『朝起きると肩が痛い』
『デスクワーク中に肩が重だるくなる』
このようなひどい肩こりに悩んでいませんか?デスクワークやスマホの使いすぎ、ストレスなどが原因で、慢性的な肩こりに悩む人は少なくありません。
当記事では、理学療法士監修のもと、肩こりの主な原因を解説し、すぐに試せる効果的なストレッチやマッサージ方法をご紹介します。
最後までお読みいただくことで、肩こりに対する適切な対処法が身につくことでしょう。つらい肩こりを和らげ、快適な毎日を取り戻しましょう!
ひどい肩こりの主な原因とは?
肩や首のこりが慢性化する背景には、いくつかの共通した原因があります。日常の姿勢や生活習慣を見直すことで、根本的な改善につながることも少なくありません。
姿勢の悪さによる影響
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用が続くと、頭が前に出た状態になり、首や肩に大きな負担がかかります。
特に猫背の姿勢は筋肉の緊張を引き起こし、肩周辺の血流を悪化させる原因になります。このような状態が続くと、慢性的な痛みへとつながることが多いのです。
血行のとどこおりによる影響
冷えや運動不足が続くと、血流が悪くなり、筋肉が硬くなりやすくなります。
血液の循環がとどこおると、酸素や栄養が十分に筋肉に行き渡らず、疲労物質が蓄積しやすくなります。その結果、コリや痛みが強まることがあります。
ストレスと自律神経の関係
精神的な緊張やストレスは、無意識のうちに筋肉をこわばらせる要因になります。
特に、強いストレスを感じると交感神経が活発になり、血管が収縮しやすくなります。その結果、血流が悪くなり、肩周りの筋肉が硬直することで不快な症状を引き起こします。
肩こりを一瞬で治す方法はあるのか?
慢性的な肩こりに悩む人の中には、「すぐに楽になりたい」と考える人も多いでしょう。即効性のある対策はいくつかありますが、一時的な緩和にとどまることが多いため、根本的な改善と併せて取り組むことが大切です。
即効性のある対処法
短時間で効果を感じられる方法として、ストレッチやマッサージ、温熱療法などがあります。
特に、肩周りの筋肉を伸ばすストレッチは、血流を促進し、緊張を和らげる効果が期待できます。また、ツボ押しや温めることで筋肉がほぐれ、痛みが軽減することもあります。
一時的な対策だけでは不十分
短時間で症状が軽くなったとしても、姿勢や生活習慣が改善されなければ、再び痛みが戻ってくることが多いです。
そのため、一時的なケアに加え、根本的な原因にアプローチすることが重要になります。
参考記事:肩こりを一瞬で治す方法とは?ストレッチやマッサージで辛い肩こりを解消する方法!
【要チェック】あなたの肩こりの重症度は?
肩のこりや痛みがどの程度深刻なのかを把握することで、適切な対処法を選ぶことができます。ここでは、セルフチェックの方法を紹介します。
肩こりのセルフチェックリスト
以下の項目にいくつ当てはまるかを確認してみましょう。
- 肩があげにく(可動域が狭い)
- 肩を動かすと「ゴリゴリ」音がする
- いつも肩が凝っている気がする
- 指先にかけてしびれがある
- 頭痛・吐き気がする
当てはまる項目が多いほど、症状が深刻である可能性が高くなります。
重症度別の対処法
軽度の場合:ストレッチや姿勢の見直しをすることで改善しやすい
中程度の場合:セルフケアに加え、適度な運動やマッサージを取り入れる
重度の場合:慢性化している可能性があるため、専門家による施術や治療を検討する
症状のレベルに応じた適切なケアを行い、無理なく改善を目指しましょう。また、詳細な確認方法は以下の記事を参考にしてください。
参考記事:肩こりの重症度レベルをチェックしたい!ひどい肩こりに効くセルフケア方法も紹介
参考記事:接骨院・整骨院で肩こりが保険適用される場合とされない場合を詳しく解説!
