揉み返しとはどんな痛み?原因と対処法・好転反応との違いまで詳しく解説

通常なら、整骨院やマッサージ店で施術を受けた翌日は身体がスッキリしているものです。

しかし施術を受けた翌日以降、身体中が痛む場合があります。そのような症状はもしかしたら「揉み返し」かもしれません。

揉み返しは、整骨院やマッサージ店に通われる多くの方が遭遇しうる痛みです。だからこそ、揉み返しに対する正しい知識が必要だといえます。

そこで当記事では、揉み返しの特徴、揉み返しになった場合の対処法や予防法を解説します。

最後まで読み進めることで、揉み返しに対する理解が深まり、より安心して整骨院やマッサージ店を利用できるでしょう。

揉み返しとは筋肉繊維の損傷が原因で起こる痛み

揉み返しに悩む女性

揉み返しとは皮膚の外から圧がかかり、筋繊維が損傷したことによって起こる痛みです。主に整骨院(接骨院)や整体院、マッサージ院での施術において起こり、筋肉痛に似たピンポイントでの痛み方が特徴です。

また内出血(アザ)を起こしたり、頭痛や吐き気を催したりするケースも少なくありません。

参考記事:内出血(あざ)を早く治す方法とは?内出血する原因や皮膚色の変化・要注意な病気も解説
参考記事:頭痛を早く治す方法とは?即効性が高いツボや対処法・おすすめの食べ物を紹介

【ピークは翌日】揉み返しは何日で治るの?

揉み返しになっても、通常は翌日をピークにして4日ほどで収まる場合が多いです。ただし人によっては1週間近く続く場合もあり、一概には言えません。

とはいえ、長期間痛み続けることは少ないので安心してください。

揉み返しの「慣れ」には要注意

よく「揉み返しは慣れる」と言われることがありますが、慣れには十分注意してください。

というのも、揉み返しを繰り返すことで筋繊維が太くなり、筋肉が固くなってしまう可能性があるからです。

すると筋肉をほぐすためにより強い刺激が必要になったり、「強揉み」でしか満足できなくなったり、身体にとってマイナスな影響が出てしまいます。

したがって揉み返しに慣れるべきではありませんし、できるだけ避けたいものです。

なぜ揉み返しになる?考えられる3つのケース

そもそも、どういった要因で揉み返しになるのでしょうか?考えられるケースについて解説します。

マッサージ・ほぐしの刺激が強すぎる

強めの揉みほぐしを受けている様子

揉み返しになった場合、まずは「施術者の押圧や揉みほぐしに筋肉が耐えられずに損傷した」可能性が考えられます。

施術者の緊張や経験不足から起こる場合が多いものの、患者さん側が強い刺激をリクエストしているというケースも存在します。したがって、一概に「施術者が下手だから揉み返しになった」とは言い切れません。

また筋肉の押し方によっては、意外と簡単に筋繊維が切れてしまうのも事実です。

患者さん自身も「筋繊維が切れることはある」と認識しつつ、刺激量には十分注意しましょう。

初めてマッサージやほぐしを受けた

初めてマッサージやほぐしを受けた際に、身体が過度に反応して揉みほぐしになるケースも存在します。

もし生まれて初めて整骨院やマッサージ店で施術を受けるとなると、緊張するのも無理はありません。また初めて利用する店舗や、初めて施術を受ける先生だった場合も同様に緊張するものです。

自身で意識していなくても、筋肉が緊張して揉み返しにつながる場合もあるので、把握しておきましょう。

参考記事:整骨院(接骨院)とマッサージ店は何が違う?施術目的や保険適用の違いを詳しく比較

個人の体質や生活習慣の違い

言うまでもなく、筋繊維の強さには個人差があります。

また運動不足だったり普段から立ち仕事が多かったりで、筋肉が凝り固まっている場合もあり得ます。

個人の体質や生活習慣の違いも、揉み返しの発生に関係するので認識しましょう。

揉み返しは整骨院・マッサージ・整体のみで起こるわけではない

先ほどお話ししたように、揉み返しが起こるのは整骨院や整体院、マッサージ店が多いです。

ただし、マッサージマシンやフォームローラー(筋膜を伸ばす道具)使用時に揉み返しが起こる場合もあります。刺激量が強ければ、やはり筋繊維を損傷して翌日以降に痛みが残ります。

マッサージマシンやフォームローラーを使用する際は、刺激量に十分注意しましょう。

揉み返しと「好転反応」の違いは?

