整形外科と整骨院の併用(はしご)は要注意!バレる理由と例外ケースも詳しく解説

怪我や痛みを治したい時に足を運ぶのが「整形外科」や「整骨院(接骨院)」です。

それぞれ特徴やメリットがありますが、中には「どっちに行くか決められない」「なるべく早く治したい」という理由から併用(はしご)を考えている方もいるでしょう。しかし、整形外科と整骨院の併用には注意が必要です。

何も知らず掛け持ちした結果、結果的に損をしてしまう場合もあるので注意して下さい。

当記事では、整形外科と整骨院を併用する際の注意点をはじめ、併用がバレる理由や掛け持ちできるケースを詳しく解説します。

最後まで読み進めることで、整形外科と整骨院を正しく併用する方法が分かるようになるでしょう。

【保険適用の場合】同時期・同じ症状で整形外科と整骨院(接骨院)を併用することは認められない

整骨院で患者の話を聞く柔道整復師

最初に「保険」を使う場合について見ていきましょう。

整形外科でも整骨院(接骨院)でも、保険を使って施術を受けることが可能です。しかし保険適用の場合、同時期・同症状の治療で整形外科と整骨院を併用することは認められていません。

もし併用した場合、整骨院の料金が自費扱いとなるので注意が必要です。併用が認められない大きな理由は、「医療費が増大してしまうから」です。

そのため整形外科と整骨院を掛け持ちした際は、社会的信頼度が高い整形外科の保険適用が優先されます。

別の箇所(症状)なら同時期に掛け持ちは可能

もちろん別の箇所(症状)を治療する場合は、同時期に保険を使って整形外科と整骨院を併用できます。

例えば、「整形外科で腰痛の保険治療を受けている期間中に、整骨院で捻挫の治療を受けるために保険を使うことは可能」ということです。

ただし、整形外科と整骨院で保険適用になる症状は大きく異なるので注意して下さい。整形外科ではほとんどの症状に対して保険適用になりますが、整骨院で保険が使えるのは怪我など急な痛みの処置に対してのみです。

参考記事:【接骨院・整骨院のかかり方】健康保険の適用範囲と注意事項を解説

整形外科と整骨院の併用がバレる理由

なぜ、整形外科と整骨院の併用がバレるのでしょうか。

理由は、各種健康保険組合が「正しく保険が使われているか」を定期的に調査を行っているからです。さらに、昨今の医療費の高騰を抑えるために、調査がより厳しくなっているという背景もあります。

バレるタイミングは、整形外科と整骨院を併用した翌月以降です。場合によっては見つからない可能性があるものの、法律上は違法になるため注意ください。

もし整骨院での施術に保険適用が認められなかった場合、後から利用した分の施術料を全額支払わなければならない場合もあります。

こういったことから、むやみに整形外科と整骨院をはしごすることはおすすめしません。

【例外】同時期・同症状で整形外科と整骨院を併用できるケースもある

ここまで解説してきたように、整形外科と整骨院の併用は難しい場合が多いです。しかし、保険適用という条件を外したり医師の承諾があったりした場合は、その限りではありません。

3つの例外ケースを紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。

自費という形で整骨院の施術を受ける

整骨院で電気治療を受けている様子

整形外科を保険で、そして整骨院を自費という形で利用するなら、自己判断で併用可能です。もし整形外科の治療でも思うように症状が改善しない場合は、並行して整骨院の自費施術を利用してみましょう。

観点が違う複数の施術を受けることで、症状が早く改善するというメリットも期待できます。

各整骨院では様々な自費施術を提供しているので、ホームページなどで探してみて下さい。

参考記事:【接骨院・整骨院】自費と保険適用の料金相場をわかりやすく解説

整骨院の後に整形外科を受診・医師が整骨院での施術に同意した

医者が問診をしている様子

例えば骨折や脱臼をした際に整骨院で応急処置を受けて、その後に整形外科を受診することは認められており保険適用も可能です。

または整形外科での骨折の治療後などに、担当医師が整骨院での施術に同意した場合は同時期・同症状でも保険を使って施術(リハビリなど)を受けられます。

このように緊急性が高い場合や医師の判断によっては、同時期・同症状での整形外科と整骨院の併用が可能になるケースがあるので把握しておきましょう。

交通事故後の治療

交通事故後の治療の様子

交通事故に遭い負った怪我を治療する場合は、同時期・同症状でも整形外科と整骨院を併用できるケースがあります。

当然、治療費を支払うのは事故を起こした相手側なので、こちらが費用を負担せず整形外科と整骨院の両方に通えることになります。ただし、相手方の保険会社に整骨院への通院を希望する旨を伝え、また担当の整形外科医に整骨院に通うことへの許可を得なければなりません。

中には整骨院で施術をすることを認めない、嫌がる整形外科の先生もいることを、あらかじめ把握しておきましょう。

加えて、同日内に整形外科と整骨院の両方に通うことは認められない場合もあるので、注意して下さい。

参考記事:【一日いくら?】交通事故後に整骨院・接骨院へ通う際に請求できる慰謝料を詳しく解説!

まとめ

ご覧頂いたように、整形外科と整骨院の併用にはいくつか注意点が存在します。

とくに保険適用の場合は、しっかりルールを守りましょう保険組合の調査によって併用がバレれば、大きな損をしてしまいかねません。

「受診してしまった……」と後から後悔しないように十分気をつけて下さい。

しかし、併用そのものが「悪」ということではありません。実際、整形外科と整骨院を掛け持ちして治療を受けることで症状が早く改善するケースが多いからです。

多少費用はかかりますが、整骨院を自費で利用することも視野に入れてみてください。

それでは当記事を参考にしながら、適した形で整形外科・整骨院を利用しましょう。

参考文献
1)トヨタ車体健康保険組合:健康保険を使って接骨院・整骨院にかかるとき