腰が痛い原因は?症状別に原因と対処法を解説!

腰が痛いと感じたとき、考えられる原因はさまざまです。
筋肉疲労姿勢の悪さによるものから、内臓疾患病気のサインまで多岐にわたります。
本記事では、症状別に腰痛の原因とその対処法を解説していきます。最後までお読みいただくことで、あなたの腰痛の原因が明確になり、適切な対処法がわかるでしょう。
早めの対応が痛みの軽減や健康維持につながりますので、ぜひ参考にしてください!

腰が痛い原因とは?症状別に考えられる要因

腰痛は、急性のものから慢性的なものまでさまざまな種類があります。痛みの出方や状況によって、考えられる原因は異なります。ここでは、代表的な症状別に原因を詳しく見ていきましょう。

腰を痛がる男性の画像

急な腰痛(ぎっくり腰)の場合

急に腰が痛くなった場合、多くのケースで「ぎっくり腰」が疑われます。ぎっくり腰は、正式には急性腰痛症と呼ばれ、重い物を持ち上げたときや無理な姿勢をとったときに起こります。

【原因】
ぎっくり腰の原因は、腰周辺の筋肉や靭帯が急に引き伸ばされ、損傷を受けることです。また、加齢による椎間板(ついかんばん)の劣化や筋力不足もリスクを高めます。

【対処法】
まずは痛みが治まるまで安静にすることが大切です。無理に動くと症状が悪化する恐れがあります。
しかし、4日以上の安静は症状緩和には繋がらないという報告もあります。耐え難い痛みが無くなったら、少しずつ無理のない範囲で日常生活に復帰することが推奨されます。また、痛みが引かない場合は無理せず整形外科に受診をしましょう。

慢性的な腰の痛みの場合

長期間にわたり腰の痛みが続く場合、姿勢の悪さ筋肉疲労が原因となっている可能性があります。特にデスクワークが多い方は、長時間同じ姿勢をとることによって腰への負担が蓄積します。

【原因】
主に、猫背や反り腰などの姿勢の悪さが慢性的な腰痛を引き起こします。また、運動不足による筋力低下も慢性的な腰の痛みの原因の一つとなります。

【対処法】
デスクワーク時は定期的に立ち上がり、軽いストレッチを行うよう心がけましょう。そして、デスクワーク時の姿勢を意識することも重要です。姿勢を改善するために、背もたれ付きの椅子を利用し、腰をしっかりサポートしていきましょう。

内臓疾患が原因の可能性

腰の痛みが内臓疾患によって引き起こされる場合があります。特に右側や左側に偏った痛み発熱吐き気を伴う場合には、内臓の異常を疑うべきです。内臓疾患が疑われる場合は、早急に医療機関を受診してください。

【考えられる疾患】
・腎臓結石や尿路感染症
・膵臓炎や消化器系の異常
・女性の場合、子宮や卵巣の病気が原因となることもあります。

腎臓病によって腰が痛い様子

女性特有の腰痛(生理・妊娠)

女性は生理や妊娠中に腰痛を経験することがあります。これは、ホルモンバランスの変化や骨盤周辺の血流不足が原因とされています。

【原因】
生理時には、子宮が収縮することで神経が刺激され腰に痛みが伝わります。また、妊娠中は、増加した体重や姿勢の変化により、腰に負担がかかりやすくなるのです。

【対処法】
生理中は腰を温めることが効果的です。湯たんぽやカイロを腰に当ててみましょう。妊娠中の場合は、無理な動きを避け、産婦人科医と相談しながら適度な運動やストレッチを行ってください。

腰が痛い時に注意すべき危険なサイン

腰の痛みが単なる筋肉疲労ではなく、重大な疾患のサインである場合があります。特に以下のような症状を伴う場合は注意が必要です。

危険なサインを表す画像

痛みが激しい場合

腰痛が非常に強く、日常生活に支障をきたすほどの痛みを感じる場合は、圧迫骨折椎間板ヘルニアの可能性が考えられます。痛みが激しい場合は、すぐに整形外科を受診しましょう。

痺れや体の一部が動かない場合

腰から足にかけて痺れがある場合、神経が圧迫されている可能性があります。これは、坐骨神経痛椎間板ヘルニアなどが原因となることが多いです。症状が進行すると動けなくなることもあるため、早急に専門医を受診しましょう。

内臓疾患が疑われる場合

腰痛が発熱や吐き気、排尿異常を伴う場合、腎臓や消化器系の異常が考えられます。これらの症状は、体内からの重大な警告信号です。内科や泌尿器科を早急に受診し、必要な検査を受けましょう。

