なで肩がひどい時の3つの対処法 〜肩こりもこれで改善!〜

ふと鏡に映る自分の姿を見て、「なで肩だな」と気になったことはありませんか。

また普段から慢性的な肩こりに悩んでいるという方も多いでしょう。実はこの肩こりにも、なで肩が関係していると言われています。

そこで当記事では、肩こりを引き起こすなで肩について、原因と改善方法をわかりやすく解説していきます。

当記事を参考にしていただき長年悩んでいるなで肩や肩こりを改善いただけると幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。

なで肩とはどんな姿勢?

肩を気にする女性

なで肩とはなでおろしたように、なだらかに下がった肩のことを言います1)医学的な診断名ではありませんが日常生活ではよく使われる言葉で、日本人女性に多い姿勢です。

特徴としては鎖骨の位置が本来よりも低くなっており、その結果、首が長く見えたり肩幅が狭く見えると言われています。

こういった身体的特徴により、リュックを背負っている時に肩からずり落ちてしまうといったお悩みがある方は、なで肩になっているかもしれません。

なで肩の原因とは?

なで肩がどんな姿勢かわかったところで、次は原因についてみていきましょう。

肩甲骨周りの筋肉による影響

肩甲骨周りには多くの筋肉があり、それぞれが様々な方向から引っ張り合うことで肩甲骨を正しい位置に保ちます。

その筋肉のうち一部が弱い、または硬くなっているとバランスが崩れ、肩甲骨の位置は乱れます。結果、肩の位置も一緒に崩れてしまうのです。

日常生活での悪い姿勢による影響

姿勢の悪い女性

実は肩甲骨や肩の位置は、背骨の動きと連動しています。

日頃から猫背姿勢のような悪い姿勢になっていると、背骨が丸まります。それに伴い肩甲骨は外に開きながら下がる傾向に。そして肩甲骨の動きに連動して肩の位置も下がるため、なで肩になってしまうのです。

さらには猫背姿勢で過ごす時間が長くなるほど、使われていない筋肉は弱くなったり硬くなるため、元の姿勢に戻すことが難しくなります。

遺伝による影響

先ほど挙げたように、なで肩の原因は生活習慣などの後天的な影響がほとんどです。しかし中には生まれもった遺伝子が骨格に関係している場合もあります。

遺伝が影響してなで肩になる病気として、クラインフェルター症候群やウィリアムズ症候群という病気があります。

クラインフェルター症候群は、思春期の遅れや発達の遅れ、不妊症などが特徴です。男性のみが発症し、日本に6万人以上いると推定されます2)

またウィリアムズ症候群は、大動脈弁狭窄症など心血管疾患を発症することも多い3)と言われているため、心当たりがある場合は医師や専門家に診察してもらうことをおすすめします。

なで肩改善によって解消される3つの症状

次になで肩に関連する症状を説明します。

なで肩が改善することで見た目が変わることはもちろん、他の症状も一緒に解消されたら嬉しいですよね。対処しても治らなかった長年の悩みが、なで肩を改善することで解決するかもしれません。

つらい肩こりの改善

肩こりを気にする女性

肩こりになると指圧や揉みほぐしをしたくなると思います。それは一時的な対処方法にはなりますが、根本的には治らず慢性的に痛み・違和感を感じてしまうことも。

なで肩を改善すると肩甲骨や肩の位置が正しい場所に戻ります。

その結果、今まで肩にかかっていた負担が軽減し肩甲骨周りの筋肉の血流が良くなることで、肩こりの改善につながるのです4)

なかなか治らずつらい肩こりは、なで肩を改善することで症状がなくなるケースも多いです。

指先の痺れ(胸郭出口症候群)の改善

手の痺れを訴える女性

胸郭出口症候群とは、なで肩のように肩甲骨の位置がズレることによって腕や肩甲骨周りの血管・神経が圧迫され起こります。

症状としてつり革につかまったり洗濯物を干すなど腕を挙げる際、肩や肩甲骨周り、腕に痛みやしびれを感じるケースがあります。

そのため、なで肩を改善し神経の圧迫を防ぐことが、指先の痺れの改善につながるのです。

参考記事:【腕が痛い】肘から下の痛みやしびれの原因となる病気とは?適切な対処法も紹介

極端に首が長い・猫背姿勢などスタイルの改善

首が極端に長く見える原因として、猫背姿勢やなで肩が考えられます。

猫背姿勢になり肩甲骨が連動して引き下がることで、相対的に首が長く見えてしまいます。そこで猫背姿勢を整え肩甲骨の高さを正しい位置に戻すと、首が長く見える状態を改善することが可能です。

