腰痛は男性では1番目に、女性では2番目に訴えが多い痛みです。1)あなたも一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
そのまま放置してしまうと、痛みが長引いて生活に支障が出てしまう可能性も。何か対処した方が良いとわかっていても、普段の生活が忙しいとなかなかできないですよね。
そこで当記事では起床時や寝る前に横になりながらできる腰痛改善ストレッチを紹介します。症状に合った対処方法を解説しますので、ご自身の痛みと比較しながら取り組んでみてください。
当記事を参考にすることで、普段の生活が少しでも楽になれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いください。
あなたはどんな症状?代表的な腰痛の種類4つを解説
これから代表的な腰痛の種類を4つ挙げます。
症状により対処法も変わってくるので、まずはご自身の状態と当てはめながら原因を探っていきましょう。
前にかがむと痛い椎間板性腰痛
背骨を構成する椎体と椎体の間には、椎間板(ついかんばん)と呼ばれるクッション作用のある組織が存在します。
そして、前かがみ姿勢によって椎間板に過度な圧が加わり、周りをおおっている線維輪(せんいりん)に炎症が起こることで腰痛へと繋がってしまう可能性があるのです。
もし、以下の症状が当てはまる方は椎間板が腰痛の原因となっている可能性があります。
- 腰の両側に痛みを感じる
- 前かがみ姿勢が多い仕事や長時間のデスクワークをする
- 猫背姿勢の方
参考記事:【前屈型腰痛】腰を曲げると痛い原因は?適切な対処法をわかりやすく解説!
参考記事:前にかがむと腰が痛い!辛い腰痛の原因・おすすめのストレッチやセルフケアを解説
腰を反らすと痛い椎間関節性腰痛
背骨には椎間関節(ついかんかんせつ)と呼ばれる小さな関節があり、腰を反らす動作で関節面に圧縮ストレスが加わります。
このように椎間関節に繰り返しストレスがかかることで炎症が起こり、痛みにつながる可能性があります。とくに女性でよくみられる「反り腰」の方に多いとの報告も。
そして以下の症状が当てはまる方は椎間関節の影響が疑われます。
- 体を反らした時に体の片側に痛みが出る
- 背骨の中心から2.5~3cm程度外側に痛みを生じる
- 痛みの場所を指1本でさせる
参考記事:【症状別】腰を反らすと痛い場合の対処法を3分で解説
参考記事:反り腰を改善!原因から治し方を簡単なストレッチをまじえ解説
長時間の同一姿勢が痛い筋筋膜性腰痛
デスクワークでの前かがみ姿勢や中腰での立ち姿勢が続くことで、背骨を支えている筋肉が過度に伸ばされたり緊張します。
このように筋肉に過度に負担がかかると血流が悪くなり、痛みにつながる可能性もあるので注意が必要です。
以下の症状が当てはまる方は筋・筋膜が原因となっているリスクが高いので注意しましょう。
- 背中・腰の広い範囲に痛みが出る
- 長時間にわたり同じ姿勢を取ることが多い
- 夕方や仕事後に痛みを感じやすい
参考記事:【筋肉が原因となる腰痛】筋筋膜性腰痛とは?見分け方と対処法を解説!
参考記事:長時間の座り過ぎは要注意!腰痛悪化の原因と対策を紹介
お尻周りが痛い仙腸関節性腰痛
骨盤部に存在する「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」は大きく動かない関節ですが、中腰での繰り返しの作業や妊娠・出産などの体の変化から、関節にズレやストレスがかかることでお尻周りに痛みが出現します。
以下の症状が当てはまる方は仙腸関節が原因になっているかもしれません。
- 妊娠・出産を機に痛みが出た
- 痛みの場所がお尻周りであり指1本でさせる
- コルセットや骨盤ベルトなどをつけると楽になる
参考記事:女性に多い腰痛の原因は?症状とストレッチや体操などの対処法を解説!
