整体院が注意すべき広告表現とは?チラシに「治療」と書いたらダメな理由

整体院が注意すべき広告表現とは?チラシに「治療」と書いたらダメな理由

  • 7月 22, 2020
  • 3月 14, 2024
  • 集客

整体院が広告を使って集客をする場合、景品表示法薬機法医師法などの法律を守る必要があります。過去には法律に違反し、指導を受けたり、処罰されたりした事例も報告されているため注意しましょう。

たとえば、「治療」や「診断」、「診療」などの表現を広告内で用いると、医師法違反として処罰の対象になります。これらの表現を使って広告をすると、整体師の施術が医療行為にあたると誤認される恐れがあるのです。他にもさまざまな法律上のルールがあるため、広告を出稿する場合は表現に気を付ける必要があります。

本記事では、整体院経営で注意すべき広告の規制や表現について解説します。整体の広告運用を成功させるためのポイントも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

整体院の広告規制に関連する法律

整体院の広告規制に関連する主な法律は、次のとおりです。

  • 景品表示法
  • 医薬品医療機器法(旧称薬事法)
  • 医師法

各法律について解説します。

法律違反を表す写真

景品表示法

景品表示法とは、事業者が誤認されるような表現で広告をしたり、過大な景品提供をしたりすることを禁止する法律です。正式名称は、「不当景品類及び不当表示防止法」と呼ばれます。

整体師が施術サービスや販売商品の効果を誇張して広告すると、景品表示法により罰せられることがあります。

医薬品医療機器等法(旧称薬事法)

医薬品医療機器等法は通称「薬機法」と呼ばれ、医薬品や医療機器などの品質や有効性、安全性を確保するための法律で、以前は薬事法と呼ばれていました。

整体院で販売するサプリメントや健康グッズについて、医学的な効果効能を謳って広告すると薬機法に違反する可能性があります。医学的な効果効能を謳う表現とは、病気の改善や身体の変化を述べる表現が該当します。「施術を受けると病気が治る」「ダイエットサプリで脂肪を燃焼できる」などの表現をしないように注意しましょう。

医師法

医師法とは、医師の職務や資格などに関する法律です。医師法では、医療行為ができるのは医師のみであることが定められています。

そのため整体師が診断、治療などの医療行為を行うと医師法違反となり、罰せられる可能性があります。広告文に、「診断します。」や「治療で改善します。」などの文言を入れると医師法違反になるため注意しましょう。

整体院で気をつけるべき広告表現について

整体院は広告をする際に、以下の表現に注意する必要があります。

  • 誇大広告
  • 比較優位広告
  • 施術に関する具体的な内容
  • ビフォーアフター
  • 医療と誤認される表現
  • 施術者に関する記載

それぞれについて解説します。

誇大広告

誇大広告とは、効果などを過剰に打ち出すことで、消費者に誤解させることです。たとえば、以下のような表現が誇大広告に該当します。

  • 「最新の技術」
  • 「施術を受ければ必ず改善する」
  • 「3回施術を受けると痛みが取れる」

以上は施術効果を誇張して表現しているため、誇大広告として処罰の対象になります。

比較優位広告

比較優位広告とは、他院よりも自院が優れていると思わせるような表現を用いて消費者にアピールすることです。たとえば、次の表現が該当します。

  • 「地域一番の〇〇」
  • 「他には真似できない〇〇」
  • 「どこよりもスキルが高い」

以上のように他院と比較するような表現で広告をしないように注意しましょう。

施術に関する具体的な内容

施術に関する具体的な内容を記載すると、規制の対象となることがあります。たとえば、次のような表現で整体院の施術サービスを紹介しないように注意しましょう。

  • 「〇〇式施術法」
  • 「〇〇式テクニック」
  • 「〇〇メソッド」

ビフォーアフター

整体院ではビフォーアフターの掲載は禁止されていませんが、誤った方法で掲載すると景品表示法や医師法、薬機法に抵触する可能性があるため注意が必要です。

具体的には次のようにしてビフォーアフターを掲載すると、法律違反になる可能性があります。

  • 短期間で急激に変化のあるような表現をビフォーアフターと一緒に掲載する
  • 特別な事例をビフォーアフターとして掲載する
  • 「骨の矯正」や「シワがなくなる」などの医療行為と誤認される表現を記載する
  • ビフォーアフター画像を加工する

