【腰痛?】左側のおしりの上が痛い場合の原因と自分でできるストレッチを解説!

左側のおしりの上が痛くなり、「これって腰痛なのかな?」「どのように対処したら良いのだろう」と不安に思ったことはないでしょうか。

片側のおしりが痛くなった時、一概に腰痛とは限りません。おしりや下半身の神経など、腰以外の部分が関わっていることもあります

今回は、片側のおしりが痛い場合の原因と、自分でできるストレッチについて詳しく解説します。当記事を参考にすることで、辛いおしりの痛みの改善にお役立ていただけると幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。

【右側・左側】片側だけおしりの上が痛くなる3つの原因

お尻の痛みに悩む女性

おしりの上が痛くなる場合、おしり周りの神経や靭帯が影響している可能性があります。原因として考えられるものは主に3つ挙げられます。

【腰から足にかけて痛みがある】坐骨神経痛

坐骨神経を説明する図

おしりの左側が痛い場合、多いケースとしては坐骨神経痛です。坐骨神経痛とは、坐骨神経という背骨から足先まで走っている神経が、なんらかの原因により圧迫されて起こる痛みのことを言います。

圧迫される部位によりおしりや腰に痛みが出る場合もあれば、足のしびれを伴うケースもあります。

主に坐骨神経痛を引き起こす原因は、以下の3つの疾患が挙げられます。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアを説明する図

椎間板ヘルニアとは、腰の背骨の間にある椎間板と呼ばれるクッションが、潰れてしまい神経を圧迫する病気です。

前かがみになった際におしりの痛みが悪化する場合は、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛が関係しているかもしれません。特に座った姿勢で前かがみになる姿勢は、椎間板への負荷が高まるため、普段の座り方が悪い場合は注意が必要です。

参考記事:腰椎椎間板ヘルニアとは?痛みを和らげる方法をわかりやすく解説!

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症を説明する図

脊柱管狭窄症は、脊柱管という背骨の神経の通り道が狭くなる病気です。加齢など長い期間に渡り体を支えることで、脊柱管を構成する組織が変性し、神経を圧迫してしまいます。

腰を反らした時に、お尻の痛みが強くなる場合は、脊柱管狭窄症が原因の坐骨神経痛が関係しているかもしれません。

梨状筋症候群

梨状筋症候群を説明する図

梨状筋症候群は、おしりの筋肉である梨状筋が硬くなることで起こります。

なぜなら梨状筋という筋肉は、坐骨神経の近くを通っている筋肉で、人によっては梨状筋の中を坐骨神経が通るのです。よって筋肉が硬くなると神経を圧迫するので、お尻のしびれや痛みを引き起こします。

参考記事:【腰から片側の足にかけての痛み】坐骨神経痛の原因と3つの対処法を専門家が解説!

【妊娠中や産後女性に多い】仙腸関節障害

仙腸関節障害を説明する図

坐骨神経痛と間違えやすい病気に、仙腸関節障害があります。仙腸関節とは、骨盤の腸骨と呼ばれる大きな骨と仙骨と呼ばれる背中側の骨の間にある関節です。多くの靭帯に支えられ、本来はわずかに動く程度です。

仙腸関節が緩んだり左右差が出るなどしてストレスが掛かると、痛みを引き起こすことがあり、その場合を仙腸関節障害と言います。

特に妊娠中や産後女性は、妊娠期にリラキシンと呼ばれるホルモンの分泌量が増えることで靭帯が緩みます。すると仙腸関節にストレスが掛かりやすくなるため、痛みの発生リスクが高まるのです。

【押すと痛みが出る】殿皮神経障害

殿皮神経を説明する図

おしりの横の筋肉や腰骨の上を押すと痛みが出る場合は、殿皮神経障害の可能性があります。1)

殿皮神経とは、おしりの浅い部分にあり非常に細い神経です。そのため、おしりの筋肉が硬くなると神経を圧迫し、痛みにつながります。

長時間に渡り座っていることが多かったり、仰向けなど寝ている姿勢で痛みが出ること多いでしょう。

参考記事:【意外と知らない】坐骨神経痛とは?間違える病気と自宅でできるセルフチェック方法を解説

【おしりではなく腰が痛い】片側の腰痛がある場合の原因について

おしりが痛む原因はわかりましたが、おしりではなく腰や背中が痛いという場合もあるでしょう。片側の腰や背中が痛い時に考えられるケースとしては、主に3つあります。

椎間板性腰痛

椎間板性腰痛は、椎間板という腰の背骨(腰椎)の衝撃を吸収するクッションのような組織が関係している腰痛です。前かがみ姿勢などで背骨に負担が掛かり、生じるケースが多いと言われます。

背骨を通る神経を圧迫することで起こり、圧迫する部位によっておしりに痛みが出る場合もあれば、腰に症状が出ることもあります。

椎間関節性腰痛

椎間関節性腰痛は、背骨とつなぎ目である椎間関節が原因で症状が出ている腰痛です。

腰を反らした時に片側の腰に痛みが出ている場合は、椎間関節性腰痛の可能性があります。また関節自体に炎症が起きているため、背骨の2〜3cm外側がピンポイントで痛い場合も、椎間関節性腰痛かもしれません。