腰が痛い時の対処法とセルフケア

腰痛が現れた場合、自宅でできるセルフケアを取り入れることで症状を緩和させることができます。以下に効果的な対処法を紹介します。

自宅でできるストレッチ

腰痛を和らげるためには、筋肉をほぐすストレッチが効果的です。特に、腰周りやお尻、太ももの筋肉を伸ばすことが重要です。

腰回りのストレッチ

腰の筋肉の硬さを和らげるストレッチです。腰の痛み強い場合は無理のない範囲で行いましょう。

ヒップロール
STEP1:仰向けになり両手を横に広げ、両膝を90度に曲げましょう。
STEP2:両膝をくっつけたまま横に倒しましょう。
STEP3:元の姿勢に戻りましょう。
注意点:倒す際に肩が浮かないように注意しましょう。

お尻のストレッチ

骨盤の動きを良くするストレッチです。実は骨盤の動きと腰の動きは連動していて、密接に関を持っています。お尻の筋肉が硬くなり骨盤の動きが悪くなると、腰の痛みににも繋がりやすくなるので、こまめにストレッチを行いましょう。

大臀筋ストレッチ
STEP1:片足を反対側の膝にのせ、両手でつかみましょう。
STEP2:抱えた膝を反対側の肩の方向へ寄せましょう。お尻の筋肉が伸びた状態を保持しましょう。
STEP3:ゆっくりと元の姿勢に戻りましょう。
注意点:背中が丸くならないように注意しましょう。

もも裏のストレッチ

お尻のストレッチ同様に、骨盤の動きを良くするストレッチです。急性期の段階から負担なく行えるストレッチとなっています。起床前や起床時に、こまめに行うことを推奨いたします。

ハムストリングスストレッチ
STEP1:仰向けの状態で膝を抱えましょう。
STEP2:お腹と太ももをつけた状態で膝を伸ばしましょう。もも裏が伸びた状態を数秒間保持しましょう。
STEP3:ゆっくりと姿勢を戻しましょう。繰り返し実施しましょう。
注意点:膝を伸ばす際、お腹と太ももが離れないように注意しましょう。

腰に負担をかけない姿勢の見直し

日常生活での姿勢を改善することで、腰への負担を軽減できます。特に長時間座っている方は、正しい姿勢を意識することが大切です。

【改善ポイント】
・椅子に深く腰掛け、背もたれにしっかり寄りかかる。
・足の裏を床につけ、膝の角度が90度になるように調整する。

冷却・温熱療法の使い分け

腰痛の種類によって、冷却療法と温熱療法を使い分けると効果的です。
・冷却療法:急性の痛みや炎症がある場合に、氷や冷却シートを使って患部を冷やします。
・温熱療法:慢性的な痛みの場合は、カイロや温湿布を用いて患部を温め、血行を促進します。

アイシングの画像

生活習慣の改善(運動)

腰痛予防には、日頃の生活習慣も重要です。適度な運動を取り入れ、腰回りの筋肉を鍛えることが効果的です。また、週に2~3回、軽いウォーキングやストレッチを実施していきましょう。

腰の痛みを予防するために心がけること

腰痛の再発を防ぐためには、日常生活での習慣を見直すことが重要です。以下のポイントを参考に、腰痛予防に取り組んでみましょう。

デスクワークでの姿勢改善

デスクワークをしている方は、長時間同じ姿勢でいると腰痛を引き起こすことがあります。定期的に立ち上がって体を動かし、血行を促進しましょう。また、椅子やデスクの高さを調整し、腰に負担がかからない姿勢を保つことも重要です。

正しい寝具(マットレス・枕)の選び方

寝具が合わないと、睡眠中に腰へ負担がかかり、起床時に痛みを感じることがあります。腰をしっかり支える硬めのマットレスを選びましょう。また、枕の高さは首や肩のラインに合ったものを使用しましょう。

寝具の画像

まとめ

腰が痛い原因は、筋肉疲労や姿勢の悪さ、内臓疾患など多岐にわたります。症状に応じた対処法を知り、適切に対応することが重要です。また、日常生活での姿勢や運動習慣を見直し、予防に努めることが再発防止につながります。
もし、痛みが強く続いたり、痺れなどの症状が現れる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。健康的な生活を送るためにも、腰の健康管理をしっかり行いましょう。

【参考文献】
1)Sacroiliac Joint Pain: A Comprehensive Review of Anatomy, Diagnosis, and Treatment

2)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第 3 版

​​3)Lumbar disc herniation: level increases with age