【理学療法士監修】土踏まずが痛いのはなぜ?足底筋膜炎との関係とセルフケアを解説

土踏まずの痛みに悩んでいませんか?それは「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」のサインかもしれません。

足底筋膜炎は、足裏の筋膜に負担がかかることで炎症が起こり、放っておくと慢性化してしまうこともあります。しかし、適切なセルフケアと日常の予防法を実践することで、症状の改善や再発防止が可能です。そこで当記事では、歩く際の土踏まずの痛みの原因から、効果的なセルフケアの方法について解説します。

最後まで目を通すことで、あなたの土踏まずの痛みの原因がわかり、適切な対処を講じられるでしょう。痛みのない快適な毎日を取り戻すために、ぜひ最後までご覧ください!

そもそも土踏まずが痛くなるのはなぜ?考えられる原因を解説

土踏まずとは、足の裏の中央部分で、地面に直接接しないアーチ状になっている部分を指します。この土踏まずの痛みは、足のアーチ構造や生活習慣の影響を受けやすい部分です。本章では、土踏まずが痛くなる主な原因を詳しく解説します。

土踏まずに負担がかかる原因とは?

土踏まずは歩行時の衝撃を吸収し、体重を支える重要な役割を果たしています。しかし、以下の要因が負担を増やし、痛みの原因となることがあります。

  • 長時間の立ち仕事や歩行:足のアーチが疲労し、炎症が発生する
  • 運動のしすぎ:ランニングやジャンプを繰り返すことで足底への負荷が増大
  • 不適切な靴の使用:クッション性が低い靴やサイズの合わない靴を履くとアーチに負担がかかる
  • 体重の増加:体重が増えると足底への圧力が増し、痛みが生じやすくなる

足底筋膜炎(足底腱膜炎)との関係

足底筋膜はかかとから足の指の付け根までをつなぐ強靭な組織であり、土踏まずのサポートにも関わっています。過度な負荷がかかることで炎症が発生し、足底筋膜炎の原因となります。

ゆえに土踏まずの痛みには足底筋膜が関係している可能性があるのです。

足底筋膜炎の画像

足底筋膜炎の症状

  • 痛みの後発部位は①踵に近い部分②足底の中央部分(土踏まず)③足趾の付け根部分
  • 朝起きた直後に土踏まずやかかとに強い痛みを感じる
  • 長時間座った後に歩き始めると痛みが出る
  • ランニングやジャンプの後に痛みが増す

「扁平足」や「ハイアーチ」も原因になる?

アーチの形状によっても土踏まずの痛みは引き起こされます。

  • 扁平足(アーチが低い):衝撃吸収がうまくできず、足底筋膜に負担がかかります。
  • ハイアーチ(アーチが高い):荷重が一部に集中し、痛みの原因になり得ます。

扁平足とハイアーチの画像

このようにアーチの形状が崩れてしまっている方は、足裏にタコ(胼胝:べんち)ができているケースがあるのでチェックしてみてください。また、扁平足ハイアーチが原因となる土踏まずの痛みに対しては、適切なインソールや靴選びによって、負担を軽減することができます。
参考:扁平足にはどんなデメリットがある?扁平足の原因や自分でできる改善法も解説

土踏まずの痛みは足底筋膜炎のサイン?症状と悪化のリスク

土踏まずの痛みが朝の起床時に強く現れる場合、それは足底筋膜炎の初期症状である可能性があります。痛みの進行や放置によるリスクについて詳しく見ていきましょう。

朝起きた時に強く痛むのはなぜ?

足底筋膜炎の特徴として、朝の起床時の痛みが特徴的です。これは睡眠中に足底筋膜が硬くなり、起床後に急に伸びることで痛みが生じます。

また、歩行を続けると筋膜がほぐれ、徐々に痛みが和らぐことも特徴として挙げられます。

足底筋膜炎の進行と悪化のサイン

足底筋膜炎の進行に伴い、次のような症状が現れることがあります。

  • 痛みが一日中続くようになる
  • 歩行時や長時間の立ち仕事で痛みが増す
  • かかと周辺が腫れ、炎症が進行する

足を痛がる女性の画像

足底筋膜炎を放置するとどうなる?

