整体院が注意すべき広告表現とは?チラシに「治療」と書いたらダメな理由

整体院の広告規制とNG表現|チラシ・Webで避けたい「治療」「診断」などの言葉

  • 7月 22, 2020
  • 7月 2, 2026
  • 集客

整体院のチラシやWebサイト、SNS広告を作るときに、「治療」「診断」「根本改善」などの言葉を使ってよいのか迷う方は多いのではないでしょうか。整体院の広告は、院の特徴や来院メリットを伝える大切な集客手段です。一方で、医療と誤認される表現、効果を断定する表現、根拠のない比較表現を使うと、法令や各種ガイドラインに抵触するおそれがあります。

この記事では、整体院の広告表現で注意したいNG例、チラシ・看板・Webサイト・SNSごとの確認ポイント、整骨院・接骨院との広告規制の違いを整理します。広告を作成中の方や、すでに公開しているチラシ・LP・SNS投稿を見直したい方が、自院の表現を確認するための判断材料としてご活用ください。

この記事で分かることは次の3点です。

  • 整体院の広告で避けたい表現と、言い換えの考え方
  • 景品表示法・薬機法・医師法など、広告表現に関わる主な法律の注意点
  • チラシ・Webサイト・SNSを公開する前に確認したいチェックポイント

整体院の広告表現でまず確認したい結論

整体院の広告では、医療行為を行う施設のように見える表現、施術効果を保証する表現、他院より優れていると強く印象づける表現を避けることが重要です。
とくに「治療」「診断」「診療」などの言葉は、広告全体の文脈によって医療と誤認されるおそれがあります。

単語だけで一律に判断するのではなく、業態、施術内容、掲載媒体、前後のコピー、写真や体験談との組み合わせまで含めて確認しましょう。
整体院であっても、広告表現に関係する法律がまったくないわけではありません。

施術サービスの表示は景品表示法、サプリメントや健康グッズを扱う場合は薬機法、医療行為を想起させる表現は医師法との関係で確認が必要です。
また、整骨院・接骨院、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうなどの業態では、個別の広告規制やガイドラインも確認する必要があります。

法律違反を表す写真

注意したい表現の早見表

次の表は、整体院のチラシ・Webサイト・LP・SNS投稿で注意したい表現例を、広告作成時に見直しやすいよう整理したものです。実際の適否は文脈により変わるため、公開前には法務担当者、専門家、行政窓口などに確認してください。

表現例 注意点 言い換え方針
治療、診断、診療 医療行為を行う施設・医師の行為と誤認されるおそれがある 「身体の状態を確認します」「お悩みを伺います」など、施術範囲を事実ベースで伝える
根本治療、病気が治る 疾病の治療効果を示すように見えるおそれがある 「不調の背景を確認し、施術方針を提案します」など、断定を避ける
必ず改善、すぐ楽になる 効果を保証する表現として受け取られやすい 「変化には個人差があります」「状態に合わせて施術します」と補足する
3回で痛みが取れる 回数や期間で効果を断定しているように見える 「継続的なケアを提案します」など、保証ではなく方針として伝える
地域No.1、唯一、最高 根拠のない比較優位表現に見えるおそれがある 客観的な根拠がない場合は避け、営業時間・アクセス・対応範囲など事実を示す
最新技術、高い技術、〇〇式で改善 技能や施術方法を過度に強調していると見られる場合がある 施術の流れや対応方針を分かりやすく説明する
ビフォーアフター+効果断定 写真と断定表現の組み合わせで誤認を招くおそれがある 加工・誇張を避け、個人差や撮影条件を確認したうえで慎重に扱う

厚生労働省のあはき・柔整広告ガイドライン概要では、虚偽広告、誇大広告、比較優良広告などは広告すべきでないものとして整理され、技能・施術方法・経歴に関する広告にも注意が示されています。整体院の広告でも、同様の観点を参考に「利用者が誤認しないか」を確認することが大切です。

【CTA挿入案】
自院のチラシ・Webサイト・SNS投稿に気になる表現がある方は、「広告表現セルフチェックシート」をダウンロードして、公開前の確認にお役立てください。
※要確認:資料名、CTAリンク先URL、フォーム設定

チラシ・Web・SNSで共通して確認すべきこと

広告に該当するかどうかは、「広告費を払ったか」だけで決まるものではありません。あはき・柔整広告ガイドライン概要では、あはき・柔整に関する広告該当性について、利用者を施術所等に誘引する意図があること、施術者名または施術所名が特定できること、一般人が認知できる状態にあることの3要件が示されています。

