「ぐっすり寝た!」と目覚めた直後に感じる背中の痛み。寝起きなのに、モヤモヤするのも無理はありません。
睡眠から目覚めたあとに背中が痛いことが何度もあり、気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで当記事では、寝起きに背中が痛い原因と、痛みの予防・改善に効果のあるセルフケアを詳しく紹介します。
最後まで目を通すことで、寝起き直後に背中が痛む原因がわかり、スッキリ目覚められるようになるでしょう。
ぜひ参考にしてください。
眠りから覚めた後に背中が痛い!考えられる原因
さっそく、寝起きに背中が痛む原因を解説します。
いずれも睡眠に関連しています。心当たりがないかチェックしてみてください。
使用しているマットレス(布団)・枕が合っていない
普段使用しているマットレス(布団)や枕に原因が隠れている可能性があります。
もしご自身の体型に合っていないマットレスや枕で眠れば、寝返りが打ちにくいので背骨(肩甲骨や骨盤を含む)や筋肉が不自然な形で固まります。そうなれば、睡眠中にかけて身体に負担がかかり続けることになるでしょう。
就寝時の姿勢が良くない
就寝時の姿勢が良くないケースも多いです。
たとえば「左側あるいは右側どちらかだけを向く」「身体を丸める」「肩を巻き込む」「脚を組む」こういった姿勢で眠っていませんか。
一概には言えませんが、こういった就寝時の姿勢の「癖」が、寝起きの背中の痛みにつながるので、注意してみてください。
過度なストレスによる寝不足
寝不足が原因で、身体が休まっていない可能性も考えられます。
寝不足になる大きな理由は「ストレス」「悩み」です。布団に入ったあとに考え事をしてしまい、眠れなくなった経験は誰しもあるでしょう。
そして睡眠への入りが不十分になることで、身体が緊張しやすくなります。すると背中の筋肉も緊張するので寝起きに背中の痛みが現れます。
長時間寝すぎたため
寝不足は避けるべきですが、逆に寝過ぎも良くありません。
先述した「マットレスや枕が合っていない」「就寝時の姿勢が良くない」といった条件が当てはまる場合、長時間寝ることで身体への負担が増えることになります。
「寝すぎたために逆に疲れた」経験をお持ちの方も多いでしょう。いわゆる「寝溜め」(休日にまとめて睡眠をとる方法)をする方は注意しましょう。
寝起きの背中の痛みを放置しているとどうなる?
寝起きの背中の痛みを我慢する・放置すると、より痛みが強い症状につながる可能性が高いです。
たとえば、「ぎっくり背中」です。ぎっくり背中とは、急な激痛が背中に現れる症状で、一度発症すると日常生活に大きな影響を及ぼしかねません。
そして、「疲れが溜まっている」「よく眠れていない」ときにぎっくり背中を発症するケースが多いです。寝起きの背中の痛みをそのまま放置せず、対策を講じましょう。
参考記事:ぎっくり背中の治し方は?どうしたら楽になるの?原因と対処法について専門家が解説!
