つらい首こりの原因と解消法!おすすめストレッチを専門家が解説!

あなたは勉強後やデスクワーク後、肩こりとは異なる、なんとも言えない首の重みを感じたことはありませんか?

その重みは、「首こり」が原因かもしれません。

スマホの普及にともなって、首こりに悩む方が増加している傾向にあります。悪化すれば、首周りの重だるさだけでなく「首を動かしにくい」「首の後ろが痛い」など日常生活に大きな支障が出ます。

したがって、首こりを放置ぜず、早めに対処を講じることが大切です。

そこで当記事では、首こりの原因や解決法を詳しく解説します。当記事を読めば、首こりによる体の不調が解決に向かうかもしれません。

ぜひ最後までお付き合いください。

首こりとはどんな症状?

首の付け根を押さえている女性の写真

首こりとは、首の筋肉の過度な緊張が続く状態1)です。

医学的には「頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきんしょうこうぐん)」と呼ばれ、研究が続けられています個人差はありますが、「首の痛みや重さ」「肩こり」「頭痛」「疲労感」など症状は多岐に渡ります。

「なんとなく元気が出ない」といった軽いものから、「身体中痛くて日常生活も大変」という重い症状まで、程度もさまざまです。基本的には首こりが長引けば、それだけ重症化しやすいといえます。

また、こういった訴えは心理的なものが原因と診断され、適切な治療を受けられないケースも多いようです。

首こりを引き起こす4つの原因

首こりには大きく4つの原因があると考えられ、以下にその原因や理由を1つずつ解説します。

長時間の悪い姿勢による筋疲労

パソコン作業で首を痛めている女性の写真

良い姿勢」になると背中がまっすぐ伸びていますが、実は背骨がゆるやかにカーブしています。このカーブによって背骨は、重たい頭をクッションのように支えることができるのです。

しかしスマホやパソコンを至近距離で見る人は、画面を覗き込むことで背中が丸くなります。すると背骨のカーブがなくなりクッション効果が失われ、悪い姿勢になってしまいます。

そして、約5kgもある頭を首の筋肉だけで支える必要があるので、結果的に首の後ろ側にある筋肉の疲労して、首こりが現れると考えられます。

頸椎の変形

首にある背骨を専門用語で「頸椎(けいつい)」と呼びます。頸椎は7個の骨が重なり構成されます。

この頸椎には様々な筋肉が付着しており、それぞれの筋肉が作用することで頭を上下左右に向けたり、回転させたりと細かな動きを可能としています。

そして、「疲労の蓄積」「加齢」が関係し、頸椎が少しずつ変形してしまうケースがあります。結果的に付着する筋肉のバランスが崩れ、首こりにつながるのです。

とくに、首の骨がまっすぐになる「ストレートネック」には注意しましょう。

参考記事:首が前に出る姿勢(ストレートネック)の原因は?ストレッチや筋トレでの治し方を解説
参考記事:ストレートネック(スマホ首)の治し方〜寝ながら簡単ストレッチとともに解説〜

眼精疲労

目頭を押さえている女性の写真

眼精疲労とは、簡単に言うと「眼の疲れ」です。

本来、私たちは無意識的に眼の周りの細かな筋肉を動かして、ピントを合わせ視覚のブレをなくしています。

ですがスマホやパソコンの使いすぎは、眼の周りの筋肉を疲労させることに。すると今度は首の周りの筋肉を動かして、焦点を合わせようとします。

その結果、首こりにつながる可能性が高まるのです。

コロナ禍のリモートワークで眼精疲労と首こりを同時に発症した方は多く、眼精疲労と首こりには強い関係があるようです2)3)

精神的ストレスによる自律神経の乱れ

現代はストレス社会と言われています。

人間関係、お金、時間…挙げればキリがありませんが、あなたが日常的にストレスを感じることも非常に多いはず。

こういったストレスは、身体の状態をコントロールする「自律神経(じりつしんけい)」に強く影響を与えます。つまり、緊張時に作用する「交感神経(こうかんしんけい)」とリラックス時に作用する「副交感神経(ふくこうかんしんけい)」のうち、交感神経が過剰に亢進することで筋肉の緊張を招くのです。

最近の研究では、ストレスによる自律神経の乱れが首こりに影響していると考えられています4)

あなたは大丈夫?首こりのセルフチェック方法

では首こりを起こしやすい人、起こしてしまっている人のためのセルフチェック方法を2つ紹介します。

どちらの方法も無理矢理行わずに、ゆっくりと行ってください。

万歳テスト(Alpha fit test)

まず、万歳テストを紹介します。

  1. まずは壁に両足の踵をつけてください。
  2. 前方に一足分両足を離しますが、頭、背中、お尻は壁につけたままです。
  3. 両手を万歳するように挙げてください。

この時の手の挙がり方で採点します。

5点:手の甲が壁にピッタリとつく→良好(慢性的な首こりの危険性は少ない)
3点:指だけはつく→要注意(慢性的な首こりの可能性あり)
1点:手が壁に全く付かない(改善が必要)

