【今すぐできる】膝の痛みが楽になるストレッチ!ポイントと注意点まで詳しく解説

加齢や生活習慣、激しい運動やスポーツがきっかけで発症するのが「膝の痛み」です。

膝が痛いと、日常生活でのさまざまな動きが制限されてしまいます。膝が痛む度に落ち込んでしまうこともあるかもしれません。ゆえに、膝の痛み緩和に効果的なセルフケア方法が知りたい方も多いはず。そこで有効なのが「ストレッチ」です。毎日続けることで、膝の痛みが和らぎやすくなるでしょう。

当記事では、今すぐ実践できて、膝の痛み改善に効くストレッチを紹介します。より効率的にストレッチを行うポイントや注意点についてもお話ししました。

最後まで目を通すことで、膝の痛みを楽にするためのストレッチ方法が把握でき、ご自身で継続して取り組めるでしょう。ぜひ参考にしてください。

膝の痛み改善にストレッチが有効な理由

膝の痛みが現れる疾患の例は、以下のとおりです。

  • 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
  • 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
  • 鵞足炎(がそくえん)
  • 半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

「あぐらがかけない」「歩く・走ると膝が痛い」「しゃがむことができない」など、現れる症状はさまざまです。

なお、膝の痛みが現れる要因には、「加齢による膝の骨の変形」「体重増加によって膝への負担が増えた」「ランニングやテニスなどのスポーツによる膝への急激な負荷」などがあります。

そして、膝の痛みを緩和する方法としてストレッチが効果的です。ストレッチを行うことで膝周りの血流が良くなり、酸素が十分に行き届くことで痛みが改善されやすくなります。

またストレッチによって膝関節がスムーズに動きやすくなり、結果的に膝周りへの負担が減るという効果も期待できます。

参考記事:【膝を伸ばすと痛い】原因となる病気と4つのおすすめ対処法を解説!
参考記事:【膝を曲げると痛い】突然の痛みの原因とあわせ3つのおすすめ対処法を解説!
参考記事:【40代・50代向け】膝の痛みを症状からチェック!膝痛に効くセルフケアも紹介

膝の動きに関係する筋肉

ここで、膝の動きに関係する筋肉について簡単に解説します。

膝の曲げ伸ばしに作用するのは、太ももの前側に付く「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」や、太もも裏側に付く「ハムストリングス」、膝関節内側に付く「膝窩筋(しつかきん)」です。

筋肉について説明している画像

また、膝を安定させるために主に作用するのは、内ももに付く「内転筋群(ないてんきんぐん)」や、股関節外側に付く「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」です。

筋肉について説明している画像②

これらの筋肉をおおまかに把握しておくだけでも、ストレッチを行う際に役立つでしょう。

参考記事:膝裏の痛みに関係する膝窩筋とは?痛みの原因と効果的なストレッチ方法を専門家が解説!

今すぐ実践可能!膝が痛いときにおすすめのストレッチ

では、膝が痛む時におすすめのストレッチを動画付きで解説します。

膝が痛む部位に合わせて4つのストレッチを紹介しました。寝ながら行うストレッチだったり、椅子に座った姿勢で行うストレッチだったり、やり方はさまざまです。

ご自身の膝の痛み方と照らし合わせながら実践してみてください。

参考記事:【膝が痛い時の対処法】自宅で簡単!辛い痛みを改善するストレッチ3選

膝のお皿周りが痛い時は太もも前面のストレッチ

1つ目は、膝のお皿周りが痛む際に効果的な「大腿四頭筋ストレッチ」です。

大腿四頭筋ストレッチ
STEP1:横向き姿勢になります
STEP2:下の足を直角に曲げ、もう一方の足を後方から掴みます
STEP3:後方へ引っ張りましょう
STEP4:太もも前面の伸びを感じながら繰り返しましょう
※腰を反らさないように注意してみてください

こちらのストレッチを行うことで「膝を安定させる」「膝を伸ばす」際に作用する「大腿四頭筋」が柔らかくなります。

膝の内側が痛い時は座位四股ストレッチ

2つ目は、膝の内側が痛い時におすすめの「座位四股(ざいしこ)ストレッチ」です。

座位四股ストレッチ
STEP1:座った姿勢から両脚を大きく開きます
STEP2:上半身を捻りながら骨盤を前方に倒します
STEP3:元の姿勢に戻りましょう
STEP4:太もも内側の伸びを感じながら繰り返しましょう
※腰を丸めないように注意してみてください

