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整骨院・接骨院経営を成功させる秘訣について!開業の費用や手順をご紹介

  • 3月 15, 2020
  • 6月 13, 2023
  • 経営

近年、柔道整復師数の増加に伴い、接骨院・整骨院の施設数は年々増えています。しかし、ここ数年倒産件数も増加しており、2018年の接骨院等の倒産件数は98件にものぼり、過去10年で最多の件数に。

このような状況下の中で現在、接骨院・整骨院を経営されている先生方にも『施設の経営は難しい。どうすれば売り上げを伸ばしていけるのだろう。』といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そのような方のために今回は、整骨院・接骨院経営の現状や注意点、経営を成功させるための秘訣について紹介します。

整骨院・接骨院経営の現状

整骨院・接骨院経営の現状

近所でもよく見かけるようになった整骨院・接骨院ですが、厚生労働省が平成30年に示した衛生行政報告例によると、平成30年時点での柔道整復の施術所数、つまり整骨院・接骨院数は50,077軒と発表されています。コンビニエンスストアの数が約56,000店舗であることから、整骨院・接骨院の数がどれだけ多いかわかるでしょう。

超高齢化社会を迎えようとしている我が国にとって、体のメンテナンスやケアへの需要が高く、今後も国家資格を活かして整骨院・接骨院を開業しようと考える方は増えていくはずです。

そして現在、整骨院・接骨院は骨折や捻挫などの施術を行うと保険請求が可能です。

しかし、厚生労働省が違法な保険請求や、ホームページでの誇大広告や虚偽に関する取り締まりを強化したことから、保険請求だけでは十分な集客ができず、経営が回らなくなっている整骨院・接骨院もあります。

そこで、保険請求だけでは十分な収益を見込めないことから、マッサージなど保険適用外の自費施術を取り入れる整骨院・接骨院が増えているのが現状です。

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整骨院・接骨院の開業にかかる初期費用

整骨院・接骨院の開業にかかる初期費用

整骨院を開業し、経営を続けていくためには資金計画をきちんと立てる必要があります。そこで開業を目指すにあたり、まずは開業資金の相場や資金の収集方法、開業までの手順を理解しておきましょう。

開業資金の相場

整骨院開業のための費用の目安は1,000万円前後です。かかる費用の内訳としては、大きく分けて以下5つのものがあります。

  1. 物件取得費(賃料・管理費・駐車場代・保険など)
  2. 医療機器・治療機器費用・備品など
  3. 内装・外装費
  4. 広告・宣伝費
  5. 今後の整骨院の運転資金 

開業資金はあくまでも目安のため、立地や規模、内装のグレード、医療機器などの購入やリース、駐車場の設置、広告・宣伝費にどの程度の予算を掛けるかなどによっても変わってきます。

それぞれお金を掛けるところは異なるため、当面の運転資金を残すことを考慮した上で、開業資金を集めましょう。

開業資金を集める方法

整骨院の開業を考えたとき、直面するのが資金をどう調達するのかという点です。先ほどお伝えしたように、開業資金の目安は1,000万円程度です。ご自分でコツコツと貯蓄するという手もありますが、早く開業を目指したい方にとっては現実的ではありません。

そこで、以下のような方法での資金調達を検討してみましょう。

  • 日本政策金融公庫
  • カードローン
  • 投資家からの出資

このうち、日本政策金融公庫は事業計画や将来性などを加味して融資を行っているため、開業時でも融資を受けやすくなっています。さらにカードローンなどと比べると、金利が1~2%と低いのが特徴です。

そして日本政策金融公庫からの融資を受けることができれば、ほかの金融機関の資金調達も行いやすくなります。まずは日本政策金融公庫を検討し、足りない資金をカードローンなどで補う方法が一般的でしょう。

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整骨院・接骨院を開業する手順

整骨院・接骨院を開業する手順

必要な準備をして、届を出すことではじめて整骨院・接骨院の経営がスタートします。開業までにはやるべきことがたくさんあるため、事業計画を立てて手順に沿って進めていきましょう。

