筋トレ時に起こる頭痛をなんとかしたい!痛みの原因や対処法・予防法まで解説

健康維持・あるいはダイエットを目的として「筋力トレーニング(筋トレ)」を行う方が増えています。通常、筋トレを行っている最中は、キツいながらも気持ちよさや爽快感を覚えるものです。

しかし、筋トレをしている最中に頭痛が現れるケースがあります。頭が痛くなれば、トレーニングへのモチベーションが低下してしまいかねません。

楽しく筋トレを続けていくためにも、頭痛についての知識が必要ではないでしょうか。

そこで当記事では、筋トレ時に発生する頭痛について解説します。対処法や予防法についてもお話ししました。

最後まで目を通すことで、より安心してトレーニングを続けられるでしょう。ぜひお役立てください。

【原因】運動中の頭痛には「血管」が関係する

筋トレをするとなぜか頭痛が襲ってくる

最初に、運動(筋トレ)の際に起こる頭痛について解説します。

筋トレ時の頭痛は、脳の損傷や病気が原因ではない「一次性頭痛」に分類されます。したがって、基本的に命に関わる重篤な頭痛には該当しません。

筋トレ時に発症する頭痛については、まだ解明されていない部分が多いです。とはいえ、血管が関係しているのは確かだといえます。

たとえば、トレーニング中に力むことで血管が収縮したり、水分不足や酸素不足によって血管が拡張したりするなどです。

こめかみや後頭部が痛むケースが多く、その日のうちに頭痛が治まるケースもあれば、翌日以降も頭が痛む場合もあります。

なお、筋トレの頭痛に該当するとされる病気は以下の2つです。

  • 可逆性脳血管攣縮(かぎゃくせいのうけっかんれんしゅく)症候群
  • 労作性頭痛

ただし上記の頭痛に関しても症状には個人差があり、ご自身では正確に判別できません。したがって、頭痛の原因を知るには病院で検査を受ける必要があります

参考記事:頭痛を早く治す方法とは?即効性が高いツボや対処法・おすすめの食べ物を紹介

特に注意が必要な筋トレ種目

腕立て伏せを行って頭痛が発生する可能性がある

一概にはいえませんが、頭痛が起こりやすい筋トレがあるので確認しておきましょう。

まず、「腕立て伏せ」「ベンチプレス」といった、うつ伏せや仰向けの体勢で行う筋トレは、頭痛が起こりやすいといえます。

そして、「懸垂」「ダンベルスクワット」「デッドリフト」など、瞬間的に全力を使う筋トレも、頭痛が起こりやすい傾向にあります。

もちろん、どういった筋トレでも頭痛になり得ますが、とくに寝た体勢での筋トレや、全力を出す筋トレを行う際は注意してみてください。

参考記事:腕立て伏せ(プッシュアップ)は効果大!正しいフォームと回数の目安を解説

筋トレ中に頭痛を発症した場合の対処法

では、筋トレを行っている最中に頭痛が現れた際の対処法について解説します。

突然頭が痛くなれば焦るのも無理はありませんが、まずは冷静になり、以下の方法で対処してみてください。

すぐに運動を中止する

頭痛が現れた場合、すぐに運動を中止しましょう。頭が痛む状態で運動を続けることは大変危険です。

その際、器具の扱いにご注意ください。頭の痛みに気を取られ、バーやダンベルを勢いよく落とすと怪我をする危険性があります。

頭を冷やしながら安静にする

運動を中止したら、氷などで頭を冷やしながら安静にしましょう。冷えたペットボトルでも冷やすことは可能ですが、できるだけ氷(もしくは氷嚢)を使って冷やすのがおすすめです。

そのうえで、椅子に腰掛けるか横になって休んでみてください。頭の痛みが強い場合、その日はトレーニングを終了しましょう。

水分を多めに摂る

休んでいる最中は、水分を多めに補給してみてください

先ほども触れたように、水分不足が頭痛の原因になるケースも多いです。したがって、水分補給によって頭痛が和らぐ場合があります。

なお、お茶やコーヒーでは水分を吸収できず、頭痛を悪化させてしまう場合があります。運動時はスポーツドリンクかミネラルウォーターを飲んでみてください。

早めに医療機関を受診することがおすすめ

筋トレ時に起こる頭痛には個人差があります。運動を中止して、安静にすれば頭痛は治まるかもしれません。

ただし、「筋トレするたびに頭痛が現れる」「運動すると急に強い頭痛が襲ってくる」といった場合は、早めに病院を受診してください。「脳の血管が切れる」など重篤な症状である可能性も考えられます。

お医者さんから運動の許可が出れば、筋トレを再開しても良いでしょう。

頭痛を再発させずに運動を行う方法

当然ながら、頭痛を起こさず筋トレできるに越したことはありません。

そこで、頭痛を予防しながら筋トレを行う方法を紹介します。もちろん、頭痛を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、役に立つでしょう。

トレーニングを行う際の参考にしてみてください。

運動前後に水分補給をまめに行う

筋トレ中の頭痛を予防するには水を飲むのが効果的

繰り返しになりますが、水分不足は頭痛が起こる原因の1つです。運動前や休憩中に、まめに水分補給しましょう。

筋トレのみ行う方や、短時間しかトレーニングしない方にとって、水分補給は不要に感じられるかもしれません。ですが、頭痛を予防するためにも水分の準備は忘れないようにしてください。

ウォーミングアップに時間をかける

トレーニングウェアに着替えた後、いきなり筋力トレーニングを行っていませんか。

急に負荷がかかることで頭痛の発生につながる可能性もあります。ぜひ、ウォーミングアップに時間をかけましょう

筋トレ前にストレッチを入念に行うことで、全身に血流が巡り、頭痛の予防が期待できます。

なお、ストレッチを行う際は呼吸を止めないように意識してみてください。

負荷を軽くしてトレーニングする

筋トレ時の頭痛が現れる頻度が多い方は、負荷を軽くしてみるのも有効です。

トレーニングの目的にもよりますが、重さや回数を減らしても、問題なく筋肉を刺激できるかもしれません。トレーニング内容をあらためて見直すのも良いでしょう。

そのうえで、「強い負荷でトレーニングしたい」という場合は、徐々に負荷を増やしていくように意識してみてください。

いきなり強い負荷で筋トレすると、頭痛はもちろん怪我のリスクも高まります。あるいは、筋トレ前に有酸素運動(ランニングマシンなど)を行うのも方法の1つです。

まとめ

筋トレの最中に現れる頭痛は不快ですよね。

冒頭でお話ししたように、筋トレ中に現れる頭痛に関しては、分かっていない部分も多いです。とはいえ、血管が関係している可能性が高いといえます。

とくに負荷が強い筋トレを行う際は十分に注意しましょう。頭が痛くなったら、すぐに運動を中止し、休むことを心がけてみてください。

また頭痛の予防のために、水分補給をまめに行ったり入念にウォーミングアップを行ったりするのも大切です。それでも頭痛が頻発する場合は、一度病院で診てもらいましょう。

それでは当記事が、少しでもあなたのお役に立てば幸いです。

【参考文献】
1)石﨑公郁子:いまさら聞けない一次性頭痛
2)立岡 良久:頭痛診療Update;一次性頭痛

3)菊井 祥二, 宮原 淳一, 團野 大介, 柏谷 嘉宏, 竹島 多賀夫:可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)による頭痛の治療
4)橋本 洋一郎:可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)