五十肩(肩関節周囲炎)を早く治す方法とは?痛みの改善に効果のあるストレッチや体操を紹介

「じっとしていても肩や二の腕に痛みがあり、突然腕が上がらなくなった」
「肩を動かすと痛みが強く、背中に手が回らない」

このような症状がある場合は、五十肩(肩甲骨周囲炎)が疑われます

五十肩とは肩周囲の筋肉や腱などに炎症が起きている状態を指し、夜間眠れないほどの強い痛みや、腕の行動が制限される状態が起こります。医学的に原因は明確にされておらず、症状が出現してから治癒するまでの期間は、数か月から約2年と人によってさまざまです1)

五十肩を発症することで、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。そこで当記事では、五十肩を早く治すために効果のある、ストレッチや体操などの対処法について詳しく解説します。

当記事を参考にすることで、五十肩の痛みが解決できれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。

【重症度別】五十肩を一瞬で治す方法はあるの?適切な対処法で早期回復へ

肩こりを気にする女性の写真

五十肩には発症してからの時間の経過や、症状の進行によって「急性期」と「回復期」と呼ばれる2つの時期に分けられます。一瞬で治す方法は確立されていないものの、それぞれの時期に合った対処法を行うことで、早期回復へとつながることがあります。

そこで、重症度別の適切な対処法を理解しましょう。

まずは、五十肩を発症した直後の時期である急性期の対処法について解説します。

急性(炎症)期:じっとしていても痛みが強い

急性期は炎症が強く、安静にしていても肩や二の腕に痛みが強い状態です。無理に動かしたりはせずに安静にして、炎症症状を落ち着かせましょう。

急性期に特徴的な痛みとして、「夜間痛」と呼ばれる就寝時の痛みが挙げられ、眠れないほどの痛みを伴う場合もあります。このような時は、なるべく痛みの少ない姿勢を自分で見つけることが重要です。

横向きで寝ると肩の位置が安定せず、肩の痛みが強くなるため仰向けの姿勢がよいでしょう。首に力が入らない高さの枕を用いて、肘が肩より下に落ちないように肩の下にタオルを入れることで、肩の痛みを和らげることが可能です。

ぜひ以下の動画を参考に、試してみてください。

さらに、痛みが強い場合は一度、整形外科病院への受診をオススメします。病院を受診し、検査を行うことで他の肩関節疾患を除外でき、症状に合ったロキソニンなどの処方や、痛み止めの注射などの治療を受けることも可能です。

回復期:痛みが和らいでくる

回復期は、徐々に痛みや肩の可動域制限が緩和されてくる時期です。無理のない範囲で少しずつ肩を動かす必要があります

肩を温める

肩周りを温めることで血流を改善し、肩周囲の筋肉の硬さを和らげることが可能です2)。入浴などで肩を温めることはもちろん、ウォーキングなどの適度な運動もオススメです。

日常的に良い姿勢を心がける

日常的に長時間悪い姿勢をとり続けることで、肩や首周囲の筋肉に負担がかかります。筋肉に負担がかかることで硬くなり、肩の動きを制限してしまいます

そのため、日常的に良い姿勢を心がけて肩への負担を軽減させましょう。

参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには

ストレッチで肩を動かす

痛みが緩和してくる回復期は、無理のない範囲でストレッチを行って肩を動かしましょう。この時期にしっかりと肩を動かすことで、慢性的な肩の痛みや可動域制限となることを防げます。

次項では詳しいストレッチ方法を紹介するので、ぜひ試してみてください。

五十肩の症状改善や予防にオススメ!自分でできるストレッチ3選

ここからは、痛みが落ち着いてきた回復期の段階で行うストレッチや体操について解説します。五十肩の症状改善はもちろん、予防にもオススメの簡単なストレッチを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

肩関節外旋ストレッチ

まずは、棒を用いて行うストレッチを紹介します。肩の深部にある筋肉を伸ばすストレッチで、さまざまな肩の動きの改善に効果的です。

痛みを生じやすいストレッチなので、無理のない範囲で徐々に行ってみてください

肩関節外旋ストレッチ

STEP1:棒を準備して両手で持ちましょう
STEP2:脇を閉じた状態で棒を外側に動かしましょう
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻りましょう
STEP4:繰り返し実施しましょう
STEP5:外側へ動かした状態を数秒間保持しましょう
※肩に痛みがある場合はタオルを挟みましょう
※脇を開かないように注意しましょう

