痛みが原因で首が回らないと、日常生活で困ることが多いです。後ろを向こうとする度に不快な思いを強いられます。
また、車や自転車の運転時に首がスムーズに回らないと、視野が狭くなり危険を伴うことも。できるだけ早く痛みの原因を把握し、改善したいですよね。
そこで当記事では、首が回らない原因と対処法を詳しく解説します。
最後まで目を通すことで痛みの正体がわかり、取り組むべきことが明確になるでしょう。ぜひ参考にしてください。
首が回らない原因として考えられる3つの症状
首が回らない原因としては、首周りの筋肉・骨(関節や椎体)の損傷が考えられます。日常生活の中で首に負担がかかったり、首に強い衝撃が加わったりした結果、首の筋肉や骨を損傷した可能性が高いです。
なお、筋肉や骨が原因の首の痛みは、片方だけに出るケースが多いです。
ではここから、首の痛みを生む具体的な症状を解説します。ご自身の痛み方と照らし合わせながら読み進めてみてください。
寝違え(急な首の激痛)
起床時、急に首の激痛が発生する症状が「寝違え」です。寝違えになると、首を回す動作はもちろん、上下に動かすことも困難になります。
おもに「就寝時の不自然な姿勢」「疲れの蓄積」によって、首周りの筋肉が過度に緊張し血流不足を起こした結果、寝違えが発生します。
参考記事:【首の寝違えの治し方】正しい対処法とおすすめストレッチ3選
首周りの筋肉の緊張・疲れ(頚肩腕症候群)
首や肩の筋肉が緊張したり、疲れが溜まったりすることで、痛みが発生して首が回らなくなるケースも考えられます。
過労や不規則な生活、長時間のパソコン・スマホ作業などによる首への負担が大きく関係します。また、精神的なストレスが首や肩の緊張につながる場合もあるので注意が必要です。
なお、仕事や運動不足・心身のストレスが影響で生じた首から腕にかけての不調を「頚腕症候群(けいわんしょうこうぐん)」と呼ぶことがあります。
首の回しにくさに加えて、肩が痛い時は頚腕症候群に該当する可能性があるでしょう。
参考記事:【首筋が痛い】痛みが出現する原因と対処・再発予防の方法について解説
首を強く打った(むちうち)
交通事故やスポーツを行った後に首が回せなくなった場合、「むちうち(外傷性頚部症候群)」である可能性が高いです。
首への強い衝撃によって、首周りの筋肉や骨が損傷して痛みが発生します。なお、自身で思い当たる原因がなく首を痛めているケースもあるので注意が必要です。
参考記事:首のむちうちの治し方 |必ず押さえておきたい対処法をポイント解説!
どのくらいで首が回るようになる?
寝違えの場合は1週間ほどで痛みが引き、首を回せるようになるケースが多いです。また、首周りの筋肉の緊張やむちうちの場合は、改善まで1か月から2か月はかかるとお考えください。
もちろん疲れが溜まったり生活習慣が乱れていたりすると、首の痛みはさらに長引く可能性が高いです。
病気の可能性もあるので要注意
もし首から腕にかけてのしびれや感覚麻痺(温度などの感覚が鈍くなる)も現れている場合、首の病気が原因で痛みが発生している可能性があります。
首の痛みが現れる病気の例は、以下の通りです。
- 頚椎症(けいついしょう)
- 頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア
- 後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)
病気が原因の場合、時間が経つごとに痛みが増したり、痛みが長期間続いたりする可能性が高いとお考えください。
参考記事:頚椎症で効果があるストレッチ&してはいけないことを解説
参考記事:頚椎(くび)椎間板ヘルニアの改善に効果的なストレッチ・筋トレ3選を紹介
病院への受診を忘れずに
もし「痛みが一向に引かない」「痛み以外の症状も現れている」といった場合は、早めに病院を受診するべきです。
受診する際「何科にかかれば良いの?」と迷う方もいると思いますが、まずは整形外科を受診しましょう。精密な検査を行い原因を把握することが大切です。
したがって、病院より先に接骨院(整骨院)や整体院に足を運ぶことはおすすめできません。まず病院での検査によって痛みの原因が判明したうえで、状況に応じて接骨院や整体院の利用を検討しましょう。