左右両方とも行ってみましょう。

首の回旋テスト

続いて、首の回旋テストを紹介します。

  1. 椅子に座った状態で首だけ回してください。
  2. 首が回る角度が60度以上あるか確認します。

首が左右に回る角度は、正常な人で約60度です。

あくまでも参考ですが、首を回した時にはっきりと肩が見えたら60度回旋しています。

  • 60度に明らかに達しない
  • 明らかな左右差がある
  • 痛みを伴う

上記に当てはまる場合、慢性的な首こりである可能性が高いです。5)

つらい首こりおさらば!自宅でできるストレッチ・マッサージ3選

それでは自宅にいながら実践可能で、首こり改善に効果的なストレッチ・マッサージを紹介します。

タオルを使った肋骨マッサージ

まずは「肋骨マッサージ」を紹介します。

この肋骨マッサージを行うと、肋骨から首にかけて付着している「斜角筋(しゃかくきん)」という筋肉を柔らかくできます。

ご用意頂くのはバスタオルだけなので、家にいる時間に気軽に実践できるでしょう。

肋骨モビライゼーション

STEP1:バスタオルを用意してください
STEP2:バスタオルの端をお尻の下に入れ固定します
STEP3:背中側を通して、バスタオルを肩に押し付けてください
STEP4:首を反対側に傾けてタオルで肋骨を圧迫しましょう
※痛みに注意しながら行いましょう

ボールマッサージ(小胸筋)

次は「ボールマッサージ」です。

このボールマッサージを行うことで、「小胸筋(しょうきょうきん)」という筋肉を効率よくほぐせます。

小胸筋は肩甲骨につながる筋肉であり、肩甲骨を通じて頸椎の位置を改善する効果があります

ボールマッサージ

STEP1:小さめのボールを用意してください
STEP2:
脇の下にボールを当て内側に寄せるように動かしましょう
STEP3:胸の下の筋肉をほぐすように繰り返し実施しましょう
※痛みに注意しながら行いましょう

背骨の運動(回旋)

最後に背骨の運動です。

この背骨の運動を取り入れることで、丸まった姿勢を正しい姿勢に近づけることができます。

胸椎回旋運動

STEP1:両手を胸の前で組みましょう
STEP2:足を閉じたまま体をひねりましょう
STEP3:元の姿勢にもどり、繰り返し行いましょう
STEP4:上半身をなるべく大きくひねりましょう
足が開かないよう注意しましょう

首こりの方は気をつけよう!日常生活でできる予防法

首こりは、日常生活の過ごし方が大きく影響しています。

そのため先ほど紹介した運動と併用して、以下より紹介する予防法も実践してみてください。

日常生活の姿勢改善

首こりの1つの原因は、猫背のような背中が曲がった前屈みの姿勢です。

あなたは、無意識に猫背姿勢になっていませんか?姿勢を改善することが、首こりの予防には大切です。

背筋を伸ばして胸を張り、顎を引いた姿勢を心がけてください。

特にデスクワークが多い方は悪い姿勢になりやすいです。仕事が忙しい時こそ十分注意しましょう。

参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには
参考記事:猫背を治す方法とは?姿勢改善にオススメのストレッチ・筋トレを詳しく紹介!

長時間の同一姿勢は避けよう

デスクワークや勉強…長時間似たような姿勢で過ごしていませんか?

同じ姿勢を取り続けることは、首こり含めて様々な体の不調を引き起こします。なぜかというと、筋肉が緊張して血流が悪化するからです。

そのため、「30分に一度は意識的に立ち上がる」「背伸びをする・体をひねる」など、こまめな体操を心がけてみてください。

ストレッチの習慣化

ぜひ、ストレッチを行うことを習慣にしましょう。

首こりの原因である不良姿勢や筋肉の硬さは、1度のマッサージやストレッチだけでは改善しません。数か月コツコツ続けることで、徐々に効果が出てくるものです

まずは、2か月間ストレッチを継続してみてください。なお、仕事の合間やお風呂上がりにストレッチを行うのがおすすめです。

首こりの原因を一瞬で治す方法はあるのか?

残念ながら、首こりを一瞬で治すことは難しいと言わざるを得ません。

冒頭でも触れましたが、首こりは長年に渡る悪い姿勢が原因となっていることが多く、一瞬で改善する症状ではないからです。

したがって、日常生活にストレッチやエクササイズを上手く取り入れながら、姿勢の改善を行っていきましょう。

まとめ

本記事では首こりの主な原因と、有効なエクササイズを紹介してみました。

首こりは自律神経症状とも深く関与しており、多種多様な症状が生じる可能性があります。一見、首とは関係なさそうな不調が、首こりが原因で起こっているケースもあるのです。

ぜひ本文で紹介したエクササイズやセルフケアを継続してみてください。

ですが自己判断による治療は症状を悪化させる可能性があります。

医師の指示のもと、姿勢やエクササイズを取り入れ、改善・再発防止に努めましょう。

それでは当記事が、あなたの首こり改善のお役に立てば幸いです。