「即効性と持続性に優れた施術です。」や「小顔矯正は骨に働きかけて、縫合を詰める」と説明しながらビフォーアフターをウェブサイトに掲載して摘発された事例もあります。

医療と誤認される表現

消費者に医療と誤認される恐れがあるため、整体師が「診断」「治療」「診療」などといった表現を使って自身の施術サービスを広告する行為は法律で禁止されています。

整体院名にクリニックや医院などの表現を加えることも適切ではありません。

施術者に関する記載

整体院で広告を作成する際には、施術者に関する記載にも注意が必要です。基準はあいまいではありますが、過去には下記を広告して指導を受けた事例があるため、注意しましょう。

  • 施術者の技能、効果効能など
  • 性別を強調する記載
  • ○○で最先端の技術を習得

基本的には、「施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所」以外の掲載は指導の可能性があるので、控えることが望ましいです。広告規制のポイントをしっかり押さえて、正しく広告を運用しましょう。

整体院と整骨院における広告規制の違い

整体院と整骨院では広告規制に違いがあります。整骨院の場合、柔道整復師法が適用されるため、次の内容以外は広告に掲載することが禁止されています。

1.柔道整復師であることを伝える内容と施術者の氏名および住所

2.施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項

3.施術日または施術時間

4.その他厚生労働大臣が指定する事項

 (1)ほねつぎ(または接骨)

 (2)医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼または骨折の患部の施術に関わる申請については医師の同意が必要なことを明示する必要がある。)

 (3)予約に基づく施術の実施

 (4)休日または夜間における施術の実施

 (5)出張による施術の実施

 (6)駐車設備に関する事項

 

一方で整体院の場合、柔道整復師法のような広告を規制する法律が存在しないのが現状です。そのため整体院よりも、整骨院の方が広告規制が厳しいことになります。

ただし整体院であれば何でも広告してよいわけではなく、これまでに解説した景品表示法や薬機法、医師法を守る必要があります。

整骨院の広告規制については次の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

参考:整骨院・接骨院の広告とは?広告規制や正しい広告内容について解説します

整体院が広告運用を成功させる方法

患者がインターネットで整骨院を探す様子

整体院が広告運用を成功させるためには、主に以下のポイントに注目しましょう。

  1. ターゲットを決める
  2. 広告媒体を決める
  3. 広告を改善する

以上を順に解説します。ここで紹介する内容を広告に取り入れることで、広告規制を守りながらも効果的な広告を作れます。

ターゲットを決める

まず、広告を打ち出すターゲットを決めます。ターゲットを明確にすると、特定の顧客に強く訴求できます。ターゲットを選定する際には、ペルソナを設定するとよいでしょう。

ペルソナとは、職業や年齢、性別、行動パターンなどをもとに想定された仮想の顧客です。たとえば整体院が主婦層の多い地域にある場合、次のようなペルソナを設定するとよいでしょう。

  • 40代主婦、二児の母、結婚して15年、世帯年収は600万の中流階級。
  • 午前中は家事や子どもの送り迎えに追われ忙しい。
  • 1人の時間は午後の14〜17時の間、18時から夕飯の支度をして、23時に就寝。
  • 20時以降に子どもがテレビを見て手が空くと、よくスマホを触る。
  • 家事の負担が大きく夫が手伝ってくれるないため、疲れている

以上のようにペルソナを設定すると、より訴求効果の高い広告を発信できます。

広告媒体を決める

ターゲットを選定した後は、広告を出す媒体を決めましょう。オンラインとオフラインに分けて媒体を紹介するので参考にしてください。

なお広告媒体について詳しく知りたい場合は、次の記事をご覧ください。

参考:整体院で集客できない理由とは?おすすめの集客・広告のやり方13選も紹介!

オンライン広告

オンライン広告として、たとえばSNS広告やWeb広告、ポータルサイトなどが考えられます。そのメリットは、主に下記3つです。

  • 効果測定がしやすい
  • 幅広くアピールできる
  • 地域を絞れる

オンライン広告は問い合わせや予約ボタンのクリック数をカウントして、簡単に効果測定をできる点が魅力です。

またインターネットを介して、さまざまな地域に住む人とつながれるので、商圏を拡大できる効果も期待できます。また地域を絞って広告することも可能で、整体院をはじめとした地域ビジネスでもオンライン広告を有効活用できます。

インターネットの利用者数が多い現代において、オンライン広告は必須と言えるでしょう。とくに若年層および中年層に向けて広告を展開したい場合は、オンライン広告が効果を発揮します。

一方でデメリットを挙げると、次のとおりです。

  • コストがかかる
  • 運用が複雑
  • 高齢者に訴求しづらい

広告運用はある程度のコストをかけないと集客効果を発揮できないケースも多いです。たとえばポータルサイトを利用する場合、課金が多いほど露出度が高くなる仕組みです。そのため競合店が多いと、集客効果を出すために多額のコストを要することがあります。

