【バンザイ寝】手を上げて寝るのをやめたい!原因と簡単なセルフケア方法を紹介

人の寝相はさまざまですが、「バンザイのように手を上げた姿勢でないと寝られない」という方がいます。ご自身あるいは家族に心当たりがないでしょうか?

「寝る姿勢は人それぞれだから」と言ってしまえばそれまでかもしれません。

とはいえ、つい気になったり、寝相が理由で熟睡できなかったりするなら、できるだけ早くバンザイ寝を改善するべきです。

当記事では、手を上げて寝る原因・おすすめセルフケアについて解説します。

最後まで目を通すことで、手を上げて眠ってしまう理由と、改善方法が分かります。ぜひお役立てください。

手を上げて寝る原因は筋肉の緊張と呼吸!具体的なケースを解説

手を上げて寝る(バンザイ寝)様子

さっそく、手を上げて寝る原因を解説します。

なお、幼児もバンザイのように手を上げて眠りますが、これには「身体の熱を逃がす」「リラックスしている」などの理由があります。

対して、大人のバンザイ寝のおもな原因は「筋肉の緊張」「呼吸の浅さ」です。

では、筋肉の緊張や呼吸の浅さを生む具体的なケースを見ていきましょう。

肩こり・腰痛

まず、肩こり腰痛が原因であるケースが考えられます。

肩こりや腰痛のおもな原因は血流の悪化です。したがって血流を良くするため、伸びをするように腕を上げたくなると考えられます。

そして、腕を上げた姿勢によって少しでも肩・腰が楽になれば、無意識にバンザイした姿勢を取りたくなるのは不思議ではありません。

姿勢の乱れ(猫背・巻き肩)

姿勢の乱れから筋肉が緊張している可能性もあります。

とくに「猫背」や「巻き肩」になっている方は、背中や肩が前に丸まっているものです。すると、寝た際に背中が不安定になるので、つい腕を上げた姿勢を取りたくなります。

加えて、猫背や巻き肩は胸への負担が増え、呼吸のしにくさにつながります。そうなると、就寝時に腕を上げて胸を開こうとするのです。

猫背もバンザイ寝の原因になる

参考記事:巻き肩を治す方法はある?効果的な寝方やグッズの使い方・おすすめストレッチを解説

参考記事:猫背を治す方法とは?姿勢改善にオススメのストレッチ・筋トレを詳しく紹介!

精神的なストレス

精神的な負担(疲れストレス)も、寝る姿勢に関係していると考えられます。

身体の状態を司るのが「自律神経」で、なかでも「交感神経」が疲れとストレスに強く関係します。

強いストレスによって交感神経が活発化すると、筋肉が緊張したり呼吸も浅くなったりしやすいです。そうなると、手を上げた寝相になりやすいと考えられます。

また心理的に、布団に入ったあとも落ち着かず、手の置き場所に迷ってバンザイ寝をすることもあるでしょう。

手を上げた寝相は、疲れやストレスがたまっているというサインかもしれません。

手を上げて寝るのにはどんなデメリットがある?

なかには「手を上げて寝るのってどういったデメリットがあるの?」と思う方もいるはずです。

たしかに、危険な病気などとは異なります。したがって、改善の重要性を感じにくいかもしれません。

しかし、手を上げて眠ることで背中を痛めてしまう場合があります。もしくは手のしびれが発生するケースも。睡眠中の数時間に渡って筋肉が伸びた状態が続くので、起床後も肩や首の痛みが続く可能性があるのです。

また、手を上げて眠ることでイビキをかきやすくなります。もちろん睡眠の質も低下しやすいです。

つまり、筋肉の緊張や精神的なストレスからバンザイ寝になり、そこから更に筋肉の緊張やストレス(寝不足)が生まれるという悪循環に陥る可能性が考えられます。

このように、手を上げた姿勢での睡眠にはデメリットが多いです。

バンザイ寝をやめたい!おすすめのセルフケア方法を紹介

ではここから、寝相改善に効くおすすめセルフケアを紹介します。

あらためて確認ですが、睡眠中は無意識なのでご自身の姿勢をコントロールできません。そこで、身体の緊張を和らげたり就寝環境を見直したりすることが有効です。

どれも取り組みやすい方法なので、「バンザイ寝をやめたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

ストレッチを行う

お風呂上がりや就寝前に、ストレッチを行ってみましょう。

ストレッチによって血流が促進されるので、筋肉の緊張が和らいだりリラックスできたりとさまざまな効果が期待できます。

では、おすすめのストレッチを2つ紹介します。

1つ目は「CAT & DOG」です。

CAT & DOG
STEP1:四つ這い姿勢になりましょう
STEP2:肩甲骨を寄せながら背中を反らせます
STEP3:肩甲骨を離しながら背中を丸めます
STEP4:上記の2つの動きを交互に繰り返しましょう
※背中を大きく動かすように意識してみてください
※肘が曲がらないように注意しましょう

