【ズキズキ】右腰後ろの強い痛みに要注意!危険な腰痛を見分ける方法を解説

腰の痛み方は人によってさまざま。疲れた時にだけ現れる軽い鈍痛なら大きな心配はいらないかもしれません。

ただし、「右側の腰だけが痛む」「ズキズキ激しく痛む」という場合は注意が必要です。重篤な病気が原因で腰痛が発生している可能性があります。

当記事では、右腰後ろの強い痛みの原因と危険な腰痛の見分け方についてお話しします。

最後まで目を通すことで、あなたの右腰の激痛がなぜ起こっているのかある程度見当がつき、適切に対処できるでしょう。

ぜひお役立てください。

【激痛】右腰の後ろがズキズキ痛む原因とは?

右腰後ろの痛みに悩む女性

さっそく、右腰の後ろ(アバラ骨から骨盤あたりまで)がズキズキ痛む原因を解説します。

ご自身の腰痛と照らし合わせながらご覧ください。

参考記事:【右側・左側】片側だけ痛い腰痛の原因と対処法を専門家が解説!

内臓の病気

まず注意すべきは、内臓の病気が原因で腰の痛みが発生しているケースです。

右腰あたりには「腎臓(じんぞう)」「肝臓(かんぞう)」「膵臓(すいぞう)」など複数臓器が集まっており、それらの臓器に異変が起こることで腰の激痛が現れます。

右腰の痛みが現れるのは、以下のような病気です。

  • 尿路結石(にょうろけっせき)
  • 腎盂腎炎(じんうじんえん)
  • 急性胃炎
  • 急性膵炎(きゅうせいすいえん)
  • 子宮内膜症※女性特有の病気

後ほど解説しますが、内臓が原因の腰痛には「痛みが減らない」「腰以外の部位も痛む」「痛み以外の症状が現れる」といった特徴があります。

背骨が影響する病気

背骨が影響する病気によって右腰が痛むケースも多いです。背骨が変形することで痛みだけでなく神経の症状(しびれなど)が現れます。

背骨の病気の原因は、加齢日常生活での負荷肥満などです。

ここで、代表的な病気を紹介します。

腰椎椎間板ヘルニア

腰の骨(腰椎)を構成する椎間板(ついかんばん)が潰れ、髄核(ずいかく)が出ることで神経を圧迫する病気が「腰椎椎間板ヘルニア」です。

右腰後ろの激痛の原因のひとつ「腰椎椎間板ヘルニア」

腰や臀部(おしり)あたりがチクチク痛む」「足に力が入らない」「足がしびれる」といった症状が見られる場合は、腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。

参考記事:腰椎椎間板ヘルニアとは?痛みを和らげる方法をわかりやすく解説!
参考記事:【腰椎椎間板ヘルニア】やってはいけないこと5つ!予防に効果的なストレッチも紹介

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

背骨の中の神経が通る脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり神経を圧迫する病気が、「脊柱菅狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」です。

右腰後ろが激しく痛む原因のひとつ「脊柱菅狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」

腰の痛みに加えて、「歩行時に痛みが強くなり、休むと緩和する」「身体をそらす・ひねる動作が辛い」「立っていると痛みやしびれが強くなる」といった症状が見られる場合は、脊柱菅狭窄症の可能性を考えましょう。

参考記事:【要注意】脊柱管狭窄症でやってはいけないことは?自宅で出来るストレッチも解説!

腰の筋肉の強い炎症(ぎっくり腰)

他に考えられるのは、腰の筋肉の炎症です。

もし、急に右腰に激痛が現れた場合は「ぎっくり腰(急性腰痛症)」の可能性が高いです。

ぎっくり腰は「疲労の蓄積」「腰への急な負荷」「腰回りの筋肉の衰え」などによって発症し、筋肉に強い炎症が起こります。

したがって、内臓や背骨の病気で起こる腰痛と比べて、わかりやすいといえるでしょう。

参考記事:これってぎっくり腰!?腰椎捻挫の症状と自分でできるリハビリ方法をわかりやすく解説!
参考記事:【ぎっくり腰】即効では治らない!1日でも早く治す適切な対処法を解説!

危険な腰痛の見分け方

ここまで、右腰の痛みの原因(内臓の病気・背骨が影響する病気・筋肉の炎症)について解説してきました。このうち、危険度が高いのは内臓の病気が原因で起こる腰痛だといえます。

