【かかとが痛い】シーバー病を早く治す方法とは?簡単なストレッチ・筋トレを解説

スポーツに打ち込む小学生・中学生が踵(かかと)の痛みを訴えたら、その原因は「シーバー病」かもしれません。

とくに小学生・中学生の時期に行う練習は貴重で、人によっては進路などが関係するケースもあります。

したがって、「いつ治るの?」「練習に復帰できるの?」と不安に思うのも無理はないでしょう。

そこで当記事では、シーバー病を早く治す方法を詳しく解説します。

最後まで目を通すことで、シーバー病の早期改善に役立つセルフケアがわかります。現在シーバー病に悩んでいる方、もしくはお子さんがシーバー病を発症している方は、ぜひ参考にしてみてください。

【確認】シーバー病(踵骨骨端症)とは?

シーバー病は「セーバー病」や「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」とも呼ばれており、運動時に現れる踵の痛み・腫れが特徴的な病気です。

シーバー病を解説した図

シーバー病が悪化すると、踵を床につけるのをかばうあまり、「つま先歩行」がみられる場合もあります。

シーバー病は、身長の伸びが盛んな成長期(8歳〜15歳)のスポーツ少年や少女に現れやすいです。ただ男女比でみると、女の子よりも男の子のほうが発症しやすい傾向にあります。

一概には言えませんが、サッカーやバスケット、バレーボールや陸上競技といった競技は踵への負担が大きく、シーバー病になりやすいです。

そして、シーバー病の原因は「踵周辺への負担」「ふくらはぎ周りの筋肉の硬さ」です。

スポーツの衝撃によって成長期の脆弱な骨に負荷がかかり、さらにアキレス腱が引っ張られるストレスも加わり、踵周りが炎症を起こしたり壊死を起こしたりします。

なお、シーバー病は片方の足のみに発症するケースがほとんどです。

シーバー病が治るまでどのくらいかかる?

シーバー病が改善(痛みが消える)までには、1年以上かかる場合も少なくありません。

ですが、痛みの程度によるものの運動を完全に休む必要はなく、1か月から2か月休めば競技に復帰できるケースもあるとお考えください。

もちろん、競技に復帰するには適切なケアが必要です。ケアをせず放置していては痛みが悪化したり長期化したりするでしょう。

まずは病院で診てもらうことが大切!

病院でシーバー病の処置をしてもらっている様子

シーバー病は成長痛に似ています。ともすると、踵に痛みが出ていても「成長痛だから」とシーバーを見逃してしまう可能性もあります。

また、シーバー病以外にも踵周辺に痛みが出る症状や病気は多く、本人や保護者の方には見分けがつかない場合がほとんどです。

したがって痛みを放置せず、まずは病院で検査を受けるのが最優先だとお考えください。病院でのレントゲン検査やMRI検査によって、痛みの原因が正確にわかります。

そのうえで、お医者さんにアドバイスを仰ぎ、その後の対処法を考えていきましょう。

参考記事:【なぜ?】歩くとアキレス腱が痛い原因とは?関係する足首周辺の症状と対処法を紹介

【スポーツ復帰】シーバー病に効くセルフケア

シーバー病を早く改善し競技練習に復帰するには、適切なセルフケアが欠かせません。

ここから、実践しやすく効果の高いセルフケアを紹介します。痛みが強い時期はもちろん、痛みが引いた後も、予防として継続して取り組む価値があるでしょう。

ぜひ取り入れてみてください。

痛みが強いうちは練習を休む

言うまでもないですが、痛みを我慢して練習を続けるべきではありません。

無理して運動を続ければ、炎症が広がってしまいます。したがって、踵の痛みが強いうちは練習を休むべきです。

その間も体幹部や上半身の筋トレを行ったり、脚部のストレッチを行ったり、できることはあるはず。決して焦らず様子をみてみてください。

練習後のアイシング(冷やす)

先述したように、シーバー病における痛みの主な原因は踵部分の炎症です。

そこで、炎症をおさえるために、練習後に入念なアイシング(冷やすこと)を実施しましょう。アイシングによって痛みが幾分か楽になります。

その際、湿布よりも氷を使うのがおすすめです。氷嚢(氷を入れる袋)などを踵に当ててみてください。

ストレッチ

ストレッチを行うのも効果的です。

ストレッチを行うことで、関節の動きがスムーズになったり筋肉の柔軟性が上がったりするので、シーバー病の改善につながります。

運動ができない間は、とくにストレッチを入念に行ってみてください。では、おすすめのストレッチを2つ紹介します。

1つ目は「腓腹筋ストレッチ」です。

腓腹筋ストレッチ
STEP1:壁に手をつきましょう
STEP2:足を大きく前方に開きます
STEP3:前方の足に体重を乗せましょう
STEP4:ふくらはぎが状態を保持します
STEP5:ゆっくりと戻しましょう
STEP6:繰り返し実施してみてください

