【片足だけふくらはぎが痛い】考えられる5つの原因と今すぐできる対処法

突然、片足のふくらはぎに痛みを感じて驚いたことはありませんか?

歩いている最中や、寝ているとき、あるいは座って立ち上がった瞬間など、日常生活のちょっとした動作で急に痛みが出ると、多くの方は「なぜ片足だけなのか」と不安になるものです。特に40歳以上になると、血流や筋肉の柔軟性の低下が影響しやすく急な痛みに繋がるケースも少なくありません。

この痛みは一時的なものから、放置すると命に関わる病気のサインであることまで幅広く考えられます。そこで本記事では、片足だけふくらはぎが痛むときに確認すべきポイントと、代表的な原因について詳しく解説していきます。

片足だけふくらはぎが痛いのはなぜ?まず確認すべきポイント

ふくらはぎが痛そうな女性の画像

突然の痛みは不安を招きますが、まずは状況を整理して緊急性の有無を見極めることが大切です。ふくらはぎは血流や歩行を支える重要な部位で、筋肉・血流・神経などさまざまな要因が関与します。

確認すべきは主に以下の4点です。

  1. 痛みの出るタイミング(運動中か安静時か)
  2. 痛みの広がり(部分か全体か)
  3. 見た目の変化(腫れ・赤み・熱感)
  4. 持続時間や頻度です。

これらを把握することで、一時的な疲労か病気のサインかを切り分けられます。

片足だけに強い痛みやむくみがある場合は血栓など重大な病気の可能性もあるため、自己判断せず医療機関の受診を検討してください。

考えられる5つの原因|片足だけふくらはぎが痛い理由

こむら返りが起こった女性の画像

ふくらはぎの痛みは、筋肉、血流、神経、骨格の問題など、多岐にわたる原因が考えられます。ここでは代表的な5つの原因をわかりやすく紹介します。

参考記事:ふくらはぎがパンパンに張って痛い!痛みが出る6つの原因と対処方法を紹介

① 筋肉のトラブル:こむら返り・筋肉痛・肉離れ

激しい運動の後や、夜中に突然ふくらはぎがつる「こむら返り」は、多くの方が経験する症状です。筋肉の疲労や冷え、ミネラル不足が関係し、一時的な強い痛みを伴います。また、スポーツや不意の動作で過度に筋肉を使うと筋肉痛や肉離れを起こし、片足だけに強い痛みを感じることがあります。

参考記事:【保存版】ふくらはぎの肉離れを1日でも早く治すための5つのポイント

② 血流障害:深部静脈血栓症(DVT)などのリスク

長時間の飛行機移動やデスクワークで同じ姿勢を続けると、血流が滞り血栓ができることがあります。特に片足だけが腫れて痛む場合は、深部静脈血栓症の可能性があり、放置すると肺塞栓症など命に関わる病気へと進行するリスクもあります。

③ 神経の圧迫:坐骨神経痛や腰のトラブル

腰の神経が圧迫されることで、片足のふくらはぎに痛みやしびれが現れることがあります。坐骨神経痛は腰からお尻、太もも、ふくらはぎにかけて痛みが広がるのが特徴で、チクチク、ピリピリといった神経特有の感覚が伴います。

坐骨神経痛を説明した画像像

参考記事:【意外と知らない】坐骨神経痛と間違える病気は?自宅でできるセルフチェック方法も解説

④ 関節や骨の問題:膝・足関節の歪みや炎症

膝や足首の関節に負担がかかると、その影響がふくらはぎに及ぶことがあります。特に加齢や運動習慣の偏りにより、片方の関節に負担が集中すると、片足のふくらはぎだけが痛むケースが出てきます。

⑤ 姿勢や歩き方のクセによる偏った負担

普段の姿勢や歩き方のクセが、無意識のうちに片足に大きな負担をかけていることもあります。例えば片足重心で立つ習慣や、靴底の片減りなども、片側のふくらはぎに繰り返し痛みを起こす原因になります。

今すぐできる!片足ふくらはぎの痛みを和らげる対処法

ふくらはぎをセルフケアしている女性の画像

症状の程度によっては、自宅で簡単にできる対処で痛みが改善する場合もあります。ここでは日常的に取り入れやすいケア方法を紹介します。

ふくらはぎの痛みは「筋肉が原因の一時的な痛み」か「病気のサイン」かを見極めることが大切です。命に関わる病気が疑われるときはすぐに受診すべきですが、そうでない場合はセルフケアで大きく楽になることもあります。

