肩こりで吐き気が起こる原因とは?辛い肩こりを解消できるストレッチやツボを解説

肩こりと一緒になぜか吐き気も起こる」心当たりがあるかたも多いはずです。

とはいえ、肩の症状と吐き気の関連がイメージできないのも無理はありません。どういった理由で、肩こりの時に吐き気が現れるのでしょうか。

当記事では、肩こりで吐き気が起こる原因を解説します。さらに肩こりに効くセルフケアも紹介しました。

最後まで目を通すことで、肩こりと吐き気が併発する理由がわかり、症状を緩和できるでしょう。

ぜひお役立てください。

【なぜ】肩こりから吐き気が起こる理由

吐き気を伴う肩こりに悩む女性

人の頭部の「延髄(えんずい)」という部位には、「嘔吐中枢(おうとちゅうすう)」が存在します。

肩が凝って吐き気が起こるということは、嘔吐中枢が関係していることは間違いありません。つまり、肩こりが関係して嘔吐中枢を刺激していると考えられます。

そして、嘔吐中枢刺激される要因としては、肩こりの原因でもある「血流不足」「自律神経の乱れ」の可能性が高いです。

※自律神経とは、身体のリラックスと緊張のバランスをコントロールする神経のこと

とはいえ、嘔吐中枢に関しては解明されていない部分も多いです。したがって、肩こりと吐き気の関係についても不明な点が存在します。

胃もたれや頭痛が併発するケースもある

肩こりが悪化すると、吐き気だけでなく「胃もたれ」「頭痛」「目の疲れ」「食欲不振」「不眠」が現れるケースも少なくありません。

これらの症状も、血流悪化や自律神経の乱れが関係していると思われます。

したがって、肩こりが悪化し症状が増える前にケアすることが重要です。「肩こりは我慢すればいい」と放置することは避けましょう。

参考記事:肩こりの重症度レベルをチェックしたい!ひどい肩こりに効くセルフケア方法も紹介

吐き気を伴う肩こりに効くセルフケア方法を解説

吐き気を伴う肩こりを改善するには、血流を改善して自律神経を整えることが大切です。

ここから、肩こりに効くセルフケアを紹介します。いずれも特別な準備は必要ありません。ぜひ参考にしてください。

参考記事:肩こりを一瞬で治す方法とは?ストレッチやマッサージで辛い肩こりを解消する方法!

肩周りのストレッチ

肩周りの筋肉の血流を良くするには、とくにストレッチが有効です。毎日ストレッチを続けることで肩こりの緩和が期待できます。

また、じっくりストレッチを行えば、身体がリラックスして自律神経のバランスが整うでしょう。

では、おすすめのストレッチを紹介します。

1つ目は「僧帽筋(そうぼうきん)ストレッチ」です。

こちらのストレッチによって、首から肩にかけて付く「僧帽筋上部線維(そうぼうきんじょうぶせんい)」が伸びるので、肩こり改善に効果があるでしょう。

僧帽筋ストレッチ
STEP1:座った姿勢から片手を後方に回します
STEP2:もう片方の手で肩を抑えます
STEP3:首を斜め前方に倒しましょう
STEP4:元の姿勢に戻ります
STEP5:繰り返し実施しましょう

※肩の上が伸びるのを感じながら行ってみてください

2つ目は「胸椎伸展(きょうついしんてん)運動」です。

胸椎(胸の高さに位置する背骨)の動きが悪いと、肩こりにつながりやすいです。

こちらのストレッチによって、胸椎の動きが良くなり可動範囲が広がります。

胸椎伸展運動
STEP1:両手を壁につけて額を当てます
STEP2:背中(胸の後ろ)を反らせましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰はなるべく反らさないように注意しましょう
どちらもご自宅で簡単に行えるストレッチです。空き時間を使って取り組んでみてください。

適度な筋力トレーニング

肩周りの筋力トレーニングも肩こり改善に有効です。

負荷の大きい無理なトレーニングを行う必要はありません。適度に筋肉を刺激して血流改善を図りましょう。

おすすめの筋トレが「ロウイング」です。

こちらの筋トレを行うことで、「僧帽筋中部線維(そうぼうきんちゅうぶせんい)」や「菱形筋(りょうけいきん)」を刺激できます。

ロウイング
STEP1:座った姿勢から両手を前方に伸ばします
STEP2:両肘を曲げながら肩甲骨を内側に寄せます
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰を反らさないように注意しましょう
※顎を引きながら運動しましょう

ツボを刺激するセルフマッサージ

ご自身で肩を揉みほぐす「セルフマッサージ」もおすすめです。

血流改善効果やリラックス効果が期待できます。また、全身に点在する「ツボ」を刺激するのも有効なので、ぜひ実践してみてください。

ここで、セルフマッサージを行う際におすすめのツボを2つ紹介します。

1つ目は「肩貞(けんてい)」というツボです。

肩の外側の丸みにあたる「三角筋」の後ろ側に存在します。反対側の手の人差し指・中指で揉みほぐしてみてください。

吐き気を伴う肩こりに効くツボ「肩貞(けんてい)」

2つ目は「大陵(だいりょう)」というツボです。

手首のしわ(手のひら側)のちょうど中央に位置します。肩こりの改善はもちろん、吐き気や不眠などにも効くと言われています。

吐き気を伴う肩こりに効くツボ「大陵(だいりょう)」

普段の「姿勢」を整える

肩こりを改善・予防するために、普段の姿勢を見直してみましょう。

背中が丸まり「猫背」になったり、肩が前に巻き込まれた「巻き肩」になったりしていないでしょうか。

姿勢が整い重心が正しい位置に乗ることで、肩への負担が減り筋肉も緩みます。そして、身体の緊張も和らぎリラックスできるでしょう。

人によっては、ストレッチや筋トレよりも早く効果が出るかもしれません。ぜひ、姿勢の見直しを実施してみてください。

参考記事:【簡単】姿勢を良くする方法4選!猫背や反り腰を改善して正しい姿勢を保つには
参考記事:巻き肩を治す方法はある?効果的な寝方やグッズの使い方・おすすめストレッチを解説
参考記事:猫背を治す方法とは?姿勢改善にオススメのストレッチ・筋トレを詳しく紹介!

肩の痛み・吐き気が強い場合はすぐに病院へ

もし、「肩の痛みがまったく引かない」「吐き気の頻度が多い」こういった症状が見られる場合、内臓や脳の病気の可能性が考えられます。

そのまま放置せず、すぐに病院を受診してください

「何科にかかれば良いのかわからない」という場合は、まず整形外科もしくは消化器内科で診てもらうことをおすすめします。

まとめ

肩周りの血流が悪くなったり自律神経が乱れたりすることで、首にある嘔吐中枢が刺激されて吐き気が起こると考えられます。

吐き気を伴う場合、それだけ肩こりの症状が重いということです。したがって肩こりを放置していると、症状は悪化し、不快感が繰り返されます。

ぜひ、本文で紹介したセルフケアを実践して、肩こりの改善を図ってみてください。コツコツ続けていけば、肩のだるさも吐き気も現れなくなるでしょう。

それでは当記事があなたのお役に立つことを願っています。

【参考文献】
1)日本緩和医療学会:嘔気・嘔吐の病態生理
2)一般社団法人 :自律神経失調症
3)木村 進匡:嘔吐中枢に関する研究
4)古川 直裕:嘔吐誘発の中枢神経機構