参考記事:【真ん中】おしりの骨が痛い原因とは?痛み改善に効くストレッチ・筋トレを解説
【再発防止にも効果的】寝ながらできる腰痛改善ストレッチを症状別に紹介
それでは、忙しい方でも寝ながら簡単にできるストレッチを症状別に紹介します。
現在痛みが出てしまっている方だけでなく、今は痛みが治っているけど頻繁に腰痛をぶり返している方の再発防止にもつながります。
ぜひ参考にしてみてください。
前にかがむと痛い場合はお尻周りのストレッチが効果的
前かがみ姿勢で痛い椎間板性腰痛は、骨盤が後ろに傾き腰椎が前かがみ状態となることで、椎間板に負担がかかっている可能性があります。
「大殿筋(だいできん)」をはじめとしたお尻の筋肉が硬いと骨盤が後ろに傾きやすくなるため、お尻周りのストレッチを行ない正しい姿勢を保てるようにしましょう。
STEP1:片脚をお腹に引き寄せましょう
STEP2:反対側の方に向けてひねります
STEP3:姿勢を保持しましょう
STEP4:元の姿勢に戻します
※お尻が伸びた状態を保持することがポイントです!
腰を反らすと痛い時は股関節付け根・大腿前面のストレッチがおすすめ!
腰を反らすと痛い椎間関節性腰痛は、反り腰状態が続くことで椎間関節に負担がかかり痛みが出現している可能性があります。
反り腰の場合は骨盤が前に傾き、股関節の付け根・太ももの前面の筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」が縮まっているケースが多いです。
ストレッチを行ない骨盤の角度を適切なポジションに戻すことで、椎間関節の負担を軽減させましょう。
STEP1:横向きの姿勢となりましょう
STEP2:下の足を直角に曲げ、もう一方の足を後方から掴みます
STEP3:後方へ引っ張りましょう
STEP4:元の姿勢に戻ります
※腰を反らないように行うことがポイントです!
長時間の同一姿勢が痛い場合は腰周りのストレッチを
長時間、同じ姿勢を取ると腰が痛む筋・筋膜性腰痛の方は、腰部の筋肉が過剰に緊張する傾向にあります。その結果、血流が低下して痛みにつながっているケースも散見されます。
そこで腰周りのストレッチをすることで筋肉の緊張を和らげ、腰痛を改善していきましょう。
STEP1:仰向けとなり両手を真横へ広げましょう
STEP2:両膝を閉じたまま片側へ倒しましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※肩が床から離れないように注意しながら行いましょう!
お尻周りが痛い場合はヒップリフトで安定性を高めよう!
お尻周りに痛みがある方は、仙腸関節の不安定性が原因となっている場合があります。お腹・お尻の筋肉を鍛えることで不安定になってしまった仙腸関節の安定性を高めていくことが効果的です。
STEP1:仰向け姿勢となり両膝を曲げましょう
STEP2:体が一直線になるまでお尻を持ち上げていきます
STEP3:ゆっくり下ろします
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰を反らさないように注意して行いましょう!
絶対にやってはいけない腰痛ストレッチとは?
腰痛に効果的なストレッチを紹介しました。次にストレッチを行う際に必ず注意したいポイントを2点お伝えします。
- 痛みが増強していないか
- 脚のしびれが増強していないか
この症状が出ている場合、ストレッチが神経の損傷や圧迫を助長していたり、筋肉を損傷させてしまっている可能性があります。2)
方法や姿勢を間違えると椎間板や椎間関節にさらに負担が掛かり、炎症が起きた筋肉が過度に伸ばされ筋肉が損傷されてしまう場合も。また、無理に伸ばしたり力んだりすることも避けるべきです。
先ほど説明したストレッチの動画を見ながら注意点を意識することで、安全に実施できるでしょう。
もし、症状が続く場合はストレッチを中断し、専門家への相談をおすすめします。
まとめ
今回は、寝ながらできる腰痛改善ストレッチを症状別に解説していきました。
忙しい中でも起床時や寝る前にちょっとしたケアの継続が腰痛改善へとつながります。寝ながら簡単にできるので、ぜひ繰り返し行なってみてください。
それでは本記事が、あなたの腰痛悪化予防や改善にお役立ていただけますと幸いです。
参考文献
1)厚生労働省平成28年国民生活基礎調査
2)池澤秀起.慢性疼痛の一要因—末梢組織の修復過程からの考察—.関西理学17: 65–69, 2017