骨のS字カーブを崩さず、体全体に重さを均等に分散できる最も負担の少ない寝姿勢です。首や腰のサポートが安定していることで、筋肉が緊張しにくく深い眠りに入りやすくなります。

横向き寝は呼吸や消化にやさしい

横向き寝も体に良い寝姿勢とされています。

特に左側を下にすると胃酸の逆流を防ぎやすく、消化にも良いとされています。また、いびきが気になる方や睡眠時無呼吸の傾向がある方にもおすすめです。

枕の高さと寝具の選び方がカギ

枕は高すぎても低すぎても首に負担がかかります。目安としては、仰向けで寝たときに額とあごが水平になる高さ横向き寝では首と背骨が一直線になる高さが理想的です。

また、マットレスも柔らかすぎると体が沈み込み、背骨が歪みやすくなるため、程よい反発力のあるものを選びましょう。

うつ伏せ寝を続ける場合の注意点

どうしてもうつ伏せでしか眠れない人も、工夫次第で体への負担を軽減することが可能です。うつ伏せ寝が落ち着く方は下記の項目を参考にしましょう。

頭の向きを固定しない

長時間同じ方向に顔を向けて寝ると、首の筋肉が緊張して歪みや痛みの原因になります。右左交互に向きを変えたり、真下を向けるような工夫を取り入れましょう。

低めの枕で首の反りを防ぐ

うつ伏せ寝では高い枕は禁物です。首が過剰に反ってしまい、朝起きたときの首の痛みや頭痛につながります。

低反発の薄い枕や、タオルを折りたたんで調整すると負担が軽減されます。

腰への負担を軽減するサポートクッション

腰の下や骨盤の下に小さなクッションや丸めたタオルを入れてあげると、腰椎の反りを防ぐことができ、腰痛の予防にもつながります。

体が沈みすぎないマットレスとの併用もおすすめです。

寝る前にストレッチを取り入れる

うつ伏せ寝を続けるなら、就寝前に首や腰まわりのストレッチを行うのも効果的です。筋肉を柔らかくしておくことで、就寝中の圧迫を和らげ、目覚めたときのだるさや痛みを防ぐことができます。

このように、正しい寝姿勢を意識しながら、自分の体に合った環境を整えることが大切です。

自宅でできる!うつ伏せ寝による体の負担を軽減するストレッチ

うつ伏せ寝による負担を減らすためのストレッチを紹介します。

首や肩のストレッチ

うつ伏せ寝で起こりやすい首こりや肩こりを和らげるストレッチをご紹介します。

斜角筋ストレッチ

STEP1:手を腰に回しましょう。
STEP2:鎖骨を抑えましょう。
STEP3:首を斜め後ろに反らせましょう。首の前方が伸びている状態を保ちます 。
STEP4:元の姿勢に戻ります。繰り返し実施しましょう。
※急に動かすと筋を痛めることがあるので、呼吸を止めずゆっくり行いましょう。

僧帽筋ストレッチ

STEP1:手を腰の後ろに回しましょう。
STEP2:肩が上がらないように抑えましょう。
STEP3:頭を斜め下へ傾けましょう。肩の上が伸びている状態を数秒間保持しましょう。
STEP4:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。繰り返し実施しましょう。

 

腰のストレッチ

うつ伏せ寝が原因の腰の反りや緊張をほぐし、柔軟性を高めるストレッチです。

膝抱えストレッチ

STEP1:仰向けに寝て両膝を抱えましょう
STEP2:腰を丸めるようにお腹に引き寄せます。腰の伸びを感じましょう。
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
注意点:さらに伸ばしたい場合は、腰の下に丸めたタオルを入れましょう。

ヒップロール

STEP1:仰向けになり両手を横に広げ、両膝を90度に曲げましょう。
STEP2:両膝をくっつけたまま横に倒しましょう。
STEP3:元の姿勢に戻りましょう。
注意点:倒す際に肩が浮かないように注意しましょう。

 

日常的にこれらのストレッチを取り入れることで、うつ伏せ寝による首・肩・腰の不調を軽減することができます。無理のない範囲で毎晩取り組み、質の高い睡眠と翌朝のすっきり感を目指しましょう。

まとめ

うつ伏せ寝は、メリットもある反面、体に負担をかけやすい姿勢です。正しい知識と工夫を取り入れ、自分の体に合った寝方を見つけることが大切です。

寝姿勢に不安を感じている方は、まずは今日ご紹介したストレッチから始めてみてください。

それでは本記事が、あなたのうつ伏せ寝による身体の不調改善にお役立ていただけますと幸いです。

【参考文献】
1)中村 勤.睡眠特性と寝具寝装品の開発.Vol.47 No.6 .2006