【矯正可能】いかり肩の原因と治す方法とは?鎖骨の角度が整うストレッチ・筋トレを紹介

いかり肩」をご存知ですか?

「姿勢」や「見た目」に関連する悩みの一つで、いかり肩を改善したいと思う方は少なくありません。また、いかり肩が痛みや不調の原因になることも事実です。

したがって、いかり肩の改善には多くのメリットがあるでしょう。

そこで当記事では、いかり肩の原因や矯正方法を解説します。

最後まで目を通すことで、いかり肩の悩みを減らすことが可能です。ぜひお役立てください。

いかり肩とは?

いかり肩で悩む女性

いかり肩とは、肩の前側に付く鎖骨(さこつ)の角度が水平より上向いた状態です。鎖骨が上向くことで、肩が常に上がっている姿勢になります。

男女比には明確な差がないものの、鎖骨の長さの影響で男性の方がいかり肩になりやすいです。

なお、いかり肩は「怒り肩」と表記される場合もあります。語源は定かではありませんが、人が怒った時に肩が上がって角張る姿をイメージすると腑に落ちるのではないでしょうか。

いかり肩となで肩の違い

いかり肩となで肩を比較した図

いかり肩と比較される機会が多いのが「なで肩」です。

なで肩とは、鎖骨が下向き肩がなだらかに下がった状態を指します。つまり、いかり肩となで肩は正反対の状態です。

また、いかり肩が男性に多いのに対し、なで肩は女性に多いといわれています。「背負ったリュックが落ちやすい」「肩こりになりやすい」など、なで肩に悩まされている女性は少なくありません。

参考記事:なで肩がひどい時の3つの対処法 〜肩こりもこれで改善!〜

いかり肩と併発しやすい「巻き肩」

いかり肩と併発しやすいのが「巻き肩」です。

巻き肩とは、肩が丸まって前方に出ている状態を指します。

鎖骨が上を向き、かつ「仰向けに寝た時に肩が浮く」「立った状態で自然に手を垂らした際に肘が外側に向いている」場合は、いかり肩と巻き肩が併発している可能性があるとお考えください。

参考記事:巻き肩を治す方法はある?効果的な寝方やグッズの使い方・おすすめストレッチを解説

生まれつき?いかり肩になる原因とは?

「なぜ、いかり肩になるの?」と思う方も多いでしょう。いかり肩になる原因には、普段の姿勢が関係しています。

とくに、パソコン作業時に無意識に肩が上がっている方は、いかり肩になりやすいです。心当たりはありませんか。

もちろん遺伝などの関係で、生まれつき鎖骨が上向き、いかり肩になりやすい骨格の方もいることは事実です。

とはいえ、多くは姿勢や生活習慣が原因なので、「いかり肩が治らない」ケースはほとんどないとお考えください。

【あるある】いかり肩で困ること

「いかり肩で困ることや悩み」がいくつか存在します。

まず、「服・ファッション」に関する悩みです。

肩が常に上がっていることで、和服やウェディングドレスが似合わないと感じる方がいます。写真として残る機会であれば、気になるのも無理はないでしょう。

また、肩パッドが入った服を着た時に、「ゴツく見えてしまう」のも悩みの一つです。

もちろん価値観はそれぞれで、「肩が上がっている、がっしりした見た目がかっこいい」と感じる人もいます。したがって見た目に関しては「いかり肩=良くない」と一概には言えません。

いかり肩は肩こりになりやすい

いかり肩が原因の肩こりに悩む女性

見た目とは別に、いかり肩が原因で肩こりになりやすいというデメリットが存在します。肩が常に上がることで、肩から背中にかけての筋肉が緊張し凝り固まりやすくなるからです。

