【背中のつるような痛み】ぎっくり背中を早く治すための対処法とストレッチを紹介

突然筋肉が硬くこわばり、痛みで体を動かせなくなった経験をどなたも一度はされたことがあると思います。

なかでも背中の筋肉が急につったものは「ぎっくり背中」と呼ばれる場合もあります。
強い痛みによって日常生活にも支障が出てしまうため、できれば即効性のある治し方を知っておきたいものです。

そこで当記事では、背中が急につってしまう原因と、痛みを早く治すためのセルフケアを解説しています。また、病気の可能性がある危険な症状も紹介していますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

そもそも「背中がつる」とはどういう状態?

背中を痛めた人の写真

「つる」とは、痛みとともに筋肉が突然の痙攣(けいれん)を起こして収縮したままになり動かせなくなる状態を指します。とくに背中につるような急激な痛みが発症した状態を「ぎっくり背中」と呼ぶことがあります。

なお、私たちがよく耳にする「こむら返り」も筋肉がつった状態の一つで、ふくらはぎの筋肉が痙攣を起こして、強くこわばった状態を指します。

参考記事:ぎっくり背中を見分ける症状チェックリスト!ぎっくり腰との違い・要注意の病気も解説

【ぎっくり背中】背中がつるように痛む原因

背中の筋肉が強く収縮し、つったように痛むのはなぜなのでしょうか?
まだ解明されていない部分も多いのですが、背中がつる原因には次のようなものが考えられています。

筋肉疲労

体の使いすぎによって疲れが溜まると、筋肉の柔軟性が低下していきます。固くこわばり筋肉の伸び縮みがスムーズに行えなくなることで、背中がつってしまいます。

スポーツや肉体労働による体の酷使はもちろんのこと、デスクワークなどで運動量が少なめの方も無関係ではありません。同じ姿勢を維持するのも筋肉には強い負荷がかかっているため、疲労の蓄積からつりやすい状態となってしまいます。

体の冷え

体が冷えると血管が収縮して、血液の流れが悪くなってしまいます。血流量が減少することで筋肉をスムーズに動かせなくなった結果、背中が急につってしまう可能性が考えられます。

体が冷えやすい時期としては、冬場がイメージしやすいかもしれません。しかし、夏場も扇風機やクーラーの風に直接当たっていると、体を冷やして背中の筋肉が固くこわばる場合があります。

ストレス

人はストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れて交感神経が優位になります。交感神経は血管を収縮させる働きがあるため、血流の悪化から筋肉がつりやすくなってしまいます。

仕事の重圧や人間関係といった精神的なストレスをはじめ、気候(気温、気圧、湿度)の急な変化騒音寝不足などもストレスの一つです。ストレスをそのままにしていると、ぎっくり背中を起こすリスクが高まるため注意が必要です。

水分・ミネラル不足

水分やミネラルが不足していると、神経の働きを正しく制御することができず、筋肉が過剰に収縮してしまう場合があります。

スポーツで汗をかいた際は水分、ミネラルが大量に体外に排出されるため、筋肉がつりやすくなります。
また、睡眠中も、背中がつりやすくなるタイミングの一つです。寝ている間は、ご自身が思われている以上に汗をかいて水分やミネラルを失っています。

背中がつる症状(ぎっくり背中)を早く治すための5つの対処法

残念ながら、ぎっくり背中への即効性のある治し方はありません。患部の状態をみながら次のような対処を行い、慎重に症状を回復させていきましょう。

1.痛めた直後は安静にする

背中を痛めて横になっている人の写真

筋肉がつってすぐの時は、痛みが出る姿勢や動作は避けて、なるべく安静にしてください。また、痛みが悪化するおそれがあるため、ストレッチも控えるようにしましょう。

患部の状態にもよりますが、安静にしていれば長くとも2〜3日以内には炎症と痛みは徐々に引いていきます。

2.炎症がある場合は冷やす

筋肉がつった(痙攣を起こした)状態であれば、基本的に炎症をともないません。安静にしていれば、症状は徐々に落ち着いていきます。

しかし、ふとした動作で筋線維を損傷した肉離れの状態であれば、炎症を生じるケースがあります。
痛みとともに患部に炎症の熱を持っている場合は、氷嚢(ひょうのう:氷水の入った袋)や保冷剤などを当ててアイシングしてください。冷却によって炎症や痛みを抑える効果を期待できます。
一度の冷却時間は10分間が目安で、熱感が戻るようであれば再度アイシングを行いましょう。

