「歩くと足の小指側が痛い」
「急に足の外側が痛むようになった」
など、足の痛みでお悩みではありませんか?
「ぶつけた」「ひねった」などの心当たりがない場合、なぜ痛みがあるのか分からず不安に思いますよね。
また、原因がはっきりしないと、どう対処したら良いかも分からないでしょう。
そこで本記事では、足の外側が痛むときに考えられる原因や病気について詳しく解説しています。
また、痛みを緩和するセルフケアも紹介していますので、ぜひ最後までお付き合いください。
足の外側(小指側)が痛いときに考えられる原因
足の外側に痛みがある場合、次のような原因が考えられます。
適切な対処やストレッチの方法も変わってきますので、ご自身に当てはまる症状がないか一度確認してみてください。
疲労骨折によるもの
まず考えられるのは、繰り返しの負荷により骨にヒビが入ってしまう「疲労骨折」です。
足の外側が痛む場合には、以下の部位を疲労骨折している可能性があります。
- 第5中足骨(ちゅうそくこつ):小指の付け根、足の甲あたりにある細長い骨
- 立方骨(りっぽうこつ):足の外側、足首に近い箇所にある骨
- 腓骨(ひこつ):膝下の外側にある細い骨
ケガをした自覚はないのに運動時の痛みが続いたり、骨を押してみてピンポイントで強い痛みがあったりする場合は、疲労骨折が疑われます。
跳躍や長距離走など、足に繰り返し負荷をかけている方は、疲労骨折を起こすリスクが高くなるので注意してください。
参考記事:骨折を早く治す方法とは?骨折が治るしくみや治癒に必要な期間について解説
腓骨筋腱(ひこつきんけん)に異常が起きたもの
腓骨筋腱炎、腓骨筋腱脱臼など、腓骨筋の腱に異常が起きている可能性があります。
腓骨筋とは、腓骨から足の骨にかけて付着している筋肉のことです。腓骨筋の腱が通過する外くるぶし後方で炎症を起こしたケガが「腓骨筋腱炎」、腱が外くるぶしの上に乗り上げてしまうケガが「腓骨筋腱脱臼」です。
腓骨筋腱炎は、運動にともなう足首の使いすぎがおもな原因となります。また、腓骨筋腱脱臼は足首をひねったり、ぶつけたりすることで起こる場合があります。
外くるぶし周辺が腫れていたり、運動時に痛みがあったりする場合は、腓骨筋腱に何か問題がある可能性をお考えください。
骨端線(こったんせん)の病気
骨端線とは、骨の両端に存在する軟骨組織のことで、骨の成長に関与する部位となります。その骨端線に炎症や痛みを生じた病気が「骨端症(こったんしょう)」です。
ダッシュやジャンプ、急な方向の切り替えなど、繰り返しの負荷で骨端線を痛めてしまうケースがあります。
とくに第5中足骨基底部(小指の付け根、外側)に起きた骨端症は「イセリン病」と呼ばれています。
運動時に小指の付け根あたりが痛んだり、押してみてピンポイントで痛みがあったりする場合は、イセリン病の可能性を考えましょう。
なお骨端線は、成長期の子どもにしかありません。よってイセリン病は、激しいスポーツをしている10代の子どもに起こりやすい病気になります。
靭帯の炎症(膝や太もも外側の痛み)
普段運動をされている方で、膝の外側に痛みが生じている場合は、腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)を疑いましょう。マラソンランナーに発症が多いことから「ランナー膝」とも呼ばれています。
長距離走や自転車競技など、膝の曲げ伸ばしを過度に繰り返すことが原因に考えられます。
運動時に膝外側の痛みが誘発されたり、膝の外側の少し上あたりを押してみて痛みがあったりする場合は、ランナー膝の可能性が高いです。
参考記事:【膝の外側が痛い】痛みの原因とストレッチなどの対処法について詳しく解説!
骨膜に炎症が起きたもの(ふくらはぎ外側の痛み)
脛骨(けいこつ:すねの骨)の表面を覆っている骨膜(こつまく)に炎症が起きたケガを「シンスプリント」といいます。医学的な正式名は「脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)」です。
ランニングやジャンプ、ダッシュなどの運動で筋肉が強く収縮し、骨膜を繰り返し引っ張ることで、炎症につながると考えられています。
「後内側シンスプリント」「前外側シンスプリント」の2つのタイプがあり、前外側タイプのシンスプリントにおいて、ふくらはぎの外側(脛骨に近い箇所)に痛みを生じます。
運動時にふくらはぎの外側が痛んだり、脛骨の外側あたりを押して痛みがあったりする場合は、シンスプリントの可能性を考えましょう。
参考記事:【シンスプリントの治し方】脛(すね)の痛みの原因やストレッチ・テーピングなど予防法も紹介
足の外側が急に痛むのは痛風?
