うつ伏せで寝ると腰痛が出るのはなぜ?辛い腰痛が楽になる寝方とストレッチを専門家が解説!

うつ伏せで寝ながらスマホを触っている時、腰に痛みを感じたことはありますか?

他の姿勢では痛みがないのにもかかわらず、うつ伏せの時に限って腰痛が出るのはなぜだろうと疑問に思うでしょう。

そこで当記事ではうつ伏せで腰痛が出る原因、また辛い腰痛が楽になる寝方とストレッチも合わせて紹介します。

当記事を参考にすることで、寝る姿勢や腰痛が少しでも楽になれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。

うつ伏せで寝ると腰痛が出る原因

腰を押さえる人の写真

うつ伏せで寝ると腰痛が出る理由には、腰への重力が関係しています。うつ伏せでは仰向けや横向きと比べ、背中側から重力が掛かるため、腰が反りやすくなります。そのため、腰への負担が大きくなってしまうのです。

それではどういった方が腰に痛みを感じやすいのでしょうか。以下より、うつ伏せで寝ると腰痛が出る原因について詳しく解説します。

腰周りの筋肉の過度な緊張

まず前提として、筋肉は硬くなると血液の循環が悪くなり、痛みを感じる物質が発生します。

そしてうつ伏せ姿勢は、重力の関係で骨盤が前に傾くため、どのような方でも腰の筋肉が緊張しやすいです。そのため普段から腰の筋肉が緊張している方は、より緊張状態が増すため、さらに血流の循環が悪くなり痛みにつながります

長時間のデスクワークで背中がガチガチになっている方などが当てはまるでしょう。

参考記事:【筋肉が原因となる腰痛】筋筋膜性腰痛とは?見分け方と対処法を解説!
参考記事:長時間の座り過ぎは要注意!腰痛悪化の原因と対策を紹介

女性に多い反り腰

反り腰を説明する図

反り腰」は骨盤が前に傾き、腰の背骨(腰椎)の弯曲が過剰に大きくなっている姿勢です。仰向けで寝た時に、背中の下のスペースが手のひら一枚分よりも大きい場合は、反り腰の可能性が高いでしょう。

反り腰の方は骨の位置関係が乱れているため、普段から常に腰が緊張しています。うつ伏せになることで、さらに腰の緊張状態が助長され、痛みを引き起こすのです

参考記事:【症状別】腰を反らすと痛い場合の対処法を3分で解説
参考記事:反り腰を改善!原因から治し方を簡単なストレッチをまじえ解説

脊柱管狭窄症など腰部の病気

うつ伏せ姿勢をとることで背中の筋肉だけでなく、背骨に対する負荷も強くなります。

そのため腰部に病気がある場合には、症状が出現したり強くなってしまう可能性があります。

なかでも、背骨と背骨の間の関節でストレスが起こっている腰痛(椎間関節性腰痛)や、背骨に存在する「脊柱管」という部位が狭まり発症する「腰部脊柱菅狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」は、腰を反ると痛みが強まるため注意が必要です。

参考記事:【要注意】脊柱管狭窄症でやってはいけないことは?自宅で出来るストレッチも解説!

【重要】腰痛がある時に楽になる寝方はあるの?

