長時間の座り過ぎは要注意!腰痛悪化の原因と対策を紹介

あなたは1日にどれくらいの時間座っていますか?気がついたら1日中座りっぱなしだったことも多いかもしれません。

長時間の座りすぎは腰痛につながる可能性があるので要注意です!

また腰痛をそのまま放置してしまうと、痛みが長引いてしまい生活に支障が出てしまう可能性も。

そこで当記事では、長時間の座りすぎによる腰痛悪化の原因や対策を、わかりやすく解説していきます。当記事を参考にすることで腰痛の悪化を防ぎ、普段の生活が少しでも楽になれば幸いです。

ぜひ最後までお付き合いください。

長時間の座り過ぎが腰痛悪化の原因になる理由とは?

腰を抑えている女性の写真

それでは、長時間の座りすぎが腰痛につながる主な原因を2つこれから紹介します。

原因を知ることで腰痛予防へつなげていきましょう。

背骨と背骨の間にあるクッションへの負担

背骨と背骨の間には、クッションの働きをしている椎間板(ついかんばん)というものがあり、背骨を守る働きがあります。実は座って前かがみになっている姿勢では、立っている場合と比べ約1.85倍もこの椎間板への圧が高まるという研究結果が出ています。

そして椎間板内の圧が高まると、椎間板を構成している線維輪(せんいりん)に炎症が起こり、腰痛に繋がる可能性があるのです。

参考記事:前にかがむと腰が痛い!辛い腰痛の原因・おすすめのストレッチやセルフケアを解説

椎間板を説明している図

長時間の前傾姿勢による筋肉への負担

デスクワークなどの座っている姿勢は、パソコンを覗き込むことにより前傾姿勢になります。長時間の前傾姿勢が続くことで、背骨を支える筋肉などが過度に伸ばされたり、緊張したりするなどの負担が掛かります。

また、筋肉に過度に負担がかかると血流が悪くなり、痛みに繋がる可能性もあるので注意が必要です。

参考記事:【筋肉が原因となる腰痛】筋筋膜性腰痛とは?見分け方と対処法を解説!

腰痛悪化の原因となる気をつけたい座り方3つ

普段あなたはどのような姿勢で座っていますか?

正しい座り方を身につけるためにも、腰痛悪化の原因となる座り方をチェックしていきましょう。

足を組む姿勢

足を組むことで股関節の角度に左右差が生じます。

骨盤の関節は股関節の動きと連動しているため、骨盤の傾きにも左右差が生まれてきます。

その結果、骨盤と腰骨の姿勢が悪くなり、背骨まわりの筋肉や椎間板(背骨のクッション)に負担がかかるため、痛みにつながる可能性も出てきます。

足を組みながらパソコン作業をしている人の写真

頬杖をつく前かがみ姿勢

頬杖をつくと自然と前かがみ姿勢になってしまいがち。

前かがみ姿勢になることでも、背骨まわりの筋肉や椎間板への負担が増加します。

また頬杖をついている側に重心が偏った姿勢となり、その状態を長時間保持することで、どちらか一方の腰の筋肉に負担がかかってしまうのです。

頬杖をついてパソコンを見ている男性の写真

椅子・机が体にあっていない環境

リモートワークなどにて、椅子・机が体に合っていない環境でお仕事をされている方も多いでしょう。

その結果、人によっては正しい姿勢が取れていないケースも。

腰痛の予防には、姿勢の意識だけでなく、環境を整えることも重要なポイントです。

デスクワーカー必見!座り過ぎで起こる腰痛を防ぐために意識したいこと

腰痛になってしまう前にできる簡単な予防方法を紹介します。

すでに腰痛になってしまっている方にも意識していただきたいポイントになります。

ぜひ参考にしてみてください。

正しいデスクワーク姿勢

まずは正しいデスクワーク姿勢を紹介します。椅子・机の設定環境も合わせてチェックしてみてください。

  • ポイント1

目線の高さにパソコンのディスプレイを合わせる(10~20°程度)

  • ポイント2

パソコンとの距離を適切な間隔に保つ(45~74cm程度)

