「硬いものにぶつかった」「スポーツ中に相手と衝突した」など、予期せぬタイミングで内出血(あざ)ができる場合があります。
外から目立つ部位にあざが残れば、おしゃれの妨げになってしまうはず。とくに人と接する仕事をしている方にとってはマイナスでしょう。
また目の周りなど、あざができる場所によってはあらぬ誤解を招きかねません。したがって、内出血はできるだけ早く消したいですよね。
そこで当記事では、内出血(あざ)ができる原因と早く治す方法を解説します。
最後まで目を通すことで、内出血とはどういった状態なのか把握でき、やるべきこと・やってはいけないことが理解できます。ぜひ参考にしてください。
【最初に確認】内出血ができる仕組み
内出血とは、皮膚内部の血管が破れて出血した状態です。そして内出血によって皮膚の色が変わった様子を「あざ(痣)」と呼びます。
内出血が起こる原因はさまざま。
打撲や打ち身など、スポーツや日常生活で外からの強い衝撃によって生まれるケースをはじめ、エステやマッサージでの揉みほぐしで内出血するケースもあれば、美容整形で顔へ注射をした際に血管が傷つき内出血するケースもあります。
また、内出血やあざは時間が経てば消えますが、病気が原因で起きた内出血は長期間消えない場合があるので注意が必要です。
参考記事:打撲ができたら病院に行くべき?骨折かもしれない危険な症状と対処法を紹介
皮膚の色はどう変化する?
内出血への対処法を実践するにあたって、皮膚の色がどう変化するかを把握する必要があります。
内出血ができた直後は、あざの色は赤紫です。また、皮膚の深い部分に内出血が起きた場合は黒色になっているケースもあります。
その後、内出血がおさまるにつれて皮膚の色が青色→緑色→茶色→黄色と変化していきます。なぜ皮膚の色が変化するのかというと、血液中のヘモグロビンという物質が分解・吸収される過程で色が変わるからです。
内出血(あざ)ができやすい人の特徴
中には内出血(あざ)ができやすい人がいるので、把握しておきましょう。
内出血しやすい人の特徴は、以下の通りです。
- 血流が悪く肩こりや冷え性に悩まされている
- 血栓症・心臓や肺の病気の薬(抗血栓薬や抗凝固薬)を服用している
- 高齢者
また男女で比較すると、男性よりも皮膚が薄い女性の方が内出血しやすい傾向にあります。
内出血(あざ)はどのくらいで消える?
「内出血(あざ)はどのくらいで消えるの」と気になる方も多いでしょう。
多くのケースでは、1週間ほどで内出血が消えます。ただし内出血の程度や体質、生活習慣によるので一概にはいえません。
したがって、1か月以上あざが消えない場合もあるので、あらかじめ把握しておいてください。
内出血を早く治したい!おすすめのセルフケア方法
ではここから、少しでも早く内出血を治したいという方におすすめのセルフケア方法を紹介します。
内出血した直後は部位を冷やす
内出血した直後、あざが赤紫で痛みがあるうちは冷やしましょう。ぶつけた部位を冷やすことで、皮膚内の出血が止まりやすくなります。
内出血の部位は問わず、氷を当てて入念に冷やすことを心がけてください。
この段階では、温めることは極力避けるべきです。できるだけ入浴を控え、シャワーで済ませましょう。
時間が経過後は内出血部位を温める
内出血ができてから時間が経過し、あざの色が黄色になった段階で今度は温めます。内出血部位を温めることで血液の流れが良くなり、改善が早まるでしょう。
蒸しタオルや温かいシャワーを当てる方法がおすすめです。また、あざの周囲への優しいマッサージも有効なので、ぜひ試してみてください。
塗り薬を使う
あざができた部位に、塗り薬を使用することもおすすめです。近所のドラッグストアで購入できる塗り薬も多いので、足を運んでみましょう。
その際、店員(薬剤師)に相談のうえ購入を検討してみてください。また、顔にできた内出血に対しては使用できない塗り薬もあるので、注意が必要です。
鉄分やタンパク質を含んだ食べ物を摂る
内出血を早く改善するために、食事にも注意してみてください。とくに「鉄分」と「タンパク質」を多く含む食品を摂取しましょう。
鉄分を多く含む食品にはレバー、納豆、コンビーフなどがあります。タンパク質を多く含む食品は鶏ささみ、卵、チーズなどです。
もし忙しくて献立を考える時間がない場合は、サプリメントを活用してみてください。
内出血が消えない!やってはいけないこと
内出血を早く消すために、やってはいけないことも把握しておきましょう。
まず飲酒は、血管を拡げ止血を妨げてしまうためおすすめしません。そして不規則な生活(暴飲暴食・寝不足)も止血の妨げになるので避けるべきです。
また、あざの色が赤紫のうちは、激しい運動も控えてみてください。出血が止まりにくいですし、同じ箇所を再びぶつけるリスクもあります。
【注意】病気が原因で内出血が起こる場合もある
これまで見てきたように、内出血の原因はおもに皮膚への衝撃です。
ただし、以下の病気が原因で内出血が起こるケースも存在します。
- 紫斑病(止血に働く血小板が少なくなってしまう病気)
- 血友病(出血を止める血液凝固因子が遺伝的に少ない病気)
したがって、気がつかないうちに内出血を起こす場合もあるので注意が必要です。
心当たりがない内出血は病院で診てもらうのが正解
もし、「心当たりがないのにあざができている」「いつまで経ってもあざが消えない」といった場合は、早めに病院を受診して検査を受けましょう。
そのうえで、医師のアドバイスを守ることが大切です。くれぐれも放置しないように注意してください。
まとめ
不注意といったらそれまでですが、物や人にぶつかり内出血してしまったことは仕方ない面もあります。
ただし、「見た目が悪い」と思っても、内出血やあざをすぐに消すことはできません。ですが、より早く元の皮膚に戻すことは可能です。
当記事を参考にしながら、内出血の改善に取り組みましょう。あなたのあざが早く治ることを願っています。
【参考文献】
1)日本血栓止血学会:紫斑の種類と病因
2)末廣栄一,河島雅到,松野彰:抗血栓薬の適正使用と中和療法
3)小嶋哲人:血液凝固制御と血栓症
4)日本内科学会雑誌第106巻第9号:後天性血友病の診断と治療