【重だるい】右腰の後ろの鈍痛はなぜ起こる?原因と対処法について解説!

右腰の後ろに鈍痛(にぶい重いような痛み)があり、この痛みはなぜ起こるのだろうかと疑問に思ったことはないでしょうか。

右腰の後ろが痛くなる原因はさまざまあるため注意が必要です。また、なかには病院に速やかに行った方が良い場合もあります。

そこで今回は、片側の腰が痛い場合の原因と、自分でできる対処法について詳しく解説します。当記事を参考にすることで、腰の痛みの改善にお役立ていただけると幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。

右腰の後ろに痛みが出る原因とチェック方法を解説!

腰の後ろに鈍痛がある場合、原因は主に筋肉・腰椎・内臓・神経・腫瘍や炎症の5つが考えられます。チェック方法も合わせて紹介しますので、ご自身の症状と見比べながら読み進めてください。

【座りすぎや運動不足で多い】筋肉・筋膜の問題

右腰後ろの痛みに悩む女性

腰痛には検査をして原因がわかるものもありますが、検査をしても異常がない場合もあります。その時に疑われるのが筋肉や筋膜の炎症・損傷により痛みが出てしまうケースです。

以下の症状が当てはまる場合、筋肉や筋膜への負荷が原因である可能性が高いです。

  • 筋肉を押すと痛みが強くなる
  • 広範囲で痛みがある
  • 長時間に渡り同じ姿勢と取っていると痛みが悪化する

【腰の背骨や神経が関係する】腰椎の問題

腰の背骨である腰椎が関係している問題です。その中でも椎間板という背骨の間にあるクッションが関係しているものと、背骨の間にある関節が影響しているものの2種類があります。

腰椎椎間板ヘルニア

右腰後ろの激痛の原因のひとつ「腰椎椎間板ヘルニア」

椎間板とは背骨の間にあるクッションのような組織で、衝撃を吸収することでストレスを緩和させる働きがあります。

本来、椎間板は弾力性を持ちますが、加齢や長時間の負荷により椎間板が変性することも。その結果、ゼリー状になっている髄核という組織が飛び出し、神経を圧迫するため、腰にしびれや痛みなどの症状が生じてしまうのです。

以下の症状が当てはまる場合、椎間板への負荷が影響しているかもしれません。

  • 腰や足に強いしびれや痛みが広がる
  • 仰向けで足を挙げると、坐骨神経に沿って痛みを生じる
  • 背骨を丸めると痛みが強くなる

参考記事:腰椎椎間板ヘルニアとは?痛みを和らげる方法をわかりやすく解説!

椎間関節性腰痛

椎間関節腰痛を説明する図

椎間関節とは、上下2つの腰椎(腰の背骨)を結びつける関節です。解剖学的にストレスを受けやすく、急性腰痛を生じやすいと言われます。また炎症により慢性腰痛の原因も生じやすいと言われます。

以下の症状が当てはまる場合、椎間関節が関係している可能性が高いです。

  • 腰を反ると痛みが強くなる
  • 背骨から2〜3cm外を押すと痛みがある

【腎臓や子宮など】内臓の問題

腰痛は、腰だけでなく内臓が関係していることもあります。とくに消化器系、泌尿器系、婦人科系などの問題で、腰痛につながることが多いのです。

消化器系の問題

消化器系の問題が腰痛を引き起こす要因として、関連痛が挙げられます。関連痛とは、痛みの原因のある場所とはまったく違う場所に生じる痛みのことを指します。

関連痛はなぜ起こるかと言うと、内臓の感覚を伝える神経と皮膚の痛みを感じる神経が同じ背骨の神経につながることが関係しています。内臓の炎症などが起こった際に、痛みの刺激が誤って脳に情報が伝わってしまい腰に痛みを感じてしまうのです。

以下の症状が当てはまる場合、消化器が関係している可能性が高いです。

  • 突然の痛み
  • 吐き気を伴う
  • 刺激物を食べたあとに起こった

泌尿器系の問題

腎臓は左右の腰のあたりに一つずつある臓器です。右の腎臓の感染や炎症が起こることで右腰の後ろに痛みを感じることがあるでしょう。

具体的には尿路結石や腎結石、腎盂腎炎(じんうじんえん)などが含まれます。

以下の症状が当てはまる場合、泌尿器が関係している可能性が高いです。

  • 排尿時の痛み
  • 発熱
  • 濁った濃い尿が出る

婦人科系の問題

婦人科系の問題には、子宮内膜症や子宮がんなどが関係している可能性があります。

子宮内膜症とは、本来は子宮の中にある内膜が他の場所にできてしまう病気です。月経の度に膜が剥がれて出血するため、炎症などから痛みを生じると言われます。

また子宮がんの場合には、がんの進行が起こることで子宮のすぐ後ろに仙骨や腰椎を圧迫するなどの影響から腰痛を引き起こす可能性があるのです。

以下の症状が当てはまる場合、子宮など婦人科系の問題が関係している可能性が高いです。

  • 重度の月経痛がある
  • 月経時に大量の出血がある
  • 休息をとっても痛みが改善しない
  • 同じ姿勢を取っていると痛みが強くなる

【坐骨神経痛など】神経の問題

坐骨神経痛を説明する図

坐骨神経とは、腰から足に掛けて走っている神経です。坐骨神経が圧迫されることで痛みやしびれなどの症状が出ることを坐骨神経痛と言います。腰の病気が関係していることもあれば、お尻の筋肉が硬くなり神経を圧迫しているケースもあります。

