一人で整体院を開業しようと思っても、何から始めたら良いのかわからない方も多くいらっしゃいますよね。資金調達から店舗の確保など、開業までに必要な事柄についてまとめ、順を追ってこなしていく必要があります。
そこで今回は、一人で整体師として開業するために必要な手順について、詳しく解説していきたいと思います。
一人で整体院を開業する際にやるべきこと
早速ですが、一人で整体院を開業する際にやるべきことについて詳しく解説していきます。
事業計画書を作成する
整体院を開業する際にまず大切なのが、事業計画書を作成することです。
事業計画書を作成すると、現在足りていない事柄や、どのような手順を踏んで解決すれば良いのかということがはっきりするでしょう。事業計画書を作成することで余計な手間を減らし、必要最小限で最大限の結果を出すための方法がわかるはずです。
そもそも事業計画書とは、整体院の事業内容はもちろんこと、その事業を行う目的、価格設定、利益目標、マーケティング戦略などをまとめたものです。
インターネットで検索してみると事業計画書の例が複数見つかりますので、作成の際には参考にしてみるとよいでしょう。
初期費用
5坪ほどの店舗を借りて整体院を開業した場合の、およその初期費用は以下の通りです。
- 物件取得費⇒約100万円
- 内装工事費⇒約200万円
- 設備費⇒約100万円
- 備品購入費⇒約10万円
- 広告宣伝費⇒約30万円
合計⇒約440万円
整体院を開業する場合、さまざまな条件にもよりますがおおよそ440万円ほどの初期費用がかかります。
初期費用の額につきましては開業を考えている地域によっても異なりますので、事前にチェックしておくことが大切です。また、開業後には広告宣伝費などの費用も必要となります野で覚えておくようにしましょう。
開業資金を調達する
すでに開業資金が手元にある方は別ですが、基本的に多方面から融資を受けて開業資金を調達する必要があります。
調達の方法としては、金融機関から借りたり国から助成金をもらったり、日本政策金融公庫に融資の申請をしたりするなど、多岐にわたります。融資を受けるためには、前述した事業計画書を作成しておく必要がありますので、しっかりと事前に作りこんでおくようにしましょう。
また、融資によって整体院の開業を考えている方は、開業までの期間的な余裕も必要となります。
整骨院や接骨院の開業を決めたとき、どのくらいの資金が必要になるのか気になる人も多いでしょう。開業に向けてコツコツ貯金をするという方法もありますが、それには長い時間を要するため、あまり現実的ではありません。本記事では開業に必要なさまざまな資金[…]
物件を選定する
次に、整体院を開くためには適切な物件を選定する必要があります。
理想的な物件はターゲットにする顧客や開業する地域によっても異なりますが、ランニングコストが低い、駅近、ライバル店が側にない立地、という要素が重要になる場合が多いでしょう。自分の予算やサービスに見合った物件を選定することが大切です。
ランニングコストが割高でも、良い立地の物件の方が顧客を獲得する確率が高く結果的に利益が上がる場合もありますし、立地は良くなくてもサービスの評判が良ければお店が繁盛することもあります。
一概に整体院は駅近だから良いというわけではないことを覚えておきましょう。駅近だと仕事帰りのサラリーマンを顧客として獲得しやすいというメリットもありますが、駅近の物件はランニングコストが高く、安定的な経営ができなくなることもあります。
メニュー・価格設定
整体院として開業するにあたり、もっとも大事な要素の一つが、適切なメニューと価格設定です。
特に、価格設定は慎重に行う必要があり、地域や利用者に合った適切な価格帯を考える必要があります。
一人で整体院を開業するときに陥りやすい罠としては、「価格を安くしたら、お客さんが沢山きてくれるのではないだろうか?」という点でしょう。もちろんお客様としては価格が安いほうが魅力的に感じるでしょうが、経営側としては利益が少なくなり、結果的に施術が忙しくても経営が上手く回らないこともあります。
価格設定にこだわりのない方でしたら、基本的に近隣の施術所を調査してみると良いでしょう。特に長期間経営が上手くいっている施術所はその地域に見合った価格設定ができているはずです。
整骨院・接骨院を経営されている方、もしくは、これから整骨院・接骨院を経営しようとしている方は、どのようなメニューを提示すれば患者が満足するのかを知りたいですよね。 そこで今回は、整骨院・接骨院を経営するときにおすすめのメニューを紹介し[…]
備品の購入
施術をおこなうためのベッドの購入はもちろんのこと、待合室の椅子やカルテを入れるための棚、インテリアなどを含めれば、備品の購入だけで100万円を超えることもあります。
整体院を開業する際に購入すべき備品には以下のようなものがあります。
- 施術用のベッド
- 待合室の椅子
- カルテなどを入れる棚
- カーテン
- エアコンやストーブ
- 受付のデスク
- パソコンや冷蔵庫などの家電
など
開業の際の予算と照らし合わせ、必要なものはしっかりと揃えておくようにしましょう。
ホームページの開設
