【足首の捻挫】歩けるけど痛い・腫れてる時はどうしたら良い?正しい対処法を解説

スポーツ中や日常生活において足首を強くひねった際
「足首が腫れてきた。歩けるけど痛みがあるな…」
といった状態になる場合があります。

なんとか歩行はできるため、放置される方がいるかもしれません。
しかし、症状を悪化させる可能性がありますので、そのままにせず適切な処置を行うことが重要です。

当記事では、「歩けるけど痛みがある」「足首が腫れている」捻挫に効果的な対処法を解説しています。
足首の痛みや腫れでお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも捻挫とはどういうケガ?

足首の捻挫の画像
対処法についてみていく前に、まずは捻挫がどういうケガなのか、概要を頭に入れておきましょう。

捻挫は、関節をひねることで靭帯や腱、軟骨といった組織を痛めたケガです。
関節の中では足関節(そくかんせつ:足首)での発生がもっとも多く、ほとんどが足首を内側にひねって起こる「内反(ないはん)捻挫」だと言われています。

そのため、本記事でも「足首の内反捻挫」に主眼を置いて説明しています。

捻挫の原因

正常の可動域を超えて、関節が強くひねられたり、伸ばされたりした際に捻挫が発生します。たとえば、次のような状況が挙げられます。

  • サッカーでバランスを崩し、足首を内側にひねった
  • ジャンプの着地に失敗して、足首をくじいた
  • 段差を踏み外して、足首をくじいた

スポーツ中はもちろんですが、日常生活においても身近に起こりうるケガとなります。

捻挫の症状

足首周辺の痛みや腫れ、内出血が捻挫のおもな症状です。内反捻挫であれば、外くるぶしを中心に、時間の経過とともに足の甲あたりまで症状が広がるケースもあります。

なお内反捻挫で損傷しやすい靭帯は「前距腓(ぜんきょひ)靭帯」「踵腓(しょうひ)靭帯」と言われています。外くるぶしの少し前側や下側あたりを押してみて、ピンポイントで痛みがある場合は、上記の靭帯を損傷している可能性が高いです。

【重症度チェック】捻挫の3つの段階

靭帯の損傷具合によって、捻挫は3つの段階に分けられています。

1度捻挫は、靭帯を微細に損傷した状態です。圧痛(触ったときの痛み)はありますが、基本的に関節の不安定感はありません。

続いて2度捻挫は、靭帯を部分的に断裂した状態です。腫れが出てきて、痛みで歩行が難しくなってきます。
なんとか歩けるけど痛みがあり、足首周辺が腫れている捻挫は、2度捻挫に当てはまると考えられます。

そして、靭帯を完全に断裂した状態3度捻挫です。強い痛みや腫れをともない、ほとんど歩けなくなります。

腫れをともなわない軽度な1度捻挫であれば、3日ほどで治せる場合もあるでしょう。
しかし、腫れがある捻挫では、改善するまでに2週間から1ヶ月程度はかかるとお考えください。

なお上記はあくまでも目安で、期間は症状により変わります。詳しいことは医療機関で医師に相談してみてください。

参考:足首の捻挫(ねんざ)を3日で治す方法はある?適切な応急処置やセルフケア方法を紹介

【足首の捻挫】歩けるけど痛い・腫れている場合の適切な対処法

それでは、足首周辺が腫れており、歩けるけど痛みをともなう捻挫へのケア方法をみていきましょう。

素早くRICE処置を行う

RICE処置の説明画像
捻挫のような急な負荷で痛めたケガには、RICE処置が有効です。
RICE処置とは「Rest(安静)」「Icing(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上)」の頭文字をとった言葉になります。

