逆子体操は本当に効果があるの?体操の方法と注意点について紹介!

「お腹の中の赤ちゃんが逆子だった場合、なおす方法はあるの?」
「逆子体操は本当に効果があるのかな…」
「逆子体操のやり方やコツを知りたいな」

妊婦健診で「逆子」の診断が出た方の中には、このように思った方もいるのではないでしょうか?妊娠がわかり赤ちゃんの誕生が待ち遠しいと思いますが、「逆子」と聞くと少し不安を感じますよね。

当記事では逆子についての基礎知識や原因について解説していきます。また、逆子体操の効果や方法、注意点についても詳しく紹介していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

逆子とは?基礎知識をまずは確認

お母さんのお腹にいる時に赤ちゃんの体勢は頭を下にしている場合が多く、これを専門用語では「頭位(とうい)」と言います。

しかし、なんらかの原因で赤ちゃんがお尻を下にした体勢になることがあり、これを一般的には「逆子」と言い、専門用語では「骨盤位(こつばんい)」と呼ばれています。

妊娠中の骨盤位と頭位を示す画像

当記事では逆子になる原因や逆子の判別方法、逆子になる割合、逆子になることによるリスクについて解説していきますので、どうぞご覧ください。

【原因】逆子はどうしてなるの?

なぜ逆子になるのかは多くが原因不明です。

しかし、お母さんのお腹の中に動くスペースがあるため胎内で赤ちゃんがくるくると動き、30週ころまでは逆子になることがあります。

お腹の中の赤ちゃんは発育に伴って自然に頭を下にした体勢になっていきます。胎内をくるくると動くことで、赤ちゃんは筋力や体力をつけて大きくなっていくのです。

また、以下のことが逆子になりやすい要因と考えられています。

  • 双子や三つ子などの多胎児の場合
  • 子宮内の羊水が多かったり、少なかったりする
  • 子宮筋腫がある
  • 子宮の形が正常と違う
  • 胎盤が正常よりも低い位置についている(前置胎盤など)
  • 赤ちゃんが早産の場合

必ずしも以上のことが要因で逆子となるわけではありませんが、念の為、参考程度に覚えといてください。

逆子を判別する方法はあるの?

妊婦の腹部エコー検査をしている画像

 

逆子の判別は主に超音波検査、いわゆるエコー検査で行われます。

妊娠30〜32週頃にお母さんのお腹の中で赤ちゃんがお尻を下にした体勢でいる場合に、医師による診断がされます。

加えて、内診でも子宮口から赤ちゃんの足や膝、お尻などを触れて確認することで診断がされるのです。

逆子になる割合はどれくらい?

さて、妊娠中にお腹の中の赤ちゃんが逆子になる割合をご存知でしょうか?妊娠中期頃までは約30〜50%の割合で逆子と言われております。

しかし、赤ちゃんの発育が進むにつれて妊娠30週ころには全体の約15%になり、妊娠37週頃には約3%まで割合が減少するのです。

逆子になることによるリスクについて解説!

お腹の中の赤ちゃんが分娩時に逆子であると、次のようなリスクが考えられます。

  1. 分娩時に赤ちゃんが骨折したり、神経を損傷したりしてしまう
  2. 分娩時にへその緒が赤ちゃんよりも先に出てきてしまい、赤ちゃんに血液や酸素が十分に行き渡らず赤ちゃんの脳や生命に危険が生じる
  3. 分娩時間が長引いてしまうことで、赤ちゃんの脳へのダメージや生命の危機が及んでしまう 

以上のようなリスクを回避するために、妊娠34週頃で逆子がなおらなければ帝王切開の準備を進める産院が多いです。

逆子体操の効果と注意点について紹介

ここからは逆子をなおすのに効果があると言われている逆子体操について紹介していきます。また、逆子体操を行う上での注意点も一緒にお話ししますので、参考にしてみてください。

逆子体操の効果

実は、逆子体操を行うことで逆子がなおるという科学的な証明はされていません。

また、逆子体操を行わなくともお腹の中の赤ちゃんが自然と回転し、頭を下にした体勢に戻ることがあったとの報告もあるそうです。

専門家の中でも意見が分かれていますが、、逆子体操によって逆子の回転を促すことに成功した例も多くありますので、ぜひ無理のない範囲での実施を検討してみてください。

逆子体操の注意点

逆子体操を行う上で、いくつかの注意点があります。軽い子宮収縮を伴う場合があるため、実施前には必ずかかりつけの産科医に相談してください。とくに早産の危険性がある方は注意が必要です。

