【諦めないで】膝下O脚の原因と簡単にできる治し方を専門家が解説

あなたは「脚のラインが気になる」「膝下が曲がっているのは生まれつきで治らないのでは?」と思った経験はありませんか?

膝下のスネの骨が曲がって見える膝下O脚は、生まれつきではなく日常生活などの影響で後から起こるケースがほとんどです。 

そのため正しい身体の使い方を学ぶことで、膝下O脚を改善できるケースも多く見られます。

そこで当記事では、膝下O脚はなぜ起こってしまうのか、そして簡単に行える治し方を解説します。さらに、自宅で行えるセルフチェック方法も合わせて紹介しますので、ぜひご自身でも確認してみてください。

当記事を参考にすることで、諦めていた膝下O脚が解決できれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。

膝下O脚とは?

膝下の形を気にする女性の写真

膝下O脚とは言葉の通り膝下がO脚になっている状態で、XO脚ともいいます。

O脚はよく聞くと思いますが、O脚と膝下O脚では膝から上の骨の向きが異なります。

膝下O脚を説明する図

O脚は、脚全体で弧を描くような形になっていて、内腿の間に隙間ができます。しかし膝下O脚は、内腿の間には隙間ができず、膝から足首にかけてOの形になっているのです。

さらに詳しく説明すると、膝下O脚の方は膝上の骨(股関節)は内側にねじれ、膝下のスネの骨は外側にねじれています。その結果、脚のラインがXOの形になるのです。

あなたは膝下O脚?簡単に自宅でできるセルフチェック法

それではあなたは膝下O脚なのか見分ける方法を紹介します。

 鏡の前に立ってご自身の足を観察してみましょう。以下のポイントに着目します。

  • 膝のお皿が内側を向いている
  • 左右の膝の間の隙間がほとんどない
  • 左右のふくらはぎの間に隙間がある
  • 膝下にぼこっと出ているスネの骨が膝の中央より外側にある

以上の点が当てはまる方は膝下O脚の可能性があります。

膝下O脚になる原因は?

膝下O脚になる原因は、先天性のものや遺伝の影響が全くない訳ではありません。しかし多くは生活動作が影響し、大人になってから膝下O脚になるケースです。

基本的には先ほど説明したように、膝上の骨が内側、膝下の骨が外側を向いてしまうことが膝下O脚を引き起こします。それでは実際に、具体的な原因についてみていきましょう。

【女性で多い】姿勢の問題

女性で多い反り腰姿勢は、骨盤が過剰に前に傾いている状態です。

反り腰を説明する図

骨盤が過剰に前に傾くと、股関節が内側にねじれるという身体の仕組みがあります。そのため膝上の骨が内側、膝下の骨が外側にねじれやすく、膝下O脚になってしまうのです。

お腹や腿裏の筋肉が弱いと、反り腰になり膝下O脚にもつながります。

参考記事:反り腰を改善!原因から治し方を簡単なストレッチをまじえ解説

【9割の人が知らない】歩き方の問題

内股やつま先が外を向いて歩いている方は、膝上の骨が内側に、膝下の骨が外側にねじれる動きを助長してしまうため膝下O脚になる可能性があります。

さらにつま先が外を向いている歩き方は、土踏まずを潰してしまいます。そうすると土台となる足の骨の位置が乱れるため、スネの骨の位置も乱れ、膝下O脚になりやすいのです。

【座り方も関係している】骨格の問題

骨格が原因となり膝上と膝下の骨がねじれ、膝下O脚につながっている場合があります。具体的には、太ももと骨盤のつなぎ目である股関節の骨です。

本来、股関節部分の骨(大腿骨)は少し角度がついていて、この角度を前捻角(ぜんねんかく)と呼びます。

前捻角(大腿骨の角度)を説明する図

引用:北京堂鍼灸 伊東 股関節の構造(https://www.hibikidou.com/columns/hip-joint-structure/

股関節の角度である前捻角(ぜんねんかく)が、人によっては40〜60度と角度が強い方もいます。1)角度が強い場合、股関節は内股の状態が安定する位置になります。つまり膝上の骨が内側にねじれている状態です。 