整体院の広告を考える場合も、この考え方は実務上の参考になります。たとえば、院名が入ったチラシ、予約ボタンのあるLP、キャンペーン告知のSNS投稿、ポータルサイト上の有料掲載ページなどは、利用者を来院へ誘導する目的があるため、広告表現として慎重に確認した方がよいでしょう。

なお、同ガイドライン概要では、原則としてインターネット上のWebサイト等はあはき師法・柔整師法の広告規制の対象とはならないものの、Webサイト等の内容の適切な在り方も指針に定め、自主的な取組を促す考え方が示されています。 WebサイトやSNSは自由に書ける媒体に見えますが、検索広告、LP、予約ページ、口コミページなどとつながるほど、利用者の判断に影響しやすくなります。媒体ごとのルールに加え、広告全体として誤認を招かないかを確認することが重要です。

整体院の広告規制に関連する主な法律

整体院の広告表現を確認するときは、ひとつの法律だけを見ればよいわけではありません。施術サービスの効果表示、健康グッズの販売、医療と誤認される言葉、整骨院・接骨院との併設など、広告の内容によって確認すべき法令が変わります。ここでは、整体院広告で特に関係しやすい法律とガイドラインを整理します。

景品表示法で注意すべき表示

景品表示法では、商品・サービスの品質や内容について、実際より著しく優れていると示す表示や、競合より著しく優れていると事実に反して示す表示が、優良誤認表示として禁止されています。消費者庁は、故意ではなく誤って表示してしまった場合でも、優良誤認表示に該当する場合は規制対象になり得ると説明しています。(内閣官房_優良誤認とは)

整体院の広告でいえば、「必ず改善します」「1回で痛みがなくなります」「地域で一番効果があります」といった表現は注意が必要です。施術効果の感じ方には個人差があり、利用者の身体の状態、生活習慣、通院頻度などによって結果は変わります。広告では、結果を保証するのではなく、施術の方針、対応できる相談内容、予約しやすさ、通いやすさなど、確認できる事実を中心に伝えることが望ましいです。

薬機法で注意すべき表現

整体院でサプリメント、健康食品、健康グッズ、美容関連商品などを扱っている場合は、薬機法との関係も確認が必要です。厚生労働省は、医薬品等の名称、製造方法、効能、効果、性能に関して、明示的であるか暗示的であるかを問わず、虚偽または誇大な記事を広告・記述・流布してはならないと説明しています。(厚生労働省_医薬品等の広告規制について)

たとえば、健康食品について「腰痛が治る」「関節痛を改善する」「病気を予防する」といった医薬品的な効能効果を示す表現は、広告内容によって確認が必要です。施術サービスの説明と商品販売の説明を同じページに掲載する場合も、利用者が「この商品で症状が治る」と受け取らないよう注意しましょう。商品を紹介する場合は、成分、使用方法、販売条件など確認できる情報を中心にし、効能効果を断定しない表現に整えることが大切です。

医師法で注意すべき表現

医師法では、医師でなければ医業をしてはならないとされています。厚生労働省は、医師法第17条に規定する「医業」について、医師の医学的判断や技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼす、またはそのおそれがある行為を、反復継続する意思をもって行うことと解しています。

整体院の広告で「診断します」「治療します」「診療しています」といった表現を使うと、利用者が医療機関や医師による行為と誤認するおそれがあります。表現だけで直ちに一律判断できるものではありませんが、整体院の広告では使用を避けるのが実務上安全です。身体の状態を確認する場面では、「カウンセリング」「ヒアリング」「姿勢や動きの確認」など、実際に行う範囲に沿った言葉を選びましょう。

あはき・柔整広告ガイドラインとの関係

厚生労働省は、令和7年2月18日付で、あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業、柔道整復業またはこれらの施術所に関する広告適正化のための指針を策定しています。通知では、利用者が適切な施術所等を選択するために必要な情報が正確に提供されること、利用者の安全向上を図ることなどが目的として示されています。

このガイドラインは、主にあはき・柔整に関する広告を対象としたものです。ただし、整体院が整骨院・接骨院、鍼灸、あん摩マッサージ指圧などと併設されている場合や、国家資格者による施術と民間整体サービスが同じ広告内で紹介されている場合は、利用者が業態を混同しないよう特に注意が必要です。院名、メニュー名、資格表記、保険適用の説明、施術内容の表現は、業態ごとに切り分けて確認しましょう。