結帯エクササイズ

次に、タオルを用いて行うストレッチを紹介します。肩の動きの中でも、とくに背中に手が回らないという方にオススメのエクササイズです。

症状によっては痛みを感じやすいため、痛みの程度を確認しながら徐々に行うようにしましょう。

結滞エクササイズ

STEP1:タオルを準備しましょう
STEP2:タオルを後方へ回し片手で掴みましょう
STEP3:タオルを上方へ引っ張りましょう
STEP4:元に戻しましょう
STEP5:繰り返し実施しましょう
※肩の前面に伸びを感じながら実施しましょう

テーブルサンディング

次に紹介する「テーブルサンディング」は、腕を挙げると痛みがある方にもオススメの体操です。肩周囲の動きの改善はもちろん、筋力の向上にも効果があります3)

テーブルサンディング

STEP1:タオルの上に手を置きましょう
STEP2:タオルを滑らせ手を前方に動かします
STEP3:繰り返し実施しましょう
STEP4:痛みのない範囲で手を伸ばしましょう
※背中を丸めないように注意してください

【要注意】五十肩が疑われるときにやってはいけないこととは?

五十肩の痛みがあるときに良かれと思ってやったことが、反対に痛みを悪化させてしまうことがあるので注意が必要です。ここからは、五十肩の症状が疑われるときに、やってはいけないことについて解説します。

痛みが強い時期にマッサージを受ける

マッサージを受ける人の写真

安静にしていても痛みが強いような急性期に、マッサージを受けることで炎症症状の悪化につながる可能性があります。痛みが強い時期は安静を第一に心がけ、日常生活に支障をきたす場合は整形外科病院を受診し、適切な治療を受けるとよいでしょう。

痛みのある肩を下にして眠る

痛みの強い急性期は、夜間痛などの特徴的な症状が現れます。そのようなときに、痛みのある肩を下にして眠ってしまうことで、肩への負担が大きくなり症状を悪化させてしまいます。

先ほど紹介した動画を参考に、痛みの出現しにくい姿勢を心がけましょう。

長い間安静にして肩を動かさない

痛みが強い急性期を過ぎたにもかかわらず、それ以降も肩を意識的に動かさない状態を続けることはオススメできません。痛みや動かしにくさが緩和してきた段階で、ストレッチなどで肩を動かし、動きの制限を残さないようにしましょう。

ただし、痛みを我慢して行うような無理なストレッチは逆効果です。焦らず無理のない範囲で可能な運動を行ってください。

五十肩による痛みはどれくらいで治る?

五十肩の症状が出現してから痛みや可動域の制限が治るまでには、数か月から約2年と症状や重症度によってさまざまです1)。ただし、時期に合った適切な対処法を行うことで、五十肩の症状を早期に改善できます。

一定の時間はかかりますが、焦らず無理のない範囲で適切な治療を行うことが重要です。

まとめ

本記事では、五十肩を早く治す方法として、ストレッチや体操などの対処法を解説しました。

急性期には夜間痛もあり、日常生活に支障をきたすケースも多い五十肩。しかし、時期や痛みに合わせた対処法を行うことで、痛みや可動域制限などの症状を早期に改善できます。

痛みが落ち着いてきた段階で、無理なくストレッチや体操などを試してみましょう

本記事があなたの痛みの改善にお役立ていただけますと幸いです。

参考文献

1)湯村 良太:肩関節周囲炎における病期を考慮した治療 ,標準徒手医学会誌2(6),47-55.2019

2)村木 孝之:肩関節周囲炎 理学療法ガイドライン,理学療法学43(1).67-72.2016

3)岡島 雅史,常富 宏哉,内藤 光祐:サンディング動作における肩関節周囲筋の筋電図学的解析-肩の屈曲角度に着目して-,第28回東海北陸理学療法学術大会,108