受傷直後は、患部をなるべく動かさないように安静にします。そして、腫れている箇所を氷水で冷やし、包帯やガーゼなどを巻いて圧迫を加えてください。

さらに台の上に足を乗せるなどして挙上しておくと、腫れや内出血を最小限に抑える効果があります。

もし受傷後に腫れていない場合であっても、RICE処置は行うようにしましょう。
そのまま足首を使い続けていると、腫れが悪化する可能性があるため、ご注意ください。

参考:内出血(あざ)を早く治す方法とは?内出血する原因や皮膚色の変化・要注意な病気も解説

整形外科や接骨院・整骨院に行く

捻挫の程度によっては、骨折を併発している可能性があります。とくに腫れが出ている場合は、自己判断で対処を続けず、一度整形外科で検査を受けてみることがおすすめです。

また捻挫は、接骨院・整骨院で保険が適用されています。固定や電気など専門的な施術を低価格で受けられるため、接骨院の通院も選択肢に入れてみましょう。

参考:【接骨院・整骨院のかかり方】健康保険の適用範囲と注意事項を解説

サポーターや包帯、テーピングなどで足首を固定する

痛みや腫れが強いうちは、足首が動かないように固定しておくことが大切です。
しかし、包帯テーピングを巻くには、ある程度の技術が必要になります。そのため、もし接骨院・整骨院に通われる場合は、専門家に巻いてもらうことがおすすめです。
また、自分で固定したい場合は、市販されている足首のサポーターを使用すると良いでしょう。
捻挫は再発率の高いケガになります。予防としても、運動中にサポーターやテーピングなどを施しておくと安心です。

足首に湿布を貼る

捻挫の痛みや腫れを抑えるには、湿布も有効です。内反捻挫の場合は、外くるぶし周辺に湿布を貼り、その上からサポーターを巻くとはがれにくくできるでしょう。

また、腫れていない場合であっても、痛みがあれば湿布を貼ることで症状の緩和を図れます。

炎症が落ち着いたらストレッチを行う

腫れや熱感がひいてきたら、徐々に患部を動かしていきましょう。足首のストレッチを行うことで血流が改善し、痛めた組織に酸素や栄養が運搬されやすくなります。

また、再発を防止するには、足首の筋力強化も欠かせません。

具体的なストレッチやトレーニングの方法については、このあと動画付きで詳しく紹介していきます。

リハビリや予防に効果的なストレッチ・トレーニングを紹介

ここからは、足関節捻挫の改善・予防が期待できるストレッチやトレーニングの方法を紹介していきます。

ただし、症状が強いうちは無理をしないようにしてください。ストレッチやトレーニングは、歩いても痛みを感じなくなってから開始するようにしましょう。

腓腹筋ストレッチ

ふくらはぎの後面に位置する、腓腹筋(ひふくきん)を伸ばすストレッチです。腓腹筋をストレッチすることで、固定や安静で固まってしまった足関節の可動域を回復できます。

腓腹筋ストレッチ
STEP1:タオルをつま先にかけ引っ張りましょう
STEP2:ふくらはぎが伸びた状態を数秒間保持しましょう
STEP3:力をゆるめましょう
STEP4:繰り返し実施しましょう
※痛みのない範囲で行いましょう

ふくらはぎの筋肉が、じっくり伸びていることを意識して行いましょう。

足関節外反運動

ふくらはぎの外側に位置する、腓骨筋(ひこつきん)を鍛えるエクササイズです。
腓骨筋を鍛えることで足首の安定感が増すため、捻挫の再発防止につながります。

等尺性足関節外反運動
STEP1:鍛えたい足を下にして足を組みます
STEP2:右足首と左足首に力を入れて押し合いましょう
STEP3:ゆっくりと力を抜き、繰り返し実施します
※足首が動かないように5秒間力を入れます
※痛みがある場合は足首を直角にしましょう
※つま先を伸ばし過ぎないように注意しましょう

ふくらはぎの外側に力が入ることを意識して行いましょう。

両脚ヒールレイズ

足首の安定性を高めるため、ふくらはぎの筋肉も鍛えていきましょう。こちらのトレーニングでは、ふくらはぎの後面にある腓腹筋ヒラメ筋を強化できます。

両足ヒールレイズ
STEP1:壁に手をつきましょう
STEP2:できる限り高く踵を上げましょう
STEP3:繰り返し実施しましょう
※膝をしっかり伸ばした状態で実施しましょう
※踵が斜めに上がらないように注意しましょう
※体がふらつかないように注意しましょう

ふくらはぎの外側に力が入ることを意識して行いましょう。

まとめ

足首は体の土台となる関節です。痛み不安定感を残したままでは、膝や腰など他の箇所にも影響がおよびかねません。

「歩けるから大丈夫」「放っておけば良くなるだろう」と軽視はせず、なるべく素早い処置を心がけてください。
また、捻挫は再発しやすいケガになります。捻挫を繰り返さないためにも、本文で紹介したストレッチトレーニングをぜひ日常に取り入れてみてください。

それでは、本記事があなたのお悩みの解決に役立てば幸いです。

【参考文献】
1)公益社団法人 日本整形外科学会「捻挫」
2)小林匠 足関節捻挫の病態と治療