坐骨神経痛を早く治す方法はこれ!痛みの原因とオススメストレッチ3つを解説!

お尻や太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれが出現する「坐骨神経痛」。重症化すると日常生活に支障をきたす場合もあり、早く治す方法を知りたいという方が多いのではないでしょうか?

今回は、坐骨神経痛を早く治す方法に合わせて、痛みの原因や症状について詳しく解説します。当記事を参考にすることで、つらい坐骨神経痛の改善にお役立ていただけると幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。

坐骨神経痛とはどんなもの?

腰を抑える女性の写真

坐骨神経とは腰からお尻、足にかけて走っている神経です。坐骨神経がなんらかの原因によって圧迫され、お尻やふともも、ふくらはぎなどの広範囲にわたって痛みやしびれが生じる症状を「坐骨神経痛」と言います1)

一般的に、症状は片足に出現することが多いですが、まれに両足に症状が出現することもあります。ジリジリとした焼けるような痛みや、チクチクと刺されているような痛みなど感じ方は、人によってさまざまです。

坐骨神経痛の原因として考えられる病気

坐骨神経痛は病名ではなく症状なので、原因となっている病気が他にあり、それぞれの病気に適した治療を行うことが重要です。坐骨神経痛を引き起こす病気は数多くあり、中には腫瘍などの重大な疾患が潜んでいる可能性もあります。気になる症状がある場合は早急に整形外科病院を受診し、原因を究明しましょう。

坐骨神経痛が現れる病気3つ

ここからは、坐骨神経痛の主な原因となる「腰椎椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」「梨状筋症候群」の3つについて解説します。ぜひ自分の症状と照らし合わせながら、確認してみてください。

【前屈みで痛い】腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアを説明するイラスト

腰の背骨部分にあたる腰椎の間には、背骨にかかる衝撃を吸収し、クッションの役割を果たす椎間板があります。

加齢や重労働などによってその椎間板がつぶれることで、腰椎の中を走る神経が圧迫され、坐骨神経痛などの症状が出現する病気を腰椎椎間板ヘルニアと言います。

20~30歳代の発症が65%と高い割合を占め、比較的男性に発症しやすい病気です2)

主な症状として腰や足の痛みに加えて、しびれや力の入りにくさを感じる場合もあります。また、痛みが前屈みの姿勢で出現しやすいことが特徴の一つです。

参考記事:腰椎椎間板ヘルニアとは?痛みを和らげる方法をわかりやすく解説!

【腰を反らすと痛い】腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症を説明するイラスト

腰椎が作るトンネルである脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり、中を走る神経が圧迫され、坐骨神経痛などの症状を引き起こす病気が腰部脊柱管狭窄症です。

加齢や重労働などの繰り返される腰への負荷が原因となることが多く、50歳以上の方で発症する割合が多いと言われています3)

腰椎椎間板ヘルニアとの症状とは反対に、腰を反らす姿勢で痛みが出現しやすく、痛みが原因で長い距離を歩けないことも特徴の一つです。

参考記事:【要注意】脊柱管狭窄症でやってはいけないことは?自宅で出来るストレッチも解説!

【お尻の硬さが原因】梨状筋症候群

梨状筋症候群を説明したイラスト

お尻の筋肉である梨状筋(りじょうきん)に負担がかかり硬くなることで、その下を通る坐骨神経が圧迫されてしまう病気を梨状筋症候群と言います。お尻の外側から太ももの後面にかけて痛みやしびれが出現し、座っているより歩いていると症状が落ち着きやすいです。

草むしりなどの中腰での作業や、長時間の運転などの梨状筋への負担が原因となります。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に比べるとまれな疾患で、ストレッチやマッサージを行うことで症状は改善するケースが多いです。

上記病気の原因となることとは?

坐骨神経が現れる病気について解説してきました。ここからは上記で説明した「腰椎椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」「梨状筋症候群」になってしまう原因について解説します。

腰への過度な負荷

中腰や前屈みなどの前傾姿勢や、長時間のデスクワークは腰に過度な負担がかかります。こういった腰への負担を繰り返すことで、筋肉などの組織に異常をきたし、坐骨神経痛を引き起こしてしまうのです。

腰への負担を軽減するためにも、ストレッチや体操などで体の柔軟性を保つことが重要です。また、猫背などの不良姿勢も腰への負担が大きいので、普段から良い姿勢を心がけましょう。

加齢による筋肉・関節の老化

骨や軟骨、椎間板などは加齢によって変形していきます。その原因となっているのは、栄養吸収の低下やホルモンの影響などさまざまありますが、一番大きいのは姿勢の悪さによる筋力の低下です。

体を安定化させる効果のある筋力トレーニングを実施し、関節の変形を防ぐことで、坐骨神経痛の予防にもつながります。

運動不足

運動不足に陥ると、筋肉の柔軟性や筋力低下などを引き起こします。腰回りの筋力が低下することで腰への負担が増え、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの原因へとつながってしまうのです。

そのため、適度な運動は坐骨神経の予防としても効果的で、腰痛の原因となる肥満防止やストレス解消にもつながります。

【坐骨神経痛の症状】足の先までしびれを引き起こす理由とは?