以下の症状が当てはまる場合、坐骨神経が関係している可能性が高いです。

  • 腰から足に掛けてしびれがある
  • 仰向けで寝て片脚を持ち上げると痛みやしびれが強くなる

参考記事:【意外と知らない】坐骨神経痛とは?間違える病気と自宅でできるセルフチェック方法を解説

【腎臓や腸など】腫瘍や感染の問題

腫瘍や感染が疑われる場合は、重篤であるため注意が必要です。症状だけでは確定ができないため、X線やMRIなどの検査が推奨されるため、病院の受診をした方が良いでしょう。

以下の症状が当てはまる場合、腫瘍や感染が関係している可能性が高いです。1)

  • 50 歳以上(がん)または 20 歳未満(骨髄腫 白血病リンパ腫など) 
  •  がんの既往 
  • 発熱・悪寒 
  • 説明のつかない体重減少
  • 最近の細菌感染(尿路感染・静注歴) 
  • HIV・移植・ステロイド使用(免疫低下) 
  • 安静臥床で悪化する腰痛(腫瘍,炎症)

参考記事:【右側・左側】片側だけ痛い腰痛の原因と対処法を専門家が解説!

右腰の後ろが痛い時に行うべき対処法とは?

右腰の後ろが痛い時の原因を解説しましたが、なかには内臓の問題や感染やがんなどが潜んでいるものもあることもわかりましたね。そのため、痛みを放置すると一大事になる可能性も。症状がある場合には、正しく対処することが重要ですので、解説していきます。

医療機関を受診する

医療機関の写真

まずは急にズキズキするような痛みが発生したり、我慢できない痛みが続く場合には、医療機関の受診を推奨します。自分で原因を確定することは難しいので、何科を受診するべきかわからない場合は、まずは整形外科を受診すると良いでしょう。

整骨院や接骨院に通う

医療機関を受診したものの継続して通うほどの症状ではなかったり、我慢できる程度の慢性的な痛みがある場合は、整骨院や接骨院を利用することもできます。

体の専門家があなたの体をチェックして、個別にプログラムを提供してくれます。また自宅で行うべき対処法なども指導してくれるでしょう。

ストレッチを行う

筋肉や筋膜が原因となっている場合には、継続的なストレッチが必要となるケースが多いです。普段、デスクワークなどで日常的に座っている時間が長い場合などは、筋肉が硬くなり腰痛につながるケースが多いので、こまめに体を動かした方が良いでしょう。

自宅でできる】片側の腰痛を解消するストレッチ3選

受診しても異常はないものの痛みがあるという場合に、自宅で行えるストレッチを紹介します。筋肉や筋膜、神経などが原因であるケースにおいて効果的なストレッチばかりです。ぜひ当てはまる方は取り組んでみてください。

お尻のストレッチ

筋肉や筋膜が影響している腰痛に大きく関係しているのが、お尻の筋肉です。梨状筋と呼ばれるお尻の奥にある筋肉が硬くなると坐骨神経が圧迫され、痛みが出ることもあります。

さらに大殿筋は、腰の胸腰筋膜と呼ばれる筋膜と繋がっています。お尻が硬くなることで腰も硬くなり症状を引き起こすことが多いため、お尻の筋肉のストレッチは重要です。

梨状筋ストレッチ

STEP1:片脚を反対の太ももの上に乗せましょう
STEP2:骨盤を前方へ倒し姿勢を保持しましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰が丸まらないように注意しましょう

もも裏のストレッチ

もも裏のハムストリングスという筋肉は、骨盤の動きに関わります。ハムストリングスが硬くなると骨盤が後ろに傾くため、背骨の位置の乱れにつながるのです。そうすると椎間板や脊柱管に負担が掛かり腰痛を引き起こすリスクがあります。もも裏のストレッチを行い、骨盤の位置を整えましょう。

ハムストリングスストレッチ

STEP1:仰向けとなり片脚を抱えましょう
STEP2:可能な限り膝を伸ばしましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※太ももがお腹から離れないように注意しましょう

背骨の運動

背骨周りには多くの筋肉が付いています。背骨は一つずつ分節的に動かせることが理想的ですが、普段から動かしていないと動かす感覚がわからず、周りに付いている筋肉も硬くなってしまいます。筋肉が硬くなると血流も悪化し、痛みにつながるため、背骨を動かすことも腰痛予防のために重要な動きの一つです。

CAT&DOG

STEP1:四つ這い姿勢となりましょう
STEP2:肩甲骨を寄せながら背中を反らせましょう
STEP3:肩甲骨を離しながら背中を丸めましょう
STEP4:2つの動きを繰り返し実施しましょう
※肘が曲がらないように注意しましょう

まとめ

今回は、右腰の後ろの痛みの原因と自分でできるストレッチについて解説しました。

片側の腰の鈍痛には、筋肉や腰椎などだけでなく、内臓や感染などさまざまな原因があるとわかりましたね。

筋肉や筋膜、腰椎が原因となっている場合には、ストレッチをして体を整えることで症状が緩和したり予防できるケースも多々あります。ご自身の症状と見比べながら、無理のない範囲で取り組んでみてください。

ご自身がどのパターンに当てはまるのかわからない場合は、お近くの病院や整骨院、接骨院などの専門家にぜひご相談くださいね。

【参考文献】
1)上井 浩:腰痛診療ガイドライン2019の要旨と解説,日大医誌81(3),123-126,2022