【腕が痛い】肘から下の痛みやしびれの原因となる病気とは?適切な対処法も紹介

「ラケットを振ると肘から下に痛みがある」
「仕事中に腕に違和感やしびれがある」

あなたもこのような腕の症状で、お悩みではありませんか?

重症化して痛みやしびれが強くなると、仕事などの日常生活にも支障が出る可能性があります。

そこで当記事では、肘から下の痛み・しびれの原因や、ストレッチなどの適切な対処法についてわかりやすく解説します。

当記事を参考にすることで、腕の痛みやしびれが解消できれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。

肘から下の腕に痛みが出る3つの原因とは?

まずは、腕に痛みが出る際に考えられる3つの原因について解説します。ご自身に当てはまるものがないか、確認してみましょう。

テニスや野球などの肘に負担のかかるスポーツ

腕を触るテニス選手の写真

テニスや卓球などでは、ラケットを振る動作が繰り返されることで、肘から手首に伸びる筋肉に大きな負担がかかります。負担がかかった筋肉に、腫れなどを伴う炎症症状が起こることで、腕への痛みが生じるのです。

また、野球の投球動作も肘への負担が大きく、とくに少年野球をしている成長期のお子さんには注意しましょう。

どのスポーツでも「肘の使いすぎ」が腕の痛みの原因となることが多いです。ただし、経験の浅い初心者の場合は、使い過ぎに加えて「肘に負担の大きいフォーム」で腕を痛めることもあります。

日常的に腕に負担のかかる仕事をしている

フライパンで料理をする人の写真

スポーツだけではなく、重いものを持つ運送業やフライパンをよく使う料理人なども、肘や手首に負担がかかります

また、長時間パソコンを使用することも、作業する姿勢や環境によって腕の痛みを生じやすく、注意が必要です。

年齢やホルモンの影響

40代以降や妊娠~出産後の女性は、手に痛みやこわばりを感じる方が多く、女性ホルモンの減少が影響していると言われています。女性ホルモンは骨の強度上昇や、関節の潤滑な動きを保つ働きがあるため、女性ホルモンが減少することで腕に痛みを感じやすくなるのです。

また、小さなお子さんは、肘の関節や靭帯が発達していない状態です。そのため、少し手を引っ張ったり、転んで手をついたりするだけで肘や腕に痛みを生じることがあります。

腕に痛みがある原因として考えられる6つの病気と症状について解説

腕に痛みが生じる原因を積み重ねることで、病気を引き起こす可能性があります。

ここからは、肘から下が痛い場合に考えられる6つの病気について解説していきます。自分の症状に当てはめて確認してみましょう。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

テニス、バドミントンなどのラケットスポーツや、腕をよく使う重労働によって発症しやすく、正式名称を上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)と呼びます。肘の外側から手首に伸びる筋肉に炎症を起こしている状態で、30代後半から50代の方に起こりやすい1)です。
外側上顆の位置を説明したイラスト

基本的には、安静にしている状態では痛みがありません。スポーツをするときや、日常生活では「物を持ち上げる」「キーボードを打つ」「タオルを絞る」などの動作で痛みを感じます。

参考記事:【テニス肘の治し方】痛みの原因と症状を改善する対処法・ストレッチを紹介

ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)

ゴルフのスイング動作などの手首を曲げる動作が原因で発症しやすく、正式名称は上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)と呼びます。肘の内側から手首に伸びる筋肉に負担がかかることで炎症症状を引き起こし、肘から下にズキズキと痛みを生じます。

手首への過度な負荷を繰り返すことに加えて、加齢に伴う腱や筋肉の硬さが原因の一つです。

参考記事:ゴルフ肘を自分で早く治すには?すぐできるストレッチや予防法まで紹介

野球肘

少年野球をする成長期のお子さんが、投球動作を繰り返すことで肘に負担がかかり、肘や腕に痛みを生じます。投球中・投球後の痛みや、場合によっては肘を伸ばせなくなるロッキングという症状が出現することも。