次に腰痛がある時に楽になる寝方を紹介します。腰痛によって、寝ている姿勢も辛いことがあるでしょう。少しでも腰への負担を減らすように、寝方を工夫していきましょう。

また腰痛を予防するためにも、楽な寝方を知っておくことは重要です。

参考記事:腰が痛い時の寝方とは?腰の痛み別に正しい寝姿勢を紹介

横向き

横向きで寝る図

横向きに寝ることで、背骨が過度に反ることを予防できます。

もし横向きでも背中が突っ張るようであれば、脚の間にクッションを入れると良いでしょう。骨盤の左右差が修正され、突っ張り感も軽減します。

仰向けで膝の下にクッションを入れる

仰向けで膝下にクッションを入れる図

基本的に仰向けは楽な姿勢です。しかし前ももや股関節の付け根が硬くなっている方やお尻が大きい方は、仰向けで腰が反ってしまうため、痛みが出るという方もいるでしょう。

もし仰向けで症状が出る場合は、膝の下にクッションを入れると良いです。そうすることで骨盤が前に傾きにくくなり、背中の筋肉の緊張が緩みます

参考記事:仰向けに寝ると腰が痛い原因とは?夜に寝れない場合の対処法を解説

【意外と知らない】身体に合った寝具の選び方

普段から身体に合わない寝具を使っていることで、腰痛を引き起こしてしまうケースが多々あります。

最近ではお店で身体に合ったオーダーメイドの寝具も購入できますが、既成品でも以下の項目をチェックすることでご自身の身体に合ったものを選べます。

正しい寝方の図

チェックポイント1)

  • 立っている時と同じ姿勢で寝られるか
  • 寝返りが楽に打てるか
  • 寝具の硬さが硬すぎたり軟らかすぎたりしないか

ぜひ寝る前に、ご自身の身体と寝具が合っているのか確認してみてください。

寝ながらできる腰痛が楽になるストレッチ3選

それでは実際に、寝ながらできる腰痛が楽になるストレッチを解説します。

自宅で行えるストレッチなので、ぜひ実践してみてください。

参考記事:寝ながらできる腰痛改善ストレッチ!4つの症状別の対処法を解説

膝抱えストレッチ

先ほど解説したように、うつ伏せで腰痛が出る方は腰の筋肉が緊張していることも多いです。そのため背中の筋肉を伸ばすストレッチを行い、腰の筋肉へ血流を促すのが有効になります

息を止めずに背中にたっぷりと空気を送ることで、背中の緊張を効果的に緩められます。できる方は呼吸まで意識して行なってみましょう。

膝抱えストレッチ

STEP1:両足を抱えましょう
STEP2:腰を丸めるようにお腹に引き寄せます
STEP3:姿勢を保持しましょう
STEP4:元の姿勢に戻します
※丸めたタオルを入れるとさらに伸びます!

ヒップロール

腰痛に悩んでいる方は、背中の筋肉が過度に緊張しています。その中でも背骨に沿って走っている「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」は、痛みの原因にもなる筋肉です。

脊柱起立筋の緊張を緩めるために、ストレッチを行いながら痛みを和らげていきましょう。

ヒップロール

STEP1:仰向けとなり両手を真横へ広げましょう
STEP2:両膝を閉じたまま片側へ倒しましょう
STEP3:元の姿勢に戻りましょう
STEP4:繰り返し実施します
※肩が床から離れない様に注意しましょう!

大殿筋ストレッチ

お尻の筋肉である「大殿筋(だいでんきん)」は背中の筋肉とつながっています。そのため大殿筋の緊張が強くなると、背中の筋肉や筋肉の膜が硬くなり腰痛を引き起こすこともあるのです。

長時間に渡り座っていることが多い方は、大殿筋が硬くなり腰痛を引き起こしている可能性があるため、ストレッチを行ない改善していきましょう。

大殿筋ストレッチ

STEP1:片脚をお腹に引き寄せましょう
STEP2:反対側の肩に向けてひねります
STEP3:姿勢を保持しましょう
STEP4:繰り返し実施します
※お尻が伸びた状態を保持しましょう!

まとめ

今回は、うつ伏せ時に現れる腰痛について解説していきました。

腰痛がある方はもちろん、普段は腰痛がない方でも腰やお尻の筋肉が緊張していれば、うつ伏せになった際に痛みが出る可能性もあります。

そのような方には、腰やお尻の筋肉の緊張を落とす方法としてストレッチは有効的です。ぜひ紹介しているストレッチを寝る前などに取り組んでみてください。

それでは本記事が、あなたのうつ伏せでの腰痛改善にお役立ていただけますと幸いです。

参考文献
1)中村 勤.睡眠特性と寝具寝装品の開発.Vol.47 No.6 .2006