接骨院・整骨院における売上の内訳は?自費メニュー導入のメリットも解説

接骨院・整骨院における売上の内訳は?自費メニュー導入のメリットも解説

以前は売上の大半を保険施術が占める接骨院や整骨院が多かったのですが、現在は自費メニューの占める割合が徐々に拡大しています。

このように自費メニューへの移行が進む背景の1つとして、療養費が年々減り続けていることが挙げられます。

本記事では、整骨院・接骨院における売上の内訳を詳しく解説。売上の高い施術所の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

整骨院・接骨院の売上の内訳

整骨院の売上の内訳イメージ

整骨院や接骨院における売上の内訳を構成する要素は、保険施術と自費メニューの2つのカテゴリーに分けられます。2つのカテゴリーについて、売上に占める割合がどのように変遷するのか考えてみましょう。

まず下記に示すように療養費が減少する一方で、施術所数が上昇している状況を考えると、多くの整骨院や接骨院では保険施術の売上が減少していることが予想されます。

▼療養費の推移

引用元:柔道整復、はり・きゅう、マッサージ、治療用装具に係る療養費の推移(推計)|厚生労働省

▼施術所数の推移

引用元:就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所|厚生労働省

一方でシェアを伸ばしているのが慢性症状にも対応可能な自費メニュー。現代の生活様式による肩や腰への負担が原因で、腰痛や肩こりをはじめとした慢性症状に対する施術へのニーズが高まっているようです。(※)

整骨院で慢性症状にアプローチするためには、保険だけではなく自費メニューを導入する必要があります。そのため今後も、整骨院の売上のなかで自費メニューの占める割合が、拡大し続けることが予想されます。

※ 参考:柔道整復・鍼灸・マッサージ市場に関する調査を実施(2022年)|矢野経済研究所

保険施術のみを提供する整骨院・接骨院の売上について

保険施術のみに頼った整骨院や接骨院の売上は伸び悩み、今後はさらに経営的に厳しくなると考えられます。その理由として、保険を適用できる症状が限られることや他院との差別化が難しいことなどが挙げられます。

保険施術を適用できる症状が限られる

柔道整復師が保険を適用して対応できる症状は次のとおりです。

  • 骨折
  • 脱臼
  • 捻挫
  • 打撲
  • 挫傷

以上のなかで骨折と脱臼は緊急の場合を除き、施術をするためには医師の同意が必要です。

対応できる症状が急性に限られるということは、仮に慢性症状の患者様が訪れた際に対応できないことになります。慢性症状へのニーズを見逃すことになるため、その分売上の減少につながります。

他院との差別化が難しい療養費が減少している

保険施術に頼った施術だと、他院との差別化ができないことが売上の減少につながる一因となるようです。リハサクが行ったインタビューでも、整骨院オーナーが次のように語られていました。

現在も保険診療だけに頼っていて、数をこなさないと経営的に厳しくなるという施設が多くあります。患者さんを沢山診ている為、施術と運動指導をすると時間がかかってしまい採算が合わず、運動療法が効果的と分かっていても、施術のみになっている接骨院があります。しかし、接骨院の数も増え続けています。同じような治療内容だと患者さんの取り合いになり今後患者数が減るのは間違いないでしょう。

引用元:導入後、差別化・安心感・信頼感が生まれました。|サニー接骨院 岩尾 誠二 院長

保険施術の場合、1回あたりの施術単価が初診の場合は3000円程度。2回目以降は1000円に満たない場合もあります。施術単価が低いため、患者1人あたりにかける時間が限られることで、他院との差別化した施術を提供しにくいようです。

他院と差別化ができないと、競合店のなかから選ばれずに来院数が減るため、売上の低下につながります。

参考:整骨院や接骨院が廃業する原因とは?整骨院・接骨院の現状最新まとめ

売上が高い整骨院・接骨院の特徴

安心して経営を続けるためにも、本音ではやはり高い水準で安定した売上を出し続けたい方も多いのではないでしょうか。次は、売上が高い整骨院・接骨院が行っている工夫や特徴について説明していきます。

売上が高い柔道整復師の写真イメージ

リピーターが多い

売上を安定させ続けるためには、一定数のリピーターを確保する必要があります。そのためにも、金額よりも価値を感じられるサービスを提供して顧客満足度を高めることが大切です。