迷ったときの確認先

広告表現の適否は、表現単体ではなく、掲載媒体、写真、料金表示、導線、施術内容、事業者の業態によって変わります。厚生労働省のページでは、あはき・柔整の広告に関する相談は、施術所等の所在地を管轄する自治体の窓口へ連絡するよう案内されています。(厚生労働省_あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師について)

整体院の場合も、法令判断を自院だけで完結させるのではなく、必要に応じて行政窓口、法務担当者、専門家に確認する姿勢が重要です。とくに「治療」「診断」「保険」「医学的効果」「No.1」「唯一」などの表現を使いたい場合は、公開前に確認することをおすすめします。

整体院と整骨院・接骨院の広告規制の違い

患者がインターネットで整骨院を探す様子

整体院と整骨院・接骨院は、利用者から見ると似た業態に見えることがあります。しかし、関係する資格や法律、広告で確認すべき点は異なります。広告表現を作る際は、自院がどの業態として何を提供しているのかを明確にし、利用者が誤解しない表現にする必要があります。

業態 主な前提 広告上の注意点 確認先の例
整体院 一般的には民間施術サービスとして運営されることが多い 医療と誤認される表現、効果断定、根拠のない比較、健康商品の効能効果表現に注意 消費者庁、厚生労働省、法務・専門家、自治体窓口
整骨院・接骨院 柔道整復師による施術所として柔道整復師法等を確認する必要がある 広告可能事項が限定され、技能・施術方法・経歴などの表現にも注意が必要 所在地を管轄する自治体、厚生労働省資料
鍼灸・あん摩マッサージ指圧 あはき師法や関連告示、ガイドラインを確認する必要がある 広告可能事項、名称、施術方法、医療と紛らわしい表記に注意 所在地を管轄する自治体、厚生労働省資料

柔道整復師法では、柔道整復の業務または施術所に関して、柔道整復師である旨や氏名・住所、施術所の名称・電話番号・所在地、施術日または施術時間、厚生労働大臣が指定する事項などを除き、広告してはならない旨が示されています。 また、あはき・柔整広告ガイドライン概要では、医療と紛らわしい表記が認められないことも重要な点として整理されています。

整体院で特に注意したいこと

整体院では、整骨院・接骨院のように柔道整復師法の広告可能事項がそのまま適用されるとは限りません。しかし、だからといって自由に効果や医療的な表現を使えるわけではありません。広告表現が利用者の合理的な判断を妨げないか、医療機関と誤認されないか、販売商品に医薬品的な効果をうたっていないかを確認する必要があります。

とくに注意したいのは、院名やメニュー名です。「〇〇治療院」「〇〇クリニック」「腰痛治療コース」などは、利用者が医療機関や治療行為と受け取る可能性があります。すでに使用している名称やメニューがある場合は、予約ページ、看板、チラシ、SNSプロフィール、Googleビジネスプロフィールなど、すべての媒体で表記が揃っているかも確認しましょう。

整骨院・接骨院で広告可能な主な事項

整骨院・接骨院の場合は、柔道整復師法や関連告示により広告可能な事項が限定されています。施術所名、電話番号、所在地、施術日・施術時間のほか、ほねつぎ・接骨、予約に基づく施術、休日または夜間における施術、出張による施術、駐車設備などが広告可能事項として整理されています。

整体院と整骨院・接骨院を併設している場合、同じチラシやWebサイトで両方のメニューを紹介すると、どの施術がどの業態に基づくものなのか分かりにくくなることがあります。保険適用、施術者の資格、対象となる症状、料金、予約導線は、利用者が混同しないように分けて記載しましょう。

整骨院の広告規制については次の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

参考:整骨院・接骨院の広告とは?広告規制や正しい広告内容について解説します

整体院の広告で避けたい表現例

整骨院の情報が正確に伝わる様子

整体院の広告では、言葉そのものだけでなく、写真、体験談、料金表示、予約導線との組み合わせでリスクが高まる場合があります。ここでは、チラシ・LP・Webサイト・SNSで特に確認したい表現を整理します。

医療と誤認される表現

「治療」「診断」「診療」「処方」「クリニック」「医院」などは、医療機関や医師による行為を連想させやすい言葉です。整体院の施術内容を説明する場合は、医療行為と誤認されないよう、「施術」「ケア」「身体の状態を確認」「お悩みに合わせた提案」など、実際に提供する範囲に沿った表現へ置き換えましょう。