筋筋膜性腰痛

筋筋膜性腰痛とは、その名の通り筋肉と筋膜が関係している腰痛です。筋膜とは、筋肉の周りを覆っている膜のことを指します。

ピンポイントではなく広範囲に痛みがあったり、筋肉を押すと痛みが出る場合には、筋筋膜性腰痛に当てはまるでしょう。

背骨周りのインナーマッスル(姿勢を支える奥の方にある筋肉)が弱くなり、アウターマッスル(大きな運動を担う筋肉)が過剰に働いていると、アウターマッスルに負荷が掛かり筋筋膜性腰痛になる危険性が高まります。

参考記事:【右側・左側】片側だけ痛い腰痛の原因と対処法を専門家が解説!

【原因別】片側のおしりの痛みを解消するストレッチ5選

おしりの痛みを解消するためには、それぞれの原因別にそった対処法を行う必要があります。筋肉が硬くなっていることが原因の場合もあれば、筋肉の弱さなどが影響していることもありますので、ぜひご自身の症状に合わせて行なっていきましょう。

坐骨神経痛の場合

坐骨神経痛は、筋肉や神経の柔軟性が乏しい場合、起こることが多いです。そのため、それぞれ原因となっている病気に合わせて、必要なストレッチをする必要があります。

椎間板ヘルニアはもも裏のストレッチがおすすめ

もも裏の筋肉であるハムストリングスが硬くなると、骨盤が後ろに引っ張られ背骨が丸くなる傾向にあります。背骨が丸くなると椎間板への圧が高まり、ヘルニアを悪化される可能性も。

さらに坐骨神経はもも裏にも走っているので、坐骨神経自体の柔軟性にも効果的なストレッチです。

ハムストリングスストレッチ

STEP1:仰向けとなり片脚を抱えましょう
STEP2:可能な限り膝を伸ばしましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※太ももがお腹から離れないように注意しましょう

脊柱管狭窄症には股関節付け根のストレッチが効果的

股関節の付け根の筋肉を腸腰筋(ちょうようきん)と言い、骨盤を前に傾ける働きがある筋肉です。

腸腰筋が硬くなると骨盤が前に傾き、背骨が連動して反り腰になります。反り腰になると脊柱管が狭くなるため、脊柱管狭窄症の症状を悪化させる可能性があります。

よって腸腰筋をストレッチし、骨盤や背骨の位置を整えましょう。

腸腰筋ストレッチ

STEP1:片膝立ちの姿勢になりましょう
STEP2:前方の足に体重をのせましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰を反らさないように注意しましょう

梨状筋症候群はお尻のストレッチがおすすめ

梨状筋症候群は、運動不足などで梨状筋が硬くなり、神経を圧迫することで症状が発生します。

特に座りすぎの方はおしりの筋肉の血流も低下し、筋肉が硬くなりやすい傾向です。そのため習慣的におしりのストレッチを行うと良いでしょう。

梨状筋ストレッチ

STEP1:片膝を反対側の太ももの上にのせましょう
STEP2:骨盤を前方へ倒し姿勢を保持しましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰が丸まらないように注意しましょう

仙腸関節障害はおしりの筋トレを!

仙腸関節が不安的になり痛みが出ている場合は、おしりの筋トレを推奨します。なぜなら大殿筋はおしりの中でも最も大きな筋肉で、仙腸関節を覆う筋肉であるため、大殿筋を鍛えていきましょう。

両脚ヒップリフト

STEP1:仰向け姿勢となり両膝を曲げましょう
STEP2:身体が一直線になるまでお尻を持ち上げましょう
STEP3:ゆっくり下ろします
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰を反らさないように注意しましょう

殿皮神経障害はリーチバランスが最適!

殿皮神経障害では、おしりの筋肉や筋肉を覆う筋の周りを覆う膜(筋膜)の動きが悪くなる傾向です。よって骨盤を左右に動かすことで、筋肉や筋膜の動きを改善していきましょう。

側方リーチバランス

STEP1:両手を真横へ伸ばしましょう
STEP2:元の姿勢に戻りましょう
STEP3:繰り返し実施します
STEP4:バランスを崩さないように注意しながら行いましょう
※両腕は床と平行を保ちましょう

まとめ

今回は、片側に出るおしりの痛みの原因と自分でできるストレッチについて解説しました。

おしりの痛みには、坐骨神経をはじめとするお尻周りの神経が、関係していることがわかりましたね。また腰痛とお尻の痛みの違いも合わせて解説しました。

原因によって対処法は異なりますので、ご自身の症状に照らし合わせながら、当てはまるストレッチを行なっていくことが重要です。

ご自身がどのパターンに当てはまるのかわからない場合は、お近くの病院や整骨院、接骨院などの専門家にご相談ください。

それでは本記事が、あなたのおしりの痛みを改善するのにお役立ていただけますと幸いです。

 

【参考文献】
1)金 景成:上殿皮神経障害のレビュー,Spinal Surgery 30(2)141-145,2006