運動メニューの提供で売上アップに成功した安川整骨院さまはインタビューで次のような話されています。

患者様に提供するサービスクオリティにもこだわっていて、具体的には自分の家族にも自信もって提供できるようなクオリティを提供しようとスタッフにも話しています。 患者様が払ってくれる金額よりも価値を感じられるサービスを提供することで満足度を上げ、結果的にリピーターになってもらえるような取り組みを継続的に行っています。

引用元:患者満足度向上とトレーナーとしての収益化|安川接骨院

またマーケティングでは「1:5の法則」といわれるように、新規獲得を1人獲得するためには既存顧客に再来院してもらうのに比べて5倍のコストがかかるという考え方もあります。

リピーターが多いと新規顧客にコストを割く必要もなくなるため、売上の安定と利益の確保をしやすくなるのです。再診率の向上を実現するために必要な患者対応について、ポイントでまとめた資料については、下記からお問合せください。

再診率向上を実現する患者対応のポイント

複数の施設を経営している

複数の施設を経営するメリットの1つは、整骨院・接骨院グループ全体の売上が安定することです。複数の施術所を運営すると、仮に1箇所で売上が減少しても他の施術所でカバーできます。

また地域内で認知されやすくなるためグループ院全体のブランディングにもつながる点も魅力。患者様が引っ越す際にも別のグループ院を紹介しやすくなるため、患者様の離脱を防いで売上の減少も抑えられます。

積極的に自費メニューを導入している

自費メニューを導入すると他院と差別化しやすくなるため、売上を伸ばしやすくなります。

また現在の整骨院・接骨院に対するニーズは、急性症状よりも腰痛や肩こりなどの慢性症状に傾いています。そのため積極的に自費メニューを導入して、患者様のニーズに応えることで顧客満足度の向上も期待でき売上の安定にもつながるでしょう。

たとえばリハサクを導入した整骨院のなかには、自費メニューの1つとして運動療法を取り入れることで、実際に患者満足度の向上を実現できたとの意見も聞かれました。

リハサクを導入してからは、リハサクの動画を見せながら指導しているので、より具体的な内容で指示できるようになり、予防のための運動の重要性も分かりやすく伝えられるようになりました。そのことで、患者さんからの前向きなコメントを頂く機会も増え、患者満足度にも繋がったと感じています。

引用:患者様に必要な情報を正しく伝え、患者満足度の向上に|はまの整骨院 濵野 譲ニ 院長

接骨院で取り入れられている自費メニューの種類と導入時の注意点を解説

施術単価が高い

施術単価は売上を決める重要な要素の1つです。そもそも整骨院や接骨院の売上は次の計算式で求められます。

売上=来店客数×リピート率×平均客単価

施術単価は平均客単価に当たるため、施術単価が安価だと売上も低くなります。

整骨院・接骨院で売上アップ!自費メニューについて

ここでは自費メニューの種類やメリットを解説します。

売上が上がる様子を表すイメージ写真

自費メニューの種類

自費メニューの種類について、具体例を挙げると次のとおりです。

  • 法令上は指圧に含まれる施術:整体・カイロプラクティックなど
  • マッサージに含まれる施術:タイ古式マッサージ・ヘッドマッサージなど
  • 矯正施術:骨盤矯正・小顔矯正・産後骨盤矯正・猫背矯正・全身矯正など
  • 自覚症状の悩みにアプローチする施術:不眠症・自律神経失調症・慢性疲労・冷え性・頭痛など
  • 外見や美容的要素の改善を目指す施術:リフレクソロジー・アロマテラピー・まき爪・デトックス・育毛・ダイエットなど

以上の自費メニューを取り入れると、急性症状以外の悩みにも対応できるため、より多くのニーズに応えることができ、売上アップが期待できます。

自費メニューのメリット

自費メニューを導入すると次のようなメリットがあるため、売上アップにつながります。

自分の接骨院・整骨院に合った患者を集められる

自費メニューは施術内容を自由にカスタマイズできるため、ターゲットにあったサービスを提供できます。

たとえば学校の近くで開業した場合、スポーツをする子ども向けの自費メニューを作ると売上を伸ばせるかもしれません。

具体的には、スポーツテーピングケガ予防のメンテナンス施術などの自費メニューが考えられます。

または子育て世代の住む地域で開業すると、産後の骨盤矯正や子育てに疲れたパパママ向けのリラクゼーションメニューなどで集客できる可能性があります。

自分の得意分野に合った施術ができる

坐骨神経痛や頭痛、変形性膝関節症など慢性症状に特化した施術スキルを持っていれば、自費メニューを導入することで、そのスキルを有意義に活かせます。

または鍼灸やあん摩マッサージ指圧師などの国家資格を持っていれば、それらを活かした自費メニューの展開も可能です。

たとえば鍼灸を自費メニューに組み込むと、スポーツ鍼灸や美容鍼などのトレンドを取り入れることにつながり、新しい顧客層にアプローチできるでしょう。新規集客につながり、売上アップが期待できます。