上記のストレッチは、「足を内側に閉じる」動作や、「片脚立ちでバランスを取る」といった際に作用する「内転筋群(ないてんきんぐん)」に効果が期待できます。

膝の外側が痛い時は大腿筋膜張筋ストレッチ

3つ目は、膝の外側が痛む時に有効な「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)ストレッチ」です。

大腿筋膜張筋ストレッチ
STEP1:片足を曲げ反対側の太ももに乗せます
STEP2:乗せた足の方向へ身体を捻りましょう
STEP3:姿勢を保持します
STEP4:股関節の外側が伸びるのを感じながら繰り返しましょう

このストレッチは、股関節を外側に開く際に作用する「大腿筋膜張筋」をほぐす効果があります。

膝裏が痛い時はハムストリングストレッチ

4つ目は、膝裏が痛い時に効果が期待できる「ハムストリングスストレッチ」です。

ハムストリングスストレッチ
STEP1:仰向けとなり片脚を抱えます
STEP2:可能な限り膝を伸ばしましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:太もも裏の伸びを感じながら実施してみてください
※太ももがお腹から離れないように注意してみてください

こちらのストレッチを行うことで、「足を後方へ反る」「膝を曲げる」といった動作に作用する「ハムストリングス」を柔らかくできます。

ストレッチの効果を高めるためのポイント

ストレッチをしている女性の写真

ここで、ストレッチの効果をより高めるためのコツやポイントを解説します。

まず、ストレッチを行う際はゆっくり動きながら、呼吸を止めないように注意しましょう。このように意識することで、より筋肉が伸びやすくなります。

加えて、イメージも大切です。先ほどのストレッチ紹介部分でも触れたように、「今、どの部位(筋肉)が伸びているか」をできるだけ明確に意識してみてください。

また、ストレッチは1セットで終了せず、数セット行うことで効果が出やすくなります。そこで、まずは30秒ほどのストレッチを3セット行ってみてはいかがでしょうか。

そして、ストレッチはお風呂上がりに行うことをおすすめします。お風呂上がりは筋肉が柔らかくなっており、ストレッチの効果がより引き出されるからです。

膝のストレッチを行う際の注意点

膝のストレッチを行う際は力んだり、反動をつけたりしないように気をつけましょう。こういったストレッチでは筋肉が十分に伸びず、効果が減ってしまう可能性があります。

また、無理に伸ばしたりしないように注意するべきです。

膝は多くの筋肉や靭帯が付着し、複雑な構造をしています。したがって、無理なストレッチを行うことで、逆に痛みが悪化してしまいかねません。

そして、膝が痛みだしたら直ちにストレッチを中止するように心がけるべきです。

ストレッチで改善しない膝痛もある!病院への受診を忘れずに

膝の痛み方や重症度には個人差があります。なかには、ストレッチでは十分な改善効果が見られない膝の痛みも存在します。

もし、「まったく歩けないほど膝が痛む」「膝の痛みが一向に改善されない」といった場合は、早めに病院を受診するべきです。膝の具合によっては、手術が必要だとお医者さんが判断するかもしれません。

いずれにしても、正確な診断結果が出た後に、その後の対処法を考えましょう。

まとめ

一概には言えませんが、ほとんどの膝の痛みに対して、ストレッチが有効です。膝の周りに付く筋肉をゆっくり伸ばすことで、徐々に膝の痛みが緩和されるでしょう。

ただし、ストレッチに即効性は期待できません。毎日継続して、はじめて効果が現れます。ぜひ時間を見つけて、ストレッチを続けてみてください。

膝の痛みが軽減されれば、日常生活がより充実したものになるでしょう。

それでは当記事が、あなたのお悩み解決に役立てば幸いです。

【参考文献】
1)変形性膝関節症診療ガイドライン策定委員会:変形性膝関節症診療ガイドライン 2023
2)Kaynoosh Homayouni 1, Shima Foruzi 1, Fereshte Kalhori 1:Effects of kinesiotaping versus non-steroidal anti-inflammatory drugs and physical therapy for treatment of pes anserinus tendino-bursitis: A randomized comparative clinical trial
3)Timothy Brindle,* John Nyland, and Darren L. Johnson*:The Meniscus: Review of Basic Principles With Application to Surgery and Rehabilitation
4)Aaron Schwartz, MD,*† Jonathan N. Watson, MD,† and Mark R. Hutchinson, MD†:Patellar Tendinopathy
5)Michael Fredericson 1, Jeremy J White, John M Macmahon, Thomas P Andriacchi:Quantitative analysis of the relative effectiveness of 3 iliotibial band stretches