また、一口に逆子体操と言っても、各々で適した体勢が異なります。どのような体勢を取ればいいのかも必ずかかりつけの産科医に確認しましょう。

以上のことに気をつけ、安全に逆子体操を実施するようにしてください。

【実践】逆子体操のやり方とコツについて解説

逆子体操には胸膝位(きょうしつい)側臥位(そくがい)ブリッジの3つの方法があります。体調が悪い時やお腹が張る時などは無理に行わないようにしましょう。

一番はお母さんと赤ちゃんの健康ですので気をつけてください。

胸膝位

骨盤の位置を頭より高く持ち上げる胸膝位(きょうしつい)を紹介していきます。

胸膝位

STEP1:四つん這いの姿勢からスタートです。
STEP2:次に両手を前に伸ばし、頭と胸を床につけるようにします。
STEP3:膝を立てたままでお尻も高く持ち上げます。
STEP4:はじめは数分間保ち、体調面に問題がなければ最大15分間行っていきましょう。
※終わったあとは急に立ち上がったりせず、数分間横向きで寝てください。

側臥位

横向きで寝た状態のことを側臥位(そくがい)と言います。お腹の中の赤ちゃんの背中がどちらを向いているかで、横になる方向が変わります。

側臥位

⚫︎赤ちゃんの背中がお母さんのお腹の左側にある時は、体の右側を下にして横になります。
⚫︎赤ちゃんの背中がお母さんのお腹の右側にある時は、体の左側を下にして横になります。
※赤ちゃんがどちらを向いているかわからないという方は、妊婦健診の際にかかりつけの産科医に聞いてみるといいでしょう。

ブリッジ

ブリッジという体操を聞いたことがある方もいるかと思います。こちらで紹介するブリッジは両手両足を踏ん張って行うきついものではありません。

しかし、体調が悪い時やお腹が張る時は行わないようにしてください。始める前に腰の下に入れるクッションや枕、バスタオルなどを用意しておきましょう。

ブリッジ

STEP1:布団やヨガマット、長座布団などの上に仰向けになりましょう。
STEP2:脚を肩幅に開き両膝を立てます。
STEP3:用意したクッションやタオルを腰の下に入れて骨盤を持ち上げます。
STEP4:
最初は数分から行い、体調面に問題がなさそうであれば最大10分姿勢を保ちましょう終了後は横向きに寝て休憩を取ります。

逆子体操はいつから始めると良い?

逆子体操はいったいいつから始めたら良いか気になっている方がいると思います。妊娠中期までは妊婦さんの約30〜50%で逆子がみられますが、自然に頭を下にした体勢に戻ることが多いです。

そのため妊娠中期までは様子をみて、後期に入っても赤ちゃんが逆子の場合は、かかりつけの産科医に相談して逆子体操を行うべきかの判断をあおぎましょう。

決して「逆子が気になるから…」と自己判断で体操を行うことは禁物です。

体操以外にできる逆子対策

逆子体操以外に逆子対策をできる方法として有名なのは「外回転術」という医師による施術があります。この施術は医師が厳重なモニター管理を行い、妊婦さんのお腹を手で押して赤ちゃんの回転を促し、逆子の状態をなおす方法です。

外回転術の成功確率は60〜70%と言われており、諸外国でも行われていますがどこの病院でも受けられるわけではありません。

外回転術を希望する際は、かかりつけの産科医に相談することが大切です。

まとめ

ここまで、逆子体操の効果や方法について解説していきました。本文でも触れましたが、逆子体操については科学的な立証がされていません。

しかし、逆子の改善につながるケースも多くありますので、かかりつけの産科医とよく相談しながら、ぜひ紹介した逆子体操を試してみてください。

それでは、本記事があなたのお役に少しでも立つことを願っています。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

参考文献
1)
公益社団法人 日本産婦人科医会
2)ACOG FAQ. If Your Baby Is Breech.
3)MSD マニュアル 家庭版
4)一般社団法人 関東連合産婦人科学会