【対処法】首が回せるようになる!おすすめのセルフケア
筋肉や骨の損傷から起こる首の痛みに対しては、セルフケアの実践がおすすめです。セルフケアを継続することでより早く痛みが引き、首が回るようになるでしょう。
以下より、ご自身ですぐに始められるセルフケアを紹介します。
冷やすor温める
痛む部位を冷やしたり温めたりすることで、痛みが早く引きやすいです。
急性期(痛みが出てから3日以内)は冷やす、それ以降は温めることを心がけてみてください。
冷やす際は氷を使い、温める際は蒸しタオルや温水シャワーを使ってみてください。特別な準備はとくに必要ありません。
参考記事:寝違えに湿布は効果ある?首の痛みを早く治すための対処法や予防法も解説
首や肩のストレッチを続ける
首や肩のストレッチを行うことで筋肉が伸びて血液の流れが良くなり、痛みの早期改善が期待できます。ぜひストレッチを継続しましょう。
ただし、痛みが強い場合は無理にストレッチしないように注意してください。
ここから、おすすめのストレッチを2つ紹介します。
1つ目は「僧帽筋(そうぼうきん)上部線維ストレッチ」です。
STEP2:もう一方の手で肩を抑えます
STEP3:首を斜め前方に倒しましょう
STEP4:元の姿勢に戻ります
STEP5:繰り返し実施しましょう
※肩の上が伸びるのを感じながら行ってみてください
こちらのストレッチを行うことで、肩の上部に付く僧帽筋が効率よく伸びます。
2つ目は「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)ストレッチ」です。
STEP2:首を斜め後方に反らせましょう
STEP3:数秒間姿勢を保持しましょう
STEP4:姿勢を戻しましょう
※首の前面が伸びるのを感じましょう
このストレッチによって、首の横に付く胸鎖乳突筋を伸ばせます。
どちらのストレッチも椅子に座りながら行えるので、仕事の休み時間や就寝前に実践してみましょう。
ツボ押しセルフマッサージを行う
首周りのセルフマッサージもおすすめです。
セルフマッサージには、筋肉をピンポイントでほぐせるというメリットがあります。首周りを触り、筋肉が硬くなっている部分を中心に優しく揉みほぐしてみましょう。
ただし、押して痛みを感じる部分は揉みほぐすべきではありません。また揉みほぐしの圧が強すぎると、痛みが逆に悪化するおそれもあるので、十分注意してください。
加えて、首の痛みに効くツボを狙ってマッサージすることも有効です。
では、首が回りやすくなるおすすめのツボを紹介します。
1つ目は「大椎(だいつい)」というツボです。
首の骨(頚椎)に存在しています。首を下に曲げた際に浮き出る大きめの骨を指で優しくさすってみましょう。
2つ目は「落枕(らくちん)」というツボです。
このツボは手の甲に存在しており、寝違えをはじめとした首の痛みに効くツボとして有名です。
セルフマッサージのあと、首を回せる範囲がどのくらい増えたか確認することで、効いたかどうかわかりやすいでしょう。
参考記事:【辛い】首こりに効果のあるツボはどこ?肩コリや目の疲れにも効くツボを紹介
普段の姿勢を見直す
普段の姿勢が悪いと、首への負担が増えて痛みを引き起こします。
したがって、普段の姿勢を見直すことが大切です。気づかないうちに猫背や反り腰になっていないかあらためて確認しましょう。
とくに、頭が前に出過ぎていないか注意してみてください。
背中を伸ばし、顎を引くように意識するだけで姿勢が整います。ぜひ普段から実践しましょう。
参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには
まとめ
首を回せないとなると、日常生活のさまざまな場面に影響を与えます。イライラが募るのも無理はありません。
首の痛みは、筋肉や骨の損傷による可能性が高いです。生活習慣を見直しながら、ストレッチやセルフマッサージを続けてみてください。
きっと首の痛みが早期改善して、首がスムーズに回るようになります。
当記事を参考に、さっそくセルフケアを開始しましょう。
【参考文献】
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