多くの人が経験したことのある肩こり。重症化すると頭痛や吐き気などの症状で、日常生活に支障をきたす場合もあります。
スマホやPCの普及、そしてテレワークなどが増えたことで、肩こりに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?肩こりの解消には、簡単にできる「肩甲骨はがし」がオススメです。
そこで当記事では、自分でできる肩甲骨はがしの方法や注意点について詳しく解説します。
当記事を参考にすることで、疑問や症状が解決できれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。
肩甲骨はがしとは?
肩甲骨はがしとは、肩甲骨周りの筋肉を柔らかくして、肩甲骨の動きを改善するストレッチを指します。しっかりと肩甲骨を動かすことで、首・肩こりや猫背姿勢の改善をはじめ、冷えやむくみ解消にも効果的です。
長時間デスクワークを行う方や、普段あまり運動をする習慣のない方は背中が固まりやすいため、肩甲骨はがしを習慣化して続けることをおすすめします。
【肩こりに効果的】自分でできる肩甲骨はがし!簡単なストレッチ方法を紹介
ここからは、自分でできる肩甲骨の動きを改善するためのストレッチ方法を紹介します。就寝前後の時間で寝ながらできる簡単な方法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
【寝ながらできる】大胸筋ストレッチ
まずは、背中が丸くなる猫背姿勢を続けることで硬くなりやすい、胸の前面につく筋肉を伸ばすストレッチを紹介します。長時間同じ姿勢をとることが多い方や、デスクワークを行う方におすすめです。
胸の前面が伸びるストレッチを行うことで、姿勢の改善にもつながり、肩や首にかかる負担の軽減になるでしょう。
STEP1:うつぶせとなり片手を外側に伸ばしましょう
STEP2:体を反対側に回し胸の前面を伸ばしましょう
STEP3:ゆっくりと姿勢を戻しましょう
STEP4:繰り返し実施しましょう
参考記事:猫背を治す方法とは?姿勢改善にオススメのストレッチ・筋トレを詳しく紹介!
【寝ながらできる】広背筋ストレッチ
次に紹介するストレッチは、腰から腕の付け根までつく、背中の大きな筋肉を伸ばすストレッチです。背中の筋肉が硬くなることで、巻き肩などの悪い姿勢を助長してしまいます。
肩甲骨の動きに大きくかかわり、肩こりや首こりの原因にもなりやすいため、ぜひストレッチを習慣化しましょう。
STEP1:両膝をつき斜め側方へ両手をつきましょう
STEP2:手をついたまま体を後方へ動かしましょう
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
STEP5:脇の下の伸びを感じながら行いましょう
参考記事:巻き肩を治す方法はある?効果的な寝方やグッズの使い方・おすすめストレッチを解説
【寝ながらできる】プローンオーバーヘッドプレス
次に、肩甲骨周囲の筋力トレーニングとなる運動を紹介します。肩甲骨周囲を含む、背筋や腹筋などの体幹につく筋力が低下することで、肩や首への負担が増加し、肩・首こりの原因となります1)。
比較的体への負荷が少なく、自宅でも簡単に行える運動なので、ぜひ取り入れてみてください。
STEP1:うつぶせとなり棒を両手で持ちましょう
STEP2:棒を持ち上げましょう
STEP3:肩甲骨を寄せた状態で肘を曲げましょう
STEP4:棒を元の位置に戻しましょう
STEP5:繰り返し実施しましょう
STEP6:棒は一定の高さを保ったまま動かしましょう
翌日に痛みがでることも!セルフストレッチをする際の注意点とは?
肩甲骨はがしなどのストレッチを行った翌日に、筋肉痛のような痛みがでることもあります。「慣れない運動」や「過度な運動」を行った後に起こりやすい遅発性筋肉痛という痛みで、中でも久しぶりにストレッチなどで筋肉を伸ばした方に見られることが多いです。
ここからは、ストレッチで痛みを引き起こさないよう、注意していただきたい2つのポイントについて解説します。
痛みが強く出るような無理なストレッチは行わない
痛みを我慢して無理なストレッチを行うことで、伸ばしている筋肉を傷つけてしまい、痛みを引き起こす可能性があります。とくに、普段あまり運動を行わない方が、ストレッチを行う際は注意が必要です。
また、起床後は一日の中で最も体が硬くなりやすい時間です。朝に行うストレッチは、基礎代謝を上げる効果や生活リズムを整える効果などのメリットは多いですが、反動をつけずに無理なく伸ばすように心がけましょう。
自然な呼吸を心がける
ストレッチ中に自然な呼吸を心がけ、必要な酸素を十分に取り込むことで、筋肉を伸ばしやすくなります。反対に、息を止めた状態で無理なストレッチを行うことで、筋肉にダメージを与えることがあるので注意が必要です。
息をしっかりと吐くことを意識しながらストレッチを行うことで、リラックス効果を得られるため、ぜひ意識して行いましょう。
参考記事:【ガチガチ肩こり解消】寝ながらできる肩甲骨ストレッチを動画で解説!