この時、つま先も同様に内側を向いていれば、膝上と膝下のねじれは起こりません。しかし、つま先を正面に向けて過ごしていると、膝上と膝下のねじれが起こり、膝下O脚を引き起こします。

以下のような場合、股関節の骨の角度(前捻角)が大きい可能性があります。

  • 女性
  • 幼少期に女の子座り(割座)やお姉さん座り(斜め座り)をしていた方

個人差はありますが、以上のような方で当てはまるケースが多いです。

幼少期の骨が成長する段階で股関節に負荷をかけてしまうと、膝下O脚につながる可能性もあるため、座り方には注意が必要です。

膝下O脚に治らないタイプはあるの?

大人になってから気になるようになった膝下O脚の場合は、先ほど説明したように日常生活の動作から骨の位置が乱れ、発症しているケースがほとんどです。

しかし中には幼少期から膝下O脚がある場合、先天性の病気や発達が遅い病気、遺伝性のものが影響で起こってしまっていることもあります。

またご高齢の方で多くみられますが、スネの骨の形自体が曲がってしまっている場合、治すことは難しくなります。そのため変形する前にぜひ対処していきたいですね。

【誰でも簡単】膝下O脚を自分で治すストレッチ&エクササイズ

先ほど紹介した「治らないタイプ」でなかった方は、ストレッチやエクササイズに取り組み、正しく身体を使うことで膝下O脚を改善できます。

誰でも簡単に行える膝下O脚を自分で治す方法を紹介しますので、ぜひ動画をみながら取り組んでいきましょう。

大腿膜張筋ストレッチ

膝下O脚が起こる原因は、主に太ももが内側にねじれてるか、膝下の骨が外側にねじれているかどちらかでした。

大腿筋膜張筋という太ももの横を走っている筋肉は、股関節を内側にねじる働きを持ちます。よって大腿筋膜張筋が硬くなっていると、太ももが内側にねじれてしまいます。

大腿筋膜張筋をストレッチすることで、股関節のねじれを改善していきましょう。

大腿筋膜張筋ストレッチ

STEP1:片脚を曲げ反対側の太ももに乗せましょう
STEP2:乗せた足の方向へ身体を捻ります
STEP3:姿勢を保持しましょう
STEP4:ゆっくりと戻し繰り返し実施します
※股関節の外側が伸びるのを感じましょう!

内側ハムストリングスストレッチ

内側ハムストリングスは、膝下のスネの骨(脛骨)を内側にひねる働きを持ちます。

よって内側ハムストリングスが弱くなることで、スネの骨は外側にねじれてしまうのです。さらに筋肉は弱くなると、同時に硬くなる性質を持ちます。

そのため、まずは内側ハムストリングスのストレッチを行ない、使いやすい筋肉をつくっていきましょう。

内側ハムストリングスストレッチ

STEP1:足を斜め前方に出しましょう
STEP2:体を前方に傾けましょう
STEP3:ゆっくりと戻しましょう
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰が丸まらないように注意しましょう!

脛骨内旋エクササイズ

次に内側ハムストリングスのエクササイズを行い、膝下を内側に回す動きを鍛えます。

また膝下O脚の方は、スネの骨(脛骨)そのものが外側にねじれたまま周りの組織が固まっていることも多いので、スネを内側に回し正しい位置に戻していきましょう。

脛骨内旋エクササイズ

STEP1:片脚を前方に伸ばし股関節を内側に回します
STEP2:可能な範囲で膝を曲げましょう
STEP3:元の位置に戻しましょう
STEP4:繰り返し実施しましょう
※膝が内側に入らないように注意しましょう!

まとめ

今回は、膝下O脚の原因とその治し方について解説していきました。

膝下O脚は生まれつきで治らないと諦めている方が多いのですが、正しく筋肉を使うことで脚のラインを改善することが可能です。

また紹介したトレーニングと合わせて、普段の日常生活の動作も意識することでより定着までのスピードが加速します。ぜひ取り組んでみましょう。

それでは本記事が、あなたの膝下O脚を改善するのにお役立ていただけますと幸いです。

参考文献
1)中村尚人(2020) :側弯トレーニングブックー概要からエクササイズまでー,株式会社P3・側弯トレーニングセンタ