さらに鎖骨が水平になるため、デコルテがきれいにみえる効果もあります。

なで肩を整えることは、痛みだけでなくスタイル改善にもつながるのです。

参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには

これってなで肩?自分でできるセルフチェック方法

なで肩を改善することで、見た目や痛みの改善につながることがわかりましたね。

しかしどこからがなで肩なのか、判断が難しいという方も多いでしょう。ここでは自分で簡単にできるセルフチェックを紹介します。

次の3つにあてはまる場合はなで肩の可能性が高いです1)

  • 鎖骨の外側が内側よりも下がっている
  • 肩が両鎖骨間のくぼみよりも下にある
  • リュックがずり落ちてしまう

なで肩を説明する図

当てはまる方はこれから紹介するストレッチ・筋トレを実施してみてください。

3つのおすすめストレッチ・筋トレ

セルフチェックの結果はいかがでしたか。なで肩に当てはまった方は、肩甲骨周りの筋肉を整えていくことで改善する可能性があります。

ここでは3つのおすすめストレッチと筋トレを紹介しますのでぜひ取り組んでみてください。

肩甲骨挙筋ストレッチ

肩甲骨を引き上げている代表的な筋肉が「僧帽筋上部線維」と「肩甲挙筋」です。そしてなで肩の方は僧帽筋上部線維が弱く、肩甲挙筋の負担が増し硬くなっています。

そのため肩甲骨周りの筋肉バランスを整えることを目的に、まずは肩甲挙筋の柔軟性を取り戻していきましょう。

肩甲挙筋ストレッチ

STEP1:両手を頭の後ろで組みましょう
STEP2:首を前方へ傾けましょう
STEP3:そのまま斜め下にひねります
STEP4:姿勢を戻しましょう
※首の後ろが伸びるのを感じましょう!

オーバーヘッドシュラッグ運動

ここでは先ほど説明した肩を引き上げる「僧帽筋上部線維」を鍛えていきます。しっかりと肩甲骨を上まで引き上げるように運動をしましょう。

またこの運動では「前鋸筋」と呼ばれる肩甲骨を安定させる筋肉も同時に鍛えられ、一石二鳥の筋トレになります。

オーバーヘッドシュラッグ運動

STEP1:万歳をして壁に手をつきましょう
STEP2:指先を天井へ伸ばし肩甲骨を動かします
STEP3:力を抜き肩甲骨を下げます
STEP4:繰り返し実施しましょう
※肩甲骨を大きく動かしながら行いましょう!

胸張り運動

先ほど説明したように、なで肩と猫背姿勢には関連性があります。

ここでは猫背姿勢を改善することで、肩甲骨のポジションを整えていきます。胸張り運動では、両方の肩甲骨を引き寄せる意識で行ってみましょう。

胸張り運動

STEP1:両手を前方へ伸ばしましょう
STEP2:胸を張りながら肩甲骨を内側へ寄せましょう
STEP3:背中を丸めながら両手を前方へ伸ばします
STEP4:繰り返し実施しましょう
※顎を引きながら運動を行いましょう!

まとめ

今回はなで肩の原因や改善方法について解説していきました。

なで肩を改善することで見た目だけでなく、つらい症状も一緒に解決できることがわかりましたね。

痛みを放置すると、長引いてしまいなかなか治らないケースも多いです。また長年にわたり悩んでいた原因が、なで肩に隠されている可能性があります。

ぜひ動画を見ながら肩甲骨周りのストレッチや筋トレに取り組み改善していきましょう。

それでは本記事が、あなたのなで肩を改善するのにお役立ていただけますと幸いです。

参考文献
1)奥脇 透.いわゆる撫で肩の評価方法について. 肩関節.22巻 2号 359-362.1998
2)遺伝性疾患プラス
3)遺伝性疾患プラス
4)西野 雄大.有訴部位からみた肩こりに対する疼痛発生因子の検討.第 51 回日本理学療法学術大会