あなたは「O脚はなぜなるの?」「O脚は自分で治せるものなの?」と思った経験はありませんか?
O脚は別名で「内反膝(ないはんひざ)」といい、太ももから足先にかけてOの字をしている脚の状態です。脚が曲がっているような見た目に悩んでいる方も多いでしょう。
さらにO脚は見た目の問題だけでなく、進行すると痛みにつながるケースも多いです。
そこで当記事ではO脚について、原因を踏まえて、自分で簡単に行える治し方を解説します。
当記事を参考にすることで、O脚の悩みが解決できれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。
そもそも内反膝(O脚)とは?X脚や膝下O脚との違いは何?
内反膝とは両脚が外側に曲がり、両膝の内側が接しない(内反変形している)脚のことを指します。脚の形がアルファベットのO(オー)の字に見えることから、O脚ともいいます。
またX脚はO脚と対照的で、両膝が内側に曲がっており、両膝をつけても両くるぶしがつかない状態です。膝下が外に向かって変形しており、外反膝(がいはんひざ)ともいいます。
さらにO脚と間違えやすいのが、膝下O脚です。膝下O脚は膝上の骨は外側に曲がらず、膝下から外側に曲がっている脚の形で、XO脚という場合もあります。
参考記事:【諦めないで】膝下O脚(XO脚)の原因と簡単にできる治し方を専門家が解説
内反膝(O脚)の原因は?治るタイプと治らないタイプの違いについて
O脚の原因は大きく分けて二つあり、治らないタイプの【構造的なO脚】と、治るタイプの【機能的なO脚】が挙げられます。
ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてください。
構造的なO脚
【構造的なO脚】は、骨自体が曲がっているため基本的には治すことが難しいタイプです。
要因としては以下のようなものが考えられます。
- 生まれつきの骨格
- くる病(骨が弱くなる病気)
- 交通事故などの外傷
- 加齢による変形
構造的なO脚が疑われる場合は、整形外科を受診するなど専門家の指示に従うことを推奨します。
機能的なO脚
【機能的なO脚】は、日常生活動作などが原因となり後天的に起こるものなので、基本的には治るタイプといわれます。ただし最初は機能的なO脚でも、進行につれて骨そのものの変形を伴う構造的なO脚に移行する可能性もあるため、早めに対処すると良いでしょう。
さらに機能的なO脚には二つのパターンがあり、ガニ股のように見えるO脚のケースもあれば、内股のような膝が内側を向いた状態で膝の間が開いているO脚のケースもあります。いずれにしても、太ももの骨と膝下の骨がどのような位置にあるのかが、脚のラインに大きく関係しています。
そこで以下3つが、機能的なO脚の主な原因です。
1、筋肉のバランスが悪い
筋肉のバランスは、膝の位置や太ももと膝下の骨の位置関係に大きく関わります。
「太もも内側の筋肉が弱い」もしくは「太もも外側の緊張が高い」場合には、膝は外側に引っ張られ、O脚になる可能性も。
筋肉のバランスが悪くなる原因はさまざまですが、身体の使い方の癖などが挙げられます。スポーツ経験がある方は、それぞれの種目による特性が出ていることもあるでしょう。
2、姿勢が悪い
姿勢が悪いと、骨格の位置の乱れにつながります。そして骨格が乱れていると筋肉のバランスが悪くなるため、O脚を引き起こすことも。
以下の二つがO脚を引き起こしやすい姿勢です。
- Sway Back姿勢:骨盤が後ろに傾き、膝を前に突き出した姿勢
- 反り腰:骨盤が前に傾き、お腹が前に出る姿勢
なぜこれらの姿勢がO脚につながるかというと、骨盤の傾きが関係しています。
身体の仕組みとして、骨盤と股関節は連動して動きます。骨盤が後ろに傾くと股関節は外にねじれガニ股になり、逆に骨盤が前に傾くと股関節は内側にねじれ内股になるのです。
そのため骨盤が前に傾いていても、後ろに傾いていても股関節の位置が乱れ、太ももの骨についている筋肉のバランスが乱れてしまうため、O脚を引き起こす可能性があるのです。
参考記事:反り腰を改善!原因から治し方を簡単なストレッチをまじえ解説
3、歩き方が悪い
つま先が膝よりも外を向いて歩いている場合、膝下の骨(脛骨)が外にねじれる可能性があります。膝下の骨(脛骨)が外側にねじれると、太ももの外側が緊張しやすく、内ももが弱くなるためO脚につながることもあるのです。
いくらトレーニングをしても、歩き方が悪いとO脚を助長してしまうため注意が必要です。
O脚の症状
O脚は見た目に影響を与えるだけでなく、変形が進行すると痛みが発生したり、機能的に問題を抱えたりすることもあります。1)
O脚が影響して起こる疾患の代表的なものとして「変形性膝関節症」が挙げられます。変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り炎症を起こす病気です。
本来は脚の重心は膝の真ん中を通りますが、O脚の場合は重心線が内側を通ります。よって膝の内側に負担がかかり、軟骨がすり減ってしまうのです。
さらに脚の外側の筋肉が過剰に使われ、内側の筋肉は弱くなることが多々あります。
そうすると脚の外側が張りやすくなり、血管を圧迫し血流の悪化にもつながります。脚が浮腫みやすくなったり、疲れやすくなったりする方もいるかもしれません。
参考記事:【膝の内側の痛み】4つの原因の見分け方と対処法・ストレッチをわかりやすく解説
O脚を即効で改善させる方法はあるの?