資格の確認

整骨院開業には、「柔道整復師」の国家資格が必要です。この資格がなければ保健所の許可は下りず、開業することができません。

事業計画・資金計画を立てる

事業計画とは、「事業の目標を実現するための具体的な行動を示すもの」で、数年単位で目標や戦略などを描いたものです。そして資金計画とは、調達・支払・返済の3つの観点から、スムーズに経営できるようにあらかじめ計画を立てることを言います。

整骨院・接骨院の経営においては、「療養費」の扱いについても事業計画を立てる際に検討すべきポイントです。

物件の決定、改装工事、備品準備、広告宣伝

事業計画を立て、融資の目処がついたらオープンに向け、物件の決定と改装工事、備品の準備、ホームページやDMの作成など広告宣伝を行いましょう。物件決定から改装工事後の引き渡しまでは時間を要するため、開業予定日から逆算し予定をたてることが大切です。

備品を取り揃えるには購入やリースなど方法はさまざまですが、開業日に間に合うよう準備しておく必要があります。また開業前後は集客に向けた宣伝は欠かせません。ホームページやDMを作り、来院してもらうための対策を講じましょう。

開業の届け出

整骨院・接骨院を開業するためには複数箇所への届け出が必要です。

  • 施術所開設届:保健所に整骨院開設後、10日以内に提出
  • 受領委任取り扱いに関わる申し出:管轄の地方厚生局
  • 共済番号の取得:共済組合連盟、地方公務員共済組合協議会など
  • 税務署:個人事業主の場合は開業届を提出 など

特に保健所への届け出は10日以内と期間が短いため、書類の不備があれば請求のできない施術をしてしまうことも。そのため忘れないように開業すぐ届を出しましょう。

開業したら儲かる仕組み作りを考え経営を安定

整骨院・接骨院は需要のある業界とはいえ、コンビニの数ほど存在するため競争も厳しい業界といえます。

そこで地域に根ざして整骨院・接骨院を継続するために、患者さんのことを考えながら以下、4つのポイントを意識して経営を進めましょう。

経営指標を意識し黒字経営を行う

どんな経営でも、儲かるには黒字にしなければいけません。黒字にするために一番重要なのは経営指標を意識することです。

経営指標とは、言葉の通り事業の経営状況を表す指標をいいます。事業の状況を数値化することで、客観的に確認することができ対策が可能です。

経営指標には色々な指標があり、その中でも収益性を表すものが売上高営業利益率・売上高経常利益率・総資本回転率・総資本経常利益率(ROA)です。それぞれの意味や計算方法は割愛しますが、自分が知りたい数値を求めて活用することで、どのぐらい収益を上げられているか確認できるため、黒字経営のヒントとなります。

新規顧客を集める

新規顧客の獲得は整骨院を経営する上で非常に大事です。

現在はホームページの作成や地域へのDM配布だけでなく、

・患者さんによる口コミサイトへ投稿
・患者さんが家族や友人などに評判を広める

なども新規の顧客獲得における大事な要素となっています。

また、自費メニューを作成したり、周りの施設と差別化したりすることも大切なポイントです!他施設よりも優位性を保つことで、最先端の整骨院であることをアピールでき、集客へとつながるでしょう。

リピーターの確保

当然ですが、定期的に来院するリピーターも大事にしましょう。リピーター確保のためには患者さんとのコミュニケーションを密にとり、何かあれば頼ってもらえるような存在になりましょう。

またホームページやSNSを積極的に運用し、スタッフの人柄を知ってもらいファンを獲得することで、そのスタッフを頼りに来院する患者さんもいらっしゃるでしょう。スタッフと一緒にリピーター確保のために対策を講じてみるのも手です。