ひどい肩こりを和らげる即効ストレッチ・マッサージ
肩のこりや痛みを和らげるには、ストレッチやマッサージが効果的です。特に、筋肉の緊張をほぐし、血流を促進することで、即効性が期待できます。ここからは、肩こりに関係する部位のストレッチ・マッサージ方法をお伝えします。
大胸筋ストレッチ
肩こりの原因といえば「首や肩の筋肉の緊張」に注目しがちですが、実は大胸筋(胸の筋肉)の硬さも大きく関係しています。大胸筋をストレッチして柔軟にすることで、肩が自然な位置に戻り、肩こりを引き起こす筋肉の過度な負担を軽減できます。
STEP1:片足を前方へ大きく踏み出しましょう。
STEP2:片手を壁につけましょう。
STEP3:体重を前方へ移動させましょう。前胸部が伸びている状態を保持しましょう。
胸張り運動
STEP1:背中を丸め手を前方に出しましょう。
STEP2:胸を張り肩甲骨を寄せるように、手を後ろに引きましょう。
STEP3:背中を丸め手を前方に出しましょう。
STEP4:胸を張り肩甲骨を寄せるように、手を後ろに引きましょう。
僧帽筋上部ストレッチ
デスクワークやスマホ操作などで肩をすくめる姿勢が続くと、僧帽筋上部が常に収縮した状態になり、筋肉が硬くなって血流が悪化。結果として 「重だるい」「ズーンとした痛み」 を感じやすくなります。ストレッチを行い僧帽筋の緊張を軽減させましょう。
STEP1:手を腰の後ろに回しましょう。
STEP2:肩が上がらないように抑えましょう。
STEP3:頭を斜め下へ傾けましょう。肩の上が伸びている状態を数秒間保持しましょう。
STEP4:ゆっくりと元の姿勢に戻ります。繰り返し実施しましょう。
頸部伸展筋ストレッチ
肩こりを改善するために「肩や背中のストレッチ」を意識する人は多いですが、実は首の後ろ(頸部伸展筋)の硬さも肩こりの大きな原因になります。頭が前に突き出た姿勢(ストレートネック) になると、首の後ろ側にある筋肉が過剰に緊張し、その結果、首から肩にかけてのコリや痛みが慢性化しやすくなります。
STEP1:両手を頭の後ろへ回しましょう。
STEP2:頭を前方へ倒しましょう。首の後方が伸びた状態を保持しましょう。
STEP3:元の姿勢に戻りましょう。
チンインエクササイズ
STEP1:人差し指で顎に触れましょう。
STEP2:顎を引きながら後頭部を後方へ移動させましょう。
STEP3:ゆっくりと戻しましょう。
肩こりを予防する生活習慣と運動
慢性的な肩こりを防ぐためには、日々の生活習慣を見直し、適度な運動を取り入れることが大切です。姿勢の改善や運動習慣の継続が、再発を防ぐ鍵となります。
正しい姿勢を意識する方法
長時間同じ姿勢でいると、筋肉が緊張しやすくなります。特にデスクワーク中は、正しい姿勢を意識することで肩の負担を軽減できます。
ポイント
- 椅子に深く座り、背筋を伸ばす
- 肩の力を抜き、自然に下げる
- 画面の高さを目の高さに合わせ、前傾姿勢を避ける
- 1時間に1回は立ち上がり、軽く体を動かす
参考:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには
日常生活に取り入れたい運動習慣
適度な運動を取り入れることで、血流が改善され、筋肉の柔軟性が向上します。
おすすめの運動
- 軽い筋トレ:肩や背中の筋肉を鍛え、姿勢を維持しやすくする
- 有酸素運動:ウォーキングやジョギングで全身の血流を促進する
- ヨガやピラティス:体のバランスを整え、肩周りの柔軟性を高める
肩こりを防ぐ食事と水分補給
栄養バランスの取れた食事も、肩こり予防には欠かせません。特に、筋肉の緊張を和らげる栄養素を意識的に摂取することが大切です。
積極的に摂りたい栄養素
- マグネシウム(ナッツ類、海藻類)
- ビタミンB群(豚肉、大豆製品)
- オメガ3脂肪酸(青魚、亜麻仁油)
また、水分不足も血流の滞りを引き起こす要因の一つです。こまめな水分補給を心がけましょう。
日常のちょっとした工夫を積み重ねることで、肩こりの発生を防ぎ、快適な生活を送ることができます。
まとめ:ひどい肩こりを改善するためにできること
本記事では、肩こりの原因や即効性のある対策、そして予防方法について詳しく解説しました。慢性的な痛みを改善するためには、一時的なケアだけでなく、日々の生活習慣の見直しが欠かせません。
参考文献
1)日本ペインクリニック学会:Ⅳ D 筋・筋膜性疼痛症候群
2)公益社団法人 日本整形外科学会「頚椎症」
3)Richard Dias 1, Steven Cutts, Samir Massoud:Frozen shoulder