初期段階では、2〜3週間程度の安静で症状は軽快します。ただし、痛みを我慢して練習を続けることで骨が変形し、数か月~数年の間投球動作を行えなくなる可能性があるため、早い段階での対処が重要です。

参考記事:野球肘の原因や痛みの治し方とは?対処法を図解でわかりやすく解説

腱鞘炎(けんしょうえん)

腱鞘(けんしょう)とは、骨と筋肉をつないでいる腱を包み込む組織です。指を曲げ伸ばしする際に腱がスムーズに動けるように滑車の役割をしています。

パソコンのキーボード・マウスの操作や、スマホの長時間操作などの指の使いすぎが原因で、腱鞘に痛みや腫れなどの炎症症状を起こす病気が「腱鞘炎」です。

腱鞘炎を説明したイラスト

女性の場合は、更年期や妊娠、出産の影響で女性ホルモンのバランスが乱れ、腱鞘炎を発症する方が多いです。

参考記事:腱鞘炎(指・手首の痛み)の治し方とは?自分で行えるマッサージ・ストレッチを解説

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

胸郭出口症候群は、鎖骨周辺の動脈や神経がなんらかの原因で圧迫されることで、血流が障害され、腕の痛みやしびれを生じる病気です。とくに洗濯物を干す、つり革につかまるなどの「腕を挙げる動作」で痛みが出現しやすく、握力低下などにより指の細かい動きができなくなることもあります。

とくに猫背やなで肩の方は注意が必要で、日常的に良い姿勢を心がけることで症状の悪化を防げるでしょう。

参考記事:鎖骨の下が痛いのは胸郭出口症候群なの?痛みの原因と簡単なセルフケア方法を紹介

肘内障(ちゅうないしょう)

肘内障は関節の発達が未熟な、5歳以下の子どもに多く見られる病気です。急に手を引っ張ったときや、転んで手をついたときに肘の靭帯から骨がずれることで起きる「亜脱臼」の状態を指します。

急に肘や腕の痛みを訴えたり、腕をだらんとして動かさなくなったりする場合は、すぐに整形外科を受診しましょう。受診しレントゲンなどの検査を行うことで、骨折の可能性を否定できます。

また、整復が成功すれば痛みは消失し、腕を動かせるようになりますが、時間が経つと整復が困難になる可能性も。小さなお子さんは痛みをうまく訴えられないことが多く、なかなか原因を特定できないこともある2)ため、気になる症状がある場合は早めに受診することをオススメします。

【症状別】肘から下の腕に痛みがあるときの対処法とは?

ここからは、腕に痛みがあるときに効果的な対処法について説明します。症状別にわかりやすく解説するので、自分の症状に合ったものを参考にしてみてください。

痛みが強い・力が入らない:すぐに整形外科病院を受診する

手を動かせないほどの痛みがある場合や、しびれなどにより力が入らない場合は、すぐに整形外科病院を受診しましょう。

受診しレントゲンや超音波などの検査を受けることで、症状の原因を特定可能です。また、症状によっては痛み止めなどの処方や、運動指導などのリハビリを行います。

治療を行ったうえで症状が改善しない場合は、手術が検討される可能性もあります。手術が必要なほどの重症化を防ぐためには、早期の治療と腕に負担をかけないよう安静にすることが大切です。

運動・仕事後に急に痛みが出た:症状がある部分を冷やす

テニス、野球などの運動後や仕事後に痛みが出た場合は、症状のある部分を保冷剤などを使用して冷やしましょう

また、腕の使いすぎが原因であれば、腕に負担がかかる動作は制限し、安静にすることも重要です。仕事でどうしても腕を休められない場合は、サポーターを使用することで負担を軽減できるため、自分に合うものを試してみてください。

筋肉痛のような痛みが続いている:ストレッチを行う

腕に負担のかかる運動や仕事の前後で、筋肉痛のような痛みが続いている場合は、腕や肩周りのストレッチがオススメ。ストレッチを継続して続けることで、肘から下の痛み緩和にはもちろん、テニス肘や腱鞘炎などの予防にも効果的です。

次項では、腕の痛みに効果があるストレッチを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【予防にも最適】腕に痛みがある時にオススメのストレッチ4選!