上記のストレッチには、「肩や腰の関節の動きを良くする」「背中全体の筋肉を緩める」などの効果があります。
2つ目は「広背筋ストレッチ」です。
広背筋ストレッチ
STEP1:両膝をつき斜め側方へ両手をつきます
STEP2:手をついたまま体を後方へ動かしましょう
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※脇の下の伸びを感じながら行ってみてください

こちらのストレッチを行うことで、腕の動作に重要な「広背筋(こうはいきん)」が効率よく伸びるので、肩こりや腰痛の改善が期待できます。

ストレッチを行う際は、呼吸を止めないように意識してみてください。加えて、ゆっくり行うのがコツです。

参考記事:寝ながらできる腰痛改善ストレッチ!4つの症状別の対処法を解説
参考記事:【ガチガチ肩こり解消】寝ながらできる肩甲骨ストレッチを動画で解説!

姿勢を矯正する

筋肉の緊張を減らすために、ご自身の姿勢も見直してみましょう。

無意識に「猫背」や「反り腰」あるいは「巻き肩」になっていたら要注意です。姿勢が崩れると重心が正しい位置に乗らず、筋肉への負荷が増えてしまいます。

まず、肩と耳が縦にまっすぐ並ぶように頭の位置を意識することから始めてみてください。

姿勢を矯正することで筋肉への負荷が減れば、バンザイ寝の改善につながります。

参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには

就寝環境を見直す

手を上げて寝る癖を治すには就寝環境の見直しも大切

就寝時の環境や習慣も、寝相の乱れに関係します。入眠を妨げる要素は、できるだけ無くすことが大切です。

以下の項目をチェックしてみてください。

枕・マットレスが合っているかチェックする

就寝時に使用している枕やマットレス(布団)は、ご自身に合っているでしょうか。

合っていない枕やマットレスが原因で背中や首の筋肉が緊張し、手を上げた寝相につながる可能性があります。

枕は、首が過度に反ったり曲がったりせず、仰向けに頭を置いた時に、目線がまっすぐ天井を向く高さのものを選びましょう。

そしてマットレスは寝返りの打ちやすさを重視し、寝た際に身体が適度に沈む硬さのものを選んでみてください。

使い慣れた枕やマットレスが、ほんとうに合っているとは限りません。毎日使うものだからこそ、あらためてチェックすることが大事です。

就寝前に暴飲暴食をしない

就寝直前の飲食もできるだけ避けるのがおすすめです。

夜遅い時間に食事を摂ることで、身体に備わっているリズム(概日リズム)が崩れ、先述した「交感神経」が活発化しやすくなります。

結果的に筋肉が緊張して呼吸も浅くなり、バンザイ寝につながります。

したがって、就寝前2時間〜3時間前には食事を済ませておきましょう

ただ、なかには「満腹にならないと眠れない」という方もいるかもしれません。どうしても就寝前に食事したい場合は、おかゆやうどん、野菜など消化しやすい食品を選んでみてください。

布団の中でスマホを操作しない

就寝直前までスマホを操作する方も多いでしょう。

しかし、スマホの画面から出るライトを浴びると自律神経が乱れやすいです。そして自律神経が乱れると、スムーズに睡眠に入れなかったり夜中に起きてしまったりなどデメリットが生じます。

また、スマホの利用方法によりますが、長時間スマホを持つことで肩の疲れにつながります。そうなると、つい手を上げた寝相になりやすいです。

できるだけ就寝前のスマホ使用を避けてみてください。

まとめ

「手を上げて寝る」という習慣には、筋肉の凝りや心身の疲れが現れています。

したがって、バンザイ寝を改善するには身体をほぐしたり、就寝環境を整えたりすることが欠かせません。

本文で紹介したセルフケアを、ぜひ継続してみてください。

手を上げて眠る癖が改善することで、熟睡しやすくなり、スッキリ目覚められるでしょう。

それでは当記事が、あなたの悩み解決に役立つことを願います。

【参考文献】
1)木暮 貴政:寝具と睡眠
2)勝浦 哲夫, 手島 正樹, 夏 亜麗, 李 スミン, 高橋 良香, 浅井 郁男, 下村 義弘:マットレスの固さが脊柱カーブと夜間睡眠に及ぼす影響

3)木暮 貴政, 西村 泰昭, 郭 恰, 白川 修一郎:寝返り・寝心地を重視したマットレスによる睡眠改善効果
4)豊浦 麻記子, 木村 重美, 豊田 有子, 菊池 清:概日リズム・睡眠と自律神経機能
5)小林  道*1 ,岡田 栄作:大学生における就寝前の夕食習慣と睡眠障害発症の関連─ 1 年間の縦断研究─