腰痛や肩こりなど利用者が抱える悩みに触れること自体を避ける必要はありません。ただし、「腰痛を治療します」「原因を診断します」「病気が治ります」のように、医学的な判断や治療効果を示す表現に見えないよう注意が必要です。広告全体を見たときに、医療機関と誤認される可能性がないかを確認してください。

効果を断定する表現

「必ず改善」「すぐ治る」「1回で変わる」「3回で痛みが取れる」などの表現は、施術効果を保証しているように受け取られるおそれがあります。景品表示法では、商品・サービスの内容を実際より著しく優良に見せる表示や、競合より著しく優良であるかのように見せる表示が問題となります。(内閣官房)

広告では、結果の断定ではなく、施術の考え方や利用者が予約前に確認できる情報を伝えることが大切です。たとえば「つらさの原因を診断します」ではなく、「生活習慣や姿勢の傾向を伺い、施術方針を提案します」と表現すると、医療的判断や効果保証に見えにくくなります。

他院と比較する表現

「地域No.1」「唯一の技術」「どこよりも効果が高い」「最高レベルの整体」などは、客観的な根拠がない場合、比較優位表現として注意が必要です。仮にアンケートや調査結果がある場合でも、調査主体、調査期間、対象者数、比較対象、調査方法などを明示できなければ、利用者に誤解を与える可能性があります。

競合と比較して強く見せるよりも、自院の事実を分かりやすく伝える方が安全です。営業時間、アクセス、予約方法、対応できる相談内容、施術前の説明方針、通いやすい環境など、利用者が判断しやすい情報を具体的に示しましょう。

施術内容・資格・経歴の表現

「〇〇式メソッド」「最先端技術」「有名人も通う」「高い技術を習得」など、施術方法や技能、経歴を強く打ち出す表現は注意が必要です。とくに整骨院・接骨院、あはきの業態では、技能・施術方法・経歴に関する広告が制限される場合があります。厚生労働省のガイドライン概要でも、技能・施術方法・経歴に関する表現例が禁止事項として整理されています。

整体院の場合も、過度な技能訴求は利用者に「特別な効果が保証される」と受け取られるおそれがあります。施術内容を説明する際は、独自性を強調しすぎるのではなく、初回の流れ、説明方法、施術前後の注意、予約から来院までの手順など、利用者が安心して判断できる情報を中心にしましょう。

ビフォーアフター・お客様の声の注意点

ビフォーアフター写真やお客様の声は、利用者に施術のイメージを伝えやすい一方で、効果を保証しているように見えやすい要素です。写真の加工、特殊な事例の強調、撮影条件の違い、体験談と「必ず改善」などの断定表現の組み合わせには注意しましょう。

お客様の声を掲載する場合も、「個人の感想であり効果を保証するものではありません」といった注記を入れれば必ず安全というわけではありません。体験談の内容、掲載方法、見出し、写真、予約ボタンまで含めて、利用者が「自分にも同じ結果が出る」と誤認しないかを確認する必要があります。施術の結果ではなく、説明の分かりやすさ、院内の雰囲気、予約のしやすさなど、事実に近い体験を中心に扱うとリスクを下げやすくなります。

媒体別:チラシ・看板・Webサイト・SNSでの注意点

広告表現は、掲載する媒体によって見え方が変わります。同じ文言でも、チラシでは紙面全体の印象、Webサイトでは予約導線との組み合わせ、SNSでは投稿の拡散性やハッシュタグの文脈が影響します。媒体ごとの特徴を踏まえて確認しましょう。

注意

チラシ・ポスティング

チラシは、限られた紙面で強い訴求をしようとするため、効果断定やキャンペーン訴求が強くなりがちです。「今だけ」「すぐ改善」「初回で変化」などの表現を使う場合は、利用者に過度な期待を与えないか確認してください。

また、チラシは一度配布すると回収が難しい媒体です。印刷前に、院名、メニュー名、料金、所在地、予約方法、施術内容、注記の整合性を確認しましょう。クーポンを付ける場合も、対象メニュー、利用条件、有効期限、追加費用の有無などを明確にすることが大切です。

看板・院外掲示

看板や院外掲示は、通行人が短時間で見る媒体です。そのため、院名やキャッチコピーの印象が強く残ります。「治療院」「クリニック」「診療」など医療機関を連想させる表現が入っていないかを確認しましょう。