自費メニューを導入する際の注意点

それでは次に自費メニューを導入する際の注意点について解説します。

既存顧客に配慮する

保険施術を利用している既存顧客に配慮しながら自費メニューを導入しましょう。既存顧客への配慮に欠けると、顧客離れが進んで保険施術での売上が減少する可能性があります。

自費メニューを導入する場合は、3ヵ月前には院内掲示して顧客に周知し、自費メニュー開始後も保険施術を通常通りに続けることも伝えましょう。

また既存顧客に自費メニューを無理にすすめないようにすることも大切です。保険施術を受ける客層と自費メニューを受ける客層はニーズの性質が異なるため、保険施術の患者に対して自費メニューをすすめると嫌悪感を示される可能性があります。

顧客満足度を意識する

自費メニューは保険施術よりも患者が支払う金額が高額であるため、価格以上の価値を提供することを心がけ顧客満足度を意識することが大切です。

高額である分、施術効果に対する期待も大きいため、それに応えられるようにしましょう。もし1回では施術効果を実感できない場合は、どのような過程で状態が良くなるのかを施術前に説明することが大切です。そうすることで、「本当に効果があるのだろうか?」という患者様の不安を取り除けます。

顧客満足度を高めるとリピーターが増え、自費メニューを受けてくれる人も増えるでしょう。

自費メニュー導入した場合の売上シミュレーション

売上は、施術した患者数×客単価によって変動します。自費メニューの場合、客単価は自由に設定できるため、目標とする売上や1日に対応できる人数などをもとに施術メニューの料金を設定しましょう。

たとえば1日に10人の患者を客単価4000円で施術すると、1ヵ月25日営業を想定した場合、自費メニューの売上は月間で1,000,000円です。

以上は具体例を示すために、仮の値を紹介しましたが、実際にはさまざまな要素を加味しつつ客単価を設定する必要があります。

▼客単価を設定する際に考えるべきこと

  • 自費メニューで達成したい目標売上
  • 1回あたりのおよその施術時間
  • 1日の営業時間(自費メニューに対応可能な時間)
  • 自費メニューに必要な材料・設備費

もし1人で接骨院を運営する場合は、保険施術との兼ね合いも考える必要があります。特定の日時を自費メニューの日に定めると、自費メニューに対応できる時間を割り出せます。

一方で自費メニューに対応できるスタッフを雇う場合は、1日の営業時間をもとに自費メニューの単価を設定するとよいでしょう。

自費メニューの導入にあたって材料や設備が必要な場合は、それも見込んで施術料金を設定することが大切です。保険施術のように安価にすると、赤字になる可能性があるため慎重に決めましょう。

自費メニューの料金設定については次の記事でも詳しく解説しています。

整骨院・接骨院の自費メニューの作り方!料金設定や回数券についても解説

自費メニューを導入して整骨院・接骨院の売上アップを目指そう!

整骨院や接骨院で売上アップを図るためには、自費メニューの導入が欠かせません。なぜなら療養費が減少する一方で、施術所は増加しているからです。

また自費メニューを導入すると、一般顧客の慢性腰痛や肩こり、美容などの急性症状以外の悩みにもアプローチできます。保険施術では対応が難しい症状にもアプローチできるため、新しい顧客層の取り込みも期待できます。

どのような自費メニューを導入すればよいか分からいない場合は、リハサクを導入してみてはいかがでしょうか。リハサクは運動療法を中心とした自費メニューとしておすすめのサービスです。

顧客ごとに個別の運動メニューを動画で提供できるため、高い顧客満足度を実現できます。実際に導入することで売上アップに成功した事例もあるので、ぜひ導入を検討してみてください。

導入事例


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リハサクとは、理学療法士や柔道整復師がエビデンスに基づいた運動療法を動画または紙媒体で簡単に提供できるようにし、患者満足度・再診率向上をサポートするクラウドシステムです。

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  • 最新のエビデンスに基づいた効果的な施術を提供
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