今回は一人院長の整骨院・接骨院で売上を上げるための方法について解説していきます。
一人整骨院・接骨院の現状
近年、接骨院・整骨院のニーズは安定して高い水準にあると言えます。
若年層を中心に、人々の暮らしにはスマートフォンやパソコンが欠かせないものとなりました。そこで光る画面を不自然な姿勢で見続けることによる目や肩への負担は、もはや日常的なものとなっています。
また、高齢層にもリハビリなどで定期的に施術を受けたい人が一定数存在します。高齢者の人口はまだしばらく増え続ける傾向にあり、こちらも根強い需要の一因です。
しかしながら、全国のコンビニエンスストアの店舗数よりも多いと言われる接骨院・整骨院。
需要はあるものの、同業他院から一歩先んじるには工夫が必要です。
【整骨院・接骨院】一人で開業した場合の売上と年収
一人接骨院・整骨院の売上について
売上は、単純計算で算出すると患者数×客単価となります。
例えば客単価5000円として一日8人に施術し、同じペースで月に25日間営業した場合、月の売上は100万円です。正確にはここから事務費や運営費(税金など)が差し引かれるため、上記で出た数字より手元に残るお金は少なくなります。
自分以外に人件費がかからない点は、一人院長の大きなメリットでしょう。しかし、日によっては冠婚葬祭など、避けられない用事によって院をお休みしたり、一人も患者さんが来なかったりすることもあり得ます。
毎日の売上は上がり下がりがあるものです。目の前の数字に一喜一憂するよりかは、長期的な目で考えていくことが大事です。
一人接骨院・整骨院の年収はどれぐらい?
年収は千差万別です。院に雇われていた頃より稼げていないという人もいれば、年収1,000万円以上を実現している人もいます。柔道整復師全体の平均年収がおよそ400万円ですが、一人院長の場合は平均よりやや低い300万円から、多くとも800万円の間が大半とされています。
整骨院・接骨院の開業を決めたものの、どのくらい資金が必要になるのか気になる人も多いはず。開業に向けてコツコツ貯金をするという方法もありますが、それには長い時間を要するため、あまり現実的ではありません。
そこで本記事では、開業に必要なさ[…]
一人整骨院・接骨院で安定的な経営を行うためには
独立した以上は継続的かつ安定的に利益を出していく必要があります。そこで以下、主な経営施策を紹介します。
集客力を上げる
まずは日々の施術スキルを高め、既存の患者さんから口コミや紹介がもらえるようにしましょう。
その他に、近隣のエリアにチラシを配布することも効果的です。
また、より本腰を入れて患者さんを集めたい場合は、Webマーケティングも視野に入ります。たとえばGoogleで院のサイトが上位に表示されれば、気になって来店する人もいるかもしれません。
リピート率を上げる
一回だけの来院では継続した売上や基盤の獲得には繋がりません。リピーターとなり、繰り返し通ってもらうことで初めて安定した経営が成り立ちます。
リピート率を上げるためには施術スキルの向上とあわせ、場合によっては2回目から使えるクーポン券など、「また来たい」と思ってもらえる施策が有効です。
新しい患者さんを集め続けることも重要ですが、二度目以降の来院者を増やす方が一般に広告の費用対効果が高いと言われています。
一人院長はかけられるコストに上限があるため、リピート率を上げることで効率のよい集客を目指しましょう。
客単価を上げる
先の2つは量を増やすための考え方ですが、やはり一人ではこなせる量にも限りがあります。そこで、施術スキルを高めるのとあわせ、患者さんの財布に配慮しながら客単価を上げる方向にも舵を切りましょう。
ひとつのアイデアとしては、自費診療など自由度と収益率が高いメニューに取り組んでみるのがよいです。もちろん、患者さんそれぞれの悩みに寄り添ったプランであれば、顧客の満足度やリピートにも繋がります。
客単価を上げる具体的な方法については後ほどさらに詳しく述べていきます。
【整骨院・接骨院】一人経営者の注意点
一人院長として働くにあたり、気を付けなければいけない点について解説していきます。
施術に集中できる環境を作る
まず第一に、できるだけ施術に集中できる環境を整えることです。
院長として一人で院を回していくのはもちろん大変な仕事です。しかし、大変なのは単純に仕事量が多いからというだけではありません。
そもそも、一人院長は経理から患者さんのサポートまで全てを一人で行わないといけません。やることも多いし業務内容も幅広い。これでは、いずれ疲弊して働けなくなってしまうかもしれません。
複雑な経理業務を税理士にお願いするなど、施術には直接関わらないが重要な業務を外部に委託することも有効です。
相談できる相手を作る
経営者にとって、何か問題が起こった時などにすぐ解決できる体勢は必須といえます。そこで、セミナーなどに参加し、近い悩みを抱えた同業者と接点を持つとよいです。
近隣の地域にはいなくても、全国には一人で院を経営するにあたって同じような課題を抱えた経営者は多いはず。セミナーなど相談・学習の場で、パネリストや参加者に意見を聞いたり相談したりすることで、問題解決が図れるでしょう。
さらには、「悩んでいるのは一人ではない」という安心感が生まれ、安定した気持ちで施術に臨めるはずです。
一人接骨院・整骨院の売上についてのまとめ
一人で院を経営していくことは並大抵の苦労ではありません。院の経営だけでなく柔道整復師としての実力が厳しく問われる世界です。
しかしながら、一国一城の主として院を担い、患者さんに喜んでいただくことは、何物にも変えがたい経験でしょう。
以上となりますが、当記事が貴院の経営に少しでもお役に立てば幸いです。