揉み返しと混同されやすいのが「好転反応」です。好転反応は、施術によって身体が良い状態に変化する過程で起こり、筋繊維の損傷とは直接関係ありません。

したがって弱い刺激量であっても、好転反応は出現します。

揉み返しがピンポイントの痛みや不快感だったのに対し、好転反応の出方には下記のような特徴があります。

  • だるさ
  • かゆみ
  • 倦怠感
  • 軽い発熱

また好転反応は、1日休めば回復する場合が多いです。

もし好転反応が出た場合は、水分を十分補給した上でゆっくり休んでみてください。翌日には身体がスッキリして良い状態に仕上がっているでしょう。

参考記事:鍼治療後の好転反応を解説!いつまで続くか・適切な対処法や過ごし方・危険なケースまで

揉み返しになってしまったら?行うべき対処法

ここからは、揉み返しになってしまった場合の対処法をご紹介します。

対処法を実践することで、揉み返しの早期回復が期待できますので、ぜひ参考にしてください。

①痛む部位を湿布や氷などで冷やす

痛む部位を氷で冷やしている様子

揉み返しになってしまったら、まずは痛む部位を湿布や氷でよく冷やしてください。痛む部位を冷やすことで、筋繊維の修復が早まります。

「5分から10分冷やし、一旦止める」を入念に繰り返しましょう。

また揉み返しが起こった当日と翌日は、できる限り入浴を控えることがオススメです。

②過度な運動を控える

揉み返しが起こったら、過度な運動は控えましょう。もし過度な運動を続けてしまうと、筋繊維の修復が進まず痛みが長引いてしまいます。

揉み返しが消えるまでは睡眠を十分に取りながら安静にして、身体を休ませることに努めてください。

③痛みが強い場合はロキソニンを飲む

「痛みが激しく引かない」「頭痛や吐き気が強い」といった場合は、ロキソニンなどの飲み薬を服用しましょう。ロキソニンは多岐にわたる痛みに効果があるので、揉み返しからの回復にも役立つでしょう。

ただし副作用が出る場合もあるので、服用前に必ず確認してください。

また鎮痛剤を頻繁に服用することで、身体が薬に慣れて効かなくなる恐れもあります。したがって揉み返しになったからといって、すぐ鎮痛剤に頼ることは望ましくありません。

まずは「冷やす」「休む」ことに努め、それでも改善しなければロキソニンの服用をオススメします。

揉み返し予防に効果的な方法

数日間で消えるとはいえ、できれば揉み返しにはなりたくないはず。そこで以下で説明の通り揉み返し予防に効果的な方法があるので、ぜひ参考にしてください。

まず1つ目に、施術の前後に水分補給をしっかり行いましょう。

水分を十分摂取することで筋肉に潤いが生まれ、痛みを生む物質が溜まりにくくなるので、揉み返しの予防が可能になります。

2つ目に、「施術者に揉み返しについて質問する」「刺激量を調節するようにリクエストする」ことも効果的です。

もし施術中に刺激が強過ぎると感じたら、「もう少し刺激を弱めて欲しい」と伝えてください。患者想いの腕の良い先生なら、施術の途中でも刺激量を調節してくれるでしょう。

揉み返しを予防するために「水分補給」と「コミュニケーション」を心がけてみてください。

参考記事:【初心者必見】良い整骨院と悪い整骨院の見分け方!施術が上手な先生の特徴を徹底解説

まとめ

当記事では、揉み返しについて解説しました。

初めて揉み返しを経験すれば驚くのも無理はありません。また「せっかく楽になったのに」と残念な気持ちになることもあるでしょう。

実際のところ、揉み返しになる理由はさまざまで施術当日の体調なども影響してきます。そのため、揉み返しを完璧に予防するのは難しいのが実情です。

とはいえ、揉み返しになっても適切に対処すれば数日で改善することが多いため、必要以上に恐れる必要はありません。

それでは当記事を参考にして、安心して整骨院やマッサージ院に通いましょう。

【参考文献】
1)古田 高征:押圧刺激が筋活動におよぼす影響
2)菅谷 愛:成人女性における腹部指圧の生理的・心理的効果