「肩こり」が原因で首筋や背中まわりが重だるくなり、日常生活に支障を感じている方は多いのではないでしょうか?
とくに忙しくて体のケアに時間が取れない方であれば、一瞬で肩こりを改善できる方法を知りたいですよね。
そこで今回の記事では、即効性のある肩こりの解消方法は存在するのか、そして肩こりを早期に治すためのポイントや具体的な方法を詳しく解説します。
肩こりの予防法も紹介していますので、ぜひ最後までご覧になってください。
そもそも肩こりを一瞬で治す方法はあるのか?
結論から言いますと、肩こりを一瞬で解消できる方法はありません。
悪い姿勢の持続や運動不足など、長期間における生活習慣の積み重ねが「筋肉の凝り」を生みます。したがって、一回や二回のケアでは筋肉の凝りをほぐすことはできません。
しかし、原因に沿ったケアを数日間、数週間と継続できれば、今ある肩こりの症状を改善していくことは可能です。
具体的な原因や対処法については、順を追って解説していきます。
参考記事:肩こりの重症度レベルをチェックしたい!ひどい肩こりに効くセルフケア方法も紹介
肩こりを解消するためのポイントは「血流の改善」
肩こりの改善を目指すには、「なぜ首や肩に凝り感が生じるのか」そのメカニズムを理解することが大切です。とくに肩こりについては、血流について考える必要があります。
【首・肩】ゴリゴリの正体は?
首や肩まわりにある、硬くゴリゴリとしたものの正体は「強く緊張して固まった筋肉」です。筋肉の柔軟性が低下すると、周辺を走行する血管が圧迫され、血の巡りが悪くなります。
そして血行不良により蓄積した老廃物が原因となって筋肉の「凝ったような感じ」「張ったような感じ」「鈍く痛む感じ」といった不快感が生じるのです。
したがって、肩こり(筋肉の凝り)を解消するためには、血流を改善して、老廃物の排出を促すことが欠かせません。
参考記事:首の付け根のゴリゴリの正体は?首こり・肩こりの原因となるゴリゴリの解消法を解説!
ひどい肩こりを緩和する4つの対処法
血の巡りをよくして肩こりを解消するには、次のようなセルフケアが有効といわれています。
首や肩を温める
ホットパックや蒸しタオル、カイロなどを当てて首や肩を温めましょう。温めることで肩こりとの関連が強い「僧帽筋(そうぼうきん)」や「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」といった筋肉の緊張がゆるまり、肩まわりの血行が回復します。
血流により老廃物が体外に排出されていきますので、肩こりの症状緩和へと繋げられます。
首や肩をこまめに動かす
首や肩を動かすと、筋肉の収縮により血液を押し上げる作用(筋ポンプ作用)が働くため、血流の改善が期待できます。
肩こりをやわらげるためには「肘を軽く曲げた状態で肩を大きく回す運動」や「首を軽く左右に回す運動」などがおすすめです。
ツボを押す(マッサージ)
肩こりに効くツボには「肩井(けんせい)」が挙げられます。肩井とは、下を向いた際にでっぱる首の骨(第7頚椎)と肩の先端部分(肩峰:けんぽう)をつないだ線の、ちょうど中間地点にあるツボです。
指の腹を使い、気持ちよく感じる強さで10秒間5回ほど刺激しましょう。ツボ刺激には、筋肉の緊張をゆるめたり、血流を促進したりする作用があるといわれています。
その他、第7頚椎から少し斜め下あたりにある「肩中兪(けんちゅうゆ)」も、肩こりに効くツボとして有名です。肩井とあわせて指で刺激してみてください。
参考記事:【辛い】首こりに効果のあるツボはどこ?肩コリや目の疲れにも効くツボを紹介
ストレッチを行う
ストレッチを行うと筋肉の柔軟性が高まり、周辺の血管の圧迫が軽減されてくるため、肩や背中まわりの血流改善が期待できます。
お風呂上がりなど、体が温まっているときにストレッチすると、無理なく筋肉を伸ばせるでしょう。
肩こりに効くストレッチについては、このあと詳しく紹介いたします。
肩こりの早期改善が期待できるおすすめストレッチ3選
では、肩こりの早期改善におすすめのストレッチを紹介します。
肩こりに対しては「僧帽筋ストレッチ」「胸椎伸展ストレッチ」「胸郭回旋運動」がおすすめです。
