足首の捻挫(ねんざ)を3日で治す方法はある?適切な応急処置やセルフケア方法を紹介

関節がねじれることで起こる靭帯損傷や筋肉の炎症を「捻挫(ねんざ)」と呼びます。そして、捻挫が起こりやすい部位の1つが「足首」です。

足首を捻挫してしまうと日常生活に大きく影響します。したがって、「できるだけ早く改善したい」と考える方も多いはず。

足首の捻挫を早く治すには、適切な処置を施す必要があります。

当記事では、足首の捻挫を早く改善するために効果的な対処法を紹介します。

最後まで目を通せば、足首の捻挫が改善する前に必要な期間や、行うべきセルフケア方法が分かるでしょう。ぜひ参考にしてください。

足首の捻挫は3日で治る?

足首の調子が悪い様子

足首の捻挫がどのくらいで改善するかは症状によって異なります。3日以内に改善して歩けるようになれば理想的ですが、一概にはいえません。

ここから、足首の捻挫が改善するまでにかかる期間を解説します。

【重症度チェック】症状と完治までに必要な期間を確認しよう

足首の捻挫は、おおきく「軽症」「中等症」「重症」に分けられます。

改善までのおおよその目安は以下のとおりです。

  • 軽症(2~3日):歩けるけど痛い
  • 中等症(2~4週):足首が腫れて痛みが強いので歩くのが難しい
  • 重症(6~8週):ほとんど歩けない・強い腫れや内出血も見られる

上記はあくまで参考程度にしていただき、詳しい症状と改善期間については、医療機関でお医者さんに相談しましょう。

仕事や学校はいつまで休むべき?

足首を捻挫してしまった際に、「仕事(学校)を休まなければ」と不安に思う方もいるでしょう。

仕事内容にもよりますが、足に負担がかからないのであれば休む必要はありません。もちろん歩く際に支障は出ますが、基本的に普段通りに生活して大丈夫です。

ただし、部活などスポーツ活動は一時中止するしかありません。足首の捻挫が改善するまでは安静に過ごしましょう。

足首の捻挫を1日でも早く治す!6つの対処法を紹介

ここから、足首の捻挫を早く改善するために有効な対処法を紹介します。

スポーツへの早期復帰にもつながるので、ぜひ参考にしてみてください。

適切な応急処置を行う

足首の捻挫に対して適切な応急処置が大切

足首の捻挫を早期改善するには、適切な応急処置が大切です。捻挫したまま放置すれば、痛みが長引いたり再発したりする可能性が高くなります。

足首捻挫の応急処置でおすすめは「RICE処置」です。「Rest(安静)」「Icing(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上)」の頭文字から命名されました。

腫れが強い部位(足の甲からくるぶしにかけて)を湿布や氷で冷やし、サポーターやテーピングで圧迫しましょう。

そのうえで、足首を心臓より高い位置に起き、安静にしてみてください。

RICE処置を行うことで捻挫の早期改善が期待できます。たとえ軽症であっても、時間を空けずにRICE処置の実施をおすすめします。

近隣の接骨院や整形外科を受診する

捻挫の程度によっては、骨まで損傷している可能性もあります。念のために、病院を受診するのがおすすめです。

病院で精密な検査を行えば、足首をどのくらい損傷しているかが正確に分かります。

また、足首の捻挫は、接骨院・整骨院の保険適用範囲です。したがって低価格で処置を受けられるので、近所の接骨院に足を運ぶことも検討してみましょう。

参考記事:【接骨院・整骨院のかかり方】健康保険の適用範囲と注意事項を解説

サポーターやテーピングで患部を安静に

足首の捻挫に対してテーピングを巻いている様子

痛みが強いうちは、サポーターテーピングで足首を保護することも大切です。

ただし、テーピングを巻くにはある程度の技術を要します。中途半端に巻いても効果は望めません。したがって、まずはサポーターの使用をおすすめします。

ネットで手軽に手に入るので、購入を検討してみてください。

腫れがある場合はあまり温めないようにする

捻挫した直後は足首周辺が腫れています。したがって、できるだけ温めないように注意しましょう。

湯船に浸かることはせず、シャワーで済ませることをおすすめします。また飲酒も腫れを悪化させるおそれがあるので、しばし控えてみてください。

くわえて足首のセルフマッサージも、腫れが引くまでは行うべきではありません。

バランスのよい食事を心がける

怪我を早期改善するために、バランスがとれた食事は大切です。「捻挫を早く治す食べ物」を知りたい方も多いでしょう。

捻挫を早く改善するには、タンパク質ビタミンCカルシウムを意識的に多く摂ってみてください。

各栄養素を多く含む食べ物については、以下を参考にしてください。

  • タンパク質(鶏ささみ、卵、マグロ、チーズ、納豆、ブロッコリーなど)
  • ビタミンC(さつまいも、じゃがいも、キウイ、レモンなど)
  • カルシウム(わかさぎ、干しエビ、ししゃも、豆腐など)