3.痛みがある箇所に湿布を貼る

痛みが強く日常生活にも支障が出てしまう場合は、患部に湿布を貼りましょう。湿布に含まれる消炎鎮痛成分が働き、痛みを鎮める作用を期待できます。

しかし、湿布は一時的に痛みを抑えているにすぎません。痛みが軽くなったからといって、急に体を動かすことはなるべく控えてください。

4.温めて血流を改善する

熱感や強い痛みが引いてきたら、ホットパックやカイロなどを当てて体を温めてください。温めることで血流が促され、筋肉の緊張もほぐれていきます。

また、炎症が引いた慢性期においては、入浴も症状の改善に効果的です。38〜40度ほどの湯船にゆっくり時間をかけて浸かりましょう。

5.痛みが落ち着いたらストレッチで筋肉を伸ばす

痛みが引いて体を無理なく動かせるようになったら、背中のストレッチを行いましょう。ストレッチを行うことで筋肉の緊張が緩和し、血行も良くなっていきます。

ぎっくり背中にどのようなストレッチを行えば良いのか、具体的な方法については、このあと詳しく紹介いたします。

参考記事:ぎっくり背中の治し方は?どうしたら楽になるの?原因と対処法について専門家が解説!

【予防にも効果的】背中の痛みを治すおすすめストレッチ3選

それでは、ぎっくり背中を改善に導くストレッチを紹介いたします。痛みが出た時に限らず、予防としてもこちらのストレッチは継続して行うことをおすすめします。

ヒップロール

背中の後面に付着する「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」をゆるめるストレッチになります。

背中の筋肉がゆっくり伸びていることを意識してください。片側を10回行ったら、反対側も同様に行います。(筋肉の張りを感じるほうを多めにやるのでも構いません)

菱形筋ストレッチ

肩から背中にかけて広く付着する「僧帽筋(そうぼうきん)」の中部線維や、肩甲骨の内側に付着する「菱形筋(りょうけいきん)」の柔軟性を高めるストレッチになります。

肩甲骨周辺の筋肉が伸びていることを意識して行ってください。

腱グライド

「背中を丸める」「背中を反らせる」を交互に繰り返し、脊柱を動かして筋肉の柔軟性を高めていくストレッチです。

肩甲骨と骨盤が動いていることを意識して行ってください。

【要注意】背中が突然つるのは病気の可能性もあり

カルテと聴診器の写真

背中や肩甲骨周辺の筋肉が強く緊張して痛む場合は「これは何かの病気?」と不安に思われるかもしれません。

実際に心筋梗塞や大動脈解離、急性膵炎といった内臓の病気から背中の痛みが引き起こされているケースもあります。

もし以下のような症状がみられる際には、内臓疾患が疑われます。

  • 動作にかかわらず痛みが悪化する
  • 安静にしていても症状が緩和しない
  • 胸の痛み、息苦しさがある
  • 全身の倦怠感がある
  • 発熱症状がある
  • 吐き気や嘔吐がある

命に関わる可能性もあるため、背中の痛みとともに何か異変を感じる際には、なるべく早急に医療機関にご相談ください。
心臓の病気であれば「背中の左側」、肝臓の病気であれば「背中の右側」など、内臓の位置によって症状が出る箇所が偏るケースもあります。

参考記事:背中の左側が痛いのは内臓の病気かも?考えられる原因と対処方法を解説
参考記事:背中の右側の痛みは内臓が原因!?考えられる原因と適切な対処法

まとめ

背中の筋肉がつるのは、疲労や冷えなど日常生活が原因となるものがほとんどです。本記事で紹介したセルフケアやストレッチをぜひ実践してみてください。

しかし、頻繁に筋肉がつるようであれば、要注意です。中には病気が隠されている場合もありますので、一度医療機関を受診することをおすすめします。

それでは本記事が、あなたを悩ませる痛みの改善に役立てば幸いです。