足の急な痛みといえば「痛風」を思い浮かべる方は多いかもしれません。痛風とは、尿酸が関節内で結晶化することで、激しい痛みを生じる病気のことです。
痛風は親指の付け根(足の内側)に症状が出ることが一般的です。また、足の甲、足首あたりに症状がみられるケースもあります。
したがって、足の外側に出る可能性は低いと言えますが、原因が分からない足の激痛と腫れが生じている場合は、一度病院で診てもらいましょう。
足の外側が痛いときにできる対処法・治し方
ここからは、足の小指側の痛みをやわらげる対処法をご紹介します。症状の早期改善を目指すためにも、早めの対応を心がけてください。
まずは病院に行く
心当たりのない足の痛みが続く際は、まずは医療機関を受診しましょう。検査を受け、原因を明確にすることで、適切な処置を行えるようになります。
症状の悪化を招くおそれがあるため、そのまま放置して使い続けることは避けるようにしてください。
痛みが強い場合は安静にする
痛みが強く出ているときは、なるべく足への負担を減らすようにしてください。スポーツをしている方であれば、ジャンプやダッシュ、長距離走など足に負担のかかる運動は控えるようにしましょう。
熱や腫れがある場合はアイシングする
足の外側に熱や腫れが出ている際は、氷水を当てて冷却しましょう。アイシングをすることで、炎症や痛みを抑える効果を期待できます。
10〜15分ほどアイシングして、痛みや熱が戻るようであれば再度アイシングを繰り返してください。
ストレッチを行い筋肉をやわらかくする
腓骨筋腱炎やランナー膝、シンスプリントなど、使いすぎによって起こる痛みにはストレッチが有効です。
ストレッチを行い、筋肉をやわらかい状態にすることで、腱や骨膜にかかる負担を軽減できます。
症状ごとに適したストレッチ方法がありますので、このあと動画付きで詳しくご紹介していきます。
【誰でも簡単】足外側の痛みに効果的なストレッチ3選
それでは、痛みの原因ごとに有効なストレッチを紹介します。どれも簡単にできますので、ぜひ実践してみてください。
腓骨筋腱炎には腓骨筋ストレッチが効果的
外くるぶし後方あたりが痛む、腓骨筋腱炎の改善が期待できるストレッチです。腓骨筋の柔軟性を高めることで、腱にかかるストレスを緩和できます。
STEP2:片手で足の先をつかみましょう
STEP3:もう一方の手で踵を抑えましょう
STEP4:足の先を天井方向へ引っ張りましょう
足首の外側が伸びた状態を保持してください。痛みがある側を伸ばしたら、体のバランスを良くするために反対側も同様に行いましょう。
腸脛靭帯炎には大腿筋膜張筋ストレッチがおすすめ!
膝の外側が痛む、腸脛靭帯炎(ランナー膝)の方におすすめのストレッチです。こちらのストレッチを行うと、ランナー膝の原因となる大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)の緊張をやわらげられます。
STEP2:片足を斜め前方へ出しましょう
STEP3:お尻を側方へ移動させましょう
STEP4:股関節の外側が伸びた状態を保持しましょう
シンスプリントには腓腹筋ストレッチが効果的
すねの骨が痛む、シンスプリントの方におすすめのストレッチです。腓腹筋(ひふくきん:ふくらはぎの筋肉)をやわらかくすることで、脛骨の骨膜が引っ張られるストレスが軽減されます。
STEP2:足を大きく前方に開きましょう
STEP3:前方の足に体重を乗せましょう
STEP4:ふくらはぎが伸びた状態を保持しましょう
※踵が床から離れないように注意しましょう
痛みがある側を伸ばしたら、体のバランスを良くするために反対側も同様に行ってください。
【普段からできる】足の痛みを予防する方法
日常的に激しい運動をしている方であれば、足外側の痛みが再発する可能性が高いです。痛みが引いたあとも、引き続き次のような予防を継続して行いましょう。
ウォーミングアップをしっかり行う
スポーツを開始する前には、入念に準備運動を行いましょう。軽いジョギングや体操、ストレッチなどを行い、体を温めてください。
筋肉をやわらかい状態にすることで、靭帯や腱、骨などにかかる負担を軽減できます。
適度に休息を入れる
疲労を溜めると筋肉が硬くなり、ケガをしやすくなります。とくに足に痛みが出やすい方、慢性的な体の疲れを感じている方などは、オーバーユースになっている可能性があります。
ケガを防止するためにも、運動量を調整したり、定期的に休息を設けたりすることが大切です。
靴にインソールを入れる
靴底にインソールを入れることで、クッション性が増します。足にかかる衝撃がやわらぐため、痛みの予防につながるでしょう。
とくに足裏が平たくなっている扁平足の方は、クッション機能が低下しています。扁平足の方で足に痛みを感じたり、疲れが溜まりやすかったりする場合は、一度インソールを試してみてください。
参考記事:扁平足にはどんなデメリットがある?扁平足の原因や自分でできる改善法も解説
テーピングを貼る
テーピングを貼ることで、筋肉や関節の動きすぎを防止できます。また、キネシオテープと呼ばれる伸縮性のあるテープを利用すると、筋肉の緊張をやわらげたり、血液の流れを促したりすることも可能です。
症状により、適したテープの種類や貼り方が異なります。詳しい貼り方については、医療機関や接骨院・整骨院などに一度相談してみると良いでしょう。
まとめ
足の外側が痛む場合、骨折や使いすぎによる炎症など、さまざまな原因が考えられます。
自己判断では症状を見間違える可能性があります。よって、まずは医療機関で医師の診察を受けることがおすすめです。
医師と相談のうえで適切な対処を行い、症状の早期改善を目指していきましょう。
また、足の外側に痛みが出やすい方は、本文で紹介しているストレッチや予防策もぜひ実践してみてください。
それでは、本記事があなたのお悩みの解決に役立てば幸いです。
【参考文献】
1)公益社団法人 日本整形外科学会 痛風