看板では、施術効果よりも、院名、所在地、営業時間、予約方法、入口案内などの基本情報を分かりやすく示す方が適しています。整骨院・接骨院や鍼灸などの業態を併設している場合は、どの業態の看板なのか、利用者が正しく認知できる表記にすることが重要です。

Webサイト・LP

WebサイトやLPでは、見出し、本文、画像、口コミ、料金表、予約ボタンが連続して表示されます。単独では問題が小さい表現でも、ページ全体で見ると「効果が保証される」「医療的な診断をしてもらえる」と受け取られることがあります。

ファーストビューに「根本治療」「改善率〇%」「地域No.1」などを大きく出す場合は、特に注意が必要です。予約導線を設置する際は、利用者が施術内容や料金を誤解しないよう、初回の流れ、施術時間、料金、キャンセルポリシーなどを確認しやすい位置に配置しましょう。

SNS・口コミ・ポータルサイト

SNSは気軽に投稿できる一方で、表現が拡散されやすく、過去投稿も検索される可能性があります。ハッシュタグに「#腰痛治療」「#診断」「#必ず改善」などを使っていないか、プロフィール文や固定投稿に医療と誤認される表現がないか確認しましょう。

口コミやポータルサイトも注意が必要です。利用者が自主的に投稿した口コミと、院が広告として引用・編集・強調する投稿では、見え方が変わります。口コミを広告に二次利用する場合は、本人同意だけでなく、効果保証や誇大表示に見えないかを確認してください。ポータルサイトに有料掲載している場合は、掲載文、ランキング表示、写真、クーポン文言が自院の広告として適切かも見直しましょう。

規制に配慮しながら集客につなげる広告作成の手順

広告規制に配慮することは、集客を弱めることではありません。むしろ、利用者が誤解なく判断できる情報を整理することで、問い合わせや予約後のミスマッチを減らしやすくなります。ここでは、広告表現を安全寄りに整えながら、整体院の魅力を伝える手順を紹介します。

ステップ

ターゲットを決める

まずは、誰に向けた広告なのかを明確にします。デスクワークで肩や腰に負担を感じている方、産後の身体の不調に悩む方、立ち仕事で疲れやすい方など、来院してほしい利用者像を整理すると、広告の内容が具体的になります。

ただし、ターゲットを絞ることと、効果を断定することは別です。「デスクワークの腰痛を治します」ではなく、「長時間座ることが多く、腰まわりのつらさを感じる方へ」といったように、悩みへの共感と相談導線を中心に表現しましょう。

媒体を選ぶ

広告媒体は、商圏、利用者層、予算、運用体制に合わせて選びます。チラシは地域内で認知を広げやすく、WebサイトやLPは検索から予約につなげやすい媒体です。SNSは継続的な情報発信に向いていますが、投稿頻度や表現管理が必要です。

オンライン広告は有効な選択肢の一つですが、すべての整体院に必須とは限りません。高齢者が多い地域ではチラシや紹介カードが機能する場合もあります。媒体選びでは、集客効果だけでなく、広告表現を継続的に管理できるかも確認しましょう。

表現を事実ベースに整える

広告コピーを作るときは、まず言いたいことを書き出し、その後に法令やガイドライン上のリスクがないか確認します。効果や優位性を強く打ち出す前に、営業時間、アクセス、予約方法、施術前の説明、料金、対応できる相談内容など、利用者が判断しやすい事実情報を優先しましょう。

キャッチコピーも、過度に刺激的な表現より、利用者の状況に寄り添う表現が向いています。「もう痛みに悩まない」ではなく、「つらさを我慢せず、まずは身体の状態を相談しませんか」といった表現にすると、断定を避けながら来院のきっかけを作れます。

効果測定して改善する

広告は公開して終わりではありません。チラシであれば配布エリアごとの反応、Webサイトであれば閲覧数や予約ボタンのクリック数、SNSであればプロフィール遷移や問い合わせ数を確認し、表現を改善していきます。

改善時にも、成果が出たコピーをそのまま強めるのではなく、誤認を招く表現になっていないかを確認してください。反応率を上げるために「即効」「必ず」「No.1」などを追加すると、短期的なクリックは増えても、長期的には信頼を損なう可能性があります。利用者が安心して判断できる情報設計を続けることが重要です。

広告を出す前のチェックリスト

広告を公開する前に、まずは自院で確認できる項目を整理しましょう。次のチェックにひとつでも不安がある場合は、公開前に専門家や行政窓口へ確認することをおすすめします。