  • ポイント3

肘と膝は90度に保ち、足全体が床につくようにする

3つのポイントを意識することで、前かがみ姿勢を防げるため腰痛予防に繋がります。

椅子に座って作業する時の正しい姿勢を解説している図

参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには

30分ごとに体を動かそう

長時間の座り過ぎと運動不足が腰痛につながります。

なんと腰痛予防には、筋力強化や腰の背骨の動きを良くすること以上に、定期的に歩くなど体を動かした方が効果的とも言われています。

デスクワークの方は、30分ごとに1回の頻度でこまめに体を動かしていきましょう。

【座ってできる!】座り過ぎで起こる腰痛を改善させるストレッチ3選

デスクワークの合間に座ってできるストレッチを紹介します。

誰でも簡単にできるので、ぜひチャレンジしてみてください。

下半身の柔軟性を改善させるもも裏ストレッチ

長時間座っていると、もも裏の筋肉であるハムストリングスの柔軟性が低下しやすくなります。

その結果、骨盤が後ろに傾き、腰椎が後弯(前かがみ状態)となることで椎間板に負担がかかり腰痛につながる可能性も。

ハムストリングスをストレッチすることで、骨盤を正しい位置に戻していきましょう。

ハムストリングスストレッチ

STEP1:仰向けで片脚を抱えましょう
STEP2:可能な限り膝を伸ばします
STEP3:もも裏が伸びた状態を10秒間保持しましょう
STEP4:元の姿勢に戻り繰り返し実施します
※太ももがお腹から離れないように実施することがポイントです!

参考記事:【立ったままできる】腰痛の予防・改善に効果的なストレッチ4選!

猫背姿勢に効果的な大胸筋ストレッチ

デスクワーク姿勢では、胸の前面の筋肉である大胸筋(だいきょうきん)の柔軟性が低下しやすいです。

大胸筋の柔軟性が低下すると猫背姿勢になりやすく、前屈みになることで腰にも負担のかかる姿勢になってしまいます。

大胸筋をストレッチすることで、正しい姿勢を取り戻しましょう。

大胸筋ストレッチ

STEP1:両手を背中の後ろで組みましょう
STEP2:両ひじを伸ばし胸を前方へ突き出しましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※胸の前面の筋肉が伸びていることを感じながら行ってみましょう!

背骨の動きを良くするロウイング

長時間座っていると、背骨周りの筋肉への血流が悪くなります。

また、前屈み姿勢が続くことで肩甲骨周りの筋肉が弱くなり、より猫背姿勢を誘発してしまいます。

背骨を動かすことで周りの筋肉への血流を促し、同時に姿勢も改善していきましょう。

STEP1:両手を前方へ伸ばしましょう
STEP2:両ひじを曲げながら肩甲骨を内側へ寄せましょう
STEP3:元の姿勢に戻りましょう
STEP4:繰り返し実施しましょう
※顎を引きながら運動を行いましょう!

参考記事:【誰でも簡単】腰痛を和らげる方法は?痛みの原因と簡単にできるストレッチを紹介

【番外編】座り過ぎ腰痛におすすめの対処法3つ

座り過ぎ腰痛に効果的なストレッチを紹介しましたが、ストレッチ以外にもおすすめの対処法があるので解説していきます。

ストレッチと合わせて行うことでより効果を高めていきましょう。

筋肉のコリは温めることがおすすめ

筋肉のコリを感じる場合は、温めることで痛みを感じる神経を落ち着かせることができます。

また同時に、交感神経(活動状態のときに働く自律神経)を抑制し血液循環がよくなることで、痛みの原因となる物質を軽減させる働きもあるのです。

一時的な痛みの緩和にはマッサージを

マッサージに関しても温めた場合と同様の効果があります。

さらに、負担のかかった筋肉に対してマッサージをすることで炎症物質が減少し、筋肉が回復するとも言われています。

しかし、根本的な改善とは繋がりにくいので、先ほどお伝えしたストレッチと併用しながら行いましょう。

参考記事:腰の痛みにマッサージは効く?簡単なセルフマッサージのやり方・効くツボを紹介

正しい姿勢の保持にはクッションを使用

正しい姿勢で座ることが難しい方は、背もたれと腰の間にクッションをいれる方法がおすすめです!

クッションを入れることで腰の背骨の弯曲をつくりやすくなり、椎間板への負担も減らす手助けになります。

まとめ

今回は、長時間の座り過ぎによる腰痛の原因と対策について解説していきました。

普段の少しの意識が腰痛の悪化予防につながることがわかりましたね。原因を知り対処していくことで、快適な毎日を過ごしていきましょう。

それでは本記事が、あなたの腰痛悪化予防や改善にお役立ていただけますと幸いです。

参考文献
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