背骨や筋肉が原因の腰痛に比べ生活への支障が大きく、入院を要する場合も少なくありません。

そこで気になるのは「危険な腰痛の見分け方」ではないでしょうか。

以下より、危険度が高い腰痛とその他の腰痛を見分けるポイントを解説します。なお、症状によっては例外も存在する点をあらかじめ把握頂いたうえでご覧ください。

痛みが楽になる瞬間があるか

まず、「腰の痛みが和らぐ瞬間があるかどうか」を確認しましょう。

背骨や筋肉が原因で起こる腰痛の場合、痛みが楽になる瞬間はあります。たとえば「横になる」「入浴する」「冷やす」などです。

対して内臓が原因の腰痛では、楽になる瞬間がほとんどありません。どういった姿勢であっても、冷やしても温めても痛みはそのままです。

【関連痛】腰以外が痛むか

続いて、「痛む部位」をチェックしてみてください。

筋肉の炎症が原因の場合、基本的に痛むのは腰のみです。また背骨が原因の腰痛ではしびれが伴うものの、主に痛む部位は腰だといえます。

一方、内臓が原因の腰痛では、お腹や肩のあたりまで痛みが広がる場合も少なくありません。なお、こういった痛みは「関連痛」と呼ばれます。

参考記事:背中の左側が痛いのは内臓の病気かも?考えられる原因と対処方法を解説
参考記事:背中の右側の痛みは内臓が原因!?考えられる原因と適切な対処法

痛み以外の症状はあるか

そして、「痛み以外の症状の有無」も確認しましょう。

背骨や筋肉が原因で起こる腰痛の場合、現れる症状は痛みとしびれに限定されます。

それに対し内臓が原因の腰痛では、痛み以外にも「だるさ」「発熱」「吐き気」「食欲不振」「体重減少」などが現れます

腰がズキズキ痛む場合はすぐに医療機関を受診すべき

右腰がズキズキ痛む場合はまず病院を受診することが大事

腰がズキズキと激しく痛む場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。痛みを放置すれば、原因の発見が遅れてしまいかねません。

病院での精密な検査を受けたうえで、お医者さんのアドバイスをしっかり守りましょう。

なお、何科にいくべきかわからない場合、まずは整形外科か内科を受診することをおすすめします。

筋肉や骨が原因で右腰が痛む場合の対応方法

病院での検査によって内臓の病気はないとわかった段階で、いかに腰の痛みをケアするかを考えましょう。

ここから、背骨や筋肉が原因で起こる腰痛への対応法を解説します。

ズキズキ激しく痛む場合、できることは限られます。それでも痛みの早期改善に役立つでしょう。

ぜひ参考にしてください。

参考記事:即効性のある腰痛の治し方とは?再発予防にオススメのストレッチや体操も紹介

痛みが強いうちは冷却・痛みが和らいだら温める

痛みが強いうちは、氷などで右腰を冷やしましょう。痛む部位を冷やすことで、炎症をおさえられます。

一概にはいえませんが、痛めてから3日から1週間は冷やすことを心がけてみてください。

そして痛みが引いてきた段階で、今度は腰を温めましょう。血液の流れを良くして痛みを早く改善するのが目的です。

腰に負担がかからない姿勢を心がける

腰の痛みが強い時に無理は禁物です。日常生活でも、腰へ負担がかからない姿勢を心がけてみてください。

たとえば、座る姿勢には注意しましょう。座る姿勢は腰への負担が大きいからです。「長時間座らない」「座る際は背筋をまっすぐにする」などを心がけてみてください。

また、寝る際に膝の下や膝の間にクッションを挟むことで、腰への負担を軽減できます。

他には「重いものを持つのは避ける」「身体をひねる動作はしない」などを意識してみてください。

参考記事:腰が痛い時の寝方とは?腰の痛み別に正しい寝姿勢を紹介
参考記事:【ぎっくり腰】これでひと安心!楽な姿勢(寝方・座り方)と対処法を解説!

痛みが減ってきた段階で軽い運動やストレッチを始める

右腰の激痛が治まってきた段階でストレッチを行うのが効果的

背骨や筋肉が原因の腰痛に対して筋力トレーニングやストレッチが有効ですが、痛みが強い時に行うのは避けてください。

背骨への負担が増えたり炎症が広がったりすることで、痛みが悪化する可能性があるからです。

運動やストレッチは痛みが減ってきた段階で始めましょう。適切なタイミングで行えば、腰の痛みの改善が期待できます。

参考記事:寝ながらできる腰痛改善ストレッチ!4つの症状別の対処法を解説
参考記事:【1日たった5分】腰痛改善に必要な簡単ストレッチを原因とあわせて紹介!
参考記事:【立ったままできる】腰痛の予防・改善に効果的なストレッチ4選!

まとめ

繰り返しになりますが、ズキズキ痛む右腰を我慢したり放置したりすべきではありません。

もし、腰痛の原因が重篤な病気だった場合、発見が遅くなることは大きなデメリットです。そして、内臓の病気は誰にでも起こり得ますので、体に異変を感じたら医師に相談しましょう。

それでは、あなたの腰の痛みが早く改善することを願います。

【参考文献】
1)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第 3 版
2)A L Nachemson:Disc pressure measurements

3)日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン策定委員会:腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン改訂第 2 版(案)
4)厚生労働省:腰痛対策
5)一般社団法人 日本腰痛学会:腰痛の種類
6)上井浩:腰痛診療ガイドライン 2019 の要旨と解説
7)上田 優樹 木村 亮之  藤森 浩司 勇内山 大介 田口 丈士  赫  寛雄:子宮内膜症により下垂足と月経時に出現する 下肢の異常感覚を呈した 40 歳女性例