温める or 冷やす|判断ポイントと正しい使い分け

ふくらはぎの痛みに対して「温めるべきか、冷やすべきか」と迷う方は多いでしょう。基本の判断基準は次の通りです。

  • 急なケガや炎症による痛みの場合は冷やす
    転倒や運動中の肉離れなど、急性のケガには氷や冷却パックで冷やし、炎症や腫れを抑えます。
  • 慢性的なこわばりやこむら返りの後の場合は温める
    筋肉の緊張や血行不良による痛みには、入浴や蒸しタオルなどで温めると血流が改善され、回復を助けます。

誤ったケアをすると逆効果になることもあるため、まずは「痛みの原因が急性か慢性か」を意識して判断することが大切です。

おすすめストレッチ3選|ふくらはぎに効く簡単セルフケア

ふくらはぎは歩行や立位で常に働いているため、筋肉が硬くなりやすい部位です。簡単なストレッチを習慣にすることで、痛みの予防や改善につながります。

腓腹筋ストレッチ

STEP1:壁に手をつき片足を前方に出しましょう。
STEP2:前方の膝を曲げ、体重をかけましょう。
STEP3:踵を浮かさないように注意す元の姿勢に戻りましょう。
注意点:踵が浮かないように注意しましょう。

足関節底背屈運動

STEP1:膝下にタオルを入れます
STEP2:つま先を伸ばします
STEP3:足首を反ります
STEP4:繰り返し実施しましょう

ヒールレイズ

STEP1:両足を肩幅よりも開きましょう。
STEP2:踵をできる限り高くあげましょう。
STEP3:ゆっくりと下ろしましょう。
注意点:踵は真っ直ぐあげる事を意識しましょう。

これらは自宅で安全にできる方法で、血流改善と筋肉の柔軟性維持に効果的です。

生活習慣で取り入れたい予防ケア

ストレッチ以外にも、日常生活の中で意識できる予防ポイントがあります。

  • 十分な水分補給:こむら返りや筋肉の硬直を防ぎます。
  • 栄養バランスの見直し:特にマグネシウムやカリウム不足は筋肉のトラブルにつながります。
  • 正しい靴選び:かかとや足裏をしっかり支える靴は、片足への負担を軽減します。
  • 長時間の同じ姿勢を避ける:デスクワークや飛行機移動では1時間に1回は足を動かすことを心がけましょう。

セルフケアを習慣にすることで、痛みの再発予防にもつながります。

放置は危険?病院に行くべきサインと何科を受診すべきか

一見軽そうに見えるふくらはぎの痛みでも、放置すると重大な病気につながることがあります。特に片足だけに強い症状が出ている場合は注意が必要です。

受診が必要なサイン

以下のような症状は血栓や神経障害など重い病気のサインである可能性があります。

  • 片足だけが急に腫れて痛い
  • 皮膚が赤く熱をもっている
  • 歩くとすぐに強い痛みが出る
  • ピリピリ・ジンジンといったしびれが広がっている
  • 数日経っても症状が改善しない

受診すべき診療科

「片足だけの腫れ+痛み」は深部静脈血栓症の可能性があるため、すぐに受診することをおすすめします。以下は受診すべき診療科の一覧です。

  • 整形外科:筋肉・関節・骨のトラブルが疑われるとき
  • 内科 / 血管外科:むくみや腫れ、血流の問題が考えられるとき
  • 神経内科:しびれや放散痛があるとき

まとめ

片足だけのふくらはぎ痛は、筋肉疲労やこむら返りなど一過性のものから、血栓や神経障害といった重大な病気のサインまで幅広い原因が考えられます。まずは「いつ・どこに・どんな痛みが出るか」を整理し、腫れやむくみ、しびれなどの異常がある場合は早めに受診することが大切です。

一方で、軽度の痛みであれば、ストレッチや温冷の使い分け、水分補給などセルフケアで改善が期待できます。大切なのは「自分の体からのサインを見逃さず、適切に対応すること」。早めの対処が悪化を防ぎ、安心して日常生活を送る第一歩となります。

【参考文献】
1)厚生労働省:深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防について

2)公益社団法人 日本整形外科学会:症状・病気をしらべる「肉離れ」
3)B J Gabbe 1, K L Bennell, C F Finch, H Wajswelner, J W Orchard:Predictors of hamstring injury at the elite level of Australian football

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桐内 修平
理学療法士資格保有:http://www.japanpt.or.jp/
【経歴】
  • 医療法人社団紺整会 船橋整形外科病院
  • 株式会社リハサク
理学療法士免許取得後、国内有数の手術件数・外来件数を誇る整形外科病院に7年間勤務。多種多様の症状に悩む患者層に対し、リハビリテーションを行う。その後、株式会社リハサクに入社。現在はマーケティングに従事し、より多くの方へリハサクの魅力を届ける。