ここからは、腕に痛みがある方や、負担のかかる運動・仕事を行っている方にオススメのストレッチを紹介します。短時間で簡単にできるものなので、ぜひ習慣化して腕の痛みを予防しましょう。

肘の内側や手首が痛い時は前腕前面ストレッチ

まずは、ゴルフなどの手首が曲がる動作を行う方に多い、肘内側や手首の痛みに効果的なストレッチを紹介します。こちらのストレッチを行うことで手首の柔軟性が改善し、肘への負担を軽減できます。

腕に負担がかかる運動や仕事後に行うストレッチとして、ぜひ習慣化しましょう。

前腕(ぜんわん)前面ストレッチ

STEP1:手を前方に伸ばし手の平を上に向けましょう
STEP2:反対側の手を添えます
STEP3:手を手前に引きましょう
STEP4:元の姿勢に戻りましょう
STEP5:腕の前面が伸びている状態を保持しましょう
※手首に痛みがある場合は肘を曲げてもOK

肘の外側が痛い時は前腕外側ストレッチ

次にラケットを使うスポーツや、よくパソコンを使用する方に多い、肘外側の痛みに効果的なストレッチを紹介します。手首を反らせる動きで痛みが出る場合は、こちらのストレッチを行うことで負担を軽減できます。

ただし、炎症症状が強い早期の段階では、痛みを感じることもあるため、無理のない範囲で行いましょう。

前腕後面ストレッチ

STEP1:片手を伸ばして手の平を下に向けましょう
STEP2:反対側の手を添えて手前に引きます
STEP3:ゆっくり元の姿勢に戻りましょう
STEP4:腕の後面が伸びている状態を保ちましょう
※手首に痛みがある場合は肘を曲げてもOK

しびれが強い場合は胸・首周りのストレッチ

腕の痛みに加えてしびれが強い場合は、胸や首周りのストレッチを行いましょう。しびれは猫背やなで肩などの姿勢の悪さや、長時間同じ姿勢をとることが影響しています。

そのため、こちらのストレッチに合わせて、普段から良い姿勢を心がけることで、痛みやしびれなどの症状を軽減できます。

大胸筋(だいきょうきん)ストレッチ

STEP1:足を前方へ出し、片手を壁に当てましょう
STEP2:体重を前方の足へ乗せましょう
STEP3:姿勢を元に戻しましょう
STEP4:胸の前面が伸びた状態を保持しましょう

斜角筋(しゃかくきん)ストレッチ

STEP1:片手を後方へ回しましょう
STEP2:もう一方の手で鎖骨を抑えましょう
STEP3:首を斜め後方へ反らせましょう
STEP4:元の姿勢に戻りましょう
STEP5:繰り返し実施しましょう
※首の側面が伸びているのを感じながら実施しましょう

参考記事:手のしびれの治し方は?原因と症状別の効果的な対処法を専門家がわかりやすく解説!

まとめ

今回は、肘から下の腕に痛みが出現する原因と対処法について解説しました。

腕の痛みは、原因となる仕事内容やスポーツによって症状はさまざまです。ただし、痛みなどの症状に対処せず、腕への負担が続くことで重症化し、手術が必要となる可能性もあります。

さらに、痛みをうまく伝えられない小さなお子さんは、なかなか原因を特定できないことが多いです。気になる症状がある場合は、早めに整形外科へ受診しましょう。

また、今回紹介したストレッチを習慣化することで、腕の負担軽減にもつながるため、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、あなたの手の痛みやしびれを改善するのに、本記事をお役立ていただけますと幸いです。

参考文献
1)日本整形外科学会.日本肘関節学会:上腕骨外側上顆炎治療ガイドライン2019 改定第2版
2)麻生 邦一:肘内障の臨床的研究 とくに受傷機転と治療法の検討,日小整会誌,17(1)122-126,2008