転んだり、しりもちをついたあとに「尾てい骨がズキズキ痛む…」「座るとつらいけど、歩けるし大丈夫かな」と様子を見ていませんか?尾てい骨の痛みは打撲だと思って放置されやすい部位ですが、実は骨折やヒビが隠れていることも少なくありません。軽く見てしまうと、長引く痛みや座れない状態、神経症状といった後遺症につながるケースもあります。
本記事では、尾てい骨骨折を放置した場合に起こり得るリスクをはじめ、骨折と打撲の見分け方、受診の目安、治療の流れ、自宅でできるケア方法までをわかりやすく解説します。最後まで読むことで、今の痛みが危険なサインかどうかを見極め、後悔しない行動が取れるようになります。
尾てい骨の骨折を放置するとどうなる?

放置したままでは、痛みの長期化や神経障害といった後遺症につながるリスクがあります。特に尾てい骨は座るたびに刺激が入りやすく、慢性的な痛みに発展する場合もあります。適切な診断と治療は非常に重要です。
参考記事:【突然の痛み】尾てい骨にヒビが入ったときの症状や対処法、病院に行くべき目安とは?
後遺症として残る痛みの正体とは
尾てい骨骨折を放置すると、痛みが慢性化しやすくなります。骨が正しく治癒しないまま固まると、骨の変形や周囲の神経への圧迫が続き、長年にわたって鈍い痛みや刺すような痛みが残ることがあります。
こうした後遺症は日常生活にも支障をきたし、長時間座れない、歩行時に痛むなどの生活の質の低下につながります。また、後遺障害として認定される場合、痛みの客観性を証明するために医療記録が重要になることもあります。
神経症状・座位困難・排便痛などの可能性
放置による影響は痛みの長期化だけではありません。尾てい骨の近くには神経や筋肉、骨盤底の筋群が広がっているため、骨折部位がずれたり治癒不全になると、神経圧迫によるしびれや違和感、排便時や座位での強い痛みなどが長引くことがあります。
また、骨盤底の筋肉がうまく機能しなくなると、排便や尿意に関連する不快感が生じる可能性も報告されています。これらは日常生活を大きく制限する症状となることがあり、早めの評価・治療が推奨されます。
尾てい骨が骨折しているかも?見分け方と症状の特徴

打撲と骨折は症状が似ていますが、骨折特有の兆候もあります。自分で見極めるポイントを知り、必要な対応につなげましょう。
尾てい骨のヒビ・骨折でよくある症状(尾てい骨 骨折 症状/尾てい骨 ヒビ 症状)
尾てい骨のヒビや骨折の典型的な症状には、以下のようなものがあります。
- お尻の下、尾てい骨部分の鋭い痛みや圧痛
- 長時間座ると痛みが増す
- 立ち上がる際に痛みが強くなる
- 排便時に痛みが出ることがある
これらの症状は打撲でも起こり得ますが、特に痛みが強い、日常動作が困難になる場合は骨折を疑った方がよいでしょう。医療機関でのレントゲン検査や診察が判別の鍵になります。
打撲と骨折の違いを見極める方法
打撲と骨折の違いは症状の強さや持続時間、反応の仕方に出ることがあります。打撲の場合は安静にしていれば数日〜数週間で痛みが軽減することが多いのに対し、骨折は痛みが強く、痛みが長引くケースが多いです。
また、骨折では局所の腫れや変形が認められることもあります。医師は診察や画像検査(X線、場合によってはCT)を用いて確定診断を行います。
尾てい骨を骨折したときの正しい対処法

早めの対処が回復の鍵になります。安静・アイシング・病院受診の目安を具体的に紹介します。
応急処置としてできること
骨折が疑われる場合、まずは痛みを悪化させないよう安静にすることが重要です。初期には氷嚢などで冷やすこと(直接肌には当てない)、痛みが強い場合は痛み止めの使用も選択肢になります。また、クッションやドーナツ型座布団を利用し、尾てい骨への直接的な圧を避けることも有効です。
整形外科と整骨院、どちらに行くべきか
骨折が疑われる場合、正確な診断ができる整形外科を受診するのが基本です。整骨院は症状の緩和や姿勢・動作改善のサポートには役立ちますが、骨がどういった状態かを画像で確かめられないため、最初は整形外科への受診が推奨されます。診断後、必要に応じて整骨院でのリハビリやケアを併用する流れが一般的です。
尾てい骨骨折の治療法と回復までの流れ
尾てい骨骨折の治療は基本的に保存療法が中心です。治療期間や日常生活での注意点も理解しておきましょう。
保存療法の基本と治療期間
尾てい骨骨折の多くは手術を必要とせず、自然治癒を待つ保存療法が中心です。十分な安静や動作の見直しにより、軽度のケースでは数週間、一般的には数ヶ月で改善することが多いとされています。ただし、安静が不十分だと治癒が遅れ、数ヶ月以上痛みが残ることもあります。
痛みを避けるための座り方と寝方方
尾てい骨への圧力を避ける座り方や寝方も治癒を助けます。ドーナツ型やクッションを用い、尾てい骨に体重が直接かからないように工夫しましょう。寝る際はうつ伏せや横向きで尾てい骨への負担を減らす体勢が楽な場合もあります。
放置による後遺症のリスクとは?

骨がずれたまま固まると、慢性痛や神経障害が残ることもあります。ここでは放置による後遺症の種類と特徴を説明します。
骨癒合不全による慢性的な痛み
治療せずに骨がずれたまま癒合すると、局所の痛みが慢性化します。この状態は仕事や日常動作に影響を与え、痛みが長期にわたって残る原因となります。後遺障害として認定される可能性もあり、場合によって取り扱われる等級が変わることがあります。
神経圧迫によるしびれや排便障害
尾てい骨の近くには神経も存在するため、骨折が神経を圧迫するとしびれや違和感、座位困難、排便時の痛みなどの症状が出ることがあります。これらは生活の質を大きく低下させる可能性があり、早期の診断と治療が大切です。
自宅でできるセルフケアと過ごし方のポイント
治療と並行して、自宅でできる工夫も大切です。負担を減らしながら回復を促す方法をご紹介します。
回復を促す生活の工夫
痛みの強い時期は座る時間を短くし、尾てい骨に直接体重がかからない姿勢を心がけましょう。また、便秘は排便時の痛みを強めるため、食事や水分摂取、適度な運動で排便環境を整えることが回復を助けます。
おすすめのグッズや姿勢の工夫
ドーナツ型やクッション付きの座布団は、尾てい骨への圧を減らすのに役立ちます。また、腰や骨盤を安定させる補助具・姿勢保持グッズも一定の効果が期待できます。実際に使用してみて、痛みが軽減するものを継続することがポイントです。
まとめ
尾てい骨の骨折は見逃されがちですが、早期対応が後遺症を防ぎます。痛みの強さや日常生活への支障がある場合は、放置せずに整形外科でしっかり診てもらいましょう。治療によって回復が早まり、慢性的な痛みや神経症状を避けることができます。本記事があなたの痛みの軽減につながれば幸いです。
【参考文献】
1)Thawrani DP, Agabegi SS, Asghar F. Diagnosing Sacroiliac Joint Pain. J Am Acad Orthop Surg. 2019 Feb 1;27(3):85-93. doi: 10.5435/JAAOS-D-17-00132. PMID: 30278010.
2)Raj MA, Ampat G, Varacallo MA. 仙腸関節痛. [2023年8月14日更新]. StatPearls [インターネット]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025年1月-.入手先: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK470299/