スッキリ目覚め!寝起きに起こる背中の痛みに効くセルフケア
では以下より、寝起きに現れる背中の痛みに効く対処法やセルフケア方法をいくつか解説します。
背中の痛みをご自身で予防・改善するには、睡眠環境や生活習慣の見直しが大事です。どれもすぐに実践できる方法なので、ぜひ取り入れてみてください。
就寝環境を見直す
まず、毎日の就寝環境をあらためて見直してみましょう。使用する道具や就寝前の習慣に、背中の痛みの原因が隠れているかもしれません。
就寝環境を改善するだけで、寝起きの背中の痛みも予防できる可能性があります。
使用しているマットレス・枕が合っているかチェックする
睡眠時に使用しているマットレスや枕は、ほんとうにご自身に合っているでしょうか。
「そういえば現在のマットレスと枕を使い始めてから背中が痛い」という場合は要注意です。睡眠中に背中へ負担がかかっている可能性があります。
マットレスは硬すぎず柔らかすぎず、寝返りが打ちやすいかを確認しましょう。枕はできるだけ平らで、頭を乗せた際に視線がまっすぐ真上を向く高さのものがおすすめです。
寝る前のスマホ操作をなるべく控える
寝る前に布団に入ってスマホを操作する方も多いでしょう。ですが、睡眠の質を高めるために、就寝前のスマホ操作は控えることがおすすめです。
眠る前にスマホを眺めることで、ブルーライトの影響で睡眠中も身体がリラックスしにくくなってしまいます。すると、起床後も疲れが取れにくく寝起きの背中の痛みが現れやすいです。
ストレッチを続ける
ストレッチを取り入れることで、血流が良くなり背中の筋肉が柔らかくなります。就寝前や起床後に行ってみましょう。
それでは、おすすめのストレッチを紹介します。
1つ目は「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)ストレッチ」です。
椅子に座った姿勢から片方の足を前に出し、反対の足を組みます。ここから、つま先に向かって両手を伸ばしてみてください。
こちらのストレッチによって、背中に付く「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」が伸ばされます。
2つ目は「胸郭回旋(きょうかくかいせん)ストレッチ」です。
横向きで寝た姿勢から、片膝を90度に曲げて床につけ両手を合わせて伸ばします。ここから、上半身をひねり片手を反対側の床につけ、元の姿勢に戻してみてください。
上記のストレッチを行うことで、胸の高さに位置する背骨「胸椎(きょうつい)」の動きが良くなります。
参考記事:背中の痛みをストレッチで改善!体の硬さチェックから対策方法を紹介
参考記事:背中のコリをほぐしたい!凝りやすい場所とおすすめストレッチ・気持ち良いツボを解説
ストレス解消を心がける
「ストレス」も睡眠にとってマイナスに働き、起床後の背中の痛みにつながります。ストレスを抱えすぎない心がけが大事です。
とはいえ、ストレスの原因はさまざま。中にはなかなか減らせないストレスもあるでしょう。
そこで、適度な運動がおすすめです。運動には身体を健康にする・鍛える以外に、ストレス解消効果も期待できます。
ぜひ休日などに運動を行ってみてください。ジョギングや軽い筋トレで十分です。運動によって良質な睡眠がとりやすくなり、背中の筋肉に溜まった疲労を回復できるでしょう。
食生活を見直す
食事の見直しも大切です。栄養バランスが偏ったり、夜遅い時間に食べたりしていませんか。
ぜひ、栄養バランスの良い食事を心がけ、睡眠前に食べるのはできるだけ避けましょう。
また水分を多めに摂ることもおすすめです。1日2リットルを目安に水を飲むことで、体内の循環が良くなり睡眠の質が向上しやすくなります。
内臓の病気である可能性も!病院を受診することも大事
もし、「痛み以外の症状も出ている」「痛みで目を覚ます」といった場合は、早めに病院を受診してください。
内臓に関連する重篤な病気の可能性もあるからです。たとえ面倒に思えても、医療機関に足を運ぶことが大切です。
まずは精密な検査を受けて、痛みの原因を正確に把握しましょう。
まとめ
誰でも、寝起き後はスッキリした身体でありたいと思うはず。背中が痛いと活力が湧きませんよね。
また痛みが強ければ、その後の作業や予定に影響を及ぼします。
本文で紹介したように、使用しているマットレスや枕を見直すとともに、ストレッチや食生活の改善などに取り組んでみてください。
それでは、当記事があなたのお役に立てれば幸いです。
【参考文献】
1)勝浦哲夫 ,手島正 樹 ,夏亜麗 ,李 ス ミン ,高橋 良香 ,浅井郁男 ,下村義弘 :マ ッ トレ ス の 固 さが 脊柱カ ー ブと夜間睡眠 に及 ぼす影響
2)木暮貴政:寝具と睡眠
3)豊浦 麻記子, 木村 重美, 豊田 有子, 菊池 清:概日リズム・睡眠と自律神経機能
4)田畑友浩、作田りつ子、上野義雪:寝姿勢を考慮した枕の機能条件に関する研究
5)萩原多禾男,松崎雅博:マットレスの違いと睡眠中の体動との関係
6)内田 英二, 木本 理可, 塚本 未来, 神林 勲:大学生における就寝前の電子機器使用制限が起床時睡眠感および自律神経系活動に及ぼす影響