ストレッチを行う際は、息を止めず、20〜30秒ほどかけてゆっくり筋肉を伸ばすことを意識してみてください。
僧帽筋ストレッチ
僧帽筋(そうぼうきん)は、首から肩、背中にかけて広範囲に付着する筋肉になります。とくに僧帽筋の上部線維を伸ばすことで、肩こりの改善が期待できます。
STEP2:もう一方の手で肩を押さえましょう
STEP3:首を斜め前方へ倒しましょう
STEP4:元の姿勢に戻りましょう
STEP5:繰り返し実施しましょう
肩の上あたりの筋肉がしっかり伸びるように意識してください。片側のストレッチが終わったら、反対側も同様に行います。
胸椎伸展ストレッチ
胸椎(きょうつい)とは、背中の高さにあたる、肋骨がついている背骨を指します。
胸を開くように肩甲骨を内側に寄せることで、肩から背中にかけての筋肉がほぐれていきます。
胸椎伸展ストレッチを行う際には、大きめのタオルをご用意ください。
STEP2:肩甲骨の下にあてるように仰向けとなりましょう
STEP3:可能な限り万歳をしましょう
STEP4:ゆっくりと下ろします
STEP5:繰り返し実施しましょう
腰痛につながる可能性があるため、腰は反らさないようにお気をつけください。こちらのストレッチは、猫背の改善にも有効です。
胸郭回旋(きょうかくかいせん)運動
胸椎をひねることで、可動域を広げていくストレッチになります。伸展運動と同様、姿勢の改善にもつなげられます。
STEP2:片手を頭の後ろへ回します
STEP3:肘を外側へ開きながら上半身を捻りましょう
STEP4:肘を内側へ閉じましょう
STEP5:繰り返し実施しましょう
※目線は肘の方向へ向けましょう
左右バランスよくストレッチしていきましょう。
誰でも簡単に続けられる肩こりの予防法
重たい頭部を支えるために、首や肩まわりの筋肉には常に負担がかかり、凝りが生じやすいです。普段からセルフケアを継続して行い、肩こりの再発を防止していきましょう。
簡単にできる肩こりの予防法としては、次のものが挙げられます。
正しい姿勢を意識する
顔や顎が前に出たような姿勢では、頭の重さで首の骨に負荷がかかりやすく、結果的に肩周りの筋肉が緊張しやすいです。肩こりを予防するためにも、肩の真上に頭部を乗せるように、背中をまっすぐ伸ばした姿勢を意識しましょう。
骨盤を立て、頭頂部が上から引っ張られるようなイメージを持つと、背中を伸ばした正しい姿勢を維持しやすくなります。
参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには
参考記事:首が前に出る姿勢(ストレートネック)の原因は?ストレッチや筋トレでの治し方を解説
こまめな運動とストレッチを行う
パソコン作業やスマホを操作している時は、30分〜1時間を目安に休憩を入れましょう。同じ姿勢が長く続くと血流が悪化し、筋肉の凝りが生じやすくなります。
休憩中は首や肩をぐるぐると回したり、軽く歩いたりと運動を行うことで、肩こりの予防が期待できます。
参考記事:【つらい肩こりを解消】座ったまま簡単にでできる肩甲骨ストレッチを動画付きで解説!
体を冷やさないようにする
体が冷えると筋肉がこわばり、血管が圧迫されることで、血流の悪化を招いてしまいます。肩こりを防止するためにも、暖房や衣服を調整するなどして、なるべく体を冷やさないように気をつけましょう。
また、クーラーの風で体を冷やしてしまう場合がありますので、夏場でも上着を一枚持っておくことがおすすめです。
ストレスを溜めない
仕事や人間関係などでストレスをためていると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。交感神経が優位に働くことで血管が収縮し、血行不良により筋肉の凝りを生じてしまう場合があります。
まとめ
今回は、少しでも早く肩こりを治すための方法と、肩こりに効くストレッチやマッサージ(ツボ)について解説しました。
残念ながら、一瞬で肩こりを解消する方法はありません。しかし、原因に沿った対処を行えば、肩こりの早期緩和は可能です。
また、凝りの症状が落ち着いたあとも再発を防ぐため、ストレッチや運動、正しい姿勢の意識を続けていくことが大事になります。
それでは当記事が、あなたを悩ませる肩こりの改善に役立てば幸いです。