肩甲骨はがしと合わせて自分でできる3つの肩こり改善方法とは?
肩こりや首こりなどの症状は、普段の姿勢や生活習慣などが大きく影響しています。ここからは、症状の改善に役立つ3つの方法を紹介しますので、ぜひ肩こりや首こりで悩んでいる方は実践してみてください。
日常的に良い姿勢を意識する
普段からスマホやPCを使用することが多い人は、頭が前に出る姿勢をとりやすく、肩こりや首こりの原因となります2)。さらに、長時間同じ姿勢をとり続けることで、より肩や首への負担が大きくなってしまいます。
デスクワークなどで長時間座っていることが多い方は、30分程度に一度は席を立って姿勢を伸ばすように意識しましょう。時間に余裕がある場合は、首や肩回りのストレッチを行い、筋肉の緊張を和らげてみてください。
参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには
肩や首周りを温める
筋肉の緊張が原因で肩こりや首こりが起こっている方は、肩や首周りを温めると楽になることがあります。ゆっくりと湯船につかったり、温かい蒸しタオルを当ててみたり、簡単にできるのでオススメです。
硬さのある筋肉を温めることで、筋肉の血流改善につながり、肩こりや首こりなどの痛みが緩和するはずです。
今使用している寝具が自分に合っているか確認する
就寝時に使用している寝具が、自分の体に合っているか見直すことも重要です。自分の体に合わない寝具を使用していると睡眠の質が低下し、睡眠不足となることで肩こりを助長してしまいます。
寝返りを打ちやすい「適度なマットレスの硬さ」と首に負担がかからない「枕の高さ」を意識して、使用している寝具を確認してみましょう。
【要注意】体の状態によっては肩甲骨はがしをすると危険な可能性も?
ここまでは、自分で簡単にできる肩甲骨はがしの方法や注意点、合わせて行いたい肩こりの改善方法について解説しました。肩甲骨はがしなどのストレッチを習慣化することで、肩こりの症状改善に効果的です。
しかし、体の状態によっては、肩甲骨はがしを行うと危険な場合があります。以下の2つの症状がある方は注意しましょう。
肩の痛みや腕のしびれがある人
首や肩のケガで手術を行った人や、五十肩や頚椎症と診断されたことのある人は注意が必要です。ストレッチの方法にもよりますが、肩の痛みやしびれが悪化してしまう可能性もあります。
整形外科などへ通院中の場合は、ストレッチをしても問題ない状態か医師に確認するとよいでしょう。また、問題ない場合でも、痛みの程度を確認しながら徐々にストレッチを行ってください。
参考記事:腕を上げると肩が痛い場合の対処法!『五十肩』や『腱板断裂』など原因別に解説!
参考記事:頚椎症で効果があるストレッチ&してはいけないことを解説
骨粗しょう症と診断された人
骨の強度が低下して骨がもろくなってしまう「骨粗しょう症」と診断されたことがある人も注意が必要です。
ただし、適度な運動は骨を丈夫にするため、骨粗しょう症の改善にもつながります。病院へ受診した際に、医師に確認したうえで、無理のない範囲で積極的にストレッチなどの運動を行いましょう。
肩甲骨はがしなどのストレッチは、骨粗しょう症による骨の変形の予防にもつながります。
まとめ
今回は、寝ながら自分でできる肩甲骨はがしの方法や注意点について解説しました。
肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を向上させ、肩甲骨の動きの改善に効果のある「肩甲骨はがし」は、肩・首こりや猫背姿勢の改善に効果的です。また、自然な呼吸を心がけて行うことで、リラックス効果などのさまざまなメリットが得られます。
今回紹介した3つのストレッチは、10分程度でできる簡単なメニューなので、なかなか時間をとれない人にもオススメです。寝ながらできるストレッチなので、就寝前後などに時間を決めて継続してみましょう。
それでは、当記事があなたの痛み軽減に役立てば幸いです。
参考文献
1)加藤 剛平,岩本 幸英,豊永 敏宏:勤労者の肩こり症状に関連する因子の検討,日本職業・災害医学会会誌67(2)87-94,2017
2)及川 巧翔,大川 光,他:非活動に伴う逸脱姿勢による弊害に対する理学療法介入の効果:システマティックレビューとメタアナリシス.理学療法科学36(2):285–292,2021