上記の食材を献立に取り入れてみましょう。忙しくて料理を作る時間がない場合は、サプリメントで摂取する方法もあります。

炎症が落ち着いたら無理なくストレッチなどを行う

痛みや腫れが引いてきたら、ストレッチ筋力トレーニングを行うことが大切です。

「また足首が痛くなるのでは」と躊躇するのも無理はありませんが、できるだけ積極的に動かしてみてください。

足首の柔軟性向上や筋力増強によって、捻挫の後遺症を軽減・再発防止に効果が期待できます。

再発予防にも効果的!簡単なセルフケア方法を紹介

ここからは、足首捻挫に効果的なストレッチ・筋力トレーニングを紹介します。

主に再発予防に有効なセルフケア方法です。痛みが強いうちに行うと逆効果になりかねません。

したがって、歩行時の痛みがなくなった段階で実施してみてください。

腓腹筋ストレッチ

「腓腹筋(ひふくきん)」はふくらはぎに該当する筋肉で、歩行時の蹴り出しに重要です。

こちらのストレッチを行うことで、腓腹筋が伸ばされ血液の流れがよくなります。また、捻挫後の足首の可動範囲改善にも役立つので積極的に行いましょう。

運動の前後に取り入れるのもおすすめです。

腓腹筋ストレッチ
STEP1:壁に手を付き横向きになります
STEP2:足を大きく前方に開きましょう
STEP3:前方の足に体重を乗せましょう
STEP4:ふくらはぎが伸びた状態を保持しましょう
STEP5:ゆっくりと戻しましょう
STEP6:繰り返し実施しましょう

※踵が床から離れないように注意してみてください

両脚ヒールレイズ

捻挫の再発防止には、適度な筋トレも有効です。こちらの筋トレを行うことで、ふくらはぎの筋肉を刺激できます。

ご自宅でもすぐに実践できるので、続けてみましょう。

両脚ヒールレイズ
STEP1:壁に手を付きましょう
STEP2:できる限り踵(かかと)を高く上げましょう
STEP3:繰り返し実施しましょう
※膝をしっかり伸ばした状態で行ってみてください
※踵が斜めに上がらないように注意して行ってみてください
※身体がふらつかないように注意してみてください

クロスレッグスウェイ

もう1つ、おすすめのエクササイズを紹介します。こちらのエクササイズを行うことで、ふくらはぎはもちろん、脚全体の筋肉が刺激されます。

バランス感覚を養うこともできるので、ぜひ取り入れてみてください。

クロスレッグスウェイ
STEP1:片足立ちになります
STEP2:上げた足を左右に大きく動かします
STEP3:ふらつかないように注意しながら繰り返しましょう
※上半身はできるだけ動かさないように注意してみてください

まとめ

本文で触れたように、足首の捻挫がどのくらいの期間で改善するかは、損傷や炎症の度合いによります。

したがって症状が軽ければ3日ほどで改善するケースもありますが、重症の場合は改善まで1か月以上かかるので把握しておきましょう。

ですが、足首の捻挫を早く改善するために実践できる方法は存在します。ぜひ、本文で紹介した対処法(エクササイズ)を取り入れてみてください。捻挫の改善はもちろん、再発防止にも役に立つでしょう。

それでは当記事が、あなたのお役に立てば幸いです。

【参考文献】
1)小林 匠:足関節捻挫の病態と治療
2)Nikolaos Malliaropoulos 1, Emmanuel Papacostas, Agapi Papalada, Nicola Maffulli:Acute lateral ankle sprains in track and field athletes: an expanded classification

3)Rogier M van Rijn 1, Anton G van Os, Roos M D Bernsen, Pim A Luijsterburg, Bart W Koes, Sita M A Bierma-Zeinstra:What is the clinical course of acute ankle sprains? A systematic literature review
4)Thomas J. Kopec, PhD, ATC,* Elizabeth E. Hibberd, PhD, ATC,† Karen G. Roos, PhD, MSPT, ATC,‡ Aristarque Djoko, MS,‡ Thomas P. Dompier, PhD, ATC,‡ and Zachary Y. Kerr, PhD, MPH:The Epidemiology of Deltoid Ligament Sprains in 25 National Collegiate Athletic Association Sports, 2009–2010 Through 2014–2015 Academic Years
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