  • 「治療」「診断」「診療」「クリニック」など、医療と誤認されるおそれのある言葉を使っていないか
  • 「必ず改善」「すぐ治る」「〇回で効果」など、効果を保証する表現になっていないか
  • 「地域No.1」「唯一」「最高」など、根拠のない比較表現を使っていないか
  • 施術方法、資格、経歴、実績を過度に強調し、利用者に誤認を与えていないか
  • ビフォーアフター、口コミ、体験談、写真が効果保証に見える形で掲載されていないか

セルフチェックで確認しやすいのは、誤字脱字、料金、予約方法、営業時間、表現の強さ、写真や注記の整合性です。一方で、法令に抵触するか、医療と誤認されるか、整骨院・接骨院や鍼灸との併設表示として適切かといった判断は、専門的な確認が必要になる場合があります。

よくある質問

よくある質問

整体院のチラシに「治療」と書いてもよいですか?

整体院の広告では、「治療」という言葉は避けるのが実務上安全です。広告全体の文脈によっては、医療行為や医療機関と誤認されるおそれがあります。医師法では、医師でなければ医業をしてはならないとされており、医業の解釈についても厚生労働省が示しています。(厚生労働省) 「施術」「ケア」「身体の状態を確認」など、実際に提供する内容に沿った表現へ置き換えましょう。

「腰痛改善」「肩こり改善」は使えますか?

使い方には注意が必要です。「必ず改善する」「〇回で治る」のように効果を保証する表現は避けましょう。「腰まわりのつらさでお悩みの方へ」「肩や首の重さが気になる方はご相談ください」など、相談対象を示す表現にすると、断定的な印象を抑えやすくなります。症状名を使う場合も、医療的な診断や治療を行うように見えないか確認してください。

ビフォーアフター写真は掲載できますか?

一律に掲載できる、またはできないと判断するのではなく、掲載方法の確認が必要です。写真の加工、撮影条件の違い、特殊な事例の強調、効果を断定する見出しとの組み合わせは、利用者に誤認を与えるおそれがあります。掲載する場合は、写真だけで施術効果を保証しているように見えないか、注記や文脈を含めて確認しましょう。

お客様の声は広告に掲載してもよいですか?

お客様の声は、内容と掲載方法によって注意が必要です。利用者の感想であっても、院が見出しを付けたり、写真や予約ボタンと組み合わせたりすると、広告として強い訴求になります。「痛みが完全になくなった」「必ず良くなる」などの表現をそのまま掲載すると、効果保証に見える可能性があります。掲載前に、本人同意、表現内容、注記、ページ全体の見え方を確認しましょう。

SNS投稿も広告表現として確認すべきですか?

確認すべきです。とくに院名、予約導線、メニュー名、キャンペーン情報が入る投稿は、利用者を来院へ誘導する性質を持ちます。あはき・柔整広告ガイドライン概要では、広告該当性について誘引性、特定性、認知性の要件が示されています。 整体院でも、SNS投稿やプロフィール文、ハッシュタグが医療誤認や効果断定になっていないか確認しましょう。

整体院と整骨院を併設している場合、同じ広告で紹介できますか?

紹介自体を一律に避ける必要はありませんが、業態ごとの区分を明確にする必要があります。整体メニュー、柔道整復の施術、保険適用の有無、施術者の資格、料金、予約方法が混在すると、利用者が誤解する可能性があります。整骨院・接骨院では広告可能事項が限定されるため、同じチラシやWebサイトで紹介する場合は、自治体窓口や専門家に確認しましょう。

法律を確認しながら整体院の魅力を正しく伝えよう

女性施術者が、患者様に話しかけている様子

整体院の広告は、集客のために欠かせない手段です。しかし、「治療」「診断」「必ず改善」「地域No.1」などの表現は、医療と誤認されたり、効果を保証しているように見えたりするおそれがあります。チラシ、看板、Webサイト、SNS、ポータルサイトでは見え方が異なるため、媒体ごとに表現を確認することが大切です。

広告で伝えるべきなのは、過度な効果訴求ではなく、利用者が安心して判断できる情報です。施術の流れ、相談できる内容、料金、アクセス、予約方法、説明方針などを事実ベースで整理すれば、法令に配慮しながら自院の魅力を伝えやすくなります。

自院の広告表現に不安がある場合は、まずセルフチェックで確認できる項目を整理し、法令判断が必要な箇所は専門家や行政窓口に確認しましょう。

<参照元>

厚生労働省 | あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等
消費者庁 | 景品表示法における違反事例集

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