またWeb広告を運用する場合、まずはリスティング広告やディスプレイ広告などの違いを理解する必要があります。さらに入札単価やキーワード選定、リターゲティング広告、アフィリエイト広告などさまざまな専門的な概念を理解する必要があり、慣れるまでに時間がかかる点もデメリットです。専門スキルも求められるため、Web広告を代行業者に依頼することもあります。

オフライン広告

オフライン広告とはインターネットを利用しない広告のやり方で、チラシや立て看板、紹介カードなどが挙げられます。メリットは次のとおりです。

  • 簡単に運用できる
  • 高齢者にアピールできる
  • コストを抑えやすい

オフライン広告はオンライン広告のように比較的深い専門知識がなくても運用できます。たとえばチラシを作ったら印刷を発注して、配布したり新聞に織り込んだりすると広告できます。チラシを見る高齢者が多いため、高齢者に訴求したい場合はオフライン広告が有効です。

対して、オフライン広告の主なデメリットは以下の3つです。

  • 広告が手に届くまでに時間がかかる
  • コストを抑えるためには労力が必要
  • 費用対効果を把握しにくい

自分でチラシを製作したり、ポスティングしたりするとコストをかなり低く抑えられますが、その分労力と時間がかかります。立て看板や紹介カードなども自分で作ると、コストを抑えられますが、いずれも作成するための手間と時間がかかります。

また費用対効果を把握するためには、顧客の来院動機を尋ねる必要があるため、正確な費用対効果を把握しにくいこともデメリットです。

広告を改善する

広告は打って終わりではなく、改善をすることが大切です。たとえばオンライン広告の場合、ABテストと呼ばれる方法で効果を検証して改善するのが一般的です。

ABテストとは2パターンの広告を準備し、それぞれの効果をテストして、訴求力の高い広告へと改善することです。ABテストを複数回繰り返すことで、訴求力のある効果を練り上げていきます。

またオフライン広告の場合は、配布するチラシにクーポンを添付し、そのクーポンの使用回数によって効果測定を行う方法が考えられます。広告媒体や広告内容、配布時間帯ごとに効果測定を繰り返して改善すると、広告による集客を効率化できます。

整体院の広告で記載すべき内容

整骨院の情報が正確に伝わる様子

整体院で広告を作成する場合は、以下の内容を記載しましょう。

  • 院長の写真やメッセージ
  • お客様を惹きつけるキャッチコピー
  • 院に関連する情報

院長の写真やメッセージ

整体院の広告では院長の写真やメッセージを載せるようにしましょう。これらを広告に掲載すると、顧客に安心感を与えるため来院してもらいやすくなります。

整体師は健康を扱う仕事であるため、「どんな人が施術してくれるのかな?」と顧客が不安を抱えているかもしれません。顧客に安心感を与えるためにも、明るい表情で優しく語りかけるようにメッセージを記載しましょう。

顧客を惹きつけるキャッチコピー

キャッチコピーとは顧客の注意をひく宣伝文句です。顧客が注目するキャッチコピーにするためには、ターゲットを絞って特定の人物に訴えかけるような文章を考えることが大切です。たとえば、次のような万人に向けられたキャッチコピーでは、うまく集客できません。

「慢性腰痛にお困りの方はご相談ください。」

一方で次のようにターゲットを絞ると、特定の顧客の注意をひくキャッチコピーを作れます。

「デスクワークで腰やお尻がつらいあなたへ。座りっぱなしで腰が痛い場合は、ご相談ください。」

ターゲットを絞ると、特定の人がキャッチコピーの内容を自分事としてとらえてくれるため、チラシの内容をしっかり読んでくれるのです。

整体院に関連する情報

次のような整体院に関する情報は忘れずに広告に入れておきましょう。

  • 住所
  • 電話番号
  • アクセス
  • URL
  • 料金 など

以上の他にもLINE登録インターネット予約のQRコードを入れておくと、そこから予約を入れてもらえるかもしれません。昨今は電話以外の手段で予約を入れる方も多いので、予約の導線を複数準備しておくと集客力アップが期待できます。

法律を守って整体院を広告でアピールしよう

広告に関する方法や種類、運営方法をお伝えしました。あなたの院のターゲットに合わせた適切な打ち出しをすることで、広告を使った集客を効率化できます。

広告は改善を加えながら、継続することが大切です。工夫次第ではコストをあまりかけずに広告をすることも可能なので、費用対効果を見極めて適切な方法で広告しましょう。

<参照元>

厚生労働省 | あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等
消費者庁 | 景品表示法における違反事例集


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