整体師として一人で開業する上で、ホームページの開設はもっとも重要な要素の一つです。最近では口コミ以上にホームページの内容を見て整体院を選ぶ方も多くいらっしゃいます。
できるだけお客様に安心感を与えられるようなホームページ作成をするようにしましょう。
ホームページに載せるべき情報には以下のようなものがあります。
- 営業日時
- 住所・アクセス
- 電話番号
- 施術内容(広告が許可されたものに限る)
など
整体院では広告規制に引っかかる場合もありますので、規制をしっかりと調べたうえでできるだけお客様に有益な情報を記載するようにしましょう。
チラシの作成
開業を行う際にはチラシの作成も必須です。チラシは近くに住んでいるお客様にお配りすることで、来店に繋がることもあるでしょう。
チラシで宣伝する場合は、開業する直前かオープン日に合わせて、店舗の住所、施術内容(広告が許可されたものに限る)、さらには割引券などを掲載すると効果的です。
ただし、チラシもホームページと同様に広告規制の対象となりますので、作成する際は注意しましょう。
z整骨院や接骨院で集客する方法のひとつにチラシがあります。チラシと言えば短期的なキャンペーンの告知に用いるものと考える方も多いでしょうが、実は長期的な宣伝にも効果的で相性の良い宣伝手段です。 今回は、チラシを作成するにあたってどのよう[…]
整体院の開業に資格は必要?
これまで接骨院や整骨院、整体院などで働いたことが無い方にとっては意外に思われるかもしれませんが、整体師として一人で開業するために特別な資格は必要ありません。
技術や知識が無い方でもすぐに開業することができてしまいます。
一方で顧客側としては、柔道整復師やあん摩・マッサージ師の資格をもっている整体師の方が安心して施術が受けられるでしょう。
整体師として一人で開業する上で、有利に働きやすい資格は以下の通りです。
【国家資格】
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ師
- はり師・きゅう師
など
【民間資格】
- カイロプラクティック
- スポーツ整体
- リフレクソロジー
- 国際ホリスティックセラピー
- 東日本療術師教会
- 日本セラピスト認定協会
- MTC療術師協会
など
これらの資格をとるためには一定の期間や資金が必要となりますが、今後の安定的な整体院経営を行うためにはやはり持っておいたほうが良いでしょう。
一人整体師の開業を失敗させないためには
それでは最後に、一人整体師の開業を失敗させないための方法について解説していきます。
ブランディングをしっかりする
一人整体師の開業を成功させるためには、まずしっかりと店舗の「ブランディング」を行うことが大切です。
自身のスキルや知識から、どのような年齢層やタイプの顧客を相手にするとより利益を生み出せるか、利益を生み出すために必要なことと不要なことは何か、ということをハッキリとイメージし、自身の整体院を売り込んでいくことがブランディングへと繋がります。
すべての施術を平均的にこなせるのが強みの整体師もいれば、腰や肩の施術に関しては地域で一番評判であるということが強みの整体師も多いでしょう。
ブランディングを確立するためには、開業当初から自分の強みに則した、一押しのメニューを決定し、売り出し続けることが有効となります。このように整体院では自分の施設の特徴をしっかりと確率することで、コアなお客様やリピーターを集客しやすくなります。
継続できる適切な価格設定にする
上記でも述べましたが、サービスの価格設定は最も重要な要素となります。最初に設定した価格を後から変更することは、顧客の信頼を失うことに繋がりやすいでしょう。また地域に見合わない価格設定を行っている施設では、リピーターどころから初回の集客すら難しくなります。
ですので、価格の変更をできるだけ行わないように、長期間継続できるような価格設定を行うようにしましょう。
日々のスキルアップを忘れない
整体院を開業したらゴールというわけではありません。整体師として生き残っていくためには、整体院を開業した後も知識と経験を向上させ、日々スキルアップしていくことが大切です。
一人で整体院を開業した後も、自身の経験値だけではなく、セミナーに参加したり、本を読んだりして技術を向上させて行くようにしましょう。
顧客により上質なサービスを提供することで良い評判に繋がり、新規顧客からリピーターなど幅広い顧客に愛される施設作りが可能になります。
一人整体師の開業に関するまとめ
今回は一人で整体院を開業するために抑えておきたいポイントについてお伝えしました。整体院の開業は何から始めたら良いのか、どのようなことを決めなければいけないのかが理解出来たかと思います。
整体院での施術はすべて自費サービスで経営していかなければいけないため、自身の経営能力が問われることを覚えておきましょう。
<参照元>
https://lian-marketing.com/manipulator-opening-business/
https://seitai-kaigyou.com/money-06.html
https://www.trainer.agency/blog/bodywork-therapist-qualification/