結論からお伝えすると、O脚を即効で治す方法はありません。
O脚は治るタイプであっても、長年の姿勢や習慣などの蓄積で起こっているため、一瞬では治せません。しかしストレッチや筋トレを行い、根本的に身体の使い方を見直すことで改善するケースも多々あります。
【自宅で簡単】O脚を自分で治す筋トレ&ストレッチ3選
O脚を改善するためには、筋肉のバランスを整えて正しく身体を使っていくことが重要です。とくにO脚の方の多くは、太ももの内側と外側の筋肉バランスが乱れています。
そこで次に、O脚を自分で治すための筋トレ&ストレッチを紹介します。
座位四股ストレッチ
O脚の方は脚の内側の筋肉(内転筋)を使えていない方がほとんどです。
筋肉は使えていないと硬くなる性質があり、また筋肉を正しく使えるようになるためには、まずは柔軟性を高めていく必要があります。
よって、まずは内転筋のストレッチを行なっていきましょう。
STEP1:両脚を大きくひらきましょう
STEP2:上半身をねじりながら骨盤を前方へ倒しましょう
STEP3:元の位置に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰を丸めないように注意しましょう
タオルつぶし運動
本来は太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は、外側と内側でバランスを取りながら膝のお皿を支えています。
しかし、内反変形(O脚の程度)が大きければ大きいほど、内側の筋肉よりも外側の筋肉が強く働き、お皿を外側に引っ張っていると言われています。2)
よってO脚を改善するためには、膝の内側にある筋肉(内側広筋)を鍛えていきましょう。
STEP1:片膝を伸ばして座りましょう
STEP2:膝の裏にタオルを入れて膝を伸ばします
STEP3:膝裏でタオルを潰すように太ももに力を入れます
STEP4:数秒間力を入れ繰り返し実施します
※なるべく姿勢は正して行いましょう!
クラムシェル
O脚を改善するためには、骨盤や股関節を正しい位置に修正することがポイントです。
ここでは、歩く時に骨盤を正しい位置にとどめる筋肉(中殿筋)や、太ももの骨を外側にねじる筋肉(梨状筋)を鍛えます。
STEP1:両脚をくっつけ横向きになりましょう
STEP2:踵をくっつけたまま股関節を開きましょう
STEP3:繰り返し実施しましょう
STEP4:股関節をなるべく大きく開きましょう
※腰が開かないように注意しましょう!
まとめ
今回は、O脚の原因とその治し方について解説していきました。
即効で治す方法はありませんが、治るタイプの方は筋肉のバランスを整えたり、日常生活での身体の使い方を意識したりすることで改善する方が多くいらっしゃいます。
何もせず放置してしまうと変形を悪化させたり、痛みにつながったりすることもあるため、ぜひ見た目が気になり始めたら早い段階でトレーニングを開始できると良いですね。
それでは、あなたのO脚を改善するのに、本記事をお役立ていただけますと幸いです。
参考文献
1)日本整形外科学会:「O脚・X脚」
2)竹内一喜:変形性膝関節症における下肢筋の筋電図学的研究,日本リウマチ・関節外科学会,6巻3号,455-471,1987