※踵が床から離れないように注意しましょう

こちらのストレッチを行うことで、ふくらはぎから踵にかけて付く「腓腹筋(ひふくきん)」や「ヒラメ筋」を伸ばせます。

2つ目は「足趾(そくし)ストレッチ」です。

足趾ストレッチ
STEP1:片膝を立てましょう
STEP2:後方の足のつま先を立て体重を乗せます
STEP3:足裏の筋肉が伸びた状態を保持しましょう
※痛みのない範囲で行ってみてください
上記のストレッチによって足裏の筋肉や腱が効率よく伸びるので、シーバー病の改善に役立ちます。

筋力トレーニング

実戦練習ができない間も、パフォーマンスを落とさないために筋力トレーニングを行うのは大切です。とはいえ、踵の痛みが強い時期に脚部の筋トレを行うのは難しいので、体幹部の筋トレを行ってみてください。

重心が後方にある方は、ふくらはぎの筋肉に負担がかかりやすくなります。

そこで、姿勢のバランスを整えるために「ゆりかご運動」がおすすめです。

ゆりかご運動
STEP1:両膝を抱えましょう
STEP2:そこから身体を前後に揺らします
※太ももとお腹は一定の距離を保ったまま揺らしてみてください
上記の筋トレは「腹直筋」を鍛えるのに効果的で、姿勢のバランスを整えるのにも役立つのでぜひ実践しましょう。

セルフマッサージ

踵周辺のセルフマッサージもおすすめです。

優しく揉みほぐすことで、血流が良くなり痛みが緩和されやすくなります。ただし、ご自身の手でセルフマッサージを行うと、手が疲れてしまう場合が多いです。

そこで、ボールを使ったセルフマッサージをご紹介します。

ボールマッサージ(足底部)
STEP1:テニスボールを準備しましょう
STEP2:ボールを踏み足の裏を圧迫します
STEP3:ボールを前後に動かしマッサージしましょう
STEP4:痛みのない範囲で行ってみてください
※腰を反らさないように注意しましょう
上記のように、座ったまま簡単にセルフマッサージが可能です。空き時間を使って足裏をほぐしてみてください。

インソール・サポーターを着用する

インソール(靴の中敷き)サポーターの着用も検討しましょう。

ご自身に合うインソール・サポーターを使用することで、踵への衝撃の緩和が期待できます。ジュニア用のインソールやサポーターが多数販売されているので、比較してみてください。

ただし、効果の出方には個人差があります。したがって、合う商品を見つけるまでにはある程度時間がかかるかもしれません。

また、踵の痛みが強い場合、インソールやサポーターを使っても効果がないケースもあります。

まとめ

シーバー病の痛みが短期間で無くなるケースはほとんどありません。

とはいえ、適切にケアすればプレーに復帰することは可能です。まずは医療機関で診断をしてもらい、そのうえで、本文にて紹介したストレッチや筋トレ、セルフマッサージなどを継続してみてください。

また、シーバー病をケアしながら競技を続けるためには、保護者の方の理解や協力も欠かせません。

一所懸命に練習する子どもほど、怪我するリスクが高くなってしまうもの。競技に集中するあまり無理をしないように、サポートしていきましょう。

それでは当記事が、あなたのお役に立てば幸いです。

【参考文献】
1)Alicia M James1,3*, Cylie M Williams2,3 and Terry P Haines2,3:“Effectiveness of interventions in reducing pain and maintaining physical activity in children and adolescents with calcaneal apophysitis (Sever’s disease): a systematic review”
2)Johannes I Wiegerinck 1, Caroline Yntema, Henk J Brouwer, Peter A A Struijs:Incidence of calcaneal apophysitis in the general population

3)Denise R Ramponi 1, Caron Baker:Sever’s Disease (Calcaneal Apophysitis)
4)Patrick Belikan* , Lars‑Christopher Färber, Frédéric Abel, Tobias E. Nowak, Philipp Drees and Stefan G. Mattyasovszky:Incidence of calcaneal apophysitis (Sever’s disease) and return-to-play in adolescent athletes of a German youth soccer academy: a retrospective study of 10 years
5)S Perhamre 1, S Janson, R Norlin, M Klässbo:Sever’s injury: treatment with insoles provides effective pain relief
6)Christopher L Hendrix:Calcaneal apophysitis (Sever disease)
7)M. H. Kvist, O. J. Heinonem:Calcaneal apophysitis (Sever’s disease) — a common cause of heel pain in young athletes