自費比率を高め、良質な自費メニューを導入

先ほど説明したように、保険申請は将来ますます厳しくなっていくでしょう。そのために、自費比率を高め黒字経営を続けられる仕組みづくりが大切です。他の整骨院ではどのような自費施術を行っているかをリサーチしたり、勉強会に参加するなどし、法律面を加味した上で自費比率を高めていきましょう。

そして現在では、良質な自費メニューの観点でリハサクというツールを使った”運動指導×患者コミュニケーション”が注目されています。世間のトレンドにも目を向けながら良質な施設運営を心がけていきましょう。

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スタッフの教育

収益を上げていくためには、自分自身の力だけでは中々できません。1人で施術できる人数には限界がありますので、スタッフの力が必要不可欠です。

スタッフを確実に早く成長させる一番の方法は、マニュアルに基づいた教育です。学校でも教育する教科書がなければ、適切かつ効率的に教えることができませんので、ある程度マニュアルを作っておきましょう。

教えていく中で改良していく場合もありますので、完璧でなくても構いません。受付業務から施術業務まで、全ての業務のマニュアルがあれば、スタッフの成長はとても早くなります。

1人整骨院・接骨院だと年間でいくら売上をあげれるのか

では、1人で整骨院・接骨院を運営していく場合、年間どのぐらいの売上をあげられるのかリアルな金額を交えて紹介していきます。

何人の患者さんが来れば経営は成り立ち人並み以上の収入を得られるか

近年、整骨院・接骨院の患者様1人あたりの保険請求単価は下がってきています。現在は約1500円程度ですので、1ヶ月に平均15人の来院があれば、とりあえず経営は成り立つと思います。

しかし、人並み以上の収入を得るためには、自費施術の売上をあげるか来院人数を平均20人以上に伸ばすかになります。

前述の通り、1人であげられる売上には限界があります。国家資格持ちの施術スタッフを雇うと人件費が大きく掛かるため、受付スタッフを午前・午後バイトで2人雇って頑張れば年収1000万円も夢じゃありません。

個人事業は会社員と異なり、頑張れば頑張るだけ売上に繋がり収入を増やすことができます。高い収入を目指す方は、体を壊さない程度に頑張ってみましょう。

整骨院・接骨院経営の注意点

整骨院・接骨院経営の注意点

整骨院を開業したばかりのころは不安なことも多く、軌道に乗るまで心配事も多いでしょう。経営するにはまずは以下の3つのことに気を配り、対策を講じましょう。

患者からのクレーム

柔道整復師は患者さんの体に直接触れる機会が多いです。患者さんの中には直接触れられることに抵抗を示す方もいます。また施術前の説明が不十分な場合や不誠実な対応は整骨院の信用にも関わります。

患者さんと接するさまざまな場面で、クレームや訴訟へつながる可能性があることを理解しておきましょう。その上で、体に触れる際にはまず声をかける、丁寧な説明を心がけるなど院内でルールを決めて、スタッフ全員が把握しておくことが大切です。

法令遵守

整骨院では、一般的な法律のほかに専門的な法律も理解し遵守する必要があります。たとえば、柔道整復師法や医療法、景品表示法、薬機法(旧薬事法)、医療ガイドラインなどです。

最近では集客のためのホームページの規制も厳しくなっています。口コミの掲載や誤認させるような表現は取り締まり対象となるケースもありますので注意しましょう。

法令遵守については、経営者として勉強会に参加したり専門家の力を借りたりするなどし、十分に配慮することが大切です。

【接骨院・整骨院】経営に関するまとめ

柔道整復師の資格を持ち、ある程度スキルを磨いたら整骨院・接骨院を開業したいと考える方も多いでしょう。しかし、整骨院・接骨院は全国で現在50,000軒を超えており、黒字経営のためには事業計画の定期的な見直しと改善も大切です。

そして黒字経営には新規顧客の獲得やリピーター対策が必要となり、今後は自費メニューの導入が鍵となります。

以上となりますが、当記事があなたの開業に少しでもお役に立てれば幸いです。

(参考記事)


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