また肩こりの他に、手のしびれが出る「斜角筋症候群(しゃかくきんしょうこうぐん)」や「頭痛」といった症状につながるケースもあります。

いかり肩を矯正する!おすすめセルフケア方法

いかり肩は、日常生活での意識や習慣によって矯正できる可能性が高いです。

ではここから、いかり肩改善におすすめのセルフケアを紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

普段の姿勢に注意する

まず、普段の姿勢を意識しましょう。

無意識に肩が上がりすぎていないか」「つい肩に力が入りすぎていないか」注意を向けてみてください。

先述したように、パソコン作業に集中している時は肩が上がりがちです。姿勢を意識しながらしばらく過ごすと、次第に身体が慣れていき、肩が上がらなくなるでしょう。

参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには

ストレッチを行う

肩周りを中心としたストレッチも効果的です。筋肉を伸ばすことで血流が良くなり、筋肉が柔らかくなるので、いかり肩が改善されやすくなります。

では、おすすめストレッチを紹介します。

1つ目は「僧帽筋ストレッチ」です。

座った姿勢から片手を肩に置き、首を斜め下に倒します。

こちらのストレッチによって、いかり肩に関係する「僧帽筋(そうぼうきん)」や「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」を効率よく伸ばせます。

2つ目は「斜角筋ストレッチ」です。

座った姿勢から片手を後ろに回し、もう一方の手で鎖骨をおさえたところから、首を斜め後方に反らします。

上記のストレッチで、首の運動に関係する「斜角筋(しゃかくきん)」が伸びるので、いかり肩改善に効果的です。

どちらのストレッチも自宅にいながら簡単に実践できるので、ぜひ継続していきましょう。

肩周りの筋トレを行う

ストレッチと併せて、筋力トレーニングにも取り組んでみてください。

運動不足は筋肉の血流悪化の大きな原因です。したがって、定期的な運動によって血流が良くなるので、いかり肩改善につながるでしょう。

おすすめの筋トレは、僧帽筋下部エクササイズ」です。

うつ伏せから片手を伸ばし、上に挙げたまま数秒間キープして、ゆっくり降ろします。

このエクササイズによって、「僧帽筋下部」を刺激できます。また、正しいフォームで行えば、肩甲骨(肩の後ろの骨)を位置を適切な場所に整えることが可能です。

状況に応じて整体院やパーソナルジムに通うことも検討しよう

もし、「一人ではストレッチや筋トレを続けられない」「思うようにいかり肩が改善しない」という場合は、パーソナルトレーニングジムや整体院へ通うことを検討してみましょう。

姿勢や筋肉に精通した専門家のセッションや施術を受けることで、効率よくいかり肩が改善するはず。ホームページやSNSなどをチェックし、家からのアクセスやサービス内容を確認したうえで利用してみてください。

ただし、1回で劇的に改善することはほとんどありません。数カ月は通うことが必要です。時間や費用がかかることをあらかじめ把握しておきましょう。

まとめ

本文中で解説した通り、いかり肩とは鎖骨が上向き、肩が上がっているように見える姿勢です。つまり病気とは異なりますし、重篤な症状に直接つながるケースは少ないといえます。

とはいえ、気になる方にとっては切実な問題ですし、いかり肩が原因で好きな服が似合わないと感じるなら、矯正に取り組むべきでしょう。

普段から姿勢を意識したり、ストレッチなどを続けることで、いかり肩は矯正可能です。当記事を参考に、いかり肩の矯正に取り組んでみてください。

【参考文献】
1)Mark R. Jones,corresponding author1 Amit Prabhakar,2 Omar Viswanath,3,4,5 Ivan Urits,1 Jeremy B. Green,6 Julia B. Kendrick,6 Andrew J. Brunk,6 Matthew R. Eng,6 Vwaire Orhurhu,1 Elyse M. Cornett,7 and Alan D. Kaye:Thoracic Outlet Syndrome: A Comprehensive Review of Pathophysiology, Diagnosis, and Treatment
2)Nesreen Fawzy Mahmoud,corresponding author1 Karima A. Hassan,1 Salwa F. Abdelmajeed,1 Ibraheem M. Moustafa,2 and Anabela G. Silva3:The Relationship Between Forward Head Posture and Neck Pain: a Systematic Review and Meta-Analysis