先述した通り、坐骨神経は腰部から足のつま先まで走る長い神経です。そのため、坐骨神経が圧迫されることで、お尻やふともも、足の先にかけてしびれなどの症状を引き起こしてしまいます。

坐骨神経痛が重症化することで、歩くことも困難になる場合もあるため、注意が必要です。また、原因となる病気によっては、早急に治療を行わなければ危険な可能性があるので、以下の症状がみられる場合は早期に受診しましょう。

  • 足の動かしにくさや痛みが急に強くなる
  • 発熱や異常な体重減少
  • 排尿や排便障害
  • 3か月以上坐骨神経の症状が続く

【対処法】坐骨神経痛を早く治すためにやるべき簡単ストレッチ・マッサージ3選

ストレッチやマッサージを行い、筋肉の柔軟性を改善させることで、坐骨神経の症状を早く落ち着かせられる可能性が高いです。時間をとらず簡単にできるストレッチなので、ぜひ痛みの程度を確認しながら試してみましょう。

ボールマッサージ(殿部)

お尻につく筋肉が硬くなることで坐骨神経を圧迫し、痛みにつながります。こちらのボールマッサージを行うことで、お尻につく大殿筋(だいでんきん)や梨状筋の筋肉を柔らかくできるため、痛みが強く出ない範囲で行いましょう。

ボールマッサージ殿部

STEP1:テニスボールを準備して殿部にあてる
STEP2:体重をかけテニスボールで筋肉を圧迫します
STEP3:反対側の足を動かして身体を揺らしましょう

梨状筋ストレッチ

こちらは、痛みの原因となる梨状筋を伸ばすストレッチです。梨状筋が硬くなることで、坐骨神経を圧迫するだけではなく、猫背などの姿勢の悪さにもつながります

良い姿勢をとることは、坐骨神経痛の予防にもつながるので、ぜひ日々のセルフケアとしてストレッチを続けましょう。

梨状筋ストレッチ

STEP1:椅子に腰掛けて右の足首を左の太ももの上に乗せます
STEP2:背筋を伸ばして腰を軸に体を二つ折りにするイメージで前傾します
STEP3:その姿勢をキープします
STEP4:呼吸は止めないようにしましょう
※背中を丸めないように注意しましょう

坐骨神経モビライゼーション

なんらかの原因で坐骨神経が圧迫されると、神経にとって必要な血流量が行き渡らず、坐骨神経自体の動きが悪くなってしまいます。痛みやしびれなどの坐骨神経痛を引き起こす原因となるため、こちらの運動を行って坐骨神経の動きを改善しましょう。

坐骨神経モビライゼーション(スライダー)

STEP1:両手を後ろに回しましょう
STEP2:上を向きながら膝を伸ばし足首を反らせます
STEP3:姿勢を戻し下を向きます
STEP4:上を向きながら膝を伸ばし足首を反らせましょう
STEP5:痛みのない範囲で無理せず、繰り返し実施しましょう
※膝の伸展(伸ばす動き)と足の背屈(反らす動き)を意識しましょう

予防にも効果的!坐骨神経痛を早く治すためにやってはいけないこと

ここからは、坐骨神経を早く治すために避けるべきことについて解説します。坐骨神経痛が疑われる方は、習慣的に行っている可能性が高いため、ぜひ自分の生活を振り返ってみましょう。

重いものを持つ

荷物を持ち上げようとしている女性の写真

坐骨神経痛の原因である腰椎椎間板ヘルニアなどの病気は、腰に負担がかかることで発症します。重いものをもつ動作は腰に負担がかかり、とくに中腰の姿勢は負担が大きいので注意が必要です。

どうしても荷物を持たなければいけない場合は、以下のポイントに注意して行ってください。

  • 身体に近い位置で荷物を操作する
  • 足を肩幅程度に開く
  • 腰は曲げずに膝の屈伸を使って上体を降ろす
  • 頭や背中、お尻が一直線の状態を意識する

前屈み姿勢をとる

中腰などの前屈みの姿勢は、背中につく筋肉や椎間板などの組織に負担がかかり、坐骨神経痛の痛みを悪化させてしまいます。とくに、洗濯や料理などの家事をするときや、洗顔をするときは注意が必要です。

日常生活で前屈みの姿勢をとる場合は、なるべく腰が曲がらないように気を付けましょう。膝の屈伸を意識することで、腰にかかる負担を軽減でき、坐骨神経痛の予防にも役立ちます。

長時間のデスクワーク

パソコンの操作をする女性の写真

長時間デスクワークなどで座り続けていると、腰やお尻周りの筋肉への血流が悪くなり、硬くなってしまいます。さらに、背骨のクッションである椎間板にも負担がかかり、坐骨神経痛の原因となる病気を悪化させることにつながってしまうのです。

そのため、なるべく長時間のデスクワークは避け、定期的にストレッチなどで身体を動かすようにしましょう。

まとめ

今回は、坐骨神経痛を早く治す方法について、痛みの原因やオススメのストレッチと合わせて解説しました。

坐骨神経痛は、腰への過度な負担や長時間同じ姿勢を取り続けることで、悪化させてしまいます。日常的に良い姿勢を心がけ、ストレッチなどの運動を行うことで、坐骨神経痛を早く治すことにつながります。

それでは本記事が、あなたの坐骨神経痛を改善するのにお役立ていただけますと幸いです。

参考文献

1)社団法人日本整形外科学会「坐骨神経痛」
2)伊藤 俊一:腰椎椎間板ヘルニア理学療法診療ガイドライン,理学療法学.42(6)530-535.2015
3)大島 正史:腰部脊柱管狭窄症の診断と治療.日大医詩.71(2)116-122.2012