足底筋膜炎を放置すると、以下のような悪影響が生じる可能性があります。

  • 慢性化し、治りにくくなる
  • 歩行困難になり、日常生活に支障をきたす
  • 重症化すると手術が必要になる場合もある

痛みが長引く場合は早めの対策を行い、適切な治療を受けることが重要です。

参考:歩くと足の裏が痛いのは足底腱膜炎?痛みの原因とセルフケアを解説

自分でできる!土踏まずの痛みを改善するセルフケア・ストレッチ方法

土踏まずの痛みを和らげるために、自宅で簡単にできるセルフケア・ストレッチを紹介します。

足底のボールマッサージ

足底のボールマッサージは足底筋膜の緊張をほぐす効果があります。痛みのでている土踏まずのあたりを重点的に行うと効果的です。また、痛みが強い場合は体重を乗せすぎないように注意しましょう。

足底のボールマッサージ
STEP1足元に置いたテニスボールを踏みましょう
STEP2両手を膝に起きテニスボールを足の裏で圧迫しましょう
STEP3:圧迫したまま、ボールを後方に動かしましょう
STEP4:その後、ボールを前方へ動かしましょう。繰り返しボールを交互に動かしましょう

足趾のストレッチ

足趾のストレッチは、足底筋膜の柔軟性を改善させるのに効果的なエクササイズになります。痛みが強くならないように、心地よいと感じられる範囲で優しくストレッチを行いましょう。

足趾のストレッチ
STEP1:膝立ち姿勢となりましょう。後方の足は床と直角になるように立てましょう
STEP2:立てたつま先に体重を乗せ、足底の筋肉を伸ばしましょう
STEP3:10秒程度筋肉が伸びた状態を維持しましょう

タオルギャザー運動

タオルギャザー運動は、扁平足の方に効果的なエクササイズになります。歩行時の衝撃吸収に必要な筋肉を鍛えることができます。タオル1枚あればどこでもできるエクササイズになりますので、ぜひ試してみてください。

タオルギャザー運動
STEP1:タオルを床に敷きましょう
STEP2:タオルを踏みましょう
STEP3:指を丸めタオルを引き寄せましょう
STEP4:指を開きタオルに置きます。繰り返し実施しタオルを引き寄せていきましょう

こんな症状があれば要注意!病院に行くべき土踏まずの痛み

土踏まずの痛みが長引く場合や、痛み以外の症状がある場合は、病院を受診することをおすすめします。以下の項目を参考にしてみてください。

2週間以上痛みが続く場合は危険信号!

通常の疲労による痛みは数日で改善しますが、2週間以上続く場合は病的な要因が関与している可能性があります。

  • 痛みが慢性化し、日常生活に影響を与える
  • 歩行時に強い違和感を覚える
  • 安静時でも痛みが取れない

腫れや熱を伴う場合は病気の可能性も?

土踏まずの痛みに加えて、以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。

  • 腫れや赤みがある:炎症や感染症の可能性
  • 熱を持っている:関節リウマチや感染症の兆候
  • しびれや感覚異常がある:神経障害の可能性

このような症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

まとめ:土踏まずの痛みは早めのケアがカギ!

土踏まずの痛みを放置すると、悪化して日常生活に支障をきたす可能性があります。早めのケアを心がけ、適切なセルフケアを取り入れることが大切です。

  • ストレッチやマッサージを習慣化する
  • 正しい靴選びと歩行習慣を意識する
  • 痛みが長引く場合は専門家に相談する

これらの対策を実践し、健康な足を維持しましょう!

参考文献
1)骨間距踵靱帯の形態と機能について
2)糖尿病患者における凹足、中立足、扁平足の足の生体力学的差異
3)Plantar Fasciitis and the